武器屋のお店で待っていると、少しして尚文おにーさんがやってきたので、私は尚文おにーさんと二人っきりでお城へと向かう。ジュカは私が持っている人形として連れていく。人形だからバレることはない。シロとルクスは魔導書の中に入ってもらっている。
「盾の勇者様と魔導書の勇者様ですね。会場にご案内致します。馬車にお乗りください」
「会場は城じゃないのか?」
「少し離れた庭園にて行わせていただきます」
お城じゃないんだ。これはいよいよおかしくなってきたね。そのまま進んでいいのか疑問だけど、行くしかない。それにこれは望む通りでもある。
「どう思いますか?」
「罠だろ」
「ですよね」
尚文おにーさんは常に戦うよう用意をしているので、私も支援魔法をかけてしっかりと準備しておく。
次第に進み、馬車が停まると、確かに庭園だった。無数のテーブルに飲み物が用意されており、他にも貴族であろう人達がいて談笑している。
「これ、本当に罠か?」
「わかりませんが、油断しないようにお願いします」
「当たり前だ」
馬車の扉が開けられると、こちらを見ていた貴族の人達がにこやかに話しかけてくる。彼等からは敵意のようなものを感じない。
「ようこそお越しくださいました。盾の勇者様、魔導書の勇者様。此度、我が国の波を解決して頂き、誠にありがとうございます」
「いや、いい。やることをやっただけだ。それよりも、他の勇者が見えないようだが……」
「ええ、私共も驚いておりまして……晩餐会の場所が急に王城から変更になりましたので、まだいらしていないのでしょう」
「そうなのか」
急に変更されたから、まだ料理が来ていないのかな?
そう思っていると、ウエイターの人がやってきて飲み物をくれる。
「お酒?」
「子供に酒は駄目だろ」
「果物のジュースです」
「ありがとうございます」
「盾の勇者様は飲み物はどちらになさいますか?」
「俺もジュースでいい。酒はいらない」
「かしこまりました。料理は少々お待ちください」
私はグラスに注がれたジュースを少し飲んでみる。舌にピリっとはしない。少し飲んでみるけれど、普通のジュースみたいだ。私の場合は飲んでも魔術回路が起動して勝手に再生するので問題ない。
「尚文おにーさん、そっちのと交換してください」
「どうし……」
「そっちのが飲みたいですから」
尚文おにーさんから奪って私が飲んでいた方を渡す。こちらも飲んでみてたけれど、毒物は入っていない。
「こちらで今回の活躍を聞かせてくださいませ」
「おお、そうですな」
「俺は……」
「いいじゃないですか、行きましょう」
皆で集まって尚文おにーさんの話を聞いていく。どの人も真剣に聞いていて、侮っている気配はない。それに綺麗なおねーさん達に囲まれて御酌のようなことをされてタジタジになりながらも話している。原作だと絶対に激怒しそうだけれど、こちらじゃ私が、ハスターが介入したことでそこまでじゃない。ビッチは大っ嫌いだけど、女性は嫌いにはなっていない感じがする。召喚された勇者はどの人もハーレム願望とかゲームオタクだったりするから、尚文おにーさんも裏切られて世界全てが敵だと思うようにならない限りはそういうところがある。まあ、この国の貴族は嫌かもしれないが。
「美しいお嬢さん、ぜひ私と──」
「あ、私は男性に興味がないので」
「え?」
「で、では女性に……?」
「いえ、
ジュカをギュッと抱きしめてスリスリする。今の私だと、子供の趣味としてみられるかもしれない。でも、これは事実なので仕方ないよね。私にとって人形が全てなのだから。
「人形なら私も聞きたいです」
「私も、よろしければ……」
「いいですよ」
幼い女の子達が集まってきて、その子達と話していく。マリーちゃんとか、エリスちゃんとかと人形の話でもりあがった。意外と楽しい時間になっている。でも、勇者の人達はこない。弓はともかく、剣と槍は来てもおかしくないのにね。
「お待たせしました。料理が到着しましたので、始めたいと思います」
「他の連中がまだだが……」
「他の勇者様はご気分が優れないとのことで、欠席なさいます」
「そうか」
尚文おにーさんがこちらに近付いてきて、私を抱え上げてくる。女性達からキャーという声が聞こえ、私は尚文おにーさんを睨み付ける。すると、耳元で囁いてきた。
「ここにいる連中は亜人にたいしてなんとも思ってないようだ。話しを振ってみたら、聞いた限りだと普通だった」
メルロマルクの連中が亜人に普通? いや、そんなの有り得ない。それこそ
「それでは勇者様に音頭を取っていただいてから食事を始めましょう……」
グラスを持ち、皆が中心部に集まっていく。私は急いで広域探査を開始する。すると、ここを囲むように警備が配置されているのがわかった。その中に白い服を着た三勇教の連中の姿が見える。用意された食事に毒物判定を行う。すると
「尚文おにーさんっ、皆っ、食べたら駄目!」
「どうした?」
「毒物が入ってる!」
「なに?」
私の言葉にざわつきだし、慌てて食事から離れていく。そんな中、運んできたウェイターの一人が手をあげる。その手には三勇教の聖印があった。
「尚文おにーさんっ、ここにいる人達は味方だから、上に向かって全力の盾を展開して!」
「わかったっ!」
「ジュカ、アイツを倒してっ!」
私の命令でジュカがジュペッタの本来の姿のまま突撃して、シャドークローで切り裂いて倒す。同時に上空に尚文おにーさんがいくつもの盾を展開する。そのタイミングで上空から光が降ってきて、巨大な光の柱が生まれて爆発していく……はずだ。
「おい、これはどういうことだ?」
「わ、わかりません!」
尚文おにーさんが他の連中に聞いているけれど、誰もわからない。全員、しゃがみ込んで一塊になり、シールドプリズンの中に入って耐えている。暗くて子供達は泣き出して親に抱きしめられていて、私と尚文おにーさんをみてくる。
「多分ですが、ここにいるのは女王派や三勇教に反対する人達でしょう」
「そ、その通りです。私達もここに集められて驚きました」
「つまり、連中は俺達を纏めて消すつもりだと」
「そういうことですね」
魔導書を取り出して受けている魔法を解析していく。一人じゃきついので、ルクスの演算能力も借りている。儀式魔法を一人で撃てると素晴らしいよね。
「おい、複数張ったが、かなり破られたぞ」
「仕方がないです」
私もバリアを張ってやる。すると、急に衝撃が軽くなって、次第になくなった。魔力が急激に減って私は少しふらついてしまうけれど、大地からマナを吸収して回復する。たしか、こちらでは龍脈魔法とか言われる奴だっけ?
「もう無理だ……」
シールドプリズンが無くなり、周りをみると私達が居た場所以外に大きなクレーターができていて、周りの建物も消し飛んでいる。少し離れた所には
「ある程度の解析は終わりましたが……想定より威力が弱いですね」
私は気にせず解析した儀式魔法を調べて確認していく。儀式魔法は単純に必要な工程と魔力が大きいのか。ただ単に規模を多くして放つ攻撃みたいで、増幅されていない。でも、多数の人の魔力を一つに纏めて放つというのは素晴らしい考えだと思う。
「おい、自爆しているみたいだが……」
「ああ、私のバリアって反射能力がありますからね」
「一部でも反射できたのか」
「それよりも、来ますよ」
「そうだな。予定通り、逃げて戦力を集めるか?」
「無理ですね。この人達を守りながらでは逃げ切れません」
「二人で12人だしな……」
私達のポータルゲートで移動できるのは私達を含まずに六人まで。つまり、合計で14人になり、クールタイムもあるので30人以上いるここから逃げることはできない。かと言って、彼等を見捨てると、このあと女王陛下に統治してもらう時に困る。
「まさか、裁きを受けて生きているとは……流石は盾の悪魔と魔女と言っておきましょう」
瓦礫を吹き飛ばして現れたのは三勇教の服を着た偉そうな眼鏡をかけたお爺さん。彼の手には見覚えがある武器がある。
「誰だ?」
「私は三勇教の教皇をしているバルマスというものです」
この人は原作で信仰対象であるはずの三勇者も思い通りに動かないと言うだけで手にかけようとする過激かつ歪んだ狂信者。尚文おにーさんが苦しむ原因になった元凶の一人。彼の周りには三勇教のシスターや神官が立ち上がってずらりと並ぶ。連中は怪我をしたり、死んでいる者もいたりして、無傷の奴は少ない。少ししか返せててないけれど、やっぱり反射は便利だね。
「しかし、驚きですよ。まさか、無臭の毒物に気付き、邪教徒共を浄化する裁きを防ぎ、一部とはいえ返してくるとは……」
「ああ、そうだろうな……」
尚文おにーさんが前に出たので、私も前に出てモンスターハウスの魔導書に変える。この魔導書にはモンスターボールの絵が描かれていて、押せば出せる。
「それで、これはなんのつもりだ?」
「簡単なことですよ。盾の悪魔と魔女はこの国の人々を惑わし先導しました。ですから、私は神の代弁者としてあなた方を浄化することに決めました」
「魔女じゃなくて勇者なんですが……」
「国民を扇動し、国や国教に反抗しようなど魔女でしょう?」
「いえてますね。いいですね、魔女。はい、私は魔女です」
トランクケースから箒を取り出して乗ってみる。あ、三角帽子もかぶろう。
「どうですか、尚文おにーさん。これでどう見ても魔女ですよね?」
「そんなの持ってたのかよ?」
「はい。お母さんの一人から貰いました」
「……」
「あなた方は状況をわかっているのですか?」
「ああ、その程度の兵力でどうこうできると思っているのか? それにこんな物を撃てば国の兵士がすぐに駆け付けてくるぞ?」
「ええ、そうですね。来ました。我が教徒達がね」
その言葉と同時に無数の騎士達がここい乗り込んできて、教皇達の前に立ってこちらに剣を向けてくる。千人ぐらいはいるね。まさか、こんなに動員してくるなんて思わなかった。
「おいおい、これは……」
「盾の悪魔と魔女が本性を現し、クーデターを画策していました。彼等はその仲間です」
「「「ふざけるなっ!」」」
「こいつらは女王派らしいから、纏めて消して俺達のせいにしようってことかな」
「そうですね。ご丁寧に三勇教のペンダントもつけていますし……」
「大人しく死になさい。これだけの兵力に勝ち目はありませんよ」
「「だが断る」」
「そうですか。では死になさい」
尚文おにーさんと一緒に答えると、教皇が手に持っていた槍を振り下ろそうとしたタイミングでまず弾幕を展開して放つ。緑、赤の二色の弾幕が襲い掛かる。
「甘いですよ」
教皇の前に文様が描かれた菱形の壁が出現して私の弾幕を防ぐ。着弾した弾幕は炎と風の嵐を発生させるが、相手に届かない。
「その程度で城壁は破れませんよ?」
「なんだあれ?」
「高等集団浄化魔法だったはずです。魔法を分解する厄介な者ですが、あくまでも魔法だけです。でてきてください」
ゴーレム軍団をモンスターハウスか呼び出す。ミスリルゴーレム3体、オリハルコンゴーレム1体、アダマンタイトゴーレム6体。シルバーゴーレム10体。合計20体の完全武装ゴーレム達に命令を下す。
「敵は三勇教の聖印を持つ者達です。殺しなさい」
「ゴーレムですか、モンスターを生み出して操るなど、やはり魔女! 今こそ神の裁きを受けなさい!」
そう言いながら、手に持った剣を振り下ろす。剣の先からぷすっという音と光線がでて……私達に到達することなく消えた。
「なんだ? 何がしたかったんだ?」
「ばっ、馬鹿なっ、信者たち数百人分の魔力が込められているはず……」
教皇が持っていた剣は罅が入り、崩れていく。驚愕に染まり、絶望したかのような表情はとっても素晴らしい。
「あはっ、あはははははははははははははははっ!」
私はついつい、お腹を抱えて笑ってしまう。
「お、おい?」
「か、神の裁きを受けなさい! とか言って、ぷすっですよ、ぷすっ!」
「まあ確かに笑えるよな」
「き、貴様等っ、なにかしたな!」
「俺はしていないが……」
「貴方の探し物はこのレプリカの剣ですか? それもとレプリカの槍ですか?」
「なななななっ、何故それを持っている!」
「親切なシスターさんにもらいましたから。はい、尚文おにーさん。盾として装備してください。それなら持てるはずです」
「わかった。まさか、これを奪いにいってたのか?」
「失礼ですね。借りたんですよ。返すかはわかりませんが」
三角帽子の鍔を押さえて深く被る。同時にこの周りを対象とした広域のバリアを展開する。ベクトルを内側にかかるようにして、中から誰も出さないような結界だ。ゴーレム達は動き出し、彼等を蹂躙するために進んでいく。その姿に相手は狼狽えていく。
「三勇教だかなんだか知らないが、世界を救う邪魔をしている上に俺達を殺そうとしているんだ。殺される覚悟はあるよな?」
「狼狽えてはなりません! このままでは彼等に国を乗っ取られます。今、私達が戦わねばならない時が来たようです。そう、今こそ聖戦の時です! 教徒達の高等集団魔法とこの国の勇敢なる兵士達がいればこの国に巣食った悪を打ち払うことは可能! 攻撃開始!」
「「「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉっ!」」」
「ちっ、やる気か。アリス。防御は任せろ。ただし、攻撃は頼むぞ」
「お任せ下さい」
敵兵にゴーレムを特攻させている間に私はジュカとルクス、シロを呼び出す。人型ではなく、ポケモンとモンスターの姿で現れた三人。
「シロ、私の攻撃の後に前衛に石化のブレスを放って。ルクスは破壊光線の準備。ジュカは私達の護衛をお願いします」
「了解しました」
「……命令、実行。チャージ開始……」
「守る」
彼女達がモンスターの姿に戻る。すると服が破れた。勿体ないけど脱がしている暇もないし、仕方がない。まず私が弾幕を放って後衛を、教皇を狙う。相手は先程の城壁で防いでくるけれど、それでいい。
「シャァァァァッ!」
シロが浄化の発動されていない前衛に上から石化のブレスを放つ。前衛に居た連中は石となった瞬間、ゴーレム達の武器によって砕かれていく。そこに防御力など関係ない。
「おのれ、魔女めぇぇぇぇっ!」
「おい、殺す必要はあるのか?」
「あります。宗教というのは地球の歴史からわかる通りに根が深いです。ここである程度殲滅しないと、またテロリストのように襲われます。それに殺すことに意味はありますよ。私が持っているのはクトゥルフ神話の魔導書です」
「そういうことか。確かにこれは遊びじゃない。殺し合いだ」
魔導書の封印を限定解除して彼等の魂を魔導書に吸わせて、生贄として次に訪れる世界の危機、波に対応する力とさせてもらおう。世界を救うために彼等の神様の役にたてるなら本望だろう。
「しかし、あの壁はどうする?」
「こうしましょう」
弾幕を放ち続けて限界がくるまで待つ。私は龍脈から力を貰っているので生半可なことでは魔力切れがおきない。回復速度も魔力量も上がっているからだ。
「攻撃、攻撃しなさい!」
矢や魔法が飛んでくるけれど、それは尚文おにーさんが防いでくれるし、そもそも前衛に巨大なゴーレム達がいるので、ほとんどが防がれる。ましてやミスリルゴーレムは魔法を反射していくし、アダマンタイトゴーレムは単純に硬くて重い。どのゴーレム達も三メートルを超えているし、抜けてきたところを尚文おにーさんが妨害したり、ジュカが素早く移動してシャドークローやシャドーボールで潜り抜けてきた敵を殺していっている。変身して回避し、背後から襲う時などは人型で攻撃する。他にはゴーレムの身体を蹴って立体的な軌道で殺している。
ジュカの戦闘域を越えたとしても、シロの尻尾で吹き飛ばされ、土の魔法で串刺しにされ、噛まれて殺される。チャージが完了すると前衛に石化のブレスを吐いていく。
「がぁ」
「うん、目標は教皇……あの偉そうな眼鏡の人だよ。撃って」
「ガァ」
二本の腕を前に出したルクス、メタグロスの間に収束されていたエネルギーが放たれる。七色に光る破壊の嵐はやはり、高等集団浄化魔法の城壁に防がれる。
「破壊光線でも無理なのか」
「やっぱり、火力がまだ足りないのかなあ」
「仕方ない。もう被害がどうのこうの言ってられない」
追加にアダマンタイトゴーレムを七体呼び出す。この子達は特別製で、アーチャータイプだ。背中から丸太のように太いアダマンタイトの巨大な矢を取り出し、弦に添えて射る。ゆっくりとした動作で整えられたはずのそれは、放たれると同時に着弾する。
城壁は浄化魔法なだけあって、あくまでも魔法を浄化するだけ。物理攻撃までは流石に防げないと思う。というか、城壁とか関係なく壊す物理攻撃だしね。攻城兵器のようなものだ。実際、轟音を響かせながら城壁が砕かれてその先の神官達を吹き飛ばしてしまった。
「物理障壁を展開しなさい!!」
「それ、悪手だな」
「ですね」
私が弾幕を放ち、より被害を広げる。そうするとせっかく展開した物理障壁が崩れて矢も受ける。たまに必死で抜けてきた奴は──
「死ねっ、魔女めぇぇっ!」
──即座にルクスにぐちゃっと潰され、飛んできた槍は尚文おにーさんによって防がれる。そんな感じでやってると、前衛のシルバーゴーレムが魔法者集団にとりつき、虐殺を開始する。
「勝ったな」
「ですね」
「おのれ、おのれええええええぇぇっ! 全員っ、撤退っ! 覚えていなさい!」
逃げようと走っていくけれど、結界に阻まれてでれない。
「知ってたか? 悪魔や魔女からは逃げられないんだぞ」
「安心してください。貴方達の平和を願う意思は私達が引き継ぎ、世界を救うために役にたてます」
私と尚文おにーさんは悪い顔で笑いながら、見学する。ここには止めそうなラフタリアもいない。なのではっちゃけられる。ただ、正直言って気持ち悪いのであまりみないようにしながら、弾幕を撃ち続ける。尚文おにーさんもできるだけ上を向いて見ないようにしていた。
「たすけ、たすけてくれぇぇぇっ!」
「ひぃぃぃぃぃっ!」
さて、投降した奴等を助けるというのは人道的には正しいけれど、助けたところで襲われるのがオチだし、こっちは投降しても許してくれない。なので、全員潰す。そんな風に考えていたら、雷が飛んできた。その雷はシルバーゴーレム達を粉砕し、こちらまで飛んでくる。それを尚文おにーさんが盾で弾いて止めてくれた。
「尚文達は一体何をしているんだ!」
どうやら、他の勇者達とその仲間達が結界に侵入してきたみたいだ。まあ、出られないようにしかしていないし、これは仕方がない。
「お前達、流石にこれは見過ごせないぞ!」
「そうだぞ! それにマインの顔にあんなことをしただけじゃなく……」
「おお、勇者様っ! どうか、どうかお助けください! 盾の悪魔と魔女が我等に襲い掛かってきたのです!」
「何言ってやがる。襲い掛かってきたのはそっちだろうが」
「いえ、現状を考えればわかるでしょう! 我等は……」
尚文おにーさんが反論していくけれど、勇者の人達は話を聞かない。まあ、傍から見たらどう見ても虐殺だから仕方ないね。
「とりあえず、話し合いをするのですか? それとも殺し合いがお望みですか? 私達は貴方達と争う気はありません。私達に襲い掛かってきた世界の敵を排除しているだけなのですから」
「何をいう! 貴様等の方こそ世界の敵だろう!」
「貴方の中ではそうなんでしょうね? ですが、この国から出ればそれは変わります」
「どういうことだ?」
「簡単なことだ。こいつらは三勇教。つまり、剣、槍、弓を信仰している。他は四聖教といって盾を含めたものを信仰しているらしい。で、このメルロマルクの敵対国である亜人を率いるシルトヴェルトは盾の勇者が信仰されている。お前達ならわかるよな?」
「まさか、敵国の神様だから、こちらでは悪魔か」
「そういうことだ。で、そいつらが俺達を殺しにきた。ご丁寧に自分達の邪魔をする政敵の連中を纏めて毒殺し、それができなかったから直接的に殺しにきた」
「嘘です! 我々は……」
「どちらにせよ、邪魔をするなら排除するが、まず話し合おうじゃないか。そいつらを捕まえるか始末してからな」
「信じられない!」
「こっちには証人も証拠もある」
「……元康。今は……」
「いや、俺は彼等を信じるぞ!」
「「勇者達!」」
「そうか。仕方ない。アリス、やれ」
「はい。攻撃を開始してください。錬さんは離れていてくださいね。巻き込まれますよ」
「くっ!」
ゴーレム軍団による蹂躙は止まらない。私が直接操作して、適切な援護射撃もしているから当然だ。勇者二人はわざと通して、私と尚文おにーさん、ルクス、シロ、ジュカで対応する。数の上でも、ステータスの上でも優位なのであっさりと無力化して捕まえることができた。彼等が勝っているのはレベルくらいだ。それにどちらも子供である私を攻撃するのは躊躇して、盾である尚文おにーさんの方に集中して攻撃したから仕方ない。こういう時はアタッカーである私から倒さないといけないのにね? ちゃんと仲間の人達も助けてあげたよ。
オルフェンズのアリス開始時期およびルート
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火星でMAの登場から開始
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