頭を抱えて心の中で叫ぶ。そんなアリスに心配したのか、クオンが抱きしめてくる。アリスはクオンの胸に顔を埋めて撫でられていく。ジュカも後ろから抱きしめてくれる。ルクスとシロは警戒して周りをみてくれている。そんな中で頭痛もしてきて、そのまま意識を失っていく。
周りの争うような声が聞こえて目を覚ます。まず視界に入ったのは鋼鉄の身体。横をみると壊れた扉と床に引きちぎられた触手の残骸が見えた。アリスの上に立つルクスはメタグロスの姿で守ってくれていたみたい。シロとクオン、ジュカが居ないのであちらで戦っているのかな?
「ルクス、退いて」
「がぁ……大丈夫……?」
「うん、大丈夫。頭もスッキリとしてきた」
ルクスが人の姿となって私の横に立つ。彼女は私を抱き起して立たせてくれた。身体の感覚を確認するけれど、問題ない。姿はハードゴア・アリスのゴスロリ状態で力が湧いてくる。変身時間は表示がないので、たぶんずっとなって居られる可能性がある。
ハードゴア・アリス、魔法少女育成計画の魔法少女は変身中、通常の毒物を受け付けず、寝食を必要としない上に精神的にも強化される。だからこそ、侵食率が下がったのかもしれない。
魔法少女の身体能力は弱いものでも戦車以上の頑丈さ、自動車以上の機動力を備え、筋力、反射神経も生物の常識をはるかに越えたものになる。一度魔法少女になれば資格と記憶を剥奪されない限り任意で変身と解除を行うことが出来る。
魔法の力は応用範囲が非常に広く、何の役にも立たないように思える魔法でも使い方次第では一切の抵抗が不可能・当たったら即死など凶悪な攻撃手段となりうるため、その使い方が重要となる。だが、どんなに強力な魔法の力も変身時でなければ使用できないことと、魔法少女の反射神経ならば変身する僅かな時間で誇張ではなく千回は殺害できるため、人間時を襲撃されると抵抗は不可能。これでアリスが得たハードゴア・アリスも殺された。解決策は常に変身したまま人間に戻らないということにつきる。
「ルクス、行くよ」
「……了解。マスターはルクスが守る……」
「お願いね。アリスも皆を守るから」
「ん」
寝室から飛び出すと、リビングはほとんどが壊れていた。壁には焼け焦げた跡があり、現在進行形で修復されていっている。どうやら壁は破壊不能なのかもしれない。そんな中、ジュカとシロ、クオンは戦っていた。やはり時間経過でかなりの数が出現しているみたい。
「クスクス」
「クスクス、クスクス」
「クスクス」
「クスクス、クスクス」
相手は透明な星の精で、少なくとも四体はいる。今までなら即座に逃げる状況だけれど、今なら戦える。ちゃんと修行してきたのだ。
「ご主人様、っ! だい、じょうぶ?」
「平気だよ。相手の攻撃は見えないから気をつけてね」
「うん。頑張るけど、大変」
クオンは耳をピクピクさせながら、音で判断して星の精の触手を短剣で弾いている。でも、足や腕に噛みつかれたのか、少し抉られて血を流している。そんなクオンを守るためにシロが戦っている。ジュカは身体が小さくもできるので、モンスターの姿のまま部屋の中を移動して背後から不意打ち攻撃をしていっているみたい。
シロは基本的に土の魔法とクオンの槍を使って防御に専念しているので、周りは岩だらけだ。彼女は本来、アタッカーの役割なんだが、ルクスが私の防御に回っていたから仕方がない。
「ルクスがこっちに来てたら楽だったのに……」
「ご主人様が優先です」
「その通り。使い魔が主人を危険にさらす訳にはいかない」
「……マスターの……安全確保……大事……」
「多分、この姿なら星の精にやられても死にはしないから、放置でいいんだけど……」
「駄目、絶対」
「……意義、唱える……」
「というわけで、却下です。ご主人様、指示をください」
「まったく……」
アリスを大事にしてくれて嬉しいし、頑張ろう。まずは透明な奴を浮かび上がらせるのが最優先。手段としてはシロが元の姿で石化ブレスを吐けばいける。相手は見えないだけで、そこに実体が存在しているのだから、石化はできる。でも、これはスペース的にできない。成長したシロはとっても大きい。竜帝の欠片を飲んだせいか、高さ3メートル、全長が300メートルを超えているので、ここで元の姿になられると踏む潰される。
「ルクス、見える?」
「……周りの景色の……違和感……識別……わかる……」
「クオンは……見えないよね?」
「音で判断してる。見えるのはシロだけ」
「私は熱で判断しています」
「なるほどね」
シロは的確に触手を槍で切り裂き、土の魔法で白い杭を生み出してこちらに向かってくる星の精を串刺しにしようとしているのだろう。でも、避けられているみたい。これならどうにかなる。まずアリスも見えないから、見えるようにしよう。使い魔であるシロの視界をもらい、蛇特有のピット器官で判断する。
「ルクス、前にでて鉄壁と守る。シロ、土魔法で砂嵐……前方に隙間なく砂かけをして。クオンは下がって治療。ジュカ、戻ってクオンの護衛」
「……任務、了解……」
メタグロスの姿に戻ったルクスが前に出る。しかし、攻撃は見えていないので、私が身体を操作する。ルクスを意思のある機械人形だと思いこめば可能だ。ゴーレムだってできたのだから、変わりはしない。無数に放たれる触手をシロの眼を通して見ながら、ルクスの身体を操作して受け止めて弾く。思考がクリアで、どこをどのようにすれば効率よく防げるか、計算して実行。思った通りの効果がでずにルクスの身体が攻撃される。でも、高い防御力によってほとんど効かずに弾かれるので大丈夫。その時間で修正して触手を掴んで振り回し、フレイルのように扱ってやる。
「砂嵐、準備できました。ジュカさんが戻ってきしだい撃ちます」
「戻った」
「了解です。いきます。力の根源たる白蛇が命じる。真理を今一度紐解き、願いの下、新たなる姿に生まれ出でよ。アル・ドライファ・サンドストーム」
触手や土の杭が分解されて白い砂へと再構築され、嵐となってアリス達の目の前を薙ぎ払う。宙に浮いている星の精達はこちらに触手を伸ばしてくるけれど、サンドストームの勢いで弾き飛ばされていく。
「計算通り」
シロの魔法が終われば、壁際に砂の塊がいくつかできている。そこに粘着性のある水でできた弾幕を最大数の280個展開してぶつける。コントロールなんて必要ない全面攻撃。数の暴力に避けたり、弾いたりはできない。
周りが水浸しになり、砂と合わさることで泥となる。これによって見えない星の精は泥の化け物となった。
「見えたのなら、殺してみせましょう。ルクス、サイコキネシスで拘束。シロは土の杭を放って串刺しにして固定。ジュカはアリスと一緒に砕きにいきます」
「前にでるのですか?」
「……危険……」
「二人がちゃんと拘束してくれていたら大丈夫」
「なら、私もいく」
後ろからクオンが声をかけてきたので、振り向くとすでに回復薬を飲んで傷を治していたようで、ぱっと見は大丈夫そうだね。
「シロ、槍を返してあげて」
「はい。ありがとうございました」
「こちらこそ助かった」
アダマンタイト製の凄く硬い槍を受け取ったクオンが駆けて飛び上がり、一体の星の精を串刺しにする。すぐに引き抜いて何度も串刺しにして解体している。ジュカも人の姿になって赤紫色の爪で斬り刻んでいく。アリスも負けてられないので、駆ける。走るつもりで足を踏み込んだら、10メートルを一秒未満の速度で接近できて、壁に、星の精に激突した。
それで星の精は吹き飛んで破片になってしまい、なんともいえない雰囲気になった。思わず頭を抱えるくらいには痛いけれど、言ってしまえばそれだけだ。
踏み込んだところをみれば足の跡にへこんでいた。それもすぐに修復されていったので、見れなくなった。
「大丈夫? 怪我してない?」
「この程度は平気へっちゃらです。それよりも残りを始末しますよ」
「わかった」
「いっぱい倒す」
クオンとジュカと共に拘束した奴等にとどめをさす。試しに全力で殴ってみたらたいした感触もなくゼリーみたいに潰れてしまった。魔法少女、やばい。流石は殺戮系出身の魔法少女。といっても、女神になった魔法少女には叶わないだろうけれど、レベルを上げたらアレクラスになるのかもしれない。
しかし、あんなに怖かった星の精も、この姿なら怖くない。精神的に強化されているし、やっぱり解除しない方がいいのかも知れない。そう思っていると、殲滅が終わったからか、シロがこちらにやってきて星の精を食べていく。
「うわぁ……」
シロはポケモンですらなく、完全なモンスターだからか、人のままでも食べている。あれ、ポケモンって共食いもとい、他のポケモンを食べるのだろうか? 襲って殺すことはあっても食べたり……やめよう。ポケモン達は木の実を食べて生活している。ファイナルアンサー!
「ど、どんな味?」
「あんまり味はしませんね」
「一部は解析するから取っておいてね」
「はい」
回収した星の精は解析しよう。というか、今思ったのだけれど、食べたら自己改造で透明になれたりするのだろうか? なれたら凄く便利だ。隠密系の魔導書はもうないのだし。ええい、
食べてみると味はしない。自己改造と変化で星の精の透明化のプロセスを解析して身体を構成している物質を変化させる。すると服がどんどん透けていく。素っ裸なアリスになり、恥ずかしくなって身体を隠す。続いて、皮膚が透けた。骨と臓器だけになる。怖いわ! とりあえず、目を瞑って身体が完全に透明になるまで待ってみる。
「わ、消えた」
「ん~見える?」
「私は見えない」
「見える」
「私も見えますね」
「……わからない……」
「ルクスは電磁波を放てばわかるんじゃないかな?」
「……わかった……反応がある……」
「なるほど。弱点はあるけどこれは便利かな」
ちょっと怖いけれど、まあよしとしよう。あれ、でもこれって血液も透明になってるのか。自己改造は止めよう。怖すぎる。
「まあ、ゆっくりはできないし、さっさと移動しよう」
「わかりました。鞄をお持ちします」
「お願い」
メイド服を着ているからか、シロが取りに行ってくれる。ちなみにメイド服はまだいいけれど、赤い首輪までつけているのはどうかと思う。まあ、それを言うとクオンもだけど。
「何?」
「なんでもないよ」
「そう」
クオンの恰好は前と同じ動きやすい服装で、白色の短パンとニーソックスで絶対領域を確保しつつ、上はチャイナドレスのような感じでタンクトップのように脇がでている。黒い生地に青いラインがあり、先端が黒い銀色の髪の毛や耳、尻尾と合わさって似合っている。ジュカを見ると、ジュペッタの姿でこちらに飛んできて、アリスの腕の中に納まった。
「……マスター、この辺りに敵影、存在しない……」
「了解。冷蔵庫は……無事みたいだね。電子レンジも大丈夫か。よし、ルクス。これ持ってこう」
「……了解。頑張る……」
冷蔵庫を持ち上げてみたけど、凄く軽い。コンセントは……なかった。何で動いているのか、不明。後で調べてみよう。
「お待たせしました。手伝いましょうか?」
「大丈夫。いざとなれば投げるから」
「かしこまりました」
今までは持っていたら転んだはずが、なんともない。とても素晴らしい。鋼鉄の扉から冷蔵庫を出して移動していく。執務室もちょっと気になるけど、置いておこう。いや、軽く見てみよう。冷蔵庫を置いて中に入ると、テーブルの上に一冊の本が置かれていた。題名は四聖武器書。尚文おにーさんの世界の奴だ。試しに読んで……あ、しまった。やばい。致命的なミスを発見してしまった。あの世界、結界を張ってないじゃないか。また神様を名乗る不死者が世界に侵入してくるかもしれない。どうしよう。いや、行くしかない。
開いてみるけれど、なんともない。内容を読んでみると、それは私が辿った軌跡が書かれている。その後のことも書かれているけれど、一応は問題無さそう。ただ、入れないのでどうしようもない。うん、これは一応持っていっておこう。アリスポイントがないせいかもしれないし。
さて、ほぼ死なないので探索をしてみようかと思うのだけれど、まずはアリスお母さんと魔理沙お母さんに生存報告をしないといけない。その次はポケモン世界でイエローさんとアセロラに同じく生存報告。うん、探索は後回しにしてまずはそれからだね。
よ~し、レッツゴー!
てくてくと冷蔵庫を持って歩く。東方世界の扉もポケモン世界の扉もどちらもクールタイムが終わっている。盾の勇者の成り上がり世界への扉は存在しない。やっぱり、アリスポイントが必要なのだろう。
「皆、今から私のお母さん達に会いに行くからね」
「了解」
「「わかった」」
「わかりました」
扉を潜り、東方世界に入る。そこは懐かしく感じる我が家のような場所。冷蔵庫を置いてから扉をノックする。
「は~い。今あけます」
木製の扉が開かれ、中から薄い赤色のフリルがついたワンピースを着たアリスお母さんがでてくる。
「マリスっ!」
アリスお母さんは私を抱きしめてくれた、胸に顔を埋められ、思わず変身を解除してしまう。すると、恐怖心が蘇り、星の精や何度も死んだことが鮮明に思いだされて思わず思いっきり泣いてしまう。止めることなどできなくて、ただ泣きわめく。
「あら、随分と怖い目にあったみたいね。良く戻ってきたわ。もう大丈夫よ」
頭を優しく撫でられ、心が温かくなってくる。
「貴女達は……マリスの新しい使い魔みたいね。どうぞ、入ってちょうだい。歓迎するわ」
困惑している四人に頷いてから、皆で中に入る。良い歳して思いっきり泣いてしまったのが無性に恥ずかしくて死にたくなる。それにアリスお母さんから離れたくなくて、服の裾を無意識に掴んでしまっていた。
「あらあら」
どことなく嬉しそうなアリスお母さんは席につくとアリスを膝の上に乗せて抱きしめ、とても甘やかしてくれる。美味しい紅茶を息で冷やして飲ませてくれたり、クッキーをあ~んして食べさせてくれるのだ。なんだかこのままずるずると甘えてしまいそうで怖い。でも、この怖さは幸せでいいかも──
「そう、それでいいの。そのままでいなさい」
最後のトラップはアリス様。判定は46なのでなんとか抜け出せます。おしい。
どうしようかなあ。異変にグラードン使うつもりなんだけど、もう異変を起こしても良い気がしてきた。
相手は魔法少女アリス。幻想郷の全てがいつの間にか迷いの森になってしまっていた! とか。でもなーこの程度の強さじゃ、確実に霊夢さんにぼっこぼこにされるんですよね。どうあがいても相性が悪い。夢想封印されると、妖怪は即封印のようなもの。魔導書なのでこれも同じ扱いにしますので……封印されたら時間も巻き戻せない。おそらく、戦えるのはクオンぐらい。でも、クオンは空も飛べないのでまだまだ弱い。ポケモンはどうだろう?
天敵だ。当たれば終わる即死攻撃の連打。弾幕ゲームならなんとか……もう少し考えてみます。
古戦場、ERRORおおすぎ! あと魔女兵器、リセマラでSSRでない。FGOのミステリー映画撮影は面白かったです。
誤字脱字、感想ありがとうございます。大変励みになっております。
最後にアリス様は大正義! アリス様が黒いなんて事は無いんだからね! いいね! アリス様が言えば黒でも白になるのです!(空白)
※他はないです。
オルフェンズのアリス開始時期およびルート
-
火星でMAの登場から開始
-
ビスケットを助けるため、地球辺りから
-
女神Aliceの名の下に人類管理ルート
-
マクギリスと一緒。ギャラルホルンルート
-
マクギリスの代わりにアリスになるルート