「‥‥っ! び‥‥っ! ‥‥を‥‥っ!」
聞こえないよ、オルガ。行かないと。まだ。こんなところで、俺は死ねない! 全部終わったら、火星に帰ってクッキーとクラッカを学校に入れて、皆で一緒に過ごすんだ。だから、こんなところで死ねない! 死にたくない! 俺にはまだ、オルガとの約束が……あるんだ!
手を伸ばし、握られた感触がした。でも、それ以上は力が入らない。目も見えなくなって身体がどんどん冷たくなっていく。足の感覚もない。嫌だ。死にたくない。だというのに声も出せない。クッキー、クラッカ、兄ちゃんは必ず戻って──
その願い、聞き届けた
「そこの人。船を出すよ。さっさと乗りな」
「え?」
気が付いたら目の前に癖のある赤髪をトンボでツインテールにした女の子がいた。彼女は赤い瞳でマカガイさんが着ていたような服装をしている。半袖にロングスカートの着物のようなものだから同じとはいえない。それと腰巻をしている。
俺はそんな彼女に手を掴まれて船に乗せられる。そこで気付いたのだけど、目の前が大きな川になっていた。戦っていたはずなのにこんなところにいるのはおかしい。身体を見下ろしてみると、身体はちゃんとある。
「出すよ」
「ま、待って! 俺はすぐに戻らないといけないんだ!」
「アンタは死んだ。ここは死者が来るところさ」
「俺は死んでない!」
「そう思いたいのはわかるけどね。アンタは確かにこの船に乗れた。生きていたらここにはこれても、船に乗ることはできないよ」
「そ、そんなことなんでわかるんだ‥‥」
「私は死神だからね」
「し、死神‥‥」
話している間に小舟は川に出て、霧の中を進んでいく。もう岸もわからない。だけど、そんなの関係ない。クラッカやクッキーの待つ火星に帰らないといけないんだ。
「馬鹿!」
「離して! 離してくれ!」
川に飛び込もうとすると、死神と名乗った女の子に押さえ込まれる。それだけで動けなくなった。
「まあ、とりあえず落ち着きなって。何があったか話してみなよ。ひょっとしたら、助けられるかもしれない」
「ほ、本当?」
「私には無理かもしれないけど、四季様ならもしかするかもね」
「わ、わかった」
ここがどこかもわからないし、彼女に話してみよう。
「あはははは、なるほどなるほど。こいつはレア物だ」
「何を笑っているんだ」
俺が全てを話すと、彼女は大笑いした。話の途中にも色々と常識的なことまで説明させられたというのに酷い。
「嘘をついているかはわからないけど、どちらにせよ四季様が決めることだ。アタシとしては楽しませてもらったからいいよ」
「なっ‥‥」
「それに到着したしね」
いつの間にか霧が晴れて周りが見渡せるようになっていた。大きな鳥居をくぐっているようで、目の前には巨大な建物が存在していた。その建物の門が開き、小舟は中に入っていく。
「さあ、こっちだ」
案内されていくと、一際大きな扉を潜る。そこには緑色の髪の毛をした女性が居て、俺はその人の前にある列に立たされた。前の人は白い服を着て居て、どんどん裁かれているみたいだ。逃げ出したいのに身体は言う事を聞いてくれない。そして、ついに俺の番になり、大きな鏡の前に立って今まで経験してきたことが映っていく。
「ありえない。なんですかこれは‥‥」
「四季様、現実ですよ」
「頭が痛い‥‥」
女性は頭を押さえながら、俺をみてくる。そして、手に持つ棒みたいなので頭を数度、軽く叩くと何かを思いついたみたいだ。
「判決を、いえ、判断を告げます。貴方は私達の世界の者ではありません。よって、貴方を勝手に私が裁く事はできません」
「ど、どういうことですか! 私達の世界って……」
「この世界にはそのもびるす~つなるものは存在していません。こちらの世界はこんな感じです」
大きな鏡に映し出された光景を見ると、信じられなかった。俺の知っている技術力より遥かに下をいっている。ましてや火星なんて死の大地のままだ。
「そんな……それじゃあ、クラッカやクッキーは……」
「存在していませんね。遥か未来という可能性もありますが、おそらく別世界の事でしょう。さて、ここで問題があります。裁けない貴方をどうするかということです」
「か、帰してください!」
「
「そんな!」
「落ち着きなって。四季様は私にはって言ったんだ。できる人がいるんですよね~」
「おそらく、彼女なら可能でしょう」
「彼女?」
また女性なのか。
「彼女は異界の神です。正確にはこの世界で異界の神をその身に取り込んだということが正しいのでしょうが、彼女自身も多数の世界を渡り歩く存在です。その彼女なら、貴方の世界に行けるかもしれません」
「本当ですか!」
「はい。後は彼女と交渉してください。今、こちらに呼びますから。アリス。仕事の依頼です。今すぐこちらに来てください……は? 嫌だ? 忙しい? 炬燵で人形を作っているだけじゃないですか!」
女性が虚空に向かって独り言を言っていく。どうしたのだろうかと思っていると、死神が教えてくれた。
「今、アリスっていう女神様を呼び出してるんだよ。ま、拒否されているみたいだけど」
「め、女神様? ほ、本物?」
「そう、本物。人類を管理する仕事をしていた神様らしいよ? どちらかというと邪神だけど」
「何か言った?」
「何も言ってないよ」
「アリス、アリス・マーガトロイドに言いつけますよ。現世で好き勝手に遊んでいたことを……え? そんなの問題ないと? 断固として断る? そうですか。わかりました。でしたら、貴女が欲しがっていたこの人形はいらないのですね。せっかく、ご褒美として制作者に無理を言って用意していただいたのにいらないのですか。では、破棄して──」
彼女がそう言った瞬間。目の前に光の塊が現れた。そこから複数の白翼を持ち、金色の環を頭上に掲げた金色女神が降臨した。幼い姿の彼女は手にクジラのような大きなぬいぐるみを抱いている。彼女の美貌が直視できず、顔が真っ赤になってくる。
「女神Alice。ここに降臨しました。さあ、その人形を渡すのです。今すぐに。ハリーハリー」
「これは報酬です。その前に彼を見てください」
「? たかがち──」
彼女が俺を見ると、無機質な表情が驚いた表情に変わった。
「なんでここにビスケット・グリフォンがいるんですか?」
「俺の名前をなんで……」
「どうやら知っているみたいですね。あえていうなら、これは貴女の案件です。女神Alice」
「え? なにそれ?」
可愛らしく小首を傾げる彼女は不思議そうにしている。俺にもわからない。
「
そう言って、四季様は彼女のペンダントを指さす。すぐに彼女の顔が嫌そうに歪む。
「クトゥルフ神話案件とか、絶対やりたくない!」
「クスクス、クスクス」
どこからか笑い声が聞こえてくる。しきりに周りを見渡すけれど、何も無い。不思議に思って、彼女、女神様をみると──ぬいぐるみを抱きしめて震えていた。
「わ、わかりましたよ! やればいいんでしょう! いけばいいんでしょう! ちくしょう、おぼえてろよぉっ!」
「はい、頑張ってくださいね。では、私は次の人を相手しますのでアチラの部屋でお願いします。小町、案内を」
「わかりました」
それから、俺は女神様と一緒に案内されて小さな部屋に通された。そこで対面に座り、頭を下げてお願いする。
「あの、どうか俺を元の世界に戻してください!」
「だが、断る!」
「なんでですか! さっきは行くって!」
「うん、君の世界、オルフェンズには仕方ないから行きます。でも、貴方を連れていってAliceになんの得があるっていうんですか?」
「うっ……確かに」
考えろ。彼女が得をする事……案内ができる?
「だいたいですね。Aliceが連れていけるのはAliceの眷属や使い魔になった者達だけです」
「け、眷属?」
「神の使徒ともいえますが、全てをAliceに捧げて力をもらった存在だということです。あなたはAliceのために鉄華団を差し出し、全てを殺す事はできますか? 大切な妹を差し出す事は?」
「そんなことできるはずがない!」
「でしたら諦めてください。提示される条件があっていません」
「それは……」
「まあ、しばらく考えるといいでしょう。Aliceは色々と準備をしなくてはいけないので。小町さん、彼をお願いします」
「はいはい、了解」
女神様は現れた時と同様に瞬時に俺の目の前から消えた。どうしたらいいんだ……
呼ばれて飛び出てびっくり仰天。なんでこの東方世界にビスケット・グリフォンがいるんですか? いや、ハスターお爺ちゃんなら可能かもしれませんけどねえ! アリス、びっくり。
「というわけで、アリスと契約してロボットの世界にいかない?」
「いいよ、行こうか」
「わぁ、即答ですね。眷属になるけどいいの、にとり」
アリスが準備のためにやってきたのは河童のにとりの所。彼女のスカウトにきたというわけだよ。
「別にいいよ。いろんな技術を習得するために私から切り出そうと思っていたところだったし」
「そっか。ちなみにいっぱい人を殺すけど、大丈夫? 大丈夫だね」
「妖怪だからね!」
嬉々として武器類を整備しだしたにとりに笑顔で答えると、彼女も笑顔で答えてくれる。いっぱい殺しちゃおう。
「他のメンバーはどうするの?」
「とりあえず、ルクスは確定。行ってみないとわからいし、他は誰がいいかなあ……」
「まずは全員でいいんじゃないかな?」
「何が起こるかもわからないしね」
「そういうこと」
「うん、実際に行ってみて判断を……」
そう思うと、勝手に
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ワールド:鉄血のオルフェンズ
目標:全人類の管理
制限:魔法系使用不可。世界介入を満たす必要有り。
アリスポイント:目標達成で10。ギャラルホルン崩壊で5。主要キャラクターの殺害又は救出で1。人を千人殺すごとに1。
世界介入条件:身体を奪い、作り直すこと
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ああ、なるほど。だからビスケットをこちらに送り込んできたのか。
「とりあえず、生贄は決まったね」
「時間を巻き戻して死ぬ直前に呼び出させますしね。こちらの世界……クトゥルフ世界からの干渉はできます。魂に細工を施しておけばそれも可能ですし」
「魂を保護しておいて、新しい身体をあげたらいいんじゃない?」
「魂を持つロボット。いいですね。よ~し、決めました。にとり、アリスと一緒に究極の機体を作りましょう!」
「いいねいいね!」
二人で両手を合わせながら大喜びし、さっそく制作に入る。といっても雛型を造るだけが精一杯だ。作った雛型は女神Aliceとしての提案を聞いて納得してくれて自らを差し出してくれた。どうやら、クラッカとクッキーの幸せを優先するようで、アリスと契約をせまってきた。彼女達の身の安全と幸せだ。なので、頑張ったらご褒美として蘇らせてあげるとも言っておいた。元から助けてあげるから安心していいよ。ちょっとしばらくの間……いや、これから人間を止めてもらうだけだからね。
ビスケットに入れた上でアリストテレスのTYPE・MOONを修得して彼を眷属にした。そう、人間を止めて吸血鬼になってもらったよ。魂だけの変質だから、そこまで影響はない。
「さあ、女神Aliceの人形劇をはじめましょう」
「ふふ、楽しい実験のはじまりはじまり。ところでそのぬいぐるみはなに?」
「ルドべ~ぬいぐるみ! 力作ですよ!」
顔をルドべ~に埋めてもふもふする。宙にも浮かぶし、口から光線を吐いたりもする。ナノマシンで構成されているから大きさも自由! 女神Aliceなのだから、創造神ルドラサウムのぬいぐるみを作ってみた。そうするともう手放せなくなってしまった。ちなみに全力で作ってあるから普通に武器としても使えるし、強い。
「‥‥っ! び‥‥っ! ‥‥を‥‥っ!」
聞こえないよ、オルガ。行かないと。まだ。こんなところで、俺は死ねない! 全部終わったら、火星に帰ってクッキーとクラッカを学校に入れて、皆で一緒に過ごすんだ。だから、こんなところで死ねない! 死にたくない! 俺にはまだ、オルガとの約束が……あるんだ!
手を伸ばし、握られた感触がした。でも、それ以上は力が入らない。目も見えなくなって身体がどんどん冷たくなっていく。足の感覚もない。嫌だ。死にたくない。だというのに声も出せない。クッキー、クラッカ、兄ちゃんは必ず戻って──
──きた。女神様の力は本当にすごい。別の世界に移動する扉を使って、俺の世界の扉を開いてくれた。そこから俺は死ぬ直前……直後に戻って召喚の呪文を唱える。それだけで後は勝手にやってくれるとのことだ。身体は殆ど動かないけど、それぐらいなら問題ない。声は出せる。頭の中に浮かぶ言葉を告げるだけだ。
「いあ! いあ! はすたあ! ありす くふあやく」
「おい、ビスケット! 大丈夫か! 喋るな! すぐに……」
オルガが何かを言っているが、無視する。これもオルガとの約束を果たす為でもある。
「ぶるぐとむ ぶぐとらぐるん ぶるぐとむ」
血を吐きながら、身体が弾け飛ぶのも無視して唱える。身体の一部が変色していっているのもみえる。
「あい! あい! ありす!」
身体の、魂の中に埋め込まれた何かが動き出し、俺の身体を蝕んでいく。次第に自分の身体が別の物に作り替わっていく。意識は塗りつぶされ、全ては──
「ビスケットっ! ビスケットぉおおおおおおおおおぉぉぉっ!」
女神Aliceとクラッカ、クッキーのために──
ビスケットは女神Aliceを召喚した。
ビスケットの身体は埋め込まれていた増殖置換型ナノマシンにより、女神Alice(ロリアリス)の身体が作成された。
ビスケットの身体は性転換をはたして、精神も入れ替わってしまった。でも大丈夫。吸血鬼の真祖より眷属にされたためになんとか生きているので身体さえあれば復活はできる。
オルガ君とミカ君は目の前で親友の身体がぐちゃぐちゃになり、幼女の姿へと変身したことを目撃してSANチェック。
ミカ:02
オルガ:90
ミカは正気度が2点減少した。
オルガは正気度が16点減少した。
ルート選択
1.鉄火団と共に火星まで進む。
2.鉄火団と敵対して暴れる。
3.とりあえず、ギャラルホルンに殴り込んで宇宙船とモビルスーツを奪って火星に行く。
ルート選択
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1.鉄火団と共に火星まで進む。
-
2.鉄火団と敵対して暴れる。
-
3.とりあえず、ギャラルホルンに殴り込む