英雄が人間なんて嘘だ!   作:AZAZERU

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詠唱はヴァルゼライドに決定しました。
ルートは死亡ルートです。
あっ、そうだ。
クレーリアさん、死想恋歌(エウリュディケ)になるってよ。


13話

 それはとある世界で悪の敵(ヴァルゼライド)であった英雄(バケモノ)詠唱(ランゲージ)

 

 

「巨神が担う覇者の王冠。太古の秩序が暴虐ならば、その圧制を我らは認めず是正しよう

勝利の光で天地を照らせ。清浄たる王位と共に、新たな希望が訪れる」

 

 

 彼は悪の敵(ヴァルゼライド)ではなく、英雄(バケモノ)でもない。

 しかし今の彼には覚悟があり、守るべき(恋人)がおり、自身の全てを投げ打つ精神がある。

 

 

「百の腕持つ番人よ、汝の鎖を解き放とう。鍛冶司る独眼ひとつめよ、我が手に炎を宿すがいい

大地を、宇宙を、混沌を────偉大な雷火で焼き尽くさん」

 

 

 故にこそ彼は英雄(バケモノ)の力を借りることが出来るのだ。

 

 

「聖戦は此処に在り。さあ人々よ、この足跡そくせきへと続くのだ。

約束された繁栄を、新世界にて齎もたらそう」

 

 

 さあ今こそ己の全てをかけて目の前の()を滅するがいい!

 

 

超新星(Metalnova)───天霆の轟く地平に、闇はなく(G a m m a - r a y K e r a u n o s)!!」

 

 

 それから戦いは本当に呆気なく終わった。

 

 当然だ、紫藤トウジは英雄(ヴァルゼライド)ではなく。ましてや光の亡者(目を焼かれた者たち)でも冥王(逆襲劇を望むもの)でもないのだから。

 

 欠片の躊躇いもなく紫藤トウジを殲滅光(ガンマレイ)を纏った剣で切り裂いた彼は、直ぐに救うべき者(クレーリア)のもとへ駆け寄る。最早その時点で《何故か》良かった彼の調子も元に戻っており、彼女(クレーリア)のもとに辿り着くまでがどこか遠く感じていた。

 

 やけに長く感じたその距離も十数秒でたどり着ける程度。直ぐに着いた。

 

 だが、最早彼女は虫の息であった。誰よりも何よりも彼女を救いたかった彼女の英雄(八重垣正臣)は間に合わなかった。諦めるものかと心を振るわせようとしても、目の前の現実がそれを阻む。

 

 彼が近くの来たことで彼女は僅かに目を開き、微笑んだ。

 彼女に喋る力は残っておらず、しかし目で意思を伝える。

 

 

"私のため戦ってくれたのに、そんな体になってまで勝ってくれたのに、先に逝ってしまってごめんなさい。

 

それでもあなたが生きていてくれてよかった。

 

私は貴方に会えて幸せでした。

 

愛 し て る "

 

 

 そう目で伝えた彼女は、最後まで彼に愛を抱きなが目を閉じた。

 

 すると彼女の遺体が魔力の粒子となり彼の周りを巡り出す。そしてその粒子は彼の身体に溶け込むように消えていった。

 それは彼女の最後の願い。

 

 彼 の 力 に な り た い

 

 その想いを[魔力によって体を変えることは出来る]という人外(悪魔)特有の力が叶えたのだ。

 

 今の彼はクレーリア・《ベリアル》の力を継承したということ。

 ベリアルの力である〈無価値〉を手にした彼は、まさしくどこかの冥王(ゼファー・コールレイン)のようだった。

 

 そしてそのことを本能と直感で理解した八重垣正臣のすることは決まっていた。

 

 

「教会も悪魔も何もかも皆殺しにしてやる・・・・・ッ!」

 

 




これでまた投稿の頻度は下がります。
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