アリスと不思議な世界達   作:ヴィヴィオ

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第58話

 

 

 

「わふ~!」

「はやいね~」

 

 ポケモン協会の飛行船での話し合いを終え、アリスはアセロラと一緒にセンチュリオンに乗って海を渡っている。目的地はカントー地方。

 ちなみにポケモン協会との話し合いは愛里寿に伝説のポケモンの所持を認めさせ、被害の補填はしない。代わりにグラードンが作り出した土地を譲渡する事で納得してもらった。当然、普通の方法で納得してもらったわけではなく、武力行使をちらつかせての交渉だ。ちゃんと汚染処理もしておいたので問題はない。ただ、伝説のポケモンのデータは求められたけれど、こちらも拒否した。この世界にはミュウツーやデオキシスとか存在するからね。つまり、ポケモン協会としての利益は島だけだ。でも、本来の歴史からいったら、港町は水没し、火山の付近は燃えたりして被害も甚大だったのだから、よしとしてもらう。

 

「あ、マサラタウンだよ~」

「マサラタウンは素通り」

 

 オーキド博士の研究所はちょっと気になるけど、今回は無視する。水面から地面に移っても変わらずにキャタピラで走行している。ただ、周りからはめっちゃ見られているけどね。

 

「メタグロスで行くのもいいけれど、これで行くのもいいね~」

「確かにいいかも」

 

 金属に囲まれているから、防御力的な安心感もある。それに中身も居住性を優先して椅子とかも改造してある。なにより、何も操作しなくても勝手に動く。カイオーガが指示を聞いてくれているだけだけど。

 ミミたんとジュカは二人で遊んでいるし、他の子達は狭いから魔導書の中で遊んでいる。なので、愛里寿とアセロラはここで紅茶とケーキを楽しんでいる。まるでガルパンのダージリンさんみたい。

 

「うん、美味しいね」

「上海と蓬莱が入れてくれたからね」

「ホラーイ」

「シャンハーイ」

 

 小さな上海と蓬莱が動き回り、色々と世話をしてくれる。マッサージもしてくれるし、疲れた身体には丁度いいんだよね。ぶっちゃけ、何度も死にかけて疲れ切ってるからね。

 

「お菓子食べよ~」

「なんのお菓子がいいの?」

「ホウエン地方で買ってきた名物でいいよね」

「うん。なんでもいい」

「じゃあ、餅にする」

「名物……? まあいいけどね」

 

 アセロラはアローラ地方の人だからホウエン地方の料理は珍しい物ばかり。だから適当に買っている可能性が大きい。

 

「はずれはあるのかな……」

「ホテルのコンシェルジュさんに紹介してもらった奴だから、味は保証されているよ?」

「なら大丈夫か……」

「アリス、あ~ん」

 

 わらび餅などを食べさせてもらう。もきゅもきゅと食べてみると、ほんのりとした甘みでとても美味しい。

 

「そっちも食べさせて」

「はい、あ~ん」

「あ~ん。ん~美味しい~」

 

 アセロラと食べさせあいっこしていると、無事にトキワシティに到着した。流石に戦車の大きさは道幅がアレだったけれど、なんとかなっている。大きさも変えられるからね。

 

「お帰り!」

「ただいまです」

「ただいま~」

 

 迎えに出てきてくれていたイエローさんに挨拶する。身体をぺたぺたと触られて無事を確認されていく。

 

「二人共、怪我はしていない?」

「アリスはいっぱい怪我してたよね」

「あっ、言っちゃ駄目なのに……」

「どういうこと?」

「えっと……」

「アリスね~」

 

 アセロラが止める間も無くイエローさんに全てを話していく。そうなると、当然怒られる。

 

「アリス~?」

「ごめんなさい」

 

 しばらくお外で正座してたっぷりと怒られた。怒られた後は家に入れてもらい、椅子に座ってゆっくりと話す。

 

「まったく……無事だったから良かったものの……」

「確かにはたからみてたら何度死んでたかわからないよ~?」

「あははは」

 

 実際、何度というか、何十回くらい死ぬような所だった。とてもじゃないが、普通の人間が行動できる領域じゃない。温度もそうだし、火山ガスとか高温の水蒸気で身体の内側が焼けたり、本当に普通の人なら数分もいられないと思う。

 

「笑いごとじゃないんだけど……それでグラードンとカイオーガ、捕まえられたの?」

「もちろん。見てみる?」

「いいの?」

「うん。でておいで、グラードン」

 

 窓から外に向けてモンスターボールを投げる。するととても大きなグラードンがでてくる。それから周りは晴れになっていく。終わりの大地は発動していないのでまあ大丈夫だ。

 

「大きいね」

「これがグラードン……」

「グラードン、そこでゆっくりとしていていいから。ただ、周りの地形は変えないようにね」

 “わかった”

 

 ゆっくりとイエローさんの家の横で寝そべって、お昼寝をしだした。庭の外だけど、まあ大丈夫だろう。ついでなので、他のポケモン達もだして、皆で日向ぼっこでもさせる。

 

「これからどうするの?」

「ここでゆっくりしてから、アセロラを連れていったら元の居場所に戻るよ。しばらくこっちには来ないと思うし、電話もつながらないかも」

「そうなんだ……」

「どこに住んでるんだろう?」

「秘密の隠れた場所。ここからじゃ普通の方法じゃいけないから、連れていくわけにもいかないの。ごめんね」

 

 流石にクトゥルフ神話の世界で数日過ごすとか無理。東方の世界にすぐ行ったとしても、認められるかわからない。シロ達は使い魔だから認められているだけに過ぎないし。

 

「会えなくなるんだ……」

「まあ、また来ると思うよ。それよりイエローさん」

「お姉ちゃんがいいな~」

「お姉ちゃんには伝えておかないといけないことがあるの」

「何?」

「これから大変な目に合うと思うから、この子達をあげるね」

「え?」

 

 イエローさんにモンスターボールを三つ渡す。不思議そうにしながら、ボールを投げて中身を外に出す。

 

「大きいけれど、不思議なポケモン……」

「その子達はレジロック、レジスチル、レジアイス。準伝説ポケモン。戦力としては一級品だから」

「渡しちゃっていいの?」

「うん。お姉ちゃんに渡すつもりだから、拒否しただけだし。アセロラにはヒードランをあげるから、可愛がってあげて」

 

 レジアイス達の命令系統は書き換えてある。主人であるアリス、アセロラ、イエローさんの言う事を聞くように書き換えてあるし、魔術的に強化も施す。他にももしもの場合を考えて石化しないようにしたり、しても解除できるようなアイテムを作る。

 

「いいのかな~?」

「切り札として持っておいたらいいよ」

「本当にその子達が必要な時が来るの?」

「間違いなく。むしろ、とっても大変になるから居ないと困るよ。これはレッドさん達が巻き込まれる事件だし……」

「……どこから情報を仕入れているのか、気になるけれどアリスの言う事なら本当なんだね。わかった、この子達を預かるね」

「うん、それがいいよ」

「アセロラには何かある~?」

「アセロラはもうわからないよ。凄く強くなってるし。でも、言えることとしたら、一人で解決しようとするんじゃなくて、孤児院の皆で行動することかな。今からアセロラがしっかりと鍛えればかなり強くなるはずだし」

「何時もの通りだね。今回の旅でいっぱい経験できたから、そのことを皆にしっかりと教えないと。それにアセロラちゃんとしてはもっと強くなりたいし……今度こそ、決着をつけるんだ」

 

 カガリさん相手に頑張るつもりみたい。

 

「ライバルだね。でも、アセロラもあんまり無茶したら駄目だからね」

「は~い」

「そういえばカガリさんとかはどうなったの?」

「あの人、調べてみたらルビー君の師匠になって、一緒に旅しているみたいだよ」

「え?」

「マグマ団の人なんだよね? 怪我させたのに?」

「償いかはわからないけれど、ほら、これ」

 

 見せてくれたのはポケギアに映っている写真だ。その写真にはコンテストで優勝した証に撮ったのか、カガリさんの肩を抱いているルビー君が自分で撮った写真みたいだった。カガリさんは恥ずかしそうにしているけれど、二人共笑っている。だからか、二人共の周りにいるポケモン達も楽しそうにしているのがわかる。

 

「本当にいい感じみたいだね」

「こっちもあるよ~」

 

 次の写真はルビー君とサファイアちゃんの写真だった。二人でバトルしている時の写真で楽しそうにしている。

 

「三人で旅をしているの?」

「みたいだよ。なんでも勝負してたらしいけれど、ルビー君が入院しちゃったから、それでルビー君のコンテストを手伝っているみたい」

「そっか」

 

 確かに入院していた間のことがあれば、ルビー君はおそくなるのは仕方がない。それに原作よりもアリス達が動いたせいか、事件自体は早めに起こった。街への被害もないからコンテストなどは通常通り。一時、ジムリーダーが不在になったぐらいでしかない。

 

「そういえば、二人はジムバッジをいっぱい集めたんだよね?」

「そうだよ」

「うん、いっぱいあるよ~」

「だったら、リーグ戦には参加しないの?」

「ナニソレ?」

「あ、おしえてなかったっけ。ジムバッジを8個集めると参加できる大会で、その地方最強のトレーナーに挑戦できる権利を決める戦いなの。つまり、リーグが終わると四天王とチャンピオンと戦えるってこと」

「へぇ~」

「ホウエン地方のチャンピオンはダイゴさんだったよね」

「あ、あの人なんだ。そういえば、何かに参加しないか誘われてたかも」

「多分、それがポケモンリーグかな」

「行ってみようかな? アリスは?」

「アリスはパスです。それまでにあちらに戻りますから、こちらにはいません」

「残念」

「じゃあ、アセロラさえ良ければ残ってここからホウエン地方に戻る? それまでいてくれても全然いいからね」

「イエローさんがそう言ってくれるなら、残ろうかな?」

 

 アセロラはホウエンリーグに挑戦か。こっちの地方はすでに終わってるから、来年になるしね。

 

「じゃあ、イエローさんと一緒に鍛えたらいいよ。相手はレジアイス達がしてくれるだろうし」

「準伝説ポケモンをスパークリング相手にしろと……」

「それぐらい、アセロラならできるよ! 頑張れ!」

「……うん、古代のプリンセス、アセロラちゃんには不可能はない!」

「アセロラは古代に栄えた国の王族の末裔だったけ?」

「そだよ~」

「それなら、レジアイス達ってアセロラが持っていた方がいいと思うよ?」

「あ~確かにそっちの方がいいかも?」

「ん~まあ、その辺りはおいおいでいいよ。それにアセロラよりもイエローさんの方が必要だろうし」

「確かにそれはある。アセロラが残るなら巻き込まれるかもしれないけれど」

「……大丈夫。行き来に二日くらいだから、どうにかなるし、うん。イエローさんはアセロラも手伝うよ」

「いいの?」

「いいの~」

 

 これから起こる事件はデオキシスだったかな。アレに参加できるかはわからないしね。できたら捕獲しておいてほしいけれど、多分無理だよね。いや、戦力を渡しておけばいけるかも? カイオーガクラスと考えると……ルギアとか? うん、駄目だ。言う事を聞いてくれない可能性が高い。

 

「まあ、任せるよ。っと、アリスはこれからポケモン達のお世話をするけれど、皆はどうする?」

「手伝うよ」

「アセロラも~」

「じゃあ、晩御飯は……シロ、でてきて」

 

 シロを魔導書から呼び出す。何時もの通り、メイド服を着たシロが現れて頭を軽く下げてくる。

 

「晩御飯の用意、頼める?」

「お任せください。しっかりと習っています」

「じゃあ、お願いね」

「はい」

 

 シロに任せてから、三人で外に出る。そこでトランクケースから大量の上海と蓬莱達を操作し、モンスターボールから出したメタグロス達の身体をデッキブラシなどで洗っていく。水は思っただけで出せるようになっているし、問題ない。いや、問題はその、全身から出せるから汗やアレみたいに思われる場合もある。びっくりして出してしまったりする可能性もあるし。でも、けっしてアレじゃない。いいね? 

 

「じゃあ、身体を綺麗にしましょう~」

「「お~」」

 

 全部のポケモン達を綺麗に洗っていく。人手は上海と蓬莱で確保しているので、隅々までしっかりと洗ってマッサージをし、オイルを塗ってあげたりする。グラードンもレックウザも、ルギアもホウオウも全員しっかりと綺麗にした。流石に合体はまずかったみたいで、色々と疲れがたまっていたみたい。だから、とても気持ちよさそうにしてくれて、くすんでいた光沢も取り戻してくれた。ルクスとジュカもしっかりと洗ってあげる。

 

「てや~!」

「ちょっ、なにをするのアセロラ!」

「暑いから水かけだよ!」

「確かに。うん、気持ちいいかも」

「いや、服が水で透けて色々と危ないんですけど!?」

「女同士だから大丈夫だよ」

「いや、アリスは……」

「アリスって、女の子が好きだから、興奮するんだって」

「え!? そうだったの?」

「そうですよ。だから、一緒にお風呂とかは入らないといっているのに、アセロラは……」

「それで嫌がってたんだ」

「まあ、アセロラはどっちでもいいけどね。アリスの反応、可愛くて好きだし!」

「まったく……これはお仕置きが必要ですね」

「別に怖くなんて……」

「アセロラ、今回、アリスが手に入れたのはなんでしょう」

「え? えっと、グラードンとカイオーガ、それにレックウザ……まさか……」

「母なる海よ」

 

 アセロラに掌を向けて大量の水を生み出してアセロラにぶちける。局地的なので天候の変更はなし。

 

「ちょっ!? きゃぁああ!」

「大丈夫なの?」

「大丈夫です」

「やったなぁ~!」

 

 ホースの蛇口を絞ってアリスに水をかけてくる。こちらも対応してかけあっていく。次第にキャッキャッと笑い合いながら遊んでいく。

 

「まったく……わっ!」

 

 一人で我関せずだったイエローさんにも水をかけてこちらに入れてあげる。

 

「……ふう。覚悟っ!」

 

 水掛けバトルを楽しんでいると、泥だらけになってしまった。まあ、ポケモン達は上海と蓬莱が綺麗にしておいてくれたし、大丈夫。

 

 

 

 

 

 

 夜、パジャマに着替えてからアリスのナノマシンの一部と、魔法で地下から取り出した鉱石を使って指輪を二つ作る。一つにはイエローさんの名前を、もう一つにはレッドさんの名前を入れていく。それから魔法を付与して、指輪は装備者の左手薬指にしか装着できなくし、外れないようにもする。外れるのは二人が心の底から望んだ時だけ。

 効果は体力の自動回復と自己治癒力の向上。ペア効果としてイエローさんの指輪は装備者の石化を無効化し、また石化などの状態異常を回復する。相手の位置と状態が常にわかる。これらに加えてレッドさんの方はイエローさんの指輪の装備者からキスをしてもらうことで、互いの効果が直径5メートルにいる存在にも適応できるようにし、発動条件を心の底から相手を想うことにした。それぞれの指輪には宝石として藍色の宝珠を改造して色を黄色に変えた奴と紅色の宝珠の小さい奴を取り付けてある。レッドさんのは黄色で、イエローさんのは紅色だ。

 

「できた」

 

 イエローさんがいるところに移動し、指輪を渡す。

 

「えっと、これは?」

「アリスからのプレゼント」

「告白?」

「間違ってはいないけれど、相手が違うよ」

「えっと、まさか……」

「お姉ちゃん、レッドさんと進展した?」

「そっ、それは……」

「ちょっと詳しく教えて~」

「いいよ」

 

 アセロラにレッドさんとイエローさんのことを教えて、二人で応援しようと握手する。

 

「さて、この指輪は左手薬指にしか装備できません」

「ちょ!?」

「アリスの予言ではレッドさん達が石化する可能性は極めて高いです。ですから、この指輪を装備していればお姉ちゃんは石化しないようにしました。メリットとデメリットの誓約をつけることで強化していますので、これ以上の物は現状では作れません。その時になるまでわかりませんが、常に持っておいてくださいね」

 

 しっかりと指輪の効果も説明していく。

 

「うぅ~」

「これって、昔話にあるように王子様のキスでお姫様が目覚める奴?」

「それです。愛を足していますけどね」

「というか、逆だよね!」

「はい、逆ですが、レッドさんの方から待っていてもしてくれませんよ。だからこそ、こちらから攻めて意識させ、壁をぶち壊すのです」

「聞いた感じじゃ、ライバルが多いからそっちの方がいいよ、絶対」

「くっ、わ、わかりました……頑張ってみる……レッドさんとキス……あ~~~~」

「これは色々と楽しみが増えました」

「だね~」

 

 真っ赤になって悶えているイエローさんを二人で見ながら、皆で仲良く眠る。イエローさんはチュチュを抱きしめ、アセロラはミミたん。アリスはジュカ。シロとルクスも一緒になって皆で眠っていく。

 目覚めたら、レジアイス達に魔法を施してから、別れを告げて白い部屋に戻り、そこから東方世界に移動する。今回はお母さん達には会わない。入った瞬間から、攻勢をかける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

異 変 の 始 ま り だ 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






 さあ、霊夢とのバトルだ。

オルフェンズのアリス開始時期およびルート

  • 火星でMAの登場から開始
  • ビスケットを助けるため、地球辺りから
  • 女神Aliceの名の下に人類管理ルート
  • マクギリスと一緒。ギャラルホルンルート
  • マクギリスの代わりにアリスになるルート
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