どの子を応援に出そうかな?外層は群れで行動する魔獣がほとんどだから数でなぶり殺す統率系能力持ちの子を送ろうかな?それとも単独でぶち殺せる単体最強系の子にしようかな?どっちも送ってもいいけど今の生態系がなぁ、壊れそうだ。
……よし、単体最強系の子にしよう。そうと決まれば ど の 子 が い い か な っと。
……決めた、今襲われてる狼系の子にしよう、外層出身の。
早速連絡しよう……。
"ああ、来てたヤツが神器持ちで赤龍帝だったんだ。……うん、行ってくれないか?ありがと。どうも強そうに見えないけど油断はしないようにね。……わかってるって、一応だよ。じゃあ頼んだ。"
多分大丈夫だろうけど少し心配だなぁ。
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「ハッハァッ!雑魚共が死に晒せやゴラァ!」
この異界への侵入者である彼はやっと出会った魔獣に対して観察もせずに攻撃を繰り出していた。その様子からは自身が負けるはずがないという自信が溢れ出ていた。
「ハァー、やっと見つけた獲物が雑魚だとはテンション下がるぜ。もっと強ぇのか主とやらが出てこねぇかなぁ?そしたらそいつもぶっ殺してやるのによ!ギャハハッ!」
未だ異界の中にいるというのにまるで警戒した様子を見せない彼がこうなったのは必然だったのだろう。
「ハハハッ、そんじゃもっと奥に行っtボト……、ハァ?」
彼は何かが足下に落ちた音と急に右手の辺りが軽くなったことに疑問の声をあげ、下を見た。
そこにあったのは、肘から先が無くなった腕と、見覚えがありすぎる地面に落ちている手であった。
「……ッ、ガァァアアアアァァアァア!?!?」
それを認識した彼は獣の叫びのような悲鳴をあげ右腕を抑えながらその場に
しかし、その痛みを脂汗を浮かばせながらも無視した彼は、状況を確認しようと周りを見渡した。
するとすぐ先程までいなかったはずの体長3メートル程の、口元を血で赤く濡らした茶色い毛色の狼がいた。その狼は大きな傷を与えたというのに油断することなくこちらを観察していた。
(クソがッ、どうする……この状態で俺が勝てる相手か?接近されたことに全く気が付かなかったのに?……この俺がッ、こんな所でッ)
「こんな所で死んでたまるか!俺はまだ死ねない、まだまだやりたい事があるッ!そうだ、死ねない、死ねないんだッ」
意外にも狼は彼が再び立つのを待っていた。その眼はなんの感情も浮かばせず、ただじっと彼を見詰めながら待っていた。
「……グッ、なんで何もしなかったのかは知らねえが、俺が生きる残る為に、死に物狂いで、俺はお前を殺すッ!
「グルルッ、ウォォォォン!」
その言葉へ返事のような遠吠えを発した後、狼は動き出した。