波まで残り一日。準備は最高ではないけれど、ある程度は整った。まず、私達の奴隷の中で波に参加してくれる奴隷が68人。亜人が56人で、普通の人が12人。戦闘に参加してくれない奴隷が32人。この32人の中には10歳以下の小さな子供や老人なども含まれている。それ以外は、実力が足りなかったり、薬などを用意する後方支援要員だったり。
戦闘に連れていける奴隷の68人はシルバーゴーレムから手に入れた装備を使い、盾役と槍役、弓と魔法などの遠距離攻撃部隊としてわけている。荷馬車や場所で治療薬や予備の武器も持っていくので、たぶん大丈夫だろう。
「アリス、今いいか?」
「構いませんよ」
野外で丸まったシロに背中を預け、クオンに膝枕をして頭を撫でてながら考えていると尚文おにーさんがやってきた。
「波の場所ってわかるか?」
「基本的に一定範囲内をランダムですよ」
「でも、アリスなら知ってるよな? この世界に詳しいみたいだし」
「……あくまでも予想ですが、それでもいいですか?」
「ああ、それでいい」
「では、リユート村です」
「炭鉱がある場所か……」
考え込むようにしてから、尚文おにーさんは地図を広げていく。
「召喚場所は少し遠いですから、すぐに駆けつけるのは無理でしょう」
「なら、一部の部隊を連れていく設定から外して先に派遣しておくのはできるか?」
「それなら、確かにできます。でも、その場合……もし場所が違ったら大変ですよ」
「ああ、それでもやる価値はある。そうだな、例えばだがアリスの転移で今から移動し、波の前に避難所を作っておくのはどうだろう? 俺達にはゴーレムの死体が大量にある」
「……可能、ですね」
「ならやるぞ。少しでも被害が押さえられる方がいい」
「わかりました。クオン、起きてください」
「ん~」
起きたクオンは寝ている間に少し成長していて、私の身長を越えた。140センチくらいに成長していた。私より結構伸びてしまった。いや、まだ希望はある。せめて140。それが無理でも130……120は欲しい。110って五歳くらいだし、うん。
「尻尾と耳は再生したのか」
「うん。モフモフですよ!」
先端が黒色になっている銀色の尻尾をモフモフする。顔を埋めたり、頬擦りしていくと、クオンが顔を真っ赤にして喘ぎだす。
「んっ、んんっ!? あっ、激しっ、んんっ!」
「止めてやれ」
「この魅力には勝てないです」
モフモフを堪能したら、ブラシでしっかりと毛繕いをしていく。浄化と回復の魔法をかけ続けて銀色に光る綺麗な髪の毛と尻尾、耳を実現した。ちなみにそれ以外は普通の女の子と変わらない。微かに膨らんでいる胸以外は美少年と見えなくはないけれど、髪の毛を伸ばしているのでやっぱり美少女だ。
「まあ、準備だけしてくれ。リュート村を守るために少しでもいい物を作っておきたい」
「了解しました。どうせ今日はダンジョンに入りませんしね」
「ああ、明日が本番だからな」
今日は上がったレベルで上昇した運動能力に馴らす調整をするだけで、基本的には休息日の予定だった。でも、追加でお仕事が入ってしまった。
「では行きましょうか」
「悪いが頼む」
「はい」
頼まれたので、トランクケースにゴーレムの残骸を詰め込んで……って、一つ思った。ゴーレムって人形、伝説は色々とあるけど……操り人形なんだよね。これって、私が操れるのではないだろうか?
「尚文おにーさん、少しダンジョンに行ってきます。もしかしたら、とってもいいことができます」
「わかった。ただ、俺達は先に送ってくれ」
「了解です」
ある程度の人数を送って、ゴーレムの残骸を渡した後、ゴールデンゴーレムの剣を使ってダンジョンを作成する。
今回のフィールドは遺跡だった。その中には沢山のゴールデンゴーレムたちが存在している。そいつらに魔法の糸を伸ばして操作できるか試してみる。居た一体に糸を伸ばす。弾かれた。
「ルクス、押さえて」
ルクスが突撃して、四つ足で相手の手足を封じる。背後からの奇襲で押し倒し、頭部に魔法の糸を放って接続する。今度は上手くいった。彼等の命令は侵入者の撃退とされていたので、それを消して私の指揮下に入るようにする。
「これは、結構使えますね」
経験値は入らないけれど、とても便利だ。ただ、ゴールデンゴーレムじゃ弱いかもしれない。もっと強いゴーレムが欲しい。そんなわけで、ゴーレムを捕獲して、それを戦力にしながらどんどん進んでいく。人形であるなら操ってみせるのがアリスなのだし。
ゴールデンゴーレムの次はミスリルゴーレム、アダマンタイトゴーレム、オリハルコンゴーレムを確保。また基本的にこれらは遺跡か鉱山にいるので、そこで素材や武器などが確保できた。
「ただいま戻りました」
「遅かったな」
戻ったのはリュート村です。そこではすでに町の外に奴隷さん達、私達の部隊が穴を掘って土で壁を作っていました。その壁にゴーレムの装甲を取り付けています。
「尚文おにーさん、これを見てください」
「なんだ?」
私はモンスターハウスの魔導書からゴーレム達を呼び出して整列させる。
「こいつはテイムしたのか?」
「はい。私はアリス。人形のスペシャリストです。ゴーレムだって操れるようです」
「命令はどうなっている?」
「書き換えてありますので、私達の指示には従います」
「ゴーレム兵は重機としても使える。これなら作業も捗るな」
「はい。避難所はどうですか?」
「地下に作る予定だ。俺達に従ってくれるかは微妙だけどな」
「いざという時は従うでしょう」
「そうだな」
ゴーレムを分けて一部は堀を作らせ、一部は町の中心部に大きな穴を掘って足場を組み、魔法で固めていく。そこにゴーレムの装甲を貼り付けて溶かして溶接し、全員が隠れられるようにしておく。時間がないので突貫工事になるけれど、皆が避難できる場所はできた。
「勇者様方、本当にここに波が来るのですか?」
「その可能性が高いってだけだ。それに今回は来ないかも知れないが、次に来た時や盗賊に襲われた時にあれば便利だろう」
「は、はい。確かにおっしゃる通りです」
「まあ、いざという時に避難してくれればいいです」
「わかりました。それとせめて食事くらいはご用意させていただきます」
「お願いします」
「ラフタリア達、沢山食べるからな」
「尚文おにーさんはその前に鎧を買いにいかないと駄目ですね」
「鎧か……やっぱりいるよな」
「もちろんです。そんなわけでラフタリアさんとフィーロと共に王都に送りますね」
「わかった」
ラフタリア達が手伝いをしているので、そちらに移動してから王都に送っておいた。私も服屋さんによってクオンの服をもらってから戻る。クオンがいなかったので、今度連れてくるように頼まれてしまった。まあ、一着じゃ足りないし他にも肌着とか買わないといけない。どちらにせよ、これで尚文おにーさんは原作通りの鎧を着てくれるだろう。いや、時間的にやばいかもしれないけど、まあいいや。
「村長さん、護衛としてゴーレムを配置させておきます。基本の命令は町の中で攻撃する人を敵として認識するようにしていますので、くれぐれも攻撃しないようにお願いします。指揮権は村長さんにも渡しておくので、護衛としてもお使いください。それと波の開始前にはできるだけ避難を完了させておいてくださいね」
「はい、もちろんです。あの、このゴーレムは頂けるのでしょうか?」
「購入になりますので、代金は頂くことになります。それは終わってから相談しましょう」
「ありがとうございます」
他にも色々と注意事項を伝えていると、若い人達がこちらにやってきた。
「あの、俺達も戦いたいです!」
「波に参加するのですか?」
「「「はい!」」」
「それなら戦闘の参加は次回からにしてください。邪魔になりますので」
「そんなことは……」
「なります。戦闘は連携を組む訓練や武器をしっかりと扱う特訓がいります。やっていないですよね?」
「それは……でも……」
「はい。皆様の思いはとても理解できます。自分達の村を自分達で守りたい。ですから、戦闘は参加してもらうことはできませんが、それ以外に協力してください」
「それ以外?」
「私達は所詮、余所者です。ここのことを詳しく知りません。ですから、波の間、逃げ遅れた人を探す案内役をお願いします。護衛はつきますが、これも大事なことです」
「わかった」
「よろしいのですか?」
「警戒すべきは空の敵ぐらいですね」
「ゴーレムなら、投石をなされたらよろしいのでは?」
「投げる物がありませんからね」
「でしたら、丸太などどうでしょう。火をつければかなりの威力になりそうだと思うのですが……」
「それで行きましょう。ただ、火は止めますが」
「そうですな」
こちらの準備はおおむね完成。空の対策はまだまだ不安だ。
「ご主人様」
向こうの方から私目掛けてクオンが走ってきた。クオンの耳の間にはジュカがいて、遠くの方からシロがこちらを見詰めている。ルクスも空から私の後ろにやってきていた。
「皆、どうしたの?」
「ちゃんと、できるか……心配……」
「大丈夫だよ」
不安なようなので抱きしめてあげる。身長の関係で胸に顔を埋めることになるけど、気にしてはいけない。決して柔らかくて少し硬いなんて思ってはいない。ぷにぷになだけだ。
「ご主人様?」
「なんでもないよ。それより、波のことだね」
「本当に強くなってるのか、わからない」
「クオンは本格的に戦ってないしね。シロもか。でも、レベルは上がったし、私の力で随分と強さは成長しています。ただ、これからしっかりと戦う技術と鍛錬をしないといけませんが、次の波なら今のクオン達でも十分に対抗できるはずです。それにクオン達が戦えなくても、私達がいますから、自分のできることを精一杯にやってください。ただ、軽い怪我はいいですが、大怪我は駄目ですからね」
「ん、わかった。気をつける」
「シロもあんまり頑張りすぎないようにね」
「シャー!」
「ジュカはクオンを、ルクスはシロの護衛をお願いします。私は上空の敵を対処しますから」
「ガァ」
「ジュペ!」
返事はしてくれたけれど、やっぱりまだ不安そう。それなら軽く訓練をしてあげるか。
「では、少し私と遊んでみましょう。今までのクオンならできなかった遊びです」
「?」
「でてきて、ゴーレム」
出したのはシルバーゴーレム。それを操り、武器を構えさせる。
「このシルバーゴーレムと一対一で戦ってください。ゴーレムの弱点は頭部です。そこに頭脳、制御術式が収納されています。では、行きますよ」
「わかった」
ゴーレムの剣を振り下ろす。大剣のような物なので、それだけでクオンに当たれば終わりだ。クオンは余裕をもって回避し、攻撃を行う。でも、装甲によって簡単に弾かれる。クオンの勝ち筋は攻撃を回避して頭部に攻撃をするしかない。もちろん、私がフルコントロールしているので、盾で防いだり、剣で土を巻き上げて攻撃したりする。突破したとしても、わざと倒れるようにして身体を回転させて振り落とし、そのまま押し潰す。クオンが逃げると腕の力だけで飛び上がって立ち上がる。
「……シルバーゴーレムの動きじゃない!」
「前のクオンならあっさり負けていましたよ」
「むぅ」
剣を振れば野生の勘なのか、こちらの攻撃をアクロバティックな動きで回避していく。ゴーレムはどうしても大振りな動きになり、素早い動きにろくに対応できない。だから、容易く懐に入られて切られる。でも、ダメージはない。次第に体力が無くなってクオンがばて出した。
「はい、ここまでですね。明日は今の動きで試してみてください。そうしたらクオンの実力がわかりますから」
「むぅ」
「ここまで戦えたのですから、大丈夫です。そんなに心配なら、今日は一緒に寝ましょうか」
「? いつも一緒に寝てる」
「成長したから、別に一緒に寝なくてもいいかな、と」
「嫌。一緒がいい。一人は怖い」
「わかりました」
イルドに飼われていた時のことを思いだすのかもしれない。本当はそろそろ寝る時は別の方がいいのかもしれないけれど、まあ、傍から見たら子供だし大丈夫大丈夫。
波の時間がやってきた。もうまもなく転送される。
「これより、波での初めての戦いになりますが、各自、しっかりと役割を実行するように。目標は被害ゼロです。ましてや貴女達が殺されるのは許可できません。必ず生きて帰るように!」
「「「おおおおおおおおおおおぉぉぉぉっ!」」」
雄叫びが上がり、少しすると転移した。私達は崖の上にでて、周りを見渡せば予定通りのリュート村。隣にはクオンが不安そうに私の服の裾を握ってくる。その先に尚文おにーさんや他の勇者達がいて、こちらを見て驚いている。なにせ連れてきたのは50人の奴隷で、そのほとんどが亜人だ。全員がほぼ40になっていて、クラスアップが可能になっている。
「なっ、なんなのよコイツラ!」
「これはどういうことだ?」
「ふむ」
私は魔導書からルクスを呼び出してクオンと一緒に飛び乗る。
「第一から第三部隊は、まずリュート村の部隊と合流して安全を確保する! 付いて来い! 残りはアリスと共に迎撃だ!」
「「「はっ!」」」
30人の人達が一斉にリュート村を目指す。残った20人の人達は弓や魔法使いだ。せっかく高台にいるのだから使わせてもらう。
「空中にいる敵を優先して攻撃してください」
「あ、アンタ達、シルトヴェルトの連中を引き込んだの!」
「あれ、まだ生きていたんですか。さっさと死んでくれた方が世界の為なんですが……」
「なんですって!」
「落ち着け。それよりも、彼等はなんなんだ?」
「見てわかりませんか? 私達に協力して世界の為に伝説の武器も持たずに命懸けで戦ってくれる勇者さん達です」
「勇者はボク達でしょう」
「えっと、勇者の意味ってわかっていますか? 国語の勉強、ちゃんとしましたか?」
「わかってますよ!」
「いや、だからなんであいつらを連れてきたんだ?」
「それは簡単ですよ。一重に戦力が足りないからです。むしろ、国の援助を受けているそちらが何故、兵士の人達を連れてきていないのですか? この時点で伝説の武器があったとしても貴方達にこの国の勇者を名乗る資格はありませんよ」
「なんだと?」
「どういうことだよ!」
「いや、勇者が被害を出したら駄目でしょう。少なくとも波の近郊を制圧し、残敵を掃討するのは当然なので人手がいます。近くに村があればそれを守ることも役目のうちです。なにせ援助を受けているのですから」
「まて、それは兵士の仕事だろう」
「そうですね」
「ああ、その通りだ」
「あなたの言っていることは間違っていますわ」
「いえ、ですからその兵士はどこですか? なんで連れてきていないんですか? 一緒に転送させれば、チャリオットに乗せた攻城兵器まで持ち込めるんですよ?」
「そんな被害がでるはず……」
「ゲームだと思っているのなら、設定されていることは最低限、読みましょうよ。町の襲撃イベントなんて定番中の定番ですよ? 村が襲われて被害がでたらそれだけで税収は下がりますし、後々辛くなってくるのは私達ですよ? もしかして、ゲーム初心者のにわかな方々でしたか。それならごめんなさい。懇切丁寧に教えてあげますから、クリアランクSを目指しましょう」
思いっきり煽ってあげたら怒り心頭だ。ちなみにこの間にもこちらの手勢は防御陣地を構築し、攻撃を開始している。ゴーレムの腕力を使った遠距離攻撃。ルクスが飛行して突撃していっている。
「ランクSだと?」
「住民の被害0、町への被害も0、侵入される前に敵を討ち滅ぼします。一人でも犠牲を出したらその時点でリセット案件ですよ。そして、この世界でリセットはできません。あんまり調子に乗ってると、殺されますよ。私達勇者にはいくらでも代わりがいるということをお忘れなく。すくなくとも、私は世界の為にならない勇者なら、殺してでも次の勇者にしてしまおうとする人を知っています。その内の一人は貴方達ではまず勝てません。何せ千年は生きていますからね」
「その通り。フィトリアは貴方達を滅ぼすことは容易」
「てっ、天使さまああああああああああああぁぁっ!」
空から翼を広げて降って来たのは世界のフィロリアルを統括する女王。遥か昔に四聖勇者が育てた伝説のフィロリアル。無茶苦茶強い存在だ。
「あなたからは邪悪な気配がする。だから、フィトリアは調べにきた。貴方は何者?」
「私はアリス。不思議な世界を旅する旅人です。今回は、勇者として召喚されました」
「嘘」
「嘘じゃありません。魔導書が伝説武器です」
「違う。フィトリアにはわかる。それは盾の勇者のコピー品……もっとえげつないもの。世界に災いを齎す物だと、フィトリアは思う」
「それは貴女だけの判断ですね。私はどちらかといえば貴女側ですよ。この世界で修行するように言われました。修行するのに世界が滅んでは困ります。ですから、この世界を救済しますよ。例え、それで例のシステムが使われたとしても」
「……わかった。でも、世界のためにならないと判断したら、殺す。そこの勇者達も同じ。四聖勇者は仲良くしないと世界が滅びる。猶予はすくない。貴方達が勇者というのなら、世界中の波に参加するように」
言うだけ言って、崖から飛び降りて霧に包まれて消えていった。さて、めんどくさくなった。邪悪な気配と言われてしまえば納得できることが多々ある。
「やっぱり、盾と貴女は邪悪な存在なのよ! 勇者様、今こそ討ち滅ぼしてくださいませ!」
「いや、無理だろ」
「ですね」
「……これは、やばい気がする」
私の後ろには20人の我が兵や、大量のゴーレム達。そして、シロとクオン、ジュカ達がフィトリアと戦う準備をしていた。
「邪悪な存在って、まあ、魔導書の勇者なんですから、邪悪ですよ」
「認めましたわね!」
「はい。魔導書の魔とは魔法です。魔法は世界によって違いはあれど、世界の法則を書き換えて、自らの思いを実現するものです」
「確かに世界側からしたら邪悪と言われるのもわかるな」
「あと、彼女はフィロリアルです。フィロリアルはグリフォンやドラゴン等、他の騎乗可能生物と仲が悪いです。だから、その関係で邪悪と言ったのかもしれません」
まあ、十中八九、クトゥルフ神話の魔導書や私の
「まあ、どちらせよ、協力しなければ殺されます」
「そんなに強いのですか?」
「100人単位のカンストプレイヤーと戦うレイドボス、それと一対一で戦うといえばわかりますか?」
「わかりません」
「わかる」
「うわ~まじかよ」
「弓の勇者にはわかりませんか。まあ、ラスボスに近い戦闘能力を持っていると考えてください。私達が倒すのはラスボスですけどね」
さて、そろそろいいかな。尚文おにーさんからの合図がでたし、村人の無事は確保できた。
「クオン達は狩りに行ってください。私の護衛はシロだけで充分です。全軍、攻撃を開始してください。森の被害はひとまず気にしなくていいですが、火だけは使わないように」
「行ってくる」
「はい、行ってらっしゃい」
「亜人ごときに後れをとってはいけませんわ!」
クオン達が森に入っていたのを見て、ビッチが叫んでどんどん向かっていく。私はこの場から動かずに弾幕を展開して空の敵に放ち続ける。しかし、ゴーレムと私兵の導入で楽になるかと思ったら、物凄い数がでてきてる。村の上にも直接出られてるから、面倒だ。幸い、既に一般人は避難所、シェルターに入ってくれているから気にせず撃てるけど、これはまずい。
ルクスが飛び回って敵を連れてきてくれるので、こちらは弾幕を展開するだけでいい。ルクスに命中しないように気をつける。ルクスは気にせず突撃してきて、私達の上空を通過する。
「シロ、やっちゃえ!」
「シャァアアアアアアアアアアアアアアァァァァッ!」
石化のブレスが放たれ、コウモリのモンスター達は身体が固まって落ちていく。鳥系の魔物はすぐに私が弾幕を展開して撃ち落とす。そして、シロがチャージしてルクスが集めてくる。これを繰り返していく。
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