宇宙パトロール隊、エムエーシー。通称
この宇宙ステーションには、千人以上ものスタッフが勤めている。
「みんな、新隊員を紹介する」
そう言ってハヤテと共に司令室に入ってきたのは、隊長の
「綾崎 ハヤテです。よろしくお願いします」
ハヤテの挨拶に隊員たちが答える。
「柳沢です」
「芦川です」
「横山です」
「黒井です」
「梶田です」
一通り挨拶が終わると、ワタルは言った。
「借金執事、お前の席はあそこだ」
ハヤテはワタルが指を差した席に着く。
「隊長!」
レーダーを見ていた隊員がワタルを呼ぶ。
「未確認飛行物体が地球に二つ接近中です!」
「ハヤテ、初任務だ! 俺と一緒にマッキー二号で出動だ!」
「了解!」
ハヤテはワタルと共にマッキー二号でパトーロールに向かった。
その頃、
部屋にはハヤテの写真がぺたぺたと一杯貼ってある。つまりストーカーだ、そうに違いない。
コンコン──ドアがノックされる。
「ヒナ、入るわよ」
ドアの向こうで姉の
「待って!」
ヒナギクは大急ぎで部屋中の写真を取り外して隠すとドアを開けた。
「ヒナ、お酒買うからお金貸して」
「嫌よ」
「ばらすわよ?」
「何を?」
「あんたが綾崎くんをストーカーしてること」
「なっ!? そんなことしてないわよ!」
「私、あんたの部屋に貼ってあった写真見てるんだからね。知らないとでも思ってるの? ばらされるのが嫌なら酒代ちょうだい」
「い、いくら出せばいいのよ?」
「一万」
「しょうがないわね」
ヒナギクは財布の中から一万円を出して雪路に渡した。
(こいつ殺す!)
ヒナギクの中で雪路に対する殺意が芽生えた。
「ありがとう」
雪路は一万円を手に去って行った。
ヒナギクはドアを閉め、写真を戻した。
所変わってマッキー二号。東京の上空をパトロールしていた。
「さっきの反応はどこへ消えたんですかね」
「さあな。結局、地球には侵入しなかったんじゃないか?」
「だといいんですけど」
「取り敢えず、着陸して地上も捜索するか」
「そうですね」
マッキー二号が着陸する。
二人はマッキー二号を降りると、捜索を開始した。
歩くこと数十分。二人は森の中にいた。怪獣反応があったからだ。
「あっちに反応がある」
「こっちにもあります」
「二手に別れよう」
ハヤテはワタルと別れて歩き出した。
やがて雨が振ってくる。
「うわ、最悪」
ハヤテは雨宿りが出来そうな場所を探した。
「ん?」
目と鼻の先で子どもが大人にいじめられていた。
大人は斧を持っている。今にも殺しそうな勢いだ。
「何やってるんですか!?」
ハヤテは二人に駆け寄った。
「ちっ」
大人は舌打ちして逃げていった。
「ありがとうございます」
「いえ」
「あの人にはよくいじめられてるの?」
「はい。あいつ、僕が弱いからいつもいじめてくるんです。この前なんか、僕のお母さんが僕を庇ってくれた時、そのお母さんがあいつに殺されてしまいました。あいつは僕が力を付ける前に殺しに来たんです」
ブチ!──ハヤテの中で何かが切れる音がした。
「じゃあ、僕は行きます」
「待って。君の名前は?」
「ボックです」
ハヤテの目が輝く。
「君、地球人じゃないね」
「どうして分かったんですか?」
「僕も同じ宇宙人だからだよ。ウルトラマンレオって言うんだ」
「ウルトラマンレオ!?」
「M78星雲・光の国の宇宙警備隊さ」
「そうなんですか。じゃあお母さんの仇を取ってくれませんか?」
「いいよ」
「ありがとうございます。じゃあ僕はこれで」
「気をつけてね」
ハヤテはボックを見送る。
雨は止んだ。
ハヤテはワタルと合流した。
「どうだった? こっちは収穫なしだ」
「ボックという少年に会いました」
「ボック? じゃあさっき地球に入ったのはボックだったのか。とすると、もう一つはドギューか?」
「そのドギューというのは地球に害をなすことはあるんですか?」
「ああ。牡牛座に住む宇宙の嫌われ者だ。奴のせいで滅んだ星を俺はいくつか見た」
「じゃあ早く捜し出して倒さないと」
「そうだな。だが何の手掛かりもないだろ」
「ボックの側にいれば会えるんじゃないでしょうか?」
「そのボックはどこにいるんだ?」
「さあ?」
「取り敢えず、今日はもう遅い。また明日調査しよう。帰っていいぞ」
「はい」
ハヤテはワタルと別れると、銀杏商店街の喫茶店どんぐりに直行した。
「いらっしゃいませ。って、ハヤテくんじゃない。どしたのかな?」
そう訊ねるのは
「コーヒーを飲みに来たんですよ」
「そうなの? じゃあ用意するね」
歩がコーヒーを用意した。
ハヤテはコーヒーを飲んだ。
「僕、MACに入ったんですよ」
「そうなんだ」
「あ、これ」
ハヤテはコーヒー代を歩に渡すと、コーヒーを飲み干して帰路に就いた。
翌朝、ハヤテは
「おはよう、ハヤテくん」
外にはヒナギクが立っていた。
「おはようございます、ヒナギクさん」
「一緒に行こう?」
「はい」
ハヤテとヒナギクは並んで歩く。
「ハヤテくん、MACに入ったのね」
「どうして知ってるんですか?」
「歩から聞いたわ」
「なるほど」
「私も入ろうかな」
「結構です」
暫く歩くと、小学生くらいの子どもが倒れていた。
「大変!」
二人は駆け寄る。
ハヤテは子どもを見て驚く。
「ボック!?」
ボックは死んでいた。ドギューの仕業だろう。
「ハヤテくんの知り合い?」
「うん」
ハヤテは怪獣探知機を確認する。
近くに怪獣反応があった。
(こっちか)
ハヤテとヒナギクは怪獣反応を辿り、斧を持った男を見付けた。
「ドギュー!」
男が二人に気付く。
「お前がドギューだな!? よくもボックを!」
「フハハハハ! いかにも、俺がドギューだ。お前は昨日のやつだな?」
「ハヤテくん、こいつ敵?」
「はい」
「ふーん。じゃあやっつけていいわね」
「人間風情に何が出来る?」
ヒナギクは正宗を手に、ドギューに攻撃を仕掛けた。
「踏みつぶしてやる!」
ドギューは怪獣に姿を変えた。
「なっ、そんな!?」
「ヒナギクさん、逃げて下さい!」
ハヤテはマックガンを取り出して応戦する。
だがドギューはびくともしない。
「あいつは私が倒すわ!」
ヒナギクは高く飛び上がり、正宗でドギューの顔面を斬りつけようとするが、叩き落とされてしまった。
「うっ!」
地面に叩き付けられ気絶するヒナギク。
「レオ──ッ!」
ハヤテはウルトラマンレオに変身した。
「覚悟しろ!」
レオはドギューに飛び蹴りを浴びせた。
怯むドギューだが、すぐに反撃に出た。
「返り討ちにしてくれるわ!」
ドギューがレオにタックルする。
レオは倒れるが、直ぐに立ち上がる。
様子を見るドギュー。
レオは接近して殴りつける。
「ぐっ!」
よろめくドギュー。
「はっ!」
レオはドギューを空中へ蹴り飛ばした。
「はっ!」
レオはドギューめがけてウルトラマン直伝のスペシウム光線を放った。
爆裂霧散するドギュー。
レオはハヤテの姿に戻り、ヒナギクの下へ駆け付けた。
「ヒナギクさん!」
「う……うん?」
目を開けるヒナギク。
「あれ、怪獣は?」
「ウルトラマンレオが来て倒してくれました」
「そう」
「行きましょうか」
ハヤテとヒナギクは学校へ登校した。