三巻終了
「·····クッ、なんだ?いつの間に寝ていたんだ、俺は·····。」
『おお、目が覚めたかヴァーリ!大丈夫か?体はなんともないか!?』
「ああ、大丈夫だアルビオン。心配させてしまったようだな。しかし目覚めるまでの記憶が無いな·····、何か知らないかアルビオン?」
『·····ヴァーリ、お前はどこまで覚えているんだ?』
「そうだな·····。
アザゼルの頼みでコカビエルを捕縛した後、赤龍帝少し話してみようとしたところまでは覚えているんだが·····。」
『そうか·····。ヴァーリ、お前はとある奴のしっぽを踏んだのだ。まあ軽くと言ってもいいレベルだが。』
「ほう、とある奴·····か?」
『お前が目覚めるまでに奴のことを思い出した。何代か前の白龍皇を殺した奴だ。
その時は確か
「なんで竜関係のヤツは戦闘狂だったり自己中だったりの人格破綻者ばかりなんだ。本竜なら兎も角面倒な·····。ついでだから赤龍帝の因子は取ってるし白龍皇のも取っとくか。」
と言って今回のお前のように一方的に叩き伏せていたな。他に知っていることはソイツの二つ名が『盗人』だということだ。』
「っ!·····俺は何も出来ずに負けたのか?」
『·····ああ。奴はお前に手加減をしていながら一方的に、な。』
「·····先代の白龍皇も同じか?」
『そうだ。少し気落ちするようなことを言うが、殺された先代は今のお前よりも強かったよ。それでも何も出来ずに、いや、何もさせて貰えずに負けた。
ヴァーリ。お前は過去現在未来において最強の白龍皇になるだろう。だがそれは未来の話だ、今ではない。』
「分かっているさ。そんな奴が歴代最強を超えるのならもっと時間がいることぐらい。今の俺はアザゼルにも勝てていないんだからな。」
『分かってるならいい。だがあえて言っておくぞ、ヴァーリ。
今は負けてもいい。だが折れるな、曲がるな、腐るな。
俺達は竜だ。誇り高く、自由気ままに、自分勝手に生きる生物だ。
だが、力が無ければ何も貫けない。誇れるものも無く、自由に動く力もなく、自分の意思を貫けない。
そんな惨めなやつにはなるなよ、ヴァーリ。』
「ああ、ああ!分かっているさ。俺は慢心していたよ。俺は上から数えられる強者になったのだと。
なんだそれは!?なぜそんなもので満足した!上から数えられるからなんだ!まだ上がいるだろう!
この体たらくでは『真なる白龍神皇』など成れはしない!
俺は決めたよアルビオン。もはや慢心などしない。たとえ油断しても勝てる相手でも本気で戦う。
何故なら俺が気配を感じないということは、相手が圧倒的に弱いか強い、または俺が見抜けない程の技量をいるということだからな。」
『その意気だヴァーリ。お前は最強の白龍皇に成れるのだから!』
「·····ところで、何故赤龍帝達は気絶しているんだ?」
『·····放っておけ。そんな事よりコカビエルをアザゼルの元に連れていったらどうだ?』
「··········そうだな。」