戦姫絶唱シンフォギア 守護獣の鎧   作:光機

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第五話 覚醒の暴走

響とレイジが弦十郎の所に弟子入りしてから何日かが過ぎた。着々と力をつけていく二人。

今日もサンドバッグにうち込みをしていた。

 

弦十郎「稲妻をくらい!それを拳に乗せて打ち込むんだ!」

 

響「言ってることよくわかりません!」

 

レイジ「だけど大体わかった!」

 

二人はサンドバッグに拳を放った。サンドバッグは吊るされていたロープを切れて、庭の池まで飛んでいった。

 

弦十郎「よし!」

 

修行を終えて休憩中。

 

響「ねぇレイジ?」

 

レイジ「何だ立花・・・」

 

響「ひ・び・き」

 

レイジ「立花」

 

響「折れないな、ちょっと聞きたいことがあるんだけど。」

 

レイジ「内容にもよる。」

 

響「二年前、ツヴァイウィングのライブにレイジもいたの?」

 

その質問には弦十郎も反応した。

 

レイジ「ツヴァイウィングのライブ?何だそれは?」

 

響「翼さんが奏さんと組んでたユニットだよ。二年前のライブにノイズが現れて大勢の人と奏さんが亡くなったの。その時私もそこにいて、ガングニールの適合者だった奏さんに助けてもらって、奏さんからガングニールを受け継いだんだ。この胸に受けた傷と一緒に。」

 

レイジ「まさかお前。」

 

レイジはいきなり響の服をめくり、胸の傷を見た。

 

響「ひゃぁー!?」

 

レイジ「そうか、お前も俺と同じ。」

 

響「え?」

 

驚いた響だったが、レイジのセリフに動きが止まった。

 

弦十郎「うほん!そういうことは保護者代わりとしては見過ごせんぞ。」

 

響「へ? ! きゃああ!」

 

レイジ「?」

 

響は急いで服を戻した、顔を真っ赤にしている響に対して、何故叫ぶんだと首をかしげるレイジ。

 

響「レイジは、そういうの好きなんだ。」

 

レイジ「そういうのって何だ?聞きたいことはそれか?」

 

響「なんだか納得できないけど、私が聞きたいのはあの場にいなかったのにどうして奏さんの言葉を知ってたの?」

 

レイジ「言葉?」

 

響「生きるのを諦めないで。瀕死の私に奏さんが言ってくれた言葉。それに翼さんがこの前歌った歌にも反応してたよね。」

 

弦十郎「絶唱だな。確かに普通なら聞くことのない歌だな。」

 

レイジ「・・・歌っていた所を見たわけじゃない。ただ、感じた、夢の中で。諦めるなと言う言葉も聞いた。赤い髪の女だった。」

 

響「やっぱり奏さんだ。でも何でレイの夢に?」

 

レイジ「それを知りたくてお前に問いただした。今話せるのはこれで全部だ。帰る。」

 

レイジは玄関からではなく、塀を登って風鳴邸から出ていった。

 

 

弦十郎「別に捕まえないから、普通に玄関から出ていけ。」

 

 

 

 

 

 

 

屋敷を出たレイジは街中を歩いていた。すると。

 

未来「あ、レイジ。」

 

レイジ「小日向未来。」

 

未来「どうしたの?何だかアザだらけだけど?」

 

レイジ「何でもない。」

 

未来「もしかして響も関係してる?最近響もアザだらけで帰ってくるんだけど。」

 

レイジ「ノーコメントだ。」

 

未来「それ、ある意味イエスって言ってるもんだよ。・・・」

 

 

レイジ「どうした?浮かない顔してるぞ。」

 

未来「! レイジも人の心配してくれるんだね。」

 

レイジ「気になっただけだ。」

 

未来「・・・最近響が遠くに行っちゃう気がして。レイジに頼んだのは確かなんだけど、段々と響がわからなくなってきちゃって。」

 

レイジ「お前とあいつの関係性は知らない。たが、あいつが動いているのは誰かを助けるためだと思う、その中にはきっとお前もいる。」

 

未来「レイジ・・・レイジに慰められるとは思ってなかった。」

 

 

レイジ「バカにしてるのか?」

 

未来「ううん、ありがとうレイジ。」

 

レイジはその場を後にした。

 

 

 

 

 

二課の一室。炎矢がパソコンに向かい資料をまとめていた。

 

炎矢「ここ最近のノイズの出現率は明らかに以上だ。本来災害単位で現れるはずなのに、最近は一週間で3回のペースだ。更に紛失したネフィシュタンの鎧を纏った少女、更にはノイズを操る聖遺物まで所持している。 その狙いが響さんの捕獲。同じ奏者で熟練の翼ではなく、奏者になりたての響さんを狙った。 二人の違いといえば、やはり響さんの体に埋め込まれたガングニールの破片。 これにより響さんは希な奏者になっている。 それを踏まえて出された結論は、今回の事件、やはり何者かが仕掛けたものと思われる。更には司令が言っていたように二課内部の人間が高い。 こちらの情報が知られているなら、次に狙われるのは・・・」

 

その時通信機が鳴った。

 

炎矢「はい、こちら炎矢。」

 

弦十郎『炎矢、広木防衛大臣が殺害された。』

 

炎矢「何ですって!?資料の受け取りに行った了子さんは!?」 

 

弦十郎『連絡を続けているが返答がない。今から緊急ブリーフィングを行う、すぐに指令室に来てくれ。』

 

炎矢「了解しました。敵が動き出したのか?こんな大胆に?狙いは予想どおりディランダル。」

 

 

 

 

その後、無事が確認された了子も合流し、響も集まりディランダル移送作戦が決定した。作戦開始まで寮で待機する響。そんな響に未来は。

 

未来「響、最近何か隠してるでしょう?」

 

響「ふぇ!?そ、そんなことないよ!?」

 

未来「嘘が下手すぎ、まぁどうせいつものお節介だと思うけどね。」

 

響「あはは、ごめん。」

 

未来「まぁ今に始まったことじゃないけどね。あんまり無茶はしないでね。」

 

響「もちろんだよ!やっぱり未来は優しいな。」

 

未来「おだててもなにもありません。」

 

響の電話が鳴った。それは作戦開始を知らせる知らせだ。

 

響「ごめん、未来。ちょっと出てくるね。」

 

未来「また?理由は教えてくれないんだろうけどね。」

 

響「本当にごめんね。行ってきます。」

 

未来「うん、行ってらっしゃい。」

 

気丈に送り出したが、その顔はうつ向いたままだった。

 

 

 

 

 

 

作戦はシンプルだ。

櫻井と響が乗った車にデュランダルを積み、移送先まで移動。

その際数台車でガード、ヘリは三機、一機は弦十郎が指揮をとるために、もう二機の内一機は炎矢が空から援護を、もう一機はサポートに。

作戦開始が始まってからしばらくしてから、予想通りノイズが現れた。

更に下水からも攻撃を仕掛けてきて、響達が乗った車以外の車がやられた。

 

炎矢「予想よりもノイズが多い!やはりこちらの作戦が漏れていたのか!?」

 

炎矢は上空から攻撃を仕掛ける。

しかし、ノイズも触手のように攻撃してきた、一機はやられてしまい、炎矢の乗っていたヘリも負傷し墜落したが、なんとか乗組員をつれて脱出したが、その場に足止めになってしまった。

 

炎矢「足止めか。嫌な予感がする。」

 

 

 

響達が乗った車はノイズの出現により、工場地に誘導された。そこには大量のノイズとネフィシュタンの少女がいた。

車にも攻撃をしてきた。二人は何とか脱出した。

 

響「了子さん大丈夫ですか!?」

 

了子「何とかね。」

 

響「やっぱりデュランダルを狙ってるんですかね。」

 

了子「じゃあ置いていっちゃう?」

 

響「いや、ダメでしょう!」

 

了子「やっぱり?」

 

そんな二人にノイズが攻撃してきた。突然の事に響は対象しきれなかった。

しかし攻撃は通らなかった。

了子が光の壁のような物を出し攻撃を防いだ。

 

響「了子さん?」

 

了子「まったく仕方ないわね。あなたの胸の歌を信じて戦いなさい。」

 

響「了子さん、はい!」

 

響はガングニールを纏った。ノイズと戦闘を開始した。しかし、どこか動きずらそうだ。その隙をついてノイズが攻撃してきた。

 

 

レイジ「はぁーー!」

 

響「レイ!」

 

レイジ「訓練した意味がないぞ!」

 

響「ヒールが邪魔になってて」

 

響はヒールを折った。そしてレイジと背中合わせで戦い始めた。お互い戦い始めた。

 

?「なんだあいつら?戦いなれてきてる?しかも連携がとれてるだと?」

 

その時、了子の近くにあったデュランダルが光だした。

 

了子「これは、まさか?」

 

デュランダルは箱から飛び出し、更に光を放ち宙に浮いた。

 

レイジ「なんだあれは?いや感じがする。」

 

?「まさか覚醒したのか?だがちょうどいい!」

 

ネフィシュタンの少女はデュランダルを奪おうと飛び上がった。しかし誰かに踏み台にされた。

響だ。響はデュランダルをつかみとった。

 

響「!!?」

 

デュランダルをつかみとった響の様子がおかしい。

響は黒い影のように黒に染め上がった。

 

レイジ「立花響?」

 

?「力を見せつけようとしてるのか?ふざけんじゃねー!」

 

響に向かっていくネフィシュタンの少女とノイズが迫っていく。響はデュランダルを振りかざそうとしている。それを見たレイジは感じた。

 

レイジ「違う、いつものあいつじゃない。あいつのやりたいことじゃない!」

 

レイジは両方の間に割り込み響を見る。そしてレイジから光があふれでた。

響はデュランダルを振りかざした。その威力は前方にいたノイズ、建物をすべて破壊する威力だった。

だが消えたのはノイズだけだった。

ネフィシュタンの少女は危機を感じ回避した。

周りの被害はレイジが発した光に総裁されたかのように、消滅した。

 

 

 

 

 

響「ん・・・」

 

了子「気がついたみたいね。」

 

響が気がついたのはしばらくしてからだった。すでに他の職員達による事態収拾が行われていた。

 

響「私確か、デュランダルを掴んでそれから頭が真っ黒になったみたいになって。」

 

了子「まだまだ調べなくちゃいけないわね。どのみち作戦は中止ね。」

 

響「すみません。」

 

了子「仕方ないわよ、今は休みなさい、あなたも彼も。」

 

響「彼?」

 

ふと見るとレイジが気を失っているようで担架で運ばれていた。

 

 

響「レイ!」

 

響はレイジに走って向かった。

 

了子「(デュランダルの力を相殺して被害を抑えた。黄龍の力、いや、別の力、この子も興味深いわね。)」

 

 

 

 


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