アリスと不思議な世界達   作:ヴィヴィオ

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残虐な表現があります。腕とか吹き飛びます。下半身消し飛びます。結論はあとがきに書くので、嫌な人はあとがきだけどうぞ。


ハードゴア・アリス

 

 

 

 

 さてさて、Fate/EXTRAとFGOに登場するキャスターのサーヴァントで、本名はナーサリー・ライム。マスターのありすと同じ姿をして、ありすからアリスと呼ばれる少女。実在する絵本の総称、ナーサリーライム。おとぎ話の概念が、子供の夢を守る英霊としてサーヴァントになったという特殊な存在。

 言ってしまえばおとぎ話の化身であり、サーヴァントが固有結界を作るのではなく、固有結界そのものがサーヴァント。固有の姿を持たず、マスターによってビジュアル・能力を自由に変化させる。

 エクストラなどではマスターであるありすの愛読書であった不思議の国のアリスと自身が物語の主人公だったならという望みから、この様な姿をとっている。

 宝具によって様々な異常現象を引き起こす。瞬間移動を自在に行い、その行動は神出鬼没。氷塊や風の刃、火炎といった三属性の魔術を操る。

 ただし肉体や外見は人間であるありすを鏡合わせにして顕現している為、正面向かっての戦闘能力は極めて低いが、今のアリスの場合はハードゴア・アリスで補える。

 

「……なあ、ところで私は誰だ?」

「貴女は魔理沙。私のお母さんの一人です」

「そうだ。私は魔理沙……」

 

 自分の名前を口にする事で結界から逃れる事ができるが、結界に入った時点で名を失い忘れてしまうため、事前にメモなどを持っておく必要がある。今回は用意していないので、自分の名前を教えてあげる。

 

「教えた名前を言ってね。そうじゃないとこの結界の効果から抜け出せないから」

「わかった。ジュカ。それが名前」

「私はクオン……ん、これでいい?」

「……ルクス……」

「はい、大丈夫なはずです」

「まったく、名前の消失からの存在の消失か……厄介な。やっぱ、これだけでも充分に異変になるぜ」

「でしょうね。でも、今はまずル、……アイツをどうするかです。名前は言わないようにお願いします」

「あいよ」

 

 さて、あちらでは怪獣大決戦が行われている。ルギアが口から破壊光線を放ち、ジャバウォックを倒そうとするが、ジャバウォックも光線を放って互いの中心部でぶつかって激しい爆発を起こす。そこにサンダーが雷を放ち、フリーザーが吹雪を放つ。ルギアの方が出力が高いのか、押し負けて身体を抉り飛ばされるけれども、アリスが時間を巻き戻して身体をもとに戻す。

 戻したジャバウォックはそのままルギアの首に噛みついてそのまま光線を放つ。しかし、ルギアの翼を軽く羽ばたいただけで民家を吹っ飛ばす程の力を持ち、力を込めて羽ばたくと40日嵐が続くとも言われている力で起こされる風で吹き飛ばされ、口からエアロブラストを至近距離で放たれて上半身が消滅させられ、後方の森が広範囲、数キロに渡って文字通り消し飛ぶ。残ったのは抉られた地面だけ。

 

「物語は永遠に続く。か細い指を一頁目に戻すようにあるいは二巻目を手に取るように。その読み手が、現実を拒み続ける限り。ふう……神様半端ないです」

「だなぁ」

「……無理……勝てない……」

「力、違いすぎる」

「ん、これは怖い」

「じゃ、ジャバウォックも負けてませんよ!」

 

 復活したジャバウォックに支援魔法をかけて殴らせる。ルギアが吹き飛び、空の彼方へと飛んでいく前に翼を広げて急制動をかけようとして、上下が反転して地面に落ちる。そこにジャンプしたジャバウォックが両手を合わせて振り下ろす。巨大な拳を合わせた一撃はルギアの周りの地面ごと広範囲に陥没させてすくなくないダメージを与える。そこに冷凍ビームと十万ボルトが放たれるが、ジャバウォックは気にせずルギアの上に乗ってマウントを取って殴り続ける。

 

「避けねえのか?」

「そんな理性はありませんから。ただアリスの命令通りに相手を殺すだけの存在です」

「そうか。で、私達はどうするんだ?」

「まずは逃げてくるポケモンの確保ですね」

「やっぱそれからか」

 

 この島以外にもあった島は森に変化したことで物理的に繋がった。島は山となり、そこに三つの祠があるのだろう。幻のポケモン、ルギア爆誕という映画で出て来たような存在なのだろう。ただ、それよりもこのルギアは強力みたいだ。瞑想して威力を上げて高圧水流を放つハイドロポンプや冷凍ビーム、サイコキネシス、十万ボルトなどでジャバウォックやフリーザー、サンダーを倒しにかかっている。更に自己再生もするので、ジュカに恨みを使ってもらいたいけど流石にあの中に入る気はない。それにここからでも攻撃はできるしね。

 まあ、あちらは今は放置でいい。こちらの問題がある。三島が一体化したことで他のポケモン達が襲い掛かってくるんだよね。このインスタントダンジョンは当然のように侵入者には容赦しない。例え生存競争していても、侵入者は等しく敵になる。今も大挙として押し寄せてくるので、迎撃として魔理沙お母さんが弾幕を放ち、ルクスとジュカ、クオンにお母さんのボーマンダが敵を倒していっている。

 

「アリス、追加の戦力!」

「おいでなさい、トランプ兵!」

 

 40体からなる槍を携えたトランプの兵隊達で構成された軍隊を放ち、弱らせていく。ただ、遠くで戦っている連中の余波だけで台風の中にいるような状況なので、結構吹き飛んだりもしている。そんな状況でも負けずに襲ってくる奴がいる。そいつは黄緑色の鎧を纏ったようなデザインで、怪獣を彷彿とさせる風貌が特徴的なポケモン。肌は緑色の岩のようにゴツゴツとしており、背中はいくつもの鋭い背ビレで覆われている。目つきは鋭く獰猛さを醸し出している。 体の中心が菱形に開いており、そこからサナギラスの名残と思わしき青い模様が見える。これは背中にも同様の模様がある。首元やひざ部分などには黒い穴が開いていた。

 

「これもポケモンか?」

「そうですね。名前はバンギラスです」

「おっきい」

 

 相手は2メートルもあるポケモンで、無数の岩を空中に生み出して放ってくる。ルクスが前にでて弾き返す。その弾き返された岩に乗ったクオンが、そのまま接近して斬りかかろうとすると爪で逆に切りかかってくる。

 

「くっ……」

「クオンっ!」

「大丈夫っ!」

 

 クオンが槍で防御するも、まるで木の葉のように吹き飛ばされて空中で回転して体勢を整えたところで、ルクスの身体に着地する。その間にバンギラスは地面に転がっている丸太を持ち、振り回してくる。

 

「おいおい、鬱陶しいな」

 

 魔理沙お母さんは空に退避したので、アリス達も空に退避する。そのタイミングでバンギラスが足を振り上げて地面を叩き付ける。すると地震が起きて周りに地割れが発生し、周りのポケモン達を飲み込んでいく。

 

「とんでもないな。まあ、飛んだら関係ないか。スペルカード、魔符・ミルキーウェイ」

 

 無数の星の弾幕がバンギラスに降り注いでいく。相手は600族と呼ばれる普通のポケモンでもトップの力を持つ存在。その力は片腕を動かしただけで山を崩し、地響きを起こすなどかなりのパワーを秘めている。ただ、弱点はある。例えばハイドロポンプとか格闘タイプに弱いということだ。

 

「というわけで、いってきます」

「どういうわけだ!」

 

 空間転移を使う。視界が一瞬で入れ替わり、目の前にバンギラスの足がある。アリスは足元に移動してハードゴア・アリスの破壊力と各種支援魔法で底上げしまくった状態でバリアを展開して反射咆哮を逆転させた状態で殴る。そんな破壊の一撃を斜め上から思いっきり足の皿に叩き付けてやった。硬い感触がする鎧のような足に戦車を超える一撃を受けた足は折れて砕けた。地面にクレーターを作ったのに原形が残っている。ちょっと信じられない。

 

「ガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

「マリスってこんな馬鹿力だったか?」

「違いますよ。これはこないだ、アリスポイントを使って手に入れた力です」

 

 空間転移で隣に移動する。先程まで私がいた所に破壊光線が飛んでくる。七色の光線は空中に消えて向きを変えて戻ってきて、撃ったバンギラス本人が受けて激痛に叫び声をあげた。なんだか可哀想になってきた。

 

「便利だな……ちょっと羨ましいぞ。私の魔力をあっさりと抜いていったし……」

「じゃあ、次は魔理沙お母さんに譲りましょうか?」

「いらない。私は私として強くなるからな」

「ですよね。まあ、アリス、マリスとしても困りますしね」

「だよな」

 

 アリスと魔理沙お母さんが話している間に、ボーマンダが空から急降下してかわらわりを頭に叩きつけた。どうやら、剣の舞で今まで火力を上げていたみたいで、その一撃でバンギラスは倒れた。

 

「こいつはどうする?」

「とりあえず、捕獲してどうするか決めましょう」

「だな」

「クオン、お願いします」

「了解」

 

 クオンが飛び降りてから、倒れているバンギラスの瞳にアダマンタイト製の槍を突き付け、何時でも刺せる状態にし、モンスターボールを手に持つ。

 

「選んで。ここで死ぬか、それとも私達と来るか」

「ぐろらぁぁ……」

「ん、良い子」

 

 バンギラスは差し出されたモンスターボールのボタンを自ら押して、中に入った。あの子も死にたくはないようだ。地面の下に落ちたポケモン達もモンスターボールを落として捕まえていく。これでこちらはどうにかなったけれど、あちらは……あ、やばい。気付いたらサンダーとフリーザーがやられている。ルクスやジュカを送るべきなんだろうけど、復活するとはいえ、死なれるのは可哀想だし……それにバレたらこちらを狙ってきそうだから、このままでいいか。

 

「お母さん、ちょっとサンダーとフリーザーがやられたみたいなので捕まえてきます」

「了解。気をつけろよ」

「はい」

「……マスター、ルクス達は……」

「待機です。転移しますから、待っていてください」

「一緒に行く」

「ジュカなら、確かに大丈夫ですね。ルクスは大きすぎるので駄目ですが……」

「……残念……ジュカ、お願い……」

「任せて」

 

 ジュカは小さくなって、アリスの腕の中に納まる。クオンは下の方でポケモン達を捕まえているので、こちらの話は伝わっていない。

 

「では、いってきます」

「おう。こっちは任せな」

「お願いします」

 

 ここはアリスの世界であるが故に中に居る存在もわかるし、天候だって操れる。だから、まずは目くらましとして吹雪を張って、雷を落としてルギアと戦うジャバウォックを支えていく。魔力の消費量がかなりあるけれど、まだ余裕はあるのでさっさと転移する。

 視界が入れ替わり、深い森が燃えている。その中心部で倒れた木々に埋まって瀕死の状態でぐったりとしているサンダー。その横に到着し、動けないサンダーと視線を合わせる。

 

「アリスの声が聞こえる?」

「ギャ……オ……」

「自分の状態はわかってるよね? どうすればいいかわかる? わかるよね? 捕まってくるのなら助けてあげるし、ルギアともまた戦わせてあげる。ううん、アリスはボールを投げるから、あなたが死ぬか生きるか、選んで。嫌なら苦しまないように殺してあげる」

 

 モンスターボールを差し出して、押し付けると大人しく入ってくれた。ポケモンも生命だ。死ぬのは怖くて嫌だろう。中には死を選ぶ子もいるだろうけど……この子達は死を選ばせない。無理矢理回復してまた、ダメージを与えてでも捕まえる。その後は逃がしてあげてもいい。何故って? スキルポイントが欲しいから! 

 

「良い子だね。これからよろしくね、サンダー。さて、サンダーゲットだよ」

 

 Grimoire of Alice(アリスの魔導書)を開くとちゃんとスキルポイントが5点入っている。これでまずは魔術刻印のレベルを上げる。瞬間再生能力をもっとあげればどんな傷でも治る魔法とあわせれば超速再生だって夢じゃない。これから火山に生身で突入したりするような感じのことをしないといけないと考えたら必要だ。

 

「次はフリーザーかな」

 

 フリーザーは凍り付いた山を貫通して、山の中に埋まっている。ルギアの一撃で吹き飛ばされたのか、それともジャバウォックかはわからない。どちらにせよ、綺麗な翼は無残に折れてあらぬ方向を向いているし、身体に岩が突き刺さって出血も多い。そんなフリーザーは起き上がってまだ戦おうとしている。

 

「このまま負けたまま死んでいくか、アリスと来て一緒にルギアを倒そう? それとも負け犬のままがいい?」

「ギャっ!」

 

 フリーザーはこちらを睨み付けてくる。

 

「アリスと契約して力を得るか、それともここで倒れるか選ばせてあげる」

「一緒に来た方が良い。強くなれる」

「……ぎゃ……」

「わかったって。ただ、ルギアを倒せなかったら、従わないって言ってる」

「それでいいよ。もし無理だったら逃がしてあげるから、好きにしていいよ」

「ぎゃぁ」

「うん。これに入って」

 

 ジュカがモンスターボールを渡すと、大人しく捕まってくれた。これでよし。またスキルポイントをゲット。これで魔術刻印は10になった。全身に施された魔術刻印がさらに強化されて、ようやく久遠寺アリスと同じレベルの回復力を手に入れた。それに神秘が身体全体に行き渡っているし、だいぶ力も強くなった。残りの1点はプロイキッシャーに振っておこう。伝承防御が欲しい。赤ずきんがうまくいかなかったのはプロイキッシャーと魔術刻印のレベルが低かったからかもれないしね。というか、魔術刻印があったからこそ、プロイキッシャーも動くわけで……単純にレベル不足だったのかも。

 

「よし、でてきて、サンダー、フリーザー」

「「ぎゃ……」」

 

 ボロボロの二匹がモンスターボールからでてくる。二匹は互いを見て、攻撃しようとしているので、慌てて止める。

 

「駄目です。これから協力してもらうんですから。治療しませんよ」

「ぎゃ……」

「わかったって」

「では、まずはこれを食べてください。マッドスィートケーク」

 

 生み出したケーキを掴んで、それぞれの口に運んで食べさせていく。二匹の身体が光ってみるみるうちに傷が治っていく。追加で回復魔法を使ってから、完全に治療してあげると、元気になってこちらを見詰めてくる。

 

「回復したら、これからのことを教えます。まず、ルギアは普通に戦っても勝てません。ですので、アリスが用意した今、ルギアと戦っているジャバウォックを盾にして、遠距離から攻撃してください。それとあなた達は一度、自分の名前、種族でもいいので意識して口にだしてください。これで結界の効果は下がります。そうでないと次第に存在が薄くなっていきますからね」

「「ぎゃ」」

「これ、凄く怖い」

「ですね。さて、こちらも攻撃を仕掛けますが、もう少しダメージを積み重ねます。いいですね?」

「「ぎゃ!」」

「わかったって」

「では行きましょう」

 

 外に出たら、二匹には遠距離から撃たせて、しっかりと確認してからまずは転移で戻る。魔力が足りないので補充しようと思う。ジャバウォックの再生が大変だし。

 

「ただいま戻りました」

「どうだった?」

「無事に捕まえられました。今は相手をしてもらっています。それでミニ八卦炉、貸してもらえませんか?」

「魔力が足りないのか」

「はい」

「いいぞ。というか、アリス用に一個用意してもらっておいたからな。使い方を教えるから、しっかりと覚えろよ」

「お願いします」

 

 魔理沙お母さんからミニ八卦炉を受け取り、使い方を教えてもらう。後ろから抱きしめるようにされて使い方をレクチャーしてまらった。まずはミニ八卦炉に魔力を入れると、円を描くように中心部に向かって循環していってどんどん増幅されていく。中心部から放出するか、また循環させられるかを選べるのでかなり便利だ。

 

「コントロールミスったら、ボンっ! って吹っ飛ぶから気をつけろよ」

「わかってます」

「まあ、マリスなら大丈夫だろうがな。再生するんだろ?」

「肉片からでも再生しますから、平気ですね」

 

 でも、怖いから変身した時にしか使わないようにしよう、うん。さて増幅した魔力を使ってやることは全員に支援魔法をかける。

 

「力の根源たる魔導書の勇者が命じる。今一度真理を紐解き、何者にも負けぬ不屈の力を与えよ。アル・リベレイション・オーラⅩ」

 

 尚文おにーさんが使っていた盾の勇者専用の全能力向上魔法。私は魔法ならなんだって使える。だから、これも使える。カルミラ島はポータルを取ってあるし、ちょくちょく暇をみていって、魔法を習得しておいた。だからダウンも使える。

 

「おお、身体が軽くなったな。それに力が溢れてくるぜ!」

「ん、これならいけると思う」

「……彼我の戦力差は絶大……まだ勝てない……」

「そうなんですよね。ですから、こうします」

 

 まずはジャバウォックとルギアの周りに大きくバリアを展開する。これは内部にベクトルを向けるようにして、内部からは外に出さないようにする。そこに大量の空気を送り込む。フリーザーの冷凍ビームも入って行って、そこにサンダーの雷も降り注ぐ。中のルギアとジャバウォックは相変わらず格闘をして殺し合っているので、ばれてはいない。ルギアが雨乞いやハイドロポンプで水を出しているので、こちらは火の雨を降らしてやる。

 水と火によって水蒸気が発生していく。発生した水蒸気はバリアで逃げることはできずに内部に溜まっていく。そこにルギアはエアロブラストなどを放つために大量の空気を集めるのでさらに密度がましていく。ただ、エアロブラストの余波だけで結界が壊れそうになるので全力で魔力を供給して維持する。増幅がないと話にならない。

 次第に水が気化して限界を迎えて内部が爆発する。爆発の余波の衝撃波だけで吹き飛び、なんとか制御する。ルクスが捕まえてくれなかったらやばかった。ジャバウォックもその衝撃で消滅し、ルギアに少なくないダメージを与えた……と思ったら、相手は無傷だった。いや、ダメージを負っているけれどどんどん回復している。

 

『見つけたぞ。こそこそ隠れずにかかってこい』

「これ、テレパシーか?」

「みたいですね」

「見つかった」

「散開!」

 

 水蒸気爆発でもたいしてダメージが与えられないとなると、これはもう水爆ぐらいしか思いつかない。でも、詳しい原理なんて覚えていないし……いくら世界最高の頭脳を持っていても、使いこなせないと意味ない。やっぱり、徹底的にPPを削るか……でも、ゲームじゃないし、残ってる可能性が多い。

 

「くらえっ、マスタースパークっ!」

『甘いわ!』

 

 マスタースパークとルギアビームが激突して大爆発を起こす。お母さんは帽子を押さえながら、必死に逃げている。仕方ないので、転移して思いっきりルギアの目玉を殴る。

 

『ぐっ、卑怯な!』

「卑怯で結構です。矮小な人間が神様クラスに挑んでいるんですからね!」

 

 拳が降られ、吹き飛ばされる。数々の木々を粉砕していく間ジュカがシャドーボールの弾幕で追撃を防ぐ。その間に転移して、空中に戻る。身体の半分が潰れていたけれど、魔術刻印とどんなケガをしてもすぐに治るよの魔法によって自動で、瞬間再生されていく。すぐに綺麗な腕などが元に戻り、確かめるとちゃんと動く。

 

『貴様、本当に人か?』

「人ですよ。ええ、アリスは男ですから! 来なさい、ジャバウォック、トランプ兵!」

「オオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォッ!」

『ええい、何度殺しても蘇りよって、鬱陶しい!』

 

 ルギアが攻撃するためにアリスを視界から外した瞬間に転移し、ルクスの下に移動する。メタグロスの姿のルクスに乗り、ジュカを抱きながらクオンやお母さんを確認すると、無事みたい。でも、飛べないクオンは辛そうだ。

 

「ルクスはクオンを回収してください」

「……了解……」

 

 ルギアはジャバウォックを吹き飛ばすと、こちらに一直線に向かってくる。アリスとしても、ルクスが逃げる時間を稼がないといけないので、弾幕を展開しながら突撃する。すると、ルギアの左右から冷凍ビームや十万ボルトが飛んできて、妨害してくれる。

 相手の火力は高く、耐久力も非常に高い。これはどうすれば勝てるのだろうか? 

 考えながら戦っていると、下半身が消し飛んだ。瞬間再生するが、即座に身体が斬り刻まれる。時間を巻き戻して、転移して逃げる。感覚的に風の刃だと断定できる。見えない刃というのは厄介だ。なら、こちらも見えなくしてやる。そう思ったら身体が圧縮されていく。サイコキネシスなのだろう。まあ、関係ない。転移で逃げて再生する。

 

「これ、もう完全に殺し合いですね……」

『当然だ。命を賭けてかかってこい!』

「……なら、生き残ったら私のポケモンになってもらいますよ」

『いいだろう』

「できたら、子供がいいですけどね」

『子供も用意してやろう。勝てればな!』

 

 ルギアは幻ポケモンや伝説ポケモンの中で、子供が確認できている。アニメででてきたからね。私は卵から育てたい。絶対にそっちの方が強くなる。まあ、資質向上でレベルを下げてもいいのだけれど。しかし、こっちの火力が……いや、待てよ。外が駄目なら中からってのが基本か。試してみる価値はある。

 

「卵ってすでにあるんですか? あなたが死んだら、聞けないですし」

『ある。私の身体の中にな! だから、私を殺せば連れていくといい』

「なるほど。わかりました」

 

 座標の計算。周りの座標とルギアの身長5.3メートルからルギアの体内座標を特定。完了。図鑑より0.1メートルほど高い。

 計算している間にハイドロポンプがルギアの身体の周りから無数に放たれる。回避行動を取るも、速度が違い過ぎる。ジャバウォックを盾にして転移しようにも身体が貫かれる。一本一本が大きいので、本当に小さな身体では半分ぐらい吹き飛ばされていく。

 

『貴様、不死身か!』

「ですよ!」

 

 弾幕で迎撃しようにも、相手の攻撃に触れるだけで消し飛ばされるし、バリアだって紙のように貫通してくる。

 

「マリス、手はあるか!」

「ありますけど、止められませんっ!」

「なら、私に任せな!」

「ちょ!」

 

 魔理沙お母さんが箒からマスタースパークに匹敵する極太の光を出しながら高速でルギアに突撃していく。ルギアも複数のハイドロポンプで迎撃するが、まるで見えているかのように高速で移動し、星の弾幕で軌道をずらして避けていく。

 

「彗星・ブレイジングスター! 私を捕まえられるか試してみな!」

『面白い!』

「ああもう! ジュカ、呪い! ダウンⅩ!」

「恨み晴らす」

 

 デバフをかけて相手の能力値を下げる。続いて魔理沙お母さんにバリアを展開して、フリーザーとサンダー、ジャバウォックも突撃させて相手の処理能力を落とさせる。

 

「ルクス、破壊光線! クオンは幻術で魔理沙お母さんのダミーを!」

「……まか、せて……」

「ん!」

 

 無数にでた魔理沙お母さんと破壊光線などの攻撃。これでもルギアは対処してくる。すると空から無数の隕石が落ちてきて、ルギアを目指していく。流石のルギアもこれは迎撃しだした。それに幻影も一々迎撃しないといけないので負荷は確実に大きい。

 

「ボーマンダの流星群ですか」

 

 突撃すら囮、と。流石は巫女でもないのに人の身で異変に参加していたということか。戦い慣れてる。座標の修正も完了。転移。

 

 

 ルギアの体内に転移したアリスはGrimoire of Alice(アリスの魔導書)からアダマンタイトゴーレムやオリハルコンゴーレム、ミスリルゴーレムをだして、身体の内部を広げる。強烈な胃液がでてきて、バリアをあっさりと貫通してアリスの服を溶かしていく。

 探索魔法で卵のような物を探し、発見する。それを回収してからアリスは全力でミニ八卦炉に魔力を通して、増幅に増幅を重ねて臨界点を超えて暴走させる。片腕をゴーレムに斬り落とさせ、爆発の直前に卵を持って転移する。

 

「全員っ、脱出! ミニ八卦炉を暴走させました!」

「うおっ! やべぇ!」

 

 魔理沙お母さんに卵を投げ渡して、脱出アイテムを使ってもらう。クオンは命令して強制的に脱出させる。他はモンスターボールや魔導書に戻す。魔導書も身体の中に戻せばもう残るはアリスだけ。

 

『ぐぅ、おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉっ!』

「命を賭けてかかってこいとのことでしたので、命を賭けますよ。これで死ね」

 

 ルギアの内部から炎が漏れだす。内部で爆発が起きて一部はミスリルゴーレムに反射されるが、全てのゴーレムが燃やされ、溶かされた状態で爆発によって吹き飛ばされる。それはまさにクラスター爆弾や手榴弾と同じ原理だ。身体中からゴーレムの破片がでてきたルギアの身体は穴だらけで、身体が焼けて肌や内部は一部が……そこまで見たら、そのまま極光のような炎にアリスも焼かれていく。

 

 

 

 

 50分ほどで肉片から再生が完了した。本当、恐ろしい回復能力だ。周りを見渡せば森なんてなくなっている。残っているのは結晶化した地面と、ルギアであろう黒い物体。

 

「勝った」

 

 あの女神(笑)には勝てなくても、普通の神様なら勝てるのかも知れない。そう思ったら、黒い塊が罅割れていき、中から綺麗なルギアがでてきた。

 

「嘘でしょ、ちょっと……」

『再生が貴様だけの特権だと思うなよ』

 

 ばさっと翼を広げるルギアは流石に身長が低くなっていて、4メートルぐらいしかない。だが、そんなことよりも、地面が結晶化するような高温を内部から受けても生きてるってありえない! 

 

「ちっ、こうなったらやるしかないのか……」

 

 首にかけている銀の鍵を握る。今回は生贄なんて事前に用意していない。どんな代価になるのか、怖い。かといってクトゥグアは召喚できない。フォーマルハウトはここにはない。ハスターを召喚するのも、それはそれで怖い。何を考えているかわからないからだ。クトゥルフはない。相手も水の神様だ。ニャルラトホテプ? こないだン・ガイの森を燃やしたばかりなのに? 逆に殺される。

 

『どうやら、手が尽きたようだな。ならば、我の勝ちだ。大人しく死ぬがいい』

「そうですね。大人しく負けを認めて帰るのも──」

「おっと、それは待ってもらおうか」

「え?」

 

 振り返ると、そこには私よりもちょっと身長が大きな蛙の帽子をかぶった可愛らしい金髪幼女の神様がいた。髪型は金髪のショートボブ。青と白を基調とした壺装束と呼ばれる女性の外出時の格好をしている。足には白のニーソックスをはき、頭には俗に蛙の帽子ことケロちゃん帽子などと呼ばれる市女笠(いちめがさ)に目玉が二つ付いた特殊な帽子(ZUN帽)を被っている。市女笠とは、真ん中の高い巾子(こじ)が特徴的な笠であり、これも女性の外出時の格好。上の目玉二つは蛙をイメージした物である。また服の各所には鳥獣戯画の蛙が描かれている。その隣にはメイド服姿のシロが立っていた。

 

「諏訪子ちゃん?」

「あはは、諏訪子ちゃんか~」

「ご、ごめっ、申し訳ございません。諏訪子様」

 

 急いで謝る。この人は見た目と違って、かなりやばい神様だ。山の神様であり、神としての性質はいわゆる土着神、特定の地域でのみ信仰される神であり、その土地を離れると殆ど力を失う。 しかし信仰されている地域内では、ときに最高神クラスの神格をも凌駕する力を持つ。 古くは土着神であり祟り神であるミシャグジ様達を統べる神として祀られていた。今は弱体化しているけれど、言ってしまえば日本最強の祟り神であり、土地神の頂点である。

 

「いや、ちゃんでいいよ。そう呼ばれるのって久しいからねえ~」

「それで、なぜここに……」

「敬語もいいからね。どうせ力を失った土地神だしね。ここに来たのはアリスが紫に頼んだから、向かえにきたんだよ」

「そ、そうなんですか……」

「敬語」

「そうなんだ……何時からいたんですか?」

「ん~と、四半時くらい?」

「待っててくれたんだ。ありがとう」

「ふふふ、アレとも戦ってみたかったしね。それにこの子にも頼まれたし」

「ん」

 

 シロの頭を撫でる諏訪子ちゃん。シロは気持ち良さそうにしている。

 

「えっと、もしかして……」

「アリスが加護を与えてくれって連れてきたんだ。で、話を聞いたら面白そうだったから与えてやった。それに異世界の竜帝だっけ、それを共有することでこの子もミシャグジの一匹にしてあげたの」

「ほ、ほんとうに」

「なりました。竜帝の力は私には合いませんでした。ですので、皆で改造して調整して共有しました」

「そうそう。だから、こう言ってあげる。今日から君もミシャグジ使いだ!」

「ちょっ」

「あはははは、呼べばくるよ? でも、気をつけてね。あんまり蔑ろにしたりして、機嫌を損ねたら祟られるからね~」

「は、はい、気をつけるよ……」

「んじゃ、久しぶりに遊ぼう(殺し合い)をしようか」

「あ、できたら生かしてくださいね。捕まえたいので」

「ふむ。白いから私のペットにするのもありかな~」

 

 ルギアの方を見れば、再生が終わるまで大人しくしていた。いや、諏訪子ちゃんを警戒していたのだろう。感じる気配は小さいけれど、それ以上に地面の下に蠢く者達がやばい。

 

「さあ、神様の遊びを始めようか。君だって異世界では神様と呼ばれているんだから、楽しませてね。スペルカードもない、純粋な楽しい戦いだ。まずは開幕の花火をあげよう」

 

 諏訪子ちゃんが手を叩くと、大地が隆起して地割れが発生。そこから溶岩が溢れて降り注ぐ。彼女の能力は坤を創造する程度の能力。(こん)とは八卦における地のことであり、大地に関することなら創造し、操ることができる。

 

『おのれっ、このような存在を連れてくるなどっ!』

「いやいや、頑張った子供にはご褒美をあげないとね。もちろん試練も与えるけど、そこまでボロボロにされたんだから、神様だったら大人しく負けを認めなよ」

『ふざけるな!』

「そう。じゃあ、地と海、どちらが強いか勝負しようじゃないか! ケロケロ」

 

 その後の戦いは正直、アリスの手には負えない。結果は宴会の席でルギアの上に乗ってお酒を飲んでる諏訪子ちゃんがいるだけ。流石のルギアも島を創造してぶつけるとか、そこから溶岩のシャワーを浴びせたり、ミシャグジさま達にハムハムさせたり、うん。なんというか、圧倒的だった。ボコボコにされたルギアはモンスターボールでアリスが捕まえて、しっかりと登録してから諏訪子ちゃんに献上、譲渡した。代わりに卵だけは貰っておいたよ。

 

 

 

 

 

 

 

 




 フリーザーとサンダー、ルギアの卵ゲット。シロちゃんは竜帝の欠片というなの塊を差し出して諏訪子様の加護をもらい、ミシャグジさまの一体になれました。ルギアのアリス・マーガトロイドの要請できた諏訪子様のペットになりました。

ちなみにこのルギアさん、五段階変身! アリスが削ったのは一段階目。小さくなると防御力と火力は下がるけど速度は上がっていく。ただし、数百匹のミシャグジさまや面攻撃をしてくる諏訪子様には勝てない。

逆に言えばそれだけなので、アリスだったら頑張ったら勝てるかも。ジャバウォックとかでちまちま削れば七年くらいで勝てるかもね!

ちなみにルギアの卵は05のクリティカルです、やったね。色違いだよ。これアニメ版ででたから、あると裁定しました。ただし、他のはわからない。ルギアを出した理由はスペシャルの時系列で終わってるからです。

赤色というか、桜色のルギア、可愛いですね。ちっこいのならペットに欲しいです。というわけで、大人は諏訪子様にいきました。倒したの、諏訪子様だしね。でも、捕まえた扱いになるので、アリスポイントは入ります。

オルフェンズのアリス開始時期およびルート

  • 火星でMAの登場から開始
  • ビスケットを助けるため、地球辺りから
  • 女神Aliceの名の下に人類管理ルート
  • マクギリスと一緒。ギャラルホルンルート
  • マクギリスの代わりにアリスになるルート

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