白銀の百合   作:瀧音静

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 気が付けば一年ぶりらしいです。
 時間がたつのは早いですね。
 と言うわけで、書きたい欲を刺激するネタを貰ったので書いてみました。
 もう一個ネタがあるので、それも後で書きます。
 多分、年内には公開される……はずと信じましょう。
 


デロンデロン

「は? ホットチョコレート?」

「はい! 特別な作り方を教わったので是非とも少佐殿にと……。ダメでしょうか?」

 

 珍しく帝国からの出撃要請がなく。

 訓練を流し、装備の手入れを行って早めの帰宅。

 それを部隊員へと連絡すれば、少尉が私の元へと駆け寄ってきた。

 内容は先ほどの通り。

 確かにチョコは嫌いではないし、ホットチョコレートというのも覚えがある。

 ようは、甘みを追加したチョコレートのドリンク。

 厳密には違うかもしれないが、そう大幅に違ってはいないはず。

 しかし彼女の口から出てきたのは『特別な』などという単語だ。

 顔が赤かったり、少しもじもじしたりしている以外は特に変化の見られないようで、私はせっかくだからソレを振舞ってもらうことにした。

 なぁに、変な物を飲まされたら入れ知恵した奴を暴いて二度とこの様なことがないように教育してやるだけだ。

 配られて使用が自由とはいえ、無駄な知識で嗜好品を浪費させられる恨みの恐ろしさを思い知るといい。

 

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 状況を整理しよう。

 私はホットチョコレートを振舞ってもらうために少尉を家へと上げた。

 思えばこの時に気が付くべきだった。

 私の思うホットチョコレートを作る材料など、わざわざ携帯したりはしない。

 つまり、この時点で予想と違ったのだ。

 ところが、

 

「えへへ~。少佐殿の家は久しぶりです~」

 

 という満面の笑みの横顔に満足してしまい、何も違和感を覚えなかった。

 さらに言えばそのあとの行動も変だった。

 いきなり置いてある彼女の歯ブラシで歯を磨き始めたのだ。

 いや、歯磨きは大事だ。しかし、わざわざチョコを食べる前にすることか?

 歯磨きの後を思い出してほしい。妙な口の中の状況になり、うまく味を感じられない状態ではないか?

 それなのにわざわざ歯磨きをした。……もちろん、私もつられてした。

 横に並んで歯磨きというのも、しばらくぶりだったからな。

 そして――そしてだ。

 私の寝室へと行くと、慣れた手つきで私が枕元に隠しておいたチョコレートを探し当て、ひとかけら口に含んでしまったではないか。

 つまりは少尉がチョコにありつきたいがために吹いた嘘だったということか?

 だとするならば二度とこの様なことがないように折檻を――んむっ!?

 なんだ? 柔らかなものが唇に押し当てられて……。

 せ、接吻? つまりキス? な、なぜ?

 突如として当てられた柔らかに動揺し、身動きが取れないでいると、私の唇を割って入ろうとするヴィーシャの舌が。

 その動きによって、徐々に舌の侵入を許していき……。

 にゅるん、と。割ってしまえばあっさりと私の咥内奥へと侵入する彼女の舌――甘い?

 甘さを感じ、目を見開くと、彼女から熱い塊が押し込まれてきた。

 ついさっき口に入ったチョコレート。

 やや溶け始め、形が崩れだしたそれは、私とヴィーシャの舌にサンドされて柔らかく形を変え。

 上に、下に。右に、左に。

 チョコによって隔たれた奥、ヴィーシャの舌へたどり着こうと舌を動かすと。

 まるでこちらの舌の動きでも見えているかのように彼女の舌もまた、私の舌から逃げるように上下左右へ。

 一進一退の攻防が続く中、壁であったチョコは、私たちの舌によって削られ、体温で溶けて小さくなって。

 もはや障害にならなくなったころ、ようやく私はヴィーシャの舌を捉えた。

 逃がさないように舌を巻きつかせ、引っ込められないように吸い付いて。

 チョコ交じりの唾液が口から洩れようと、それは私がこの舌を離す理由にはならない。

 最初の目的であるホットチョコレートなぞどこへやら。

 私は、チョコの熱にあてられたか。それともヴィーシャの熱にあてられたか。

 気が付けば貪るように、彼女の舌を吸い続けていた。

 しばらくの時間がたち、ヴィーシャが私の背中をさする。

 おっと、いかんいかん。これは苦しくて限界という彼女の意思表示だ。

 ついついこうなると時間を忘れてキスを貪ってしまう。

 全く、心地よすぎるというのも考え物だ。離したくないし離れたくなくなってしまう。

 

「しょ、少佐どのぉ……」

 

 口を離すと目を潤ませ、頬を紅潮させたヴィーシャが弱弱しい声で私の事を呼んでくる。

 やめろ。そんな顔をするな。足りなくなってしまうではないか。

 

「ま、まだチョコレート……ありますよ?」

 

 そう言って吐息を吐きながら、力が入らないのか震える手で板チョコを割り、今度は含まずに口に咥えたヴィーシャは。

 

「お、おかわりどうぞ」

 

 と私へと顔を近づけるのだった。

 




 糖分過多もいいところな気がしますねこれ。
 色々と仕掛け的なのを猪口才にも仕掛けているので楽しんでいただけたなら幸いです。
 チョコだけに。
 さて、この先の展開ですけど、およそ億の確率で18禁です。
 なので結末だけ。
 この後の緊急招集には、珍しく少佐と少尉が遅れてきたそうです。
 髪とかもぐしゃぐしゃで、ターニャ殿には疲労の色が。
 そして、ヴィーシャの方は肌艶がよくなっていた、とのことです。
 以上。
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