戦姫絶唱シンフォギア 守護獣の鎧   作:光機

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第9話 聞こえた歌

響と未来の和解から何日かした日。

あれから未来は響の民間協力者という立ち位置になり、二課の基地にも来ることを許されていた。

 

未来「響が大変お世話かけています。」

 

響「ちょっと未来!?」

 

炎矢「はは。まるで響さんの保護者ですね。」

 

翼「立花と違いしっかりしているな。」

 

響「お二人ともひどいですよ!?」

 

炎矢「まぁ別の意味でしっかりしてほしい人もいますがね。」

 

炎矢はそこで翼を見た。

 

翼「何だ人の顔を見て?」

 

炎矢「いえいえ、もう少し自覚があればと。とはいえようやく纏まってきましたね。」

 

響「そうですね、後はここにレイとクリスちゃんがいれば完璧ですね。」

 

翼「・・・それは難しいかもしれないな。レイジの方は少しは丸くなったが、なぜ戦うのかもわからんしな、それに彼女に関してはもっと難しいかもしれんな。」

 

炎矢「まぁそれには一理はあります。こちらに敵意がなくなったのは感じますが。」

 

響「そんなことありませんよ!わからないなら私が直接聞いてきます!」

 

未来「あ!響!」

 

響はそう宣言し走り出した。未来も響を追いかけた。

 

炎矢「あ、行ってしまった。」

 

了子「あらあら青春しているわね。」

 

そこに入れ違いで了子がやってきた。近くには緒川もいた。

 

翼「櫻井女史がその様なことをいうのは珍しいですね。」

 

了子「まぁ乙女はいくつになってもロマンを求めるものなのよ。」

 

緒川「乙女って、ぐはっ!」

 

しれっとツッコんだ緒川を了子が蹴り飛ばした。炎矢は近づいて介抱した。

 

炎矢「し、しかし興味ありますね。先生がどのような青春をたどったか。」

 

了子「それはね・・・・やめたわ。女は秘密を知られると価値が下がっちゃうもの。」

 

緒川「自分から言っておきながら、ぐはっ!」

 

再び蹴られた緒川を後に了子はその場を去っていった。そんな了子を真剣な目を見る炎矢。

 

炎矢「・・・・それより緒川さん、翼に用があったんじゃあ?」

 

緒川「あ、はい、そうでした。翼さんそろそろ。」

 

翼「あ、ミーティングですね。」

 

炎矢「もしかして復活ライブのことですか?」

 

翼「ええ、色々あったけど。私はやっぱり歌が好きなんだと思う」

 

炎矢「少なくとも、答えが出始めたってところだね。応援しているよ。」

 

翼「それより?」

 

炎矢「前よりいい顔になった。」

 

翼「ありがとう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レイジは河原に座りそこで遊ぶ子供達や周りの景色を見ていた。

 

響「やっぱりここにいた!」

 

そこに響と息が切れかかっている未来がやってきた。

 

レイジ「立花響、小日向未来。」

 

響「だから呼び捨てでいいってば。」

 

未来「響、強引すぎるよ。」

 

響「いやーこういうのは勢いかなって、ところで何してたの?」

 

レイジ「人を見ていた。」

 

未来「人を?」

 

レイジ「不思議だと思ってな。ノイズがでてきた時と随分と違うと思ってな。すぐそこに死があるのに、あんな穏やかな表情をしている。」

 

未来「皆生きてるからね。」

 

響「きっと生きてる実感を感じてるんだよ、だからこそ生きてるって素敵なんだよ。」

 

レイジ「生きるか・・・」

 

レイジは少し考え、何か決意したかのように二人を見た。

 

レイジ「お前達を見ていて、人ってのも悪くないように思えるようになった。その中でもお前達は特に信用できる。だからこそ話してやる、俺のことを。」

 

響「レイのこと?」

 

レイジ「俺は、普通に生まれた人間じゃない。」

 

未来「え?」

 

響「どういうこと?」

 

レイジ「俺はある組織によって人工的に造られた存在だ。」

 

響「ある組織?」

 

レイジ「名前はわからない。ただ髑髏に蛇の紋章があった。俺を造った目的は、聖遺物との融合体を創り出すこと。」

 

響「聖遺物の融合って、それじゃあ?」

 

レイジ「ああ、俺の体には聖遺物がある、しかもお前の欠片と違い、完全聖遺物の片割れが。なんの聖遺物かまでは知らんがな。もちろん、そんな実験が一回で成功するはずがない。俺の前には何人もいた。」

 

未来「そんなひどいことが。」

 

レイジ「俺は培養液の中にいた。意識もまばらな状態で、どういうわけか基本的な知識はあった。とはいえ考えもないただの人形だった。そんなある日声が聞こえた、今から二年前くらいに頭に響いた一言、生きるのを諦めるなっと。」

 

響「それって、あの時奏さんが私に行ってくれた言葉。」

 

レイジ「その一言で俺に心ができたみたいだった。それに呼応したように俺の中の聖遺物が活発して培養液から解き放たれた、俺は必死に逃げて今に至る。ちなみにこいつは脱出するときにくすねた。」

 

レイジは黄龍の勾玉を見せた。

 

レイジ「逃げた俺は途方もなく彷徨った。ただノイズが出たときは俺の中の聖遺物がざわついて、それを抑えるため戦った。デュランダルとかもそうだ、あれも俺をざわめかせる。」

 

未来「人を信用しなかったのはやっぱり」

 

レイジ「ああ。組織の人間しか知らない俺は、どうしても信用できなかった。お前達に会うまでは。気持ち悪いだろ?」

 

響「そんなことないよ!」

 

響はレイジの右手を握った。

 

響「そんな境遇にあって人を助けてるんだから立派だよ。」

 

未来「そうだよ。」

 

未来は反対の手を握った。

 

未来「それに造られたなんて言わないで、レイジは生まれ方は違うけど、ちゃんとした人間だよ。」

 

レイジ「お前等。」

 

響「それに私も同じだよ、レイジとお揃いだよ。」

 

レイジ「ふっ、やっぱりお前達に話してよかった。ありがとうな、響、未来。」

 

未来「あ、今私達のこと。」

 

響「名前で呼んでくれた!」

 

レイジ「ただの気まぐれだ。」

 

満足そうにレイジはその場を去ろうとした。不意に止まり。

 

レイジ「さっきの話、他の連中に話しても構わないから。」

 

響「駄目だよ。」

 

レイジ「え?」

 

響「そういう大事な事は自分の言葉で話さなくちゃ。」

 

レイジ「! 気が向いたらな。」

 

レイジは二人に手を振り、その場を去っていった。

 

未来「あ、響。聞きたいことあったんじゃ?」

 

響「ああ!?忘れてた!?」

 

 

 

 

 

日は変わり。今日は風鳴翼の復活ライブ。もちろん響達も招待されているのだが。

 

炎矢「それで例のごとく立花さんは寝坊なわけですか?」

 

未来「すみません。」

 

炎矢「一緒に来なかったのは意外でしたけど。」

 

未来「寮は一緒に出たんですけど、レイジを探してからいくから先に行っててっと。」

 

炎矢「立花さんらしいですね。それにしても彼も来るとは意外でしたが。」

 

未来「話したいことがあるから、だそうです。」

 

炎矢「話したいことっか、それなら翼も。」

 

未来「翼さんがですか?もしかして移籍の件ですか?」

 

炎矢「それもあるんですが、まぁ似たようなことかな?」

 

未来「確かに翼さんくらいだと世界中が欲しがりますね。」

 

炎矢「まぁ確かに・・・」

 

炎矢は考え始めた。

 

未来「どうしたんです?」

 

炎矢「すみません、少し思い当たる事があるのでこれで。」

 

炎矢は未来と離れてその場を去っていった。

 

未来「え?でもライブが?」

 

 

 

 

 

一方、響はレイジと共に走っていた。

 

レイジ「お前、予定ではもっと早くくるんじゃなかったのか?」

 

 

響「いやーなんと言いますか?」

 

レイジ「寝坊か・・・ふっ」

 

響「今笑ったでしょう!!」

 

その時無線が鳴った。

 

弦十郎『ノイズの反応だ。奏者はすぐに急行してくれ。』

 

響「師匠、そのこと翼さんには?」

 

弦十郎『いや、緒川を通してこれからだ。』

 

響「ならここは」

 

レイジ「俺達でやる。」

 

弦十郎『!! いけるか?』

 

レイジ・響「いける(ます)!!」

 

弦十郎『それと炎矢はいるか?連絡がつかない。』

 

響「こちらにはいません。どうしたんだろう?」

 

レイジ「考えがあってのことだろう、信じてやれ。」

 

響「レイジからそんな事言うなんてね。」

 

レイジ「俺自身もびっくりだ。」

 

二人が現場に向かう時、炎矢は無線機を切っていた。

 

炎矢「お願いします、二人共。」

 

 

 

 

ライブが始まった時と同じく戦闘が開始した。

二人の実力なら遅れはとらないが数が多い。そこにミサイルが飛んできた。

 

レイジ「あれは!?」

 

響「クリスちゃん!来てくれたんだ!」

 

クリス「別にお前等のために来たわけじゃね!ノイズは私にとって敵だからな」

 

レイジ「なんでもいい、片付けるぞ。」

 

クリス「お前が仕切るな!」

 

三人はノイズを撃破した。

翼のライブも成功し、改めて自身の夢を語り、世界へ羽ばたく事も発表した。

 

 

 

 

 

 

そのころとあるマンションの一室、そこは炎矢の家でパソコンとにらめっこしていた。

 

炎矢「最近のノイズの大量発生はフィーネと呼ばれている存在が原因だ。さらには立花さんの誘拐やデュランダルの強奪を企てたり、そう考えるとまさか二年前のライブも彼女の仕業か?ここまで僕達の動きを把握しているとなるとやはり内通者が・・・しかし単体だけではこんなことは不可能。そう考えると日本以外の国家が関わっている可能性がある。そして国家がもとめる利益は、例えば科学力。日本でそんな科学力を持っている人物といえば。」

 

?「相変わらず考え事するときは、音信不通になるわね。」

 

炎矢「!!?」

 

後ろから突然声がして振り向いた。

その直後部屋が爆発した。

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