この文才よ(呆れ)
「なんだっ、何が起こった!?アルビオン!?」
『これは·····、おそらく異界に取り込まれたな。』
「異界だと?結界とは違うのか?」
『違うといえば違うが、最たる違いは強度と規模だろうな。結界は精々国一つ覆うのが限界と言っていいが、異界その名の通り世《界》レベルの規模だ。それを簡単に維持するならば強度はお察しだろう。
だからこそヴァーリ、無理矢理の脱出は不可能だと考えておいたほうがいい。』
「なるほど、人間界と冥界のような違いか。だが何故脱出出来ないんだ?人間界も冥界も普通に転移出来るじゃないか?」
『ヴァーリ、それは簡単だ。この異界には主がいる。人間界は元々主なんぞ無く、冥界は聖書の神と初代四大魔王が死んだ事でバランスが崩れている。まあ崩れているのはそれだけではないが·····それは置いておこう。
冥界は、と言うより悪魔は昔から魂を契約の対価として受け取る事も少なくなかった。だからこそ出入りする事はそこまで難しいことではない。
「そうか·····。」
「なぁ、状況は理解したか?したよな?もう待たなくていいよな良しいいなコロス。」
「ま」
「待つ訳ねぇだろこのボケがッ!」
「グボァッ!」
ヴァーリは状況を理解しきる前にナナシに殴り飛ばされた。勿論全力では無い。ナナシはヴァーリを殺す気は無い。殺したいが殺してしまうとコカビエルのやろうとしていた事を妨害してしまうからだ。
だから半殺しを何度かやろうと思ってる。コカビエルはそれこそ緊急事態に陥らなければコキュートスから出てこれないだろう。それは死んだも同然。ならそれに匹敵するほど痛めつけなければ、と考えたのだ。
「とりあえず殺しはしない。たぶん、きっと·····。」
「ふっ、つまり君は敵という事だな?それに強そうだ。さあ、楽しもうか!
『Vanishing Dragon Balance Breaker!!!!!!!』
「こんなしょうもないので呼んで悪いが、来てくれバハムート。」
ヴァーリは
それに対してナナシは黒を基調とし、大きく鋭い爪と赤い宝珠を備えた魔拳を呼び出した。
「バハムート?あれは確かサーゼクス・ルシファーの眷属だったはず·····。ならばその名を冠しているだけか?」
「あぁ!?なんでお前なんぞにそんなこと教えなきゃならんのだ?殺さねぇけど殺すぞ!?そもそも喋ってんじゃねぇぞ!」
転生して初めての友を侮辱されたとはいえ、酷いキレ方である。