ロクでなし魔術講師と投影者;Remake   作:よこちょ

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どうも、初めましての方は初めまして。リメイク前から読んでくださっていた方はお待たせしました。投稿主のよこちょです。
設定を練り直し、ようやく第1話を完成させることができました。今回こそは迷走しないようにやっていきたいと思いますので、よろしくお願い致します。
では、第1話「ロクでなしと投影者」をどうぞ!


第1話

ここはフェジテ。

アルザーノ帝国魔術学院という最高峰の魔術を学べると名高いこの学園のある、由緒ある土地だ。

志の高い生徒や職員、講師ばかり揃っていて皆毎日勉学に明け暮れている。

 

そう。この男を除いては。

 

 

 

「ふわぁぁぁ………ねみい……。」

 

 

 

この男はアラン・■・エミヤ。

その学園に在籍している一生徒だ。

だが、普通の学生と違い、フェジテの住宅街の一角にあるカフェ、「アイアス」に住んでいる居候である。

過去に色々あって両親を亡くして以来ずっと、アイアスに居候している。

 

 

「眠い………。よし、寝るか。」

 

 

 

だがこの男、基本ダメ人間かつめんどくさがり屋なので朝は起きない。

それどころか学校だと言うのに二度寝しようとしている。

 

 

「学校は……サボるか。うん。そうしよう。きっと神もそう言ってるはずだ。」

 

 

 

などとのたまい二度寝しようとしたその時、

 

 

 

ガチャッ!ヒュンッ!ドスッ!

 

 

 

自室のドアが開き、矢が飛んできて、自分の耳スレスレに刺さった。

 

 

「起きろアラン。またさぼるきか。」

 

 

この男はシロウ・エミヤ。

固有魔術持ちの魔術師だ。

この世界の魔術とは違い、投影魔術という魔術を得意としている変わり者だ。

しかも魔術師なのに近接戦闘を行うという点でも大分変わっている。

そのせいでアランも近接戦闘ばっかりできるようになったのだが………まぁその話はやめておこう。

 

 

「全くお前と言うやつは………。朝食の時間だ。冷める前に早く食え。」

 

 

「おお!シロウのご飯は絶品だからな。すぐ行くわ。」

 

 

 

耳元に矢がぶっ刺さったことは気にしないようにしながら答える。シロウは過去に軍属だったから間違っても当てることはしない。だが当たらなくても怖いもんは怖い。

 

 

「先に下に降りておくぞ。制服に着替えてから降りてきたまえ。」

 

 

「はいよ。メニューはなんだ?」

 

 

「ご飯と味噌汁と目玉焼きだ。さっさと降りてこい。」

 

 

「へいよ。」

 

 

こうしてシロウとアランの朝は始まる。

 

 

 

______________________________________________

 

 sideアラン

 

 

 

 

 

「「ご馳走様でした」」

 

 

ふぅ。相変わらずシロウの飯は美味い。家庭的というかなんというか、とにかくなんか懐かしい味がするのだ。

シロウ曰く、「義父が全然料理できなかったから自然と身についた」だそうだが、それだけでこんなにも美味くなるものなんだろうか?

まぁ、その辺はシロウの元の才能とかもあったのかもな。

 

 

「ってか、やっぱ朝にも人来ねえな。」

 

 

実はこの店、全くと言っていい程に人が来ない。

普通のカフェならば朝のモーニングセットとかを食べに来たりコーヒーを飲みに来たりするやつもいるだろうに………

 

 

「なに、構わんさ。元々趣味でやっているだけのものだ。来ないなら来ないで楽でいい。」

 

 

「ま、宣伝もしてないしな。」

 

 

そのため、ここに来る人は本当に限られた人ばかりだ。

例えば…………

 

 

「ん?なんだ、アラン。私の顔になにか付いてるか?」

 

 

俺と同じ学校の教師でもあり、現在進行形でコーヒーを飲んでいるこのセリカ・アルフォネアくらいのものであろう。

この金髪の女性、セリカは俺の通っている学校の教師であるくせに俺よりも後にカフェを出る。それなのに間に合うってんだから羨ましいもんだぜ。

魔術ってすごい(小並感)

 

 

「なんも付いてないっすよ。………っと、そろそろ家出るかな」

 

 

朝ご飯を食べ終わると、そろそろ登校しなきゃいけない時間が迫っていた。

 

 

「なんだ。もう時間か?」

 

 

「ああ。んじゃ、行ってきます。」

 

 

「ああ。気をつけるんだよ。」

 

 

「わかってるって。」

 

 

 

そう言ってアランは家を出た。

 

 

 

「さて。仕込みを始めるとするか。セリカも、たまには早く出勤したらどうかね?」

 

 

「遠慮しておこう。私はこのコーヒーをゆっくり楽しんでから行くことにするさ。」

 

 

「ふっ、全く。お前も変わらんな。」

 

 

「あぁ。そして、『アイツ』もな。」

 

 

「だろうな。あの男がそう簡単に変わるわけも無かろう。なにせ、『ロクでなし』だからな。」

 

 

「ああ。全くだよ。」

 

 

 

______________________________________________

 

 

 

アランside

 

 

 

家を出てしばらく歩くと、噴水のある広場についた。

噴水近くにあるベンチに腰を下ろし、しばらく待つ。

 

 

「あ、アラン!おはよう!」

 

 

暇潰しに雲を数え、50を超えた辺りで、ようやく待ち人の声がした。

声をかけてきたのはシスティことシスティーナ=フィーべル。

勝気な目に銀のように滑らかで綺麗な髪を持った所謂美少女と呼ばれる部類に入る女の子だ。

 

 

 

「アラン君おはよう。」

 

 

 

一緒に声をかけてきたのはルミア=ティンジェル。

人懐っこくて誰にでも優しい、こちらも美少女である。

なおシスティと違ってどことは言わないが大きいので、男子生徒に人気がある。

2人は俺のクラスメイトで、結構仲がいい。

 

 

 

「おはよう。お二人さん。今日も仲がいいな。」

 

 

 

「まあね。………ところで、さっきなんか失礼なこと考えなかった?」

 

 

 

「気のせいだ。」

 

 

 

この2人は一緒に暮らしている。

本当の姉妹ではないのだが本物の姉妹のように仲が良く、いつも一緒にいるのを見かける。

たまに2人でゆるゆりな空間を作っている(偏見)な時があるが触れないでおこう。

個人の趣味嗜好に口を出してはいけない(戒め)

 

 

 

「んじゃ、学校に行きますかね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「それにしても、ヒューイ先生なんでやめちゃったのかな………。」

 

 

2人と合流して並んで学校までの道を雑談しながら歩く。

 

 

「う〜ん。まあ、きっとなにか事情があったんだよ。」

 

 

 

「でもそのせいで休日まで登校になっちゃったしなぁ………。」

 

 

 

ヒューイ先生は俺らを担当してくれていた講師の名前だ。人当たりがよく、質問にも丁寧に答えてくれるいい先生だったので、よく魔術について質問したのを覚えている。

すごくいい先生だったのだが、なんの前触れもなく突然いなくなってしまったのだ。まるで蒸発でもしたかのように。

そしてそのせいで授業に穴が開き休日に補習、という訳だ。

 

 

 

「でももったいないよなぁ。」

 

 

「そうよね……。いい先生だったのに。授業もわかりやすくて………。」

 

 

「もっと教わりたかったよね。」

 

 

「「「ハァ………。」」」

 

 

「……まあ非常勤講師が来るらしいし、そいつに期待しようぜ。」

 

 

「そうね。……まあ、ヒューイ先生の半分でもいい授業をしてくれることを期待するわ。」

 

 

 

そうやって3人で歩いて学校へ向かっていると、

 

 

 

「うぉぉぉーーーッ!遅刻ぅぅぅ!」

 

 

 

悲鳴に近い叫び声とともに、なんとも珍妙な男が走ってきた。

その珍妙な男は血走った目でパンを咥え、まるで鬼のような表情で全力疾走をするという奇行をしているだけでなく

 

 

 

「おいそこのガキ共!どけぇぇぇ!」

 

 

 

そのまま俺らの方に突っ込んできたのだ。

 

 

 

「えちょっ!?」

 

 

「えぇ!?」

 

 

「え、え!お、『大いなる風よ』──!」

 

 

 

と、その男はシスティが点ばって叫びながらぶっぱなした【ゲイル・ブロウ】によって吹っ飛び、

 

 

 

「なんで俺飛んでんだァァァァ!」バッシャーン

 

 

 

キレイな曲線の軌道を描き、広場の噴水へと見事なダイビングを決めていた。

 

 

 

「……あーあ。やっちゃったな。システィ。」

 

 

校則で、俺達は基本学校外で魔術を使うのを禁止されている。理由は色々あるが……まぁ、一番は危ないからだろう。最も、その「危ない状況」を今まさに再現してしまった訳だが。

 

 

「ど、どうしよう……!」

 

 

「二人とも落ち着いて……。もう。」

 

 

ルミアが、わかりやすく焦るシスティをなだめてその男の方へ駆けていき、

 

 

 

「あの、大丈夫ですか?」

 

 

 

と声を掛けていた。流石は大天使ルミアエルである。

っと、俺もただ立ってるわけにはいかないな。

 

 

「大丈夫ですか?このアホが迷惑をかけまして……すみません。」

 

 

「すみません………って、誰がアホよ!」

 

 

突っ込むシスティを華麗にスルーし、男へ頭を下げる。

ルミアもシスティもそれに倣う。

 

 

「顔を上げたまえ少年少女達よ。俺なら大丈夫さ。ふっ……それより君達、怪我はないかい?」

 

 

 

全身切り傷擦り傷だらけのどうみても怪我をしている男からそう言われていた。

その男は精一杯爽やかな笑みを浮かべているのだろうが、ずぶ濡れの洒落た衣装を着崩している状態では全くカッコ良くない。しかもセットしていたであろう髪型も水でぐっちゃぐちゃになっており、端的に言うとダサかった。

 

 

 

「いや、あんたの方が大丈夫か?」

 

 

 

思わず突っ込んでしまったが、俺に非はないはずだ。

 

 

 

「全く……。急に飛び出すなんて危ないぞ?親の顔が見てみたいもんだよ。」

 

 

 

「いや、飛び出したのは貴方だった気がするんだけど……」

 

 

 

気がするんじゃなく事実だ。なんなら飛び出したって言うより突っ込んできてたな。

「どけガキ共ぉおお!」とか叫んでたし。なんなら進行方向全く変わんなかったし。

 

 

 

「で、でもシスティも魔術撃っちゃったでしょ?ちゃんと謝らないと!」

 

 

 

「そ、それもそうね。ごめんなさい。どうかご無礼をお許しください。」

 

 

 

「全くだよ。このグレン様が寛大な心の持ち主でよかったな!」

 

 

 

この男はグレンと言うらしい。

どっかで聞いたような名前だけど………まあ良っか。

 

 

 

「あーあ全く服がびしょ濡れだ。どうしてくれんだ。………うん?」

 

 

 

急に喋るのをやめたかと思えば俺をしばらく見つめ、ルミアをジロジロと見ていた。

 

なんだこいつ。変態か?

 

 

 

「あ、あの。私の顔に何か付いてますか?」

 

 

「なんですか?俺はそっち系の趣味はないんですが……」

 

 

「安心しろ俺もねえよ。ふむ…………」

 

 

 

戸惑う俺とルミアの様子を気にせず、ずいっと顔を寄せるグレン。

 

 

 

「うーん。お前らどっかで……見た気が………。」

 

 

 

首を傾げ、俺の頬を抓り、腰をさする。そしてルミアの体のあっちこっちを触る。

 

 

 

……………って!

 

 

 

「【何・しとんじゃ・アホ】──ッ!」

 

 

 

『フィジカル・ブースト』を改変して使い、目の前の変態(暫定)に回し蹴りを腰に放つ。

 

 

 

「ぎゃぁぁ!腰がぁぁ!」

 

 

 

そんな間抜けな声を出しながら吹っ飛び、生垣に突っ込むグレン(暫定変態)。

 

 

 

「…………あっ。」

 

 

 

やっべえ…校則で禁止されているのに魔術を使ってしまった。

しかも(恐らく)一般人に対して、だ。

 

 

 

「……………ヤベーイ!」

 

 

 

「って、あんたもやらかしてんじゃないの!」

 

 

 

ゴキッ!っという音がなるほど俺も蹴られ、グレンと同じ生垣に突っ込む。

おいシスティ魔術使ってないんだよな!?くっそ痛い上になんでこんなに飛ぶんだよ!

 

 

「ちょ、痛てぇ!なにしやがゴフゥ!」

 

 

抗議しようと声をあげるも、生垣へ頭から突っ込んだため、声が途切れさせられた。

 

 

「うごぉ……痛てぇ……」

 

 

 

「全くもう………。ってもうそろそろ行かなきゃ不味いわね……。」

 

 

 

「え、ええっと………。大丈夫?」

 

 

 

「あー。気にすんな。俺この人見とくから。先行っといてくれ。」

 

 

 

「わ、わかった!」

 

 

 

そう言って2人を先に行かせる。

 

 

 

(今日は遅刻確定だな。ったく、ついてないぜ。)

 

 

 

そう思って隣を見る。

 

 

 

「あー痛ってえ……。思いっきり蹴りやがって。」

 

 

 

そう言ってこっちを恨めしげに見てくるグレン。

 

 

 

「す、すみません。つい。」

 

 

 

「ったく。気をつけろよ?って、こんなことしてる余裕ねえ!初日から遅刻とかセリカに殺さされる!」

 

 

 

「セリカって……あのセリカ=アルフォネア教授ですか?」

 

 

 

「ん?ああ。」

 

 

 

「てことは貴方はなにか学園と関係が?」

 

 

 

「ああ。今日から非常勤講師として入ることになっている。」

 

 

 

これは驚きだ。まさかこの変態(確定)が俺のクラスの非常勤講師とは。

 

 

 

「じゃあ俺のクラス見てくれるんですね。」

 

 

 

「そうなのか?まあ見知った顔がある方がやりやすいし助かるわ。ほれ、早く行くぞ!間に合わなくなる。」

 

 

 

「いや、まだ時間ありますよ?」

 

 

 

登校時間までまだ少しある。これなら歩いても間に合うだろう。

 

 

 

「まじで!よかったぁ〜。んじゃちょっと寝るから起こしてくれ。」

 

 

 

そう言って寝始めるグレン。

 

ぶっ飛ばしてしまった手前、止められない。

 

 

 

「………まあ、おこせばいいか。」

 

 

 

そう思い、隣に腰を下ろした。

 

 

 

「あ〜。朝から疲れた…………。」

 

 

どうせ走ればいいし、俺もちょっと一休みを…………

 

 

 

______________________________________________

 

 

 

「それでてめえまで寝たら意味ねえだろうが!アホかてめえ!」

 

 

 

「うっせえ!先に寝んのが悪ぃんだろうが!」

 

 

 

そんな応酬をしながら学園への道を全力疾走する俺ら。

起こすはずの俺まで寝てしまったので結局授業開始時間を大幅にオーバーしてしまったのだ。

いつの間にか敬語が外れてしまったがそんなことを気にしてる余裕はない。

 

 

 

「だぁぁぁもう!朝から最悪じゃぁぁ!」

 

 

 

「そりゃ俺もだわ!」

 

 

 

そんなことを叫びながら校門を駆け抜け、廊下を疾駆する。

 

 

 

「お先に!」

 

 

 

そう言って先に進む。もう始業のチャイムが鳴り始めた。

 

 

 

「オレが先だっての!」

 

 

 

そう言いながら追い越すグレン。始業のチャイムはまだなり続けている。

 

 

 

そうやってギャーギャー言いながら体当たりをしたり、蹴り飛ばしあったりと邪魔をしあって教室へ着き、ドアを体当たりで開ける。

 

派手に盛大な音を立てて吹っ飛んで反対側の壁まで飛んでいく扉を尻目に、

 

 

 

「ふっ……俺の勝ちだ。」

 

 

 

勝利宣言をするグレン。

 

 

 

「くそっ!負けた!」

 

 

ちっ、負けたか。

別に勝負をしてたわけじゃないんだが………何か知らんが敗北感があるぞ!

おのれグレンの野郎………!

 

 

 

「どっちも負けに決まってるでしょうがぁぁ!」

 

 

 

システィの叫び声とともに俺らの頭に衝撃が走り、鈍器で殴られたような痛みが頭蓋に響く。

 

 

 

「「ゴハァッ!」」

 

 

薄れゆく意識の中でどうにか目線を上にやると、俺の頭には辞書が刺さっていた。

 

 

「おまえ……力強すぎだ……ろ…………」

 

 

ガクリと膝から力が抜け、そのまま倒れ伏した。

 

 

 

______________________________________________

 

 

 

「えー今日から1ヶ月間非常勤講師としてこのクラスを見ることになった、グレン=レーダスだ。よろしく頼む。」

 

 

 

グレンが復活したので授業が始まる。

グレンは自己紹介から入っていた。

…………あのずぶ濡れボロボロのスタイのままルで、だ。

 

 

 

「前置きはいいです。早く授業を始めてください。」

 

 

 

Oh。相変わらずの「教師泣かせのシスティーナ」だ。

 

今日もツッコミが冴えきっている。

 

 

 

「へいへい。えーっと。」

 

 

 

そう言って黒板へ向き直り、チョークで字を書く。

大きな字で、「自習」と。

 

 

 

…………えっ?

 

 

 

教室にいる生徒全員の思考が一致した。

 

 

 

「えー今日は自習にします。……眠いんで。」

 

 

 

さらっと物凄い理由を言いながら教卓へ突っ伏し、イビキをかきながら寝始めた。

 

 

 

(わーお。こりゃすげえや。)

 

 

 

ここまでやる気がないと一周まわって尊敬の念を抱くぞ。

ってかあんだけずぶ濡れなのによく寝れるな………

 

 

 

(まあいいや。俺も寝よう。)

 

 

 

かく言う俺も朝の騒動で疲れていたので、あっさり意識を手放し、眠りの世界へ入った。

 

 

 

システィのグレンに対する抗議を聞きながら。

 

 

「ちょ、あなたふざけないで!教師としての自覚はないんですか!」

 

 

 

……………うるせぇ

 

 

 

______________________________________________

 

 

 

錬金術の移動授業以外を寝て過ごした俺は昼食を摂るために食堂へと向かっていた。

ちなみに錬金術の授業は不幸な事故によりグレンが負傷し、中止になった。

っていうか間違って女子更衣室に入るとかなんだその主人公補正。うらやまけしからん。

 

 

「っと、早く食わないと時間なくなっちまうな。」

 

 

食堂で食事を適当に頼み、席を探してキョロキョロしていると、

 

 

 

「ここ座る?」

 

 

 

とシスティが声を掛けてくれた。

 

 

 

「いいのか?」

 

 

 

「私はいいわよ。ルミアは?」

 

 

 

「うん!むしろ一緒に食べよう?」

 

 

 

「んじゃ、遠慮なく。」

 

 

 

そう言ってルミアの前へ腰を下ろす。近かったし。

 

 

 

「んじゃ、いただきます。」

 

 

 

そう言ってパンにかぶりつく。

今日はずっと寝てたのであまりお腹が空いていない。

だからパンとシチューという簡単なメニューにしてある。

これで午後の授業中にお腹が空いたりするかもしれんが………その時はその時だ。

 

 

 

「しかしシスティ、お前もっと食わんと大きくならんぞ?」

 

 

 

主に胸とか。

一緒にいるルミアは大きいのに…………

 

 

 

「う、うるさい。眠くならないようにしてるだけよ。あと今ちょっとイラッとしたんだけど………気のせいかしら?」

 

 

 

システィはそういうが、どう考えても少ないと思う。

あと怖ぇな。なんだこいつ心でも読めんのか?

 

 

 

「失礼。」

 

 

 

そんな会話をしていると、隣の席にグレンが腰を下ろした。

グレンは手に持ったお盆いっぱいに乗った料理を持っていた。

 

 

 

「お、先生はいっぱい食うんだな。」

 

 

 

「よく食べるんですね。」

 

 

 

気さくに話しかける俺らに対し、

 

 

 

「………。」

 

 

 

終始無言を貫こうとするシスティ。

 

 

 

「まあな。食事は俺の数少ない娯楽の1つだからな。………にしても。」

 

 

 

そう言ってシスティへ向き直るグレン

 

 

 

「お前それで足りんのか?たくさん食わんと大きくならんぞ?」

 

 

 

「貴方も言うんですか……。私は眠くならないようにしてるだけです。最も、あなたの授業ならもっと食べてもいいかもしれませんがね。」

 

 

 

皮肉を混ぜながらそう言い返すシスティ。

だが、皮肉を華麗にスルーしつつ、サラダを食べている。

システィの額に青筋が立っているように見えるんだが………いいのだろうか?

 

 

 

「ふぅ〜ん。ま、お前がそう言うなら知ったこっちゃないが、」

 

 

 

そう言いながら自分の料理の皿を一枚システィの前に置く。

 

 

 

「……………なんですか?」

 

 

 

「別に?お前を心配してるとかじゃないけど?授業中に空腹で倒れられたら困るし?」

 

 

 

「は、はぁ。」

 

 

 

「まあなんだ、その。やるよ。それ。」

 

 

 

ぶっきらぼうに言っているが、多分この男は優しい人なんだろう。

そう思わせるには十分な行動だった。

少々捻くれてはいるが。

どっかで知った言葉の「捻デレ」ってやつに近いのかもしれん。目は腐ってないが。

 

 

 

「………ありがとうございます。」

 

 

 

「ふっ。俺に盛大に感謝しろよ?俺があげるんだからな!」

 

 

 

「………あぁもうやっぱこの男ムカつく!そこに直りなさい!」

 

 

 

「お、ちょっ!暴力反対!」

 

 

 

キンキンッという金属音が立つくらい激しくフォークで打ち合う2人。

周りに被害こそ出ていないが、ちょっと迷惑そうにしている。うーむ、可愛そうである。

だが…………

 

 

 

「なあ、ルミア。」

 

 

 

「うん?何?」

 

 

 

「こいつらさ、」

 

 

 

「……うん。」

 

 

 

「「仲いいな(よね)」」

 

 

 

そう言って再び目を向けると、グレンが俺の分のフォークまで使って戦っていた。

 

 

 

「ガーッハッハ!これで二刀流じゃぁい!」

 

 

 

「ちょっあんた!卑怯よ!」

 

 

 

「ハッハッハ〜!最終的に勝てばよかろうなのだァ!」

 

 

 

どっかの柱の男のような叫びをあげたりしながらギャーギャーと騒いでいた。

ってか俺まだ食ってる途中なんだけど。

 

 

 

「はぁ………。【投影】」ボソッ

 

 

 

取りに行くのも面倒なので、こっそりとフォークを投影する。

一応人前で使わないようにしているけど、まぁバレなけりゃいいだろ。

 

 

 

「うん。やっぱうまいな。ルミアも早く食った方がいいぞ?」

 

 

 

「あ、うん。」

 

 

 

食べながらルミアにそう言い、騒ぐふたりを気にせず食べた。

………いや気にしないようにしてるけどやっぱりうるせえな。

流石に止めるかな。

 

 

「おい二人とも、その辺にしといた方がいいぞ?」

 

 

「ぜえ……ぜえ……そうだな。」

 

 

 

「はぁ……はぁ……。そうね。」

 

 

 

「ほら、早くくった方がいいぞ?」

 

 

 

「「わかってるわよ(っつうの)」」

 

 

 

なんだかんだ息ピッタリな2人であった。

 

 

 

(………あれ?アラン君、フォークどこから出したんだろう?)

 

 




アラン「と、言うわけで第1話!どうだったかね?リメイク作品ってのもあるから前作とは大分違う部分があったと思うが………まぁ、そこも楽しんでくれるとありがたいぜ。」

グレン「次回もまだ第1巻の内容だな。この頃の俺、相当ひでぇなぁ…………」

アラン「今もそんな変わってねえだろ。寝てはいないけど。」

グレン「酷えなおい。まぁ否定出来ねえけど。」

アラン「だろ?って、そろそろ次回予告行っとくか」

グレン「了解。」

アラン「オーケー。じゃあ次回予告!
何時になっても寝たり適当な授業をするグレン。その教師とは思えない態度にシスティは怒り怒髪天。グレンに決闘を申し込むことに。その結果はいかに!?」

グレン「そして決闘をした後、アランは俺の過去について追求。一体なぜ俺の過去を………?」

アラン「次回、『ロクでなし魔術講師と投影者』第2話!」

グレン「『サボり魔の決闘』。次回をお楽しみに!………って、ナチュラルに俺ディスられんのな。」

アラン「しゃーねーだろ?」
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