私達の目の前にマリスが大樹に飲み込まれていった。マリスの表情からして、アイツが予定していたことじゃない。
「どっ、どどどうしよう魔理沙!」
「落ち着けって。とりあえずここから離れるぞ」
「で、でも……」
「いいから!」
動揺しているアリスを抱きしめてボーマンダに乗って急速離脱を行う。その間に湧いてきた量産型西行妖をレックウザに始末してもらう。
アリスは大樹に手を伸ばしているが、ここにいるのは私の勘がやばいと告げている。実際、周りにいた人が一瞬で生命力を吸われて灰になった。それどころか、復活までしなくなってしまった。いや、蘇ったな。復活までほぼ一瞬だったのが、数分必要な感じだ。それもどんんどん復活までの時間が長くなっている。
「魔理沙……」
「落ち着いたか?」
「ええ……それと、あれをみて……」
「あれ? 海か」
海水がなくなって陸地だけになっている。そこから大樹の根がでてきて、桜の森を作り出していく。その桜からも量産型西行妖がでだしていて、滅茶苦茶やばい状況だ。
「魔理沙! 何があったの!?」
「霊夢、やべぇっ、アリスが大樹に飲み込まれた!」
いつの間にか霊夢達のところに到着していたみたいで、詳しいことを伝えていく。他にも紫やさとり、こいし、守矢の連中など様々な勢力がいる。
「……最悪ね」
「確かに最悪だな」
「あ~う~飲み込まれちゃったか~」
紫、神奈子、諏訪子の言葉にアリスが顔色を悪くする。私も同じだ。仮とはいえ、あの子は私達の子だしな。
「さて、まだ意識はあるみたいですが、どうしましょうか?」
「とりあえず、里の人は全員下げなさい。復活の確約が無くなったのだし」
「それもそうだな。それと私達の力も戻っている」
「全力で叩き潰して西行妖の支配力を下げます。それで彼女に力の使用権限を取り戻すしかありません。時間があればいいのですが……」
三人で色々と決めている中、諏訪子と幽香、萃香たちは今も戦って前線を支えてくれている。
「マリスは大丈夫なのよね!?」
「今のところは大丈夫です。ですが、時間が経つとわかりませんよ」
「そう……突撃して救い出すわよ」
「……紫、スキマで大樹の中に移動できる?」
アリスの言葉に霊夢が聞いてくれるが、紫は首を振った。くそ、どうする? どうすれば……
「あ、どうやら必要ないみたいですよ?」
「「「え?」」」
マリス
頭がくちゅくちゅされていく。身体の中にぶっとくて硬いものを刺し込まれて樹液をドバドバ流し込まれて傀儡に調教されていっている。アリスちゃん、最大のピンチっ! メス堕ちして色々とやばいことになる。ただ、現状では助けを待つしかない。アリスには主人公特性なんてない。ご都合主義のように新しい力の覚醒なんてないのだ。
そう、ないのだ。
あれらは主人公の特権。アリスは主人公ではない。新しい力など目覚めない。どうやっても手持ちの力を使わないといけない。それも身体中を弄られる中で。
アリスに覚醒する力なんてないのだ。
ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。ないのだ。
うん、無理ゲー。無理ゲー。だから、さ。新しく覚醒はできなくても手持ちでどうにかしたらいいよね?
「ふごぉっ!」
口の中に入ってきた枝が喉奥を通って胃から腸へと抜けていく。こんな状態でも覚醒しない。ここでアリスの冒険は終わり……
「……ごふっ」
「……にゅー、コンテニュー……」
ご都合主義? そんなものはない。覚醒する力? そんものはない。 絶体絶命でここで終わる? そんなこともない。
なぜなら
アリスの意思によって現れ、ページが捲られる。溜まっているアリスポイントは殺しに殺しまくったお陰で9点と17点で26点。女神が取れるのだよ! それも二体!
「覚醒はないけれど、新しいアリスを降ろすことはできる!」
選ぶのは二人のアリス。一人目は人類管理局 女神ALICE。ランスシリーズででてくる彼女は身長145㎝、生命蘇生と局所時間遡行、運命を見通す能力。趣味は法王の教育で目標はほどよく世界を混乱させること。容姿として頭上に天使のような輪をいただき、背中には三対の翼と光輪、長い金髪とローブをゆったりただよわせて宙に浮かび、長剣と盾をかかげて微笑む。まさしく人智を超えた女神らしい圧倒的な姿である。魔王を超える一級神の力は凄まじく、人類の脅威である最上級の魔人も女神ALICEの前では無力も同然。運命を見通す能力は人間だけではなく自分と同格の神にまで及ぶというすさまじさ。
これだけで勝てるかもしれないけれど、まだだ! まだいける!
二人目のアリスは
それらのインストールはすぐに終わった。どうやら、複数のアリスを取り込んだことでアリスとして進化しているみたいだ。
「ねえ、あなた達……死んでくれる? 」
アリスの身体の中にあった枝達が腐敗して砂になっていくと同時にナノマシン達が取り込んで、新たに増殖を開始、黒い水を大量に生み出す。それに触れた桜の大樹はどんどん腐っていって、ナノマシンの水に取り込まれて増殖していく。増殖を開始したナノマシン達は容赦なく、西行妖の、桜の大樹の力を削いで奪っていく。ただ、それだけでは殺せないのもいるので、アリスとして、ううん。女神Aliceとしてきっちり殺す。
「
光の長剣で亡霊を斬ってすてる。でも、数が多い。それに非常に面倒だ。これは別の方法を考えよう。まず、アリスとしての手札を利用する。無限誕生によってそれぞれゲンシ・カイオーガの身体をもとにして、ゴシックドレス……ハードゴア・アリスの魔法少女服を着た上海人形と蓬莱人形を作り出す。そこに女神Aliceの光の剣に魔人アリスの即死の力を与えて持たせてる。部隊指揮は愛里寿に一任し、ナノマシンに関してはてARMSのアリスに一任する。
抵抗は無意味。そもそも、この世界を構築しているのはアリスであり、西行妖の本体はごく小さい。だからこそ、内部の力は元々アリスの力で構成されていて、取り返すのも容易い。また外からも攻撃が加えられている。
「外にいる人達にも力を貸しましょう」
女神AliceとInfinite Dendrogramの管理AIアリスの力を使ってスキルを与え、強化する。とくにアリスの人形達やシロ、ジュカ、ルクス、クオン達にはランスシリーズ基準のレベル3技能を与える。
相手も黙ってやられるはずもなく、無数に枝を伸ばして力を吸ってくるけれど、総量が跳ね上がったアリスの前では吸われる量もたかが知れている。なにせ吸収されてもほとんどがアリスに帰ってくるのだから。
「さあさあ、どんどんいきましょう。フングルイ ムグルウナフ クトゥグア ホマルハウト ウガア=グアア ナフル タグン! イア! クトゥグア! フングルイ ムグルウナフ クトゥグア ホマルハウト ウガア=グアア ナフル タグン! イア! クトゥグア! フングルイ ムグルウナフ クトゥグア ホマルハウト ウガア=グアア ナフル タグン! イア! クトゥグア!」
「続きましては銀の鍵。開くのはヨグ=ソトースへの門」
っと、流石にこれはやばい。クトゥグアもやばいけれど、こっちはまだどうとでもなる。いざとなれば世界ごと閉じればいいのだから。あくまで博麗大結界を利用して幻想郷に乗せているだけ。解除すれば廃棄も可能。ヨグ=ソトースの場合は空間とか平気で抜けてくるから無理だろうけど。
「さあ、踊りなさい。アリスを凌辱してくれたお返しよ。内側から溶かされ、外側から焼かれなさい」
あっ、コロニー落としというのも楽しそう。まずコロニーを作らないといけないから、非常に面倒だけれど……やっちゃえ! それも核弾頭満載で! ついでにフォーマルハウトも落としちゃえ! 一応、逃げたい人は逃がしてあげよう。
創生せよ、
西行妖は必死に生命力を吸収して耐えようとした。だが、コロニーに生命力など存在しない。科学によって作られた巨大な建造物で生命は一切いない。つまり、ただの質量弾である。
「「「
どうしてこうなった。
はい、ごめんなさい。脳ミソくちゅくちゅされて、自分と他の人の生存をなによりも優先しているアリスが自重なんてするはずがなく、ましてやランスシリーズの女神Aliceや女神転生の魔人アリスなんてインストールしたら、もうね?
西行妖は生命力を吸収するとても巨大で最強クラスの妖ですが、アレ、生命体がいなかったらどうなるの? コロニー落としたら終わるんじゃない? 女神Aliceの力は蘇生。そして管理AIアリスの力は無限誕生。つまり、死んだとしても甦らせることはたやすいですね。駄目だこのアリス。良心はあるので、人や妖怪全員に安全な場所に帰るかこのまま居るかの選択肢が与えられ、帰るを選んだ人は時の止まった幻想郷に転送され終わるまで凍結されます。優しいね(おめめぐるぐる)。
さて、西行妖の次は当然、あの人との戦いです。ラスボスは何時でも主人公!
霊夢「さあ、弾幕ごっこをはじめましょう」
マリス「え、もういやなんだけど」
霊夢「却下。それと夢想封印」
マリス「ふにゃぁぁぁぁぁぁっ!」
だいたいこんな感じ。霊夢ちゃんだから仕方ないね。
オルフェンズのアリス開始時期およびルート
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火星でMAの登場から開始
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ビスケットを助けるため、地球辺りから
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女神Aliceの名の下に人類管理ルート
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マクギリスと一緒。ギャラルホルンルート
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マクギリスの代わりにアリスになるルート