これからどうなるのか、自分が自分でなくなる不安と恐怖で身体を震わせながらベッドで布団をかぶっ震えていた。
そのまま眠ってしまったのか、気が付いたら意識がなくなっていたみたいで、胸に部屋の中に放り出していた
「ひぃっ!?」
自分を自分で無くす元凶を思わず放り投げ、涙目でガクガクブルブルると震えている。どんなに助けを求めても誰も来ない。
泣いていると、何時の間にか意識を失っていたりした。どれくらいの時間をこうしていたのか、わからない。
「クスクス」
声が聞こえてきて身体がビクッとなる。恐る恐る布団から顔を外に出して確認してみるけれど、そこにはなにも居ない。
「気のせい……か、な……?」
布団をもう一度被って真っ暗な中で眠ろうとした瞬間、私は
「あっ、あははははっ、さっ、さすがに居ないよね? よね?」
掛け布団を引き寄せて涙目なりながら、部屋の中をもう一度見渡す。でも、
「待って、待って、待ってっ! やばいやばいっ!」
布団を放り投げて
鋼鉄の扉は開いていた。
「さっ、さっきの、やっぱりここから……」
顔が青ざめてくる。おそらく、さっきのクスクスと呼ばれる笑い声はクトゥルフ神話に出てくる星の精と呼ばれるモンスターだと思う。そうなると、時間経過で詰む可能性が非常に高い。
「やっ、やるしかない……だっ、大丈夫、大丈夫。わっ、わたし、私はアリスだもん、アリスなら、魔法の国のアリスなら大丈夫っ!」
鋼鉄の扉を慎重に開いて中を覗き込む。相手は宙に浮かぶ血を吸う化け物であり、血を吸うことでその輪郭が真っ赤に浮かび上がっていく。浮かび上がった時は真っ赤に脈打つ巨大なゼリーにたくさんの触手が備わっており、ぷるぷると震えている。その触手の先には吸盤がついており、生き血を啜る口と大きな鉤爪も備わっていて、捕らえた獲物は死ぬまで離さない。そんな化け物が居た可能性がある。
だからこそ、ここはやばい。ただ、人形は無いので武器が必要だ。だから、キッチンに移動してそこから包丁を取り、装備する。他に武器になりそうなのはやっぱり、弾幕だ。それの実験をせずにこのまま進んでいくと死ぬだろう。
「ま、まずは念の為にこの部屋を調べてからだね」
キッチンの扉を押し開いて中身を確認していく。食器の類いは少しだけあるけれど、目的の小麦粉とかはない。仕方ないので水差しに水を入れてそれを撒いていく。これで水滴が空中に浮いたらそこに星の精がいるのは間違いない。
「よっ、良かった~この部屋も大丈夫みたいだ」
なんとか落ち着いてこれた。でも、まだやらないといけないことがある。鋼鉄の扉の前に椅子や机を滑って倒れながらも移動させた。
「うぅ~痛い~」
一応、風呂場やトイレも全部確認した。それが終わってから、弾幕を確認する。水浸しになっている部屋は放置する。今は時間が無い。それにこの身体がちゃんと魔法の国のアリスとなっていたら、赤・青・紫・緑・黄の五色の究極の魔法を操れるのだ。この五色にそれぞれ属性を宿せばいいだけ。
そんな訳で、魔法を使ってみよう。まずは魔力を操作する。ただ、使い方はわからないので、弾幕を発動する。そう意思を込めると、身体の中から何かが抜けていく。すると目の前に無色の球体が四つ現れた。
意識を身体の中に向けてみると、先程感じた不思議な感じの物が身体の中にあることがわかった。弾幕を構成する魔弾に魔力っぽいのが流れている。いや、他にも魔力が流れているのが二つあった。これは操作できないみたいなので、おそらく捨虫と捨食だと思われる。
魔術刻印の方も起動してプロイキャッシャーを発動してみるも、やっぱり人形が無いので発動はしない。作りたいけれど、材料も無いのでそれも無理。ちなみに今までの魔力はオドなので、全て自前で賄えている。
魔力には自然界にある魔力、マナと、術者の体内にある魔力、オドがある。この二つの違いは、とりだせる場所の差であって魔力である点においてその性質に変化はない。なので普通はマナを使って発動することが多い。けれど、アリスの原初の生命力とも、命そのものとも言われるオドは質がかなりいいみたいだ。
今は自動回復にしか使えない魔術回路も問題無いので、魔弾の生成を増やしてみる。まずはどこまで作れるか試してみようと思う。そう思ってやってみたら、四つしか作れなかった。意思で操作してみると、思った通りには動く。けれども、どうしても一つを自由に動かすか、四つ纏めて同じように動かすしかない。
「……まあ、はじめてだし仕方ないよね……」
続いて魔弾に属性を付与するイメージを行う。赤色の魔弾は炎。真っ赤でめらめらと燃える火の玉ができた。次はそれを球体の結晶体へとイメージしていく。流石は魔法の国からやってきたアリスだ。問題は数を作って操作になれるだけ。そんな訳で赤色を使って水浸しになった床を綺麗にしてみる。
ジューという音と共に水分が飛んでいく。それをじーと見ているけれどふと思った。これ、水を集めて魔弾を作ればいいのではないだろうか?
そう思って今度は水の魔弾を作ろうとしたら火の魔弾が霞のように消えた。どうやら、まだ同時には発動できないみたい。それでも、床にある水分を集めて渦潮のように水を集めて魔弾を作るイメージを行うと、身体の中から魔力が抜けていく。同時に地面から空中に水が吸い込まれて球体が形成される。
「お掃除終わりっと」
集めた水は壁に向かって放ってみる。命中してバシャっとなっただけでダメージは全然ない。これでは役に立たないので、どんどん圧縮していく。50センチぐらいだったのを5センチまでに圧縮できたので、あとは高速回転させる。でも、これは維持が難しいので、やっぱり無しかな。ただ、イメージで動かせるので相手の体内に送り込んで内部から壊すのはいいかもしれない。
続いて座って休憩しながら、魔力の回復を待つ。じっと瞑想して周りのマナを集めて体内に取り込み、オドを回復させる。イメージとしては空気中に含まれているので、呼吸して酸素を全身に行き渡らせる感じでしたら、ちゃんとできた。
瞑想を五分ほど行ってから、休憩がてらにお弁当を食べることにする。捨食があるのでいらないけれど、やっぱり食べた方が精神的にも落ち着く。そんなわけでコンビニ弁当を取り出してレンジで500ワット、3分30秒で行う。
わくわくしながら待っていると、チンッという音がした。中から親子丼を取り出し、テーブルの上に置いてラップを取り外す。二段重ねのトレイを外し、ご飯に中身を掛けてからスプーンで半熟卵と掻き混ぜて七味を振りかける。大人用の大きな椅子に座って、足をぶらぶらさせながら食事を開始する。
「っ~!? 辛っ、辛いぃいぃぃぃぃっ!?」
大人のつもりで七味を入れたのだけれど、滅茶苦茶辛かった。それに舌が痛い。忘れていた。今はアリスな訳で完全な子供舌なのは仕方ない。この感じなら山葵も駄目だろう。でも、美味しいのは違いないけど辛い。それを我慢して食べていく。
酷い目にあったけれど、魔力の回復は完了した。とりあえずは調味料は控えるとして、次にやるのは魔弾の総数を調べる。
調べた結果、火を四発。六回までできた。そこで魔力切れだった。つまり、合計二十四発。それが私の出来る最大火力。弾幕としたら全然足りない。といっても、火を圧縮しているので、火力はどれほどかはわからない。というか、バリアも使うのだから二十四発も無理だ。だいたい十二発のバリア六回くらい。
もう一度休憩してから、片手に包丁、片手に
鋼鉄の扉の先は廊下で、突き当りは壁になっていて左右に廊下が続いている。入ったすぐの廊下の左右にも木製の扉があった。まずは入って右の扉を開いてそっと中を見る。
中身は書斎だった。執務机とソファー。それに壁際にはびっしりと収められた本棚には十七冊の見覚えがある大きな本が納められている。それは
それは私の
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どう考えても星の精です。ありがとうございました。次の本を読んでみる。
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私は
アリスポイントなる物を消費して完全なアリスとなる。そうだと思って本に私が知っているアリスを書いてみた。そうしたら、本当に不思議の国のアリスになった。
そこからは不思議な冒険だった。鋼鉄の扉を抜けた先にあった扉を開けて入った。そこは不思議の国だった。そこから不思議の国のアリスの通りに進んでいく。三月兎や帽子屋達と出会って、一緒にマッドパーティに参加した。美味しくない紅茶を飲んで、吐きそうになりながら我慢して飲み込んで頑張った。でも、やっぱり彼等の好き勝手にやることに耐えられずに先に進んだ。そして、女王の兵隊、トランプ兵に捕まった。
私は裁判を受けて、殺された。
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うわぁ、なにこれなにこれ。他にも読んでいくと、だいたい歴代の
おそらく、ティンダロスの猟犬だと次の
彼女が選んだのはグリムノーツのアリス。そこから天性の実力を発揮して、様々な世界を旅してアリスポイントを集めていった。つまり、アリスポイントを集めて力をつければ普通にティンダロスの猟犬とかも倒せるようだ。
この本から教えられた内容としては、まずアリスポイントは世界を開くポイントとしても使われる。その世界で偉業をなし、アリスの名前を広めればアリスポイントが手に入る。一つの世界につき最大三ポイントらしいので、次の世界を開くことを考えると二ポイントが使えるようだ。
ただ、彼女は次第にとんでもないことをしだした。ある世界でハスターを召喚しようとした魔術師と探索者が争っていた。彼女は魔術師の方に味方をした。その時点で彼女は複数の世界を破壊し、救済し、好き勝手にやっていた。実力としてはすでに神に挑める程度だったからだろう。ハスターと戦った彼女は驚いたことに交際を申し込んで許可をもらえていた。
カップルになったアリスはハスターといろんな旅をした。そして、子供も産んだが、ここで問題が起きた。
次のアリスは最初に母親に薦められた世界を遊び歩き、最後にポケットモンスターの世界を選んだ。何を考えたのかは知らないが、彼女もアリスとして不思議な冒険をして、最後には母親と同じように転生を選んだ。
そして、次のアリスとして私が選ばれた。あのお婆ちゃんは優しさからか、ちゃんと対策としてプレゼントがあるらしい。
「本によると、確かここに……」
執務机の引き出しを開ける。そこにボタンがあった。それを押すと、ソファーの座る場所が浮き上がった。そちらを上げて中を確認すると、中には黄色の外套が入っていた。その外套を身に纏ってみる。フードもあるこれは色々と便利だと思う。
一応、情報は手に入ったので、外に出てから目の前の部屋を調べる。前の扉の中身は倉庫だったようだけれど、残骸しか無かった。
先に進んでいくと、左右に道が分かれている。左側はまた時計が設置された鋼鉄の扉があった。ただし、そこは覗き窓があったので覗いてみると……中には何も居なかった。ただ、暗闇が広がっているだけ。ここは嫌な予感がするので放置することにする。
反対側に移動すると、大きな円形の広場になっていた。その円形の広場には中央に球体が設置された台座があり、壁には扉が二つだけあった。扉の一つは白と黒の丸いボール、モンスターボールの絵が書かれている。もう一つの扉には神社が描かれている。こちらはおそらく、東方プロジェクトの世界。
どうやら、ベースとなったアリスの世界は最初の世界として用意されているみたいだ。ここを潜ってマーガトロイドの方のアリスから人形を貰ったらいいだろう。ただ、あちらも妖怪が跳梁跋扈しているので危険だろう。まだ実力は低いし。
それを考えると、ポケットモンスターの世界はまだ楽だろう。危険はあるだろうけれど、十歳で旅に出るような世界であり、ポケモンを持っていたらちゃんと戦えるのだ。あの世界なら、私もサイキッカーとして魔法を鍛えることもできるしね。
オルフェンズのアリス開始時期およびルート
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