ライダー世界が異聞帯になったら   作:鮫田鎮元斎

3 / 7
ダイジェスト風。

個人的にゲッテルデメルングが一番好きなストーリー、オフェリア好きだしナポレオンも好きだけど早くオリキャラの異聞帯へ進みたいので大幅にカット。


あとがきは超絶ネタバレ注意です。


幕間の物語

 ――――これはまだ、世界が漂白されず、人理も焼却される前の話。

 

 

「あ……」

 

 ライブラリに入ろうとしたら、見知らぬ人と鉢合わせてしまった。

 

 つい最近やってきた人なのだろうか、それとも新規のスタッフなのか、よくは分からない。

 

「失礼、お先にどうぞ」

「え、ええ……」

 

 彼は私を先に通してくれた。紳士的な人だと思った。

 

 でも穏やかなのに、その目はとても鋭くて。

 

 まるで魔眼のような禍々しさを感じてしまった。それだけがどうしても忘れられなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………

 

 

 

 

「――故障した?」

「そうなんです……すいません」

 

 別の日、戦闘用のシミュレーターを使おうとした時の事。

 

 前に使用していた人物が想定以上の負荷をかけてしまったため臨時のメンテナンスを行わざるを得なくなったしまったと。

 

 私はきっと、キリシュタリアがやったのだと思った。彼以上の戦闘力を持つ人は、Aチームにすらいない。

 

 

 

 

 彼がAチームに配属されたのは、翌日の事だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………

 

「デイビット、君はどう感じた?」

 

 彼は問いかけられ、僅かに視線を動かした。

 

「不確定要素が多すぎる。だがダ・ヴィンチと似たような存在であると言える」

「つまり、レイシフト実験の為だけに生み出された、もししくは改造された、と」

 

 私は背筋に悪寒が走るのを感じた。

 

 マリスビリー所長ならそのくらいのことをする、そんな予感があったから。

 

「あくまで俺の所感だが、あいつはヒナコと同じ類の人間だ」

 

 その言葉に、部屋の片隅で読書をしていた彼女が視線を上げる。

 

「私と同じ?」

「少なくとも俺はそう感じた」

 

 彼は相変わらずの無表情でそう答えた。

 

 

 キリシュタリアはデイビットからさらに意見を求めていた。私はそれが答え合わせをしているかのようにも感じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………

 

「あなたがオフェリア・ファムルソーネさんですか?」

 

 ミーティングの後、声を掛けられた。

 

「ええ……私に何か用かしら?」

「謝罪がしたくて――前に僕がシミュレーターを故障させたせいで、あなたが訓練を受けられなっかった、と」

 

 俄かには信じがたいことだった。

 

 彼は――園咲 リュウトと言う男は平凡な男だ。眼光が鋭いこと以外はどこにでもいる一般人。デイビットの言い回しを借りるなら、それが私の所感だった。

 

「そのことなら、もう済んだことよ。気にしていないわ」

「ああ、よかった。こうして同じチームに配属された以上、わだかまりがあったらうまくやっていけない。そう思いませんか?」

 

 そして彼はペペ以上のムードメーカー……だと思う。彼(彼女?)の様にジョークを言って和まるというよりは、空気の様に間に入ってくる。

 

 こんな言い方はしたくないけど、存在感が殆どないのが彼の特徴。でも確かにそこにいて、Aチーム全体の雰囲気をよくしてくれている。

 

「そうね。少なくとも……あなたのお陰でみんなが上手くやっていけている気がするわ」

「良かった。これからよろしくお願いします。オフェリアさん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………

 

 

 

 

 気が付けば、リュウトは皆の悩みを相談される立場となっていた。一番長い時間一緒にいたのはヒナコだった気がする。デイビットの言っていた通り、気が合ってたのかも。

 

 そういう私も、日曜日になったら決まって彼のマイルームへ行っていた。

 

 いつも何も言わず、お茶とお菓子を出してくれた。

 

 日本の“シャルモン”という有名なケーキショップの物をわざわざ取り寄せてくれているらしい。

 

 

 彼も甘いものが大好きだそうで、いつも美味しいスイーツを探し回っていたことを話してくれた。

 

 実家のティータイムでは彼のお父さんが選んだお茶菓子がふるまわれていたこと、二人の妹の仲が悪いのが悩みだということ、考古学の専門的な話(あまり興味は無かったけど)――とにかくいろいろなことを話してくれた。

 

 それにつられて、私も自分のことを少し話した。

 

 話すうちに、少しだけ肩の荷が下りた気がして。

 

 きっと彼のような家族が居たら、私は日曜日を好きになれていたかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………

……

 

 

 意識が朦朧とする。

 

 命があと少しで尽きそうなのが体感でわかった。

 

「……マシュ?」

 

 手を握られた気がする。感覚がはっきりしなくて、何かが触れたように感じる。

 

「はい、ここにいますよ。オフェリアさん」

 

 きっと、スルトを斃せたのだろう。本当に、本当にマシュはすごい。

 

「マシュ、すごいのね。本当に、アナタはすごい」

 

 私は声を出せているんだろうか?

 

 ただ思っているだけ?

 

「っ私、カドックをもう責められない。アナタたちの事を止めるなんて……」

 

 ああ、これからなのに、やっと、アナタと友達になれそうだったのに。

 

「アナタの歩みを……できれば応援してあげたいけど、駄目。キリシュタリア様は、裏切れない。裏切りたく、ないの」

 

 ねえマシュ、知っていた? 私、彼を思う彼女ほどではないけど。

 

 

 

「……やっぱり、彼の言う通り、勇気を、出せばよかった。わたし、あなたと――」

 

 彼は全てをお見通しだったのかもしれない。

 

 私にテーマパークのチケットをくれたことがあった。すべてが終わったら、マシュを誘って、友達同士の様に――

 

 だけどそれも、敵わぬ願いになってしまったけど。

 

 

「マシュ、リュウトに、きをつけて。彼、クリプターになって、変わってしまった。アナタにこれを、いうの、嫌だけど――」

 

 怖かった。

 

 本当に優しかった彼が、大きく変わってしまったことが。

 

 恐怖の帝王、程ではなくても――私の心に重圧を感じさせるのには十分だった。

 

 優しい兄から、厳格な父へ。

 

「はい、私は絶対に――リュウトさんを」

「彼には、アナタが、必要よ。わたしとしては、少し、複雑だけど、彼なら、味方に、なって――」

 

 息をするのがつらくなってきた。

 

 最後に、これだけでも、伝えたい。

 

「あの英霊……に、もしも、また……会えたら……」

 

 ありがとう。結婚はお断りだけど、あなたの虹、綺麗だった。

 

 そう伝えたい。

 

 

「―――――」

 

 もし私が勇気を出せていたら。

 

 彼の言う通り、素敵な日曜日が――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………

 

 

 

 2015年 X月 X日。とある日曜日。

 

 

 

「――なに、これ?」

「ああ、僕の故郷にあるテーマパークのチケット」

 

 ペア優待券、期限は2016年12月末――

 

「デートのお誘い? 私たちにそんな余裕は」

「違うよ。君と、マシュで行ってきてほしいんだ」

 

 風都ランド。センスのない名前だけど、たぶん普通の遊園地なんだろう。風車のような可愛いマスコットのイラストが描かれている。

 

「次の日曜日、きっと素敵な日曜日になるよ。だって、友達と楽しく過ごせるんだ。悪いはずがないよ」

「でも、私は魔術師よ。こんな普通の人みたいに」

「僕は魔術の事はよくわからないけど、君の事ならわかっているつもりだよ。君は普通の女の子だ」

 

 彼はいつもの笑顔で私に言った。

 

「まあ、眼帯しているのは――ちょっと変わっているけど」

 

 その一言は余計。

 

「そう……なら、誘ってみようかしら」

 

 次の日曜日――は無理だから、その次。

 

 いつかの日曜日に、マシュと一緒に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




※二部三章ネタバレ注意
































「さて、こうして召喚された以上、覚悟はできているんだろうね?」
「はん! 私に何を話せッていうのかしら?」

 虞美人は強気に応える。

 警察の取り調べよろしく、ゴルドルフはテーブルを叩く。

「もちろん、貴様らクリプターの目的についてだ!」
「あら、なんの事かしら? 全然記憶にないんだけど」
「ふっふっふっ……白を切っていられるのも今のうちだ――ムニエルくん!」

 彼が指を鳴らすと、ドアが開く。

「拷問でもすれば? ま、何されても……?」

 運ばれて来たのは、“トロットロのカルボナーラ”と“カリッカリのベーコンエッグ”だった。

「なに、これ?」
「まぁ食べたまえ。少なくとも君の不健康な顔はひまわり色に変わるだろうね」
「……ふん! どうせならもっとマシな美食を」

 カルボナーラを頬張った彼女は大きく目を見開いた。

「…………こ、この程度で私が」
「お代わりもあるぞ?」
「……くっ! 作れ! こうしてカルデアの陣営に属する以上、少しくらい協力をしてあげないこともないわ!」

 次の日から彼女の態度が軟化したとか。














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