なに、これ。本当に信じられない。相手の力は完全に神様クラスじゃない。それも下手したら創造神クラス。世界を書き換えるなんて有り得ないっての。それになによ、あの小さな女の子達。相手はピンク髪のミディアムヘアーに水色と白を基調とした着物を着た小さな女の子達。彼女達は西行寺幽々子を小さくした姿みたいで、こちらに飛んできては身体から花びらを巻き散らかしている。その花びらに触れると体力や霊力、生命力を急激に吸われて死に至る。触れなくてもこの空間に居るだけで同じように吸われて死んじゃう。そして、死んだら元の元気な状態で蘇るという無限に繰り返される地獄。
「ココ、吹雪!」
「こ~ん!」
ココの口から冷たい雪のような物が噴き出し、周りの温度を急激に下げると同時に花びらを吹き飛ばしていく。同時に近付いてきていた女の蹴りをお祓い棒で防ぎ、その間にロロの炎で燃やして防ぐ。一体を防いでいる間に後ろから複数体に強襲されて抱き着かれて全ての生命力を吸われて殺される。
視界が暗転し、何度目かの復活を経験して即座に指示をだして周りを炎で覆って花びらを焼き尽くす。周りをみれば無数の女の子がこちらに迫ってきていた。
「よっと」
そいつらはすぐに殴り飛ばされて吹き飛んでいく。現れたのは薄い茶色のロングヘアーを先っぽのほうで一つにまとめている真紅の瞳を持つ幼い女の子。彼女の頭には身長と不釣り合いに長くねじれた角が二本、左右に生えている。
服装は白のノースリーブに紫のロングスカートで、頭に赤の大きなリボンをつけ、左の角にも青のリボンを巻いている。そして、いつもの通り、伊吹瓢という紫の瓢箪から中身のお酒を飲みつつ、腕を振るって三角錐、球、立方体の分銅がついた鎖を放って幽々子モドキを吹き飛ばす。
「萃香、助かったわ」
「いいよいいよ。こんな楽しい遊びに参加できているんだからね。まあ、命がかかってないから少し物足りないけどね~ふぃ~」
「鬼って奴はまったくもう」
こんな時でもお酒を飲んで戦いを楽しむなんてね。でも、コイツ等が居るってことは、戦力的には大きいわね。
「アンタ、ポケモンは?」
「そんなのいらないよ」
「まあ、そうか」
大きな大樹といえる桜の木を見詰めると、木の枝に金髪の幼い女の子が座っている姿がみえる。彼女がこの異変の元凶で、アリスにとても似ていて、服装は白いブラウスに青いスカート。青いリボンのバンドをつけている可愛らしい姿。でも、感じる力は凄まじく、とても子供が持っていい力じゃない。そしてなにより、とても気持ち悪いぐらいの邪悪な気配がする。
「ありゃ、色々と混じってやがるな」
「やっぱり?」
「ああ、本当だ。にしても、紫の奴は何しているんだ?」
「アイツは使えないわよ」
紫は小舟の上で頭を抱えて蹲っている。まあ、それも無理はない。なにせ大切な友達らしい西行寺幽々子を亡くしたんだから、仕方がないか。あの妖怪の特性からして、封印が溶けたら真っ先に生命力を吸われるのは身体を使って封印していた彼女だろう。実際、大樹に埋め込まれている女性の身体はどんどん衰えていっている。
「ほら、紫。しっかりしなさいよ。まだなんとかなるかもしれないわよ」
「む、無理よ……どうやってあんなのに勝つのよ! マリスのせいで無限に復活してくるような化け物なのよ! こっちの復活だっていつ切られるかもしれないし、そうなったら西行妖に殺されるわ! もう幻想郷は終わりなのよ!」
「たぶんだけど、アイツの目的は西行妖を倒すこととポケモンを周知することよ。だから、幻想郷を滅ぼすことはないんじゃない?」
「そんなのわからない……」
「いえ、それであっていますよ。彼女の目的は西行妖を取り込み、契約通りに西園寺幽々子を助けだすことにシフトしています」
声に振り向くと、空に浮かびながらこちらにやってきたのは地霊殿の主、古明地さとりだった。彼女のサードアイが開いている。
「え、それって助かるの?」
「そうですよ」
「もしかして、これだけの戦力が集まったから、丁度いいって思ったの?」
「心を読む限りはそのようですね。ですので、能力もだんだんと使えるようになりだしていますよ」
「へえ、それはいいわね。それで紫はどうするの?」
「彼女は貴女との契約を守っていますよ」
「……わかったわ。やってやろうじゃない。藍」
「ここに」
背後に現れた藍がうやうやしく頭を下げる。その隣に見た事のない銀髪の狐少女もいた。
「シロもいるのね。まあ、いいわ。これから幽々子モドキを排除するわよ。アリス、貴女も手伝ってくれるわよね」
「ええ、もちろん」
空を見上げると、緑の龍が飛んでいて、その背中に女の子が三人乗っている。アリスが飛び降りると後ろの子達も降りてきた。彼女達とも協力して全員で文字通りの死力を尽くして滅ぼす。ついでにあのマリスって奴もしっかりと私が倒してやりましょう。
アリス(マリス)
アリスお母さんが緑の龍ことレックウザを手持ちに加えて他の人達と合流したみたい。とっても怒っているみたいで怖い。でも、仕方ないよね、うん。
「あは♪」
声が聞こえて上を見上げると、風見幽香がドレディアと一緒に特大のソーラービームを用意していて、それをこちらに向けて放ってきた。仕方ないので、手をあげて西行妖に指示を出して突撃させ、ソーラービームを複数体で防ぐ。数体が抵抗むなしく飲み込まれていくけれど、その間にチャージを終えた西行妖の本体が砲撃を行ってソーラービームを吹き飛ばしていく。
風見幽香もそれを理解していたようで、いつの間にかこちらに移動していて、アリスを蹴りつけてくる。咄嗟に両手を交差してガードして、枝の上から吹き飛ばされて海面を何度もバウンドしていく。背中が凄く痛いけれど我慢する。海面をバウンドしている間に風見幽香が追いついてきて上からお腹に向けて蹴りをは成ってくるので、転移して代わりに西行妖の量産型を配置して爆発させる。アリスは空中に戻って最初の蹴りで折れた腕やあばら骨、衝撃で潰れた肺などを再生し、即座に逃げて西行妖の量産型に襲わせてやる。
「ちっ、鬱陶しい! リコリス!」
西行妖の量産型を腕を振るうだけで粉々に霧散させて蹴散らし、こちらに向かってくる。同時にドレディアにも指示を出して、無数の鶴を放ってくる。その鶴の一撃は量産型西行妖を軽く貫いて、先端がアリスに迫ってくる。その先端が大きく開いて口になり、襲い掛かってきた。回避行動を取っても間に合わず、片腕が持ってかれて動きが鈍り──
「捕まえた」
──その間に接近してきた風見幽香に首を掴まれてそのままゴキッと折られて、空いている手をお腹に触れられてそこからマスタースパークみたいなので消し飛ばされる。瞬時に時間を巻き戻して再生し、ハードゴア・アリスになってお返しとして横から蹴りを放つ。
「甘い」
蹴りを放った足が捕まれて、そのまま西行妖の身体に何度も叩きつけられて埋め込まれ、激痛を味合うけれど転移して逃げる。数秒で魔術刻印とどんな傷でも治る力で瞬間再生し、弾幕を展開して量産型西行妖もろとも弾幕を放つ。
「リコリス、種マシンガン」
無数に放たれた種マシンガンはアリスの弾幕をあっさりと貫通し、身体まで到達される。すると種が急速に芽吹いてアリスの力を吸い取っていく。宿り木の種としての効力もあるみたいで、たまったものじゃない。身体を変化させて逆に種を取り込んで自己改造による進化で身体に適応させ、同じようにこちらも放つ。
「浸食……いえ、吸収ね。いいわ、やってあげる」
「私も混ぜろ!」
「私もだ!」
気が付いたら足に鎖が絡まっていて、空から海面に引きずり降ろされていく。その先に待ち構えていた鬼、伊吹萃香の小さな拳がアリスの身体の大半を消し飛ばしながら吹き飛ばしていく。瞬時に再生すると、今度は空か無数の六角形の石柱が降ってきて押し潰される。すぐに桜の上に転移して天辺に立ちながら見渡すと、そこには風見幽香以外にも鬼の伊吹萃香、そして軍神の八坂神奈子。
「ゆうかりんだけでも大変なのに、軍神と鬼の四天王って無理ゲー……」
「お前が売って来た喧嘩だろう」
八坂神奈子がそういいながら、モンスターボールを放って中からルギアを取り出す。驚いていると、なんてことはないように告げてくる。
「諏訪子から貰ってきた。こっちの仲間に入る代わりにな」
「元からその子は守矢の物だから別にいいですけどね」
「そうそう、楽しく喧嘩しようぜ」
「あなたはポケモンを使ってくださいよ」
「やだよ。私は私で戦うのが好きなんだ」
「やれやれ」
桜の大樹から無数の量産型西行妖を数百と生み出して──逃げる。
「「「ちょっ!」」」
「誰が戦うか! 勝てない勝負はしないって決めてるの!」
全力で逃走しながら、なりふり構わず攻撃する。もちろん、シロ達や村人は除いて霊夢や妖怪達は攻撃対象だ。
「霊夢っ、避けなさい!」
「わかってるっ!」
明らかに視界からの一撃を裂け、霊夢の背後の海が蹴りで割れる。瞬時にスキマが展開されて、中から触手みたいなのがやってくるので、ステップで回避しつつ魔術を複数発動させる。まずは無限誕生で量産型西行妖を作り、霊夢達に放ってから強化魔術で身体能力を上げて転移で奇襲する。
ゆかりんの背後に飛んで攻撃する直前に転移して前から蹴り飛ばす。背後にはスキマが現れていたけれど、逆に今度は霊夢の障壁符が邪魔をしてたいした威力はでなかったので、上空に転移してから二人の周りにいた量産型西行妖を自爆させて大量の花びらをばら撒いてやる。これによって二人の妖力と霊力はアリスに吸収される。
そのタイミングで空から無数のミハシラが降って来て、襲い掛かってくるので必死に逃げる。すると目の前には極大のマスタースパーク。転移して距離を取ろうとすると、何故か転移できずにそのまま喰らって肉片となった。
「やったの?」
「嫌、まだだぜ、霊夢」
「これぐらいで死んでくれたら楽なんだけど」
肉片から急速に再生して、肉体を取り戻すとドン引きしている霊夢の顔がみえた。自分でも理解できる。でも、再生はできなくても、霊夢の勘は反則だ。さっきの攻撃も勘で防がれているわけだし。まあ、それよりも転移できなかった方が問題だ。すぐに固有結界に綻びがないか調べたけれど、問題はない。
「不思議がってるな」
「ああ、なるほど。集められたんですね」
彼女、伊吹萃香の能力は密と疎を操る程度の能力。これはあらゆるものの密度を自在に操る能力だ。物質は密度を高めれば高熱を帯び、逆に密度を下げれば物質は霧状になる性質がある。この特性を使い彼女は霧になることが出来る。この時でも体当たりなど物理的な干渉は可能。おそらく、移動する前にアリスの身体が霧散、移動する前に集められて座標がずれてしまったことで転移が発動しなかったみたい。でも、それなら方法はいくらでもある。
「さて、これで逃げられない。たっぷりと楽しもうじゃないか」
「お断りします。しかし、鬼は厄介なのでこの辺りで退場していただきましょう」
「へぇ、やれるもんならやってみな」
「ええ、もちろんですとも」
指を鳴らし、海の性質を変化させる。
「これで脱落です」
「あ? 何を言って……あれ、この匂いは……」
伊吹萃香は海の水を手で救って飲んだ。
「美味いっ! なんだこの酒! まさか、全部酒か!」
「その通りです。さあ、お好きなだけお飲みください。まさか鬼が酒の勝負から逃げませんよね?」
「上等だ!」
「馬鹿萃香! 今はそんなときじゃ……」
「こんなこともできます」
酒の津波を起こしてそこにいた全員を海中に引きずりこむ。霊夢は紫に助けられてスキマで移動したけれど、萃香や他の人達はお酒を飲んでいく。鬼以外の人はすぐに倒れて溺れたりしているが、鬼達は幸せな表情のまま死んでいく。
「鬼は酔わせて退治する。これ、基本です」
「ちくしょうっ、本能には逆らえない!」
能力を使って巨大化し、海を思いっきり吸っていく。これで伊吹萃香は無力化できた。続いて他の連中だ。そう思って振り返ろうとした瞬間、空から巨大な槍が降って来て、受け止めようとしたら身体が消し飛んだ。本当に東方勢力は火力過多だと思うの。
「どう、フラン。仇はとったわよ」
「はいはい、お姉様スゴイー」
「そうよ、もっと褒めなさい」
油断している二人の背後に現れて流水で包み込んでやろうとしたら、周りがナイフだらけでいっぱい串刺しにされた。痛い。
「メイドさん、ひどい」
「酷くありません。お嬢様方を傷付けようとする相手には当然の行いです」
「なるほど。じゃあ、こっちもやろう」
「咲夜、私達を連れて逃げなさい」
「はい」
周りを一体を流水で押し流そうとしたら、すでに誰もいなくて回避されていた。時間停止は本当にずるいと思うの。だから、世界を改変して全面水中ステージにしてやる。溺れ死ぬがよい。
そう思っていたけれど、大概の人がスキマで避難され、八咫烏を宿す霊烏路空と呼ばれるさとりのペットの鳥人間が海水を核融合を操る程度の能力で吹き飛ばして蒸発させ、諏訪子がけらけらと笑いながら大地を作りだし、八坂神奈子が乾を創造する程度の能力で天を作る。そして、スキマからでてきた人達が戦いを再開し、アリスが始まりの海を生み出して世界がめぐる。
「……化け物めっ!」
天地の想像とか、創造神クラスじゃない。こんなの勝ち目ない。桜の大樹の上からみているけれど、ありえないよね。
「お前がいうな!」
「まったくよ」
いつの間にかアリスの周りにアリスお母さんと魔理沙お母さんがいた。二人共、空を飛んでいて、背後にメガ・レックウザとメガ・ボーマンダに乗っている。後ろにはジュカとルクスがオロオロしているけれど、これは仕方がない。二人にはお母さん達を手伝うように指示を出しているし。
「お母さん、久しぶりだね」
「ええ、本当にね。で、なんでいきなりこんなことをしたの?」
「異変を起こすのは決まってたけど、どう考えてもポケモン達を受け入れさせるには規模が大きくなる。だったら、徹底的に大きなことをすればいいんじゃないかなって思ったの」
「あははは、確かにコイツは大きいな。幻想郷のほとんどの勢力が参加しているし」
魔理沙お母さんの言う通り、今は戦いがそこかしこで行われている。ほぼ幻想郷内の全勢力との戦いだ。
「そして、この状況ならどんな勢力でも協力してことにあたってくる。幻想郷が滅びるかもしれないというのなら、そこに他の意思は入らない。意思のある生命体が結束する一番簡単な方法は共通の敵がいることだから」
「それでも、ここまでやったらマリスは……」
「後々、受け入れられないかもしれないね。妖怪の人はともかく、里の人達は絶対に無理だと思う。でも、それがどうしたの? その程度ならアリスが、マリスが止まる理由にはならない。ましてや今回の異変はマリスが幻想郷に受け入れられるために絶対に必要なんだから」
「いや、それでもやりすぎだぜ。紫もここまでの規模でやるとは思ってもみなかったみたいだし」
「駄目だよ。この規模の異変じゃないと受け入れられない」
「なんでなの? 他の勢力だって受け入れられてきたじゃない」
「
なにせ西行妖ってラスボスみたいな存在だ。あの八雲紫ですら圧倒されて倒せずに諦めるしかない存在だ。境界を操るという反則的な力を持っている大妖怪が、だよ? そんなのに勝とうと思ったら複数の神様に全力を出させるしかない。でも、そんなことをしたら、幻想郷が間違いなく壊れる。実際、諏訪子ちゃんと神奈子さんだけでも、全盛期の力なら天と地を創造できるのだ。幻想郷の他の神々やポケモン世界で神と呼ばれる者達も含めれば勝てるだろう。そう思っていたけれど、やっぱり西行妖は化け物だ。これだけ奴の力を使って量産型西行妖を生み出し、殺させて力を削ぎ、吸われた力は全て奪い取っている。だというのに、ようやく二割が削れたぐらいだ。
「マリスっ!」
「え?」
アリスお母さんが切羽詰まった顔をして近付いてきたと思ったら、足に木の枝が巻き付いてきて引きずり込まれていく。転移もする暇もなく、大樹の中に引きずりこまれて真っ暗な場所へ連れていかれ、身体中を枝で絡めとられ、それがさらに成長して増えた枝が腕や足に突き刺さってきて、血が、力が吸われていく。
そして、目の前に西行寺幽々子の姿をした顔の無いナニカがいた。そいつは、そいつらニヤリと笑い、上から蕾みたいのを降ろしてきた。
「クスクス」
「クスクス、クスクス」
「や、やめっ! いやぁあああああぁあああああぁぁぁぁぁっ!」
「クスクス」
「クスクス、クスクス」
頭に蕾に入れられ、中から小さな触手みたいなのが耳などから入ってくる。そのまま脳へと──
やだなー西行妖さんがそんな弱いわけないじゃないかー
オルフェンズのアリス開始時期およびルート
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