と言うわけで尊すぎて書いてしまったタニャヴィシャ物の幼女戦記二次創作です。
ちゃんと他の二次創作も書くから……。
この感情はいつからだろう。
気が付けば、いつでも視線の先には少佐殿が居られて……。
今でも初めてバディを組んでいただいたときの事は鮮明に思い出すことが出来る。
あの時は足手まといになるまいと、必死に後ろを追いかけ続けたし、それは今でも変わらない。
付き合いが長いせいか。それとも同じ女性であるためか、他のヴァイス中尉などに比べれば、少佐殿から声を掛けていただくことが多い気がする。
そんな事を気にし始めてどれだけたっただろう。
「はぁ……」
連戦に次ぐ連戦。そして、その全てで勝利を収めてきた少佐率いる我ら航空魔導大隊。
そのささやかな報酬として休暇をいただいたが、同期などは未だ戦場を駆け巡っているようで、特に当てもなくカフェでただ暇とコーヒーを楽しんでいた。
特に意識せず、しかしはっきりと出たため息にまさか反応されるとは思っても見なかった。
「ん? 中尉ではないか。らしくないため息をついてどうした?」
そこには、どうやら軽食を取るためにカフェを利用していると見られるデグレチャフ少佐が、スナックとコーヒーを持ったままこちらを見ながら立っておられたのだ。
「どうも席が空いてないようでな。相席、失礼するぞ?」
「は、ははははひゃい!」
「慌てすぎだろう。……さては先ほどのため息は職務に対する不満か?」
突然の登場から突然の申し出に驚いてろれつが回らないまま返事をすると、今度は先ほどのため息についてのツッコミを入れられてしまった。
「そ、そんな! 滅相もありません!!」
素直に少佐殿の事を考えて。など、口が裂けても言えるはずが無い。
力一杯に職務への不満であることだけを否定し、少佐殿の言葉を待っていましたが、少佐殿はどうやらそれ以上の詮索をしようとは思っていないらしく、新聞を広げてコーヒーをすすり始めました。
「貴官はこういった物は読まないのか?」
「ふぇ?」
私に向けて声をかけたとき、私は口一杯にクレープを頬張ってる時で、言葉を発したくても発することが出来ない状態で。
「あぁ、いや。何でもない」
と少佐に気を使わせてしまう始末。
急いで口の中のものを咀嚼して嚥下し、すぐさま先ほど私に問いかけられた事へと返答しました。
「私はあまり……。その……読み始めると直ぐに眠くなってしまいまして」
「あー……。ありありと光景が浮かぶよ」
「少佐殿はお好きなのですか?」
「私か? まぁ、嫌いではない。情報というのはいついかなる時に生きるか分からんからな。たまの休暇くらいしか入れる暇が無いのだよ」
そう言ってコーヒーをすする少佐殿。
カップを片手に新聞を広げて満喫なさる少佐殿は、普通に見ればギャップの塊であり、何も知らなければ二度見してしまう人達ばかりでしょう。
けれども、少佐殿の胸に輝く、少佐殿を少佐殿足らしめる銀翼突撃章を見れば、皆一様に納得するでしょう。
この方が、『白銀』である。と。
「そう言えば少佐殿は、戦場でも普段でも変わらないんですね?」
「? どういう意味だ?」
纏う空気や雰囲気、気迫や緊張感の事を言ったのですが、お気を悪くされたでしょうか。
「いえ……その……。じ、常在戦場の心構えというか……」
「そうか? 特に意識はしてないが」
少佐殿は、ご自分が常にライフルを携帯している事を忘れておられるのでしょうか?
「だが、そうだな。メリハリも大事だ。戦場の気分を抜く努力でもしてみるか……」
「具体的にはどういった事を?」
「例えばそうだな。貴官の事を…………『ヴイーシャ』と呼んで見るとかか?」
「げほっ!! ごほっ!」
唐突な不意打ちに思わず咳き込んで、少佐殿を見ると何やら顔を真っ赤にしておられました。
少佐殿…………破壊力高すぎます。
「すまない。今のは忘れてくれ」
「いえ!! 少佐殿は仰られたではありませんか!! メリハリは必要です!!! 先ほどの呼び方を今後も続けましょう!!!」
「そ、そうか? だが……その…………少し恥ずかし」
「では! 私と二人の時だけというのは!!?」
普段は一言で切り捨てられるような事も、恥ずかしさを誤魔化すためか強く押せば押しきれそうな少佐殿。
「そ、それならば……」
押しきりました。ひょっとすると私の胸中を悟られたかも知れませんが、少佐殿に私の事をヴイーシャと呼んで貰えるのなら構いません。
心の中でガッツポーズをし、達成感を味わっている所に、店の方から声を掛けられました。
「失礼します。ターニャ・フォン・デグレチャフ少佐というのはこちらの方ですか?」
電話を持ってそう尋ねてきた時点で、話の内容など決まっているようなもの。
少佐殿は電話を受けて、挨拶と相槌を数回。
受話器を置いて、いつも戦場で拝見する凛々しい顔つきになり、
「やれやれ。我々に休息は与えられぬらしい」
電話を持ってきたボーイにチップを渡し、立ち上がった少佐殿は、
「行くぞ。出撃命令だ。……ここの支払いはしておくから、帰還したらコーヒーを淹れてくれ。私の舌にはヴィーシャの淹れてくれたコーヒーが合うようだ」
そう言ってポカンとする私を置いて先に行ってしまった。
…………両方の頬が朱に染まっているのは、彼女らの頬を撫でた風のみが知っていた。
みやち様にはツイートを元ネタにした創作物を書く許可をいただいております。
当初の予定だと一気に全部書こうと思ってたけど集中力切れたのとこれはじっくり書かないと勿体ない奴と思ったので今回はここまで。
みんなタニャヴィシャをすこれ。すこれ!