後、今回はアンケートとは別のお話。
不審な船が鎮守府近海を漂っている。
ソレを最初に見つけたのは私だ。
大型客船ではないようだけど、そこそこ大きい。
…おそらく、観光用フェリーか何かだろうか。
僚艦の不知火が鎮守府に報告を入れている。
私がソレに接近して、目視で確認した限り、船体に損傷したところは見られず。
どうやら深海棲艦に襲われたわけではないらしい。
「…陽炎。鎮守府への報告、完了しました」
「…ありがとう、不知火」
不知火が鋭い目付きでソレを見つめている。
「…人の気配は感じないけど。司令官は何て?」
「…ただの難破船であれば曳航して欲しいとのことでした。ただ…深海棲艦の仕掛けた罠の可能性もあります。なので現場海域の状況によっては、そのまま待機。支援艦隊を送るとのことでしたが…」
「…なるほど、現場で判断しろってことね」
「…はい」
ふむ…はてさてどうしたものか。
見渡した限り、敵影は確認できないけど…。
敵潜水艇や航空機が居ないとも限らないし…。
「…どうしますか?」
不知火が辺りを警戒しながら、静かに問う。
このまま海上で思案していては埒があかない。
私は判断を下した。
「…不知火は引き続き周辺の警戒を。私は直接船に乗り込んで、調査を行う」
「…了解」
私の言葉を合図に、不知火は私から少し離れると、船体を中心にして円を描くようにゆっくりと航行し始めた。
私はそれを一瞥すると、船内へと侵入を試みた。
★
「…もぬけの殻、か」
船内はシンと静まり返っている。
ただ、波に煽られる度に船体が揺れると、ギィギィと軋んだ音が響くのだが、それ以外は本当に静かだ。
そして用心しながら中を捜索し始めたのだが、私は船内の異様な空気に眉をひそめることになった。
天井に並列した蛍光灯が、青白い光を放っている。その場の雰囲気も相俟ってなんとも不気味だ。
だが私が一番不気味だと感じたのは、ほんの少し前まで誰かがいたと思われる痕跡が、至るところに多く見られたからだ。
例えば…。
字が掠れてしまって判読不能だったが、「○○レストラン」と書かれた看板の先に進んだ時、私は大きく開けた場所に出た。
そこには幾つか丸テーブルが置かれていたのだけれど、随分と古びていて、敷かれたテーブルクロスもまるでボロ雑巾のように汚ならしかった。
それなのに…それらの上に並べられた食事は、白い湯気を立てながら美味しそうな匂いを放っている。
そしてよくよく見れば、食べ掛けのものも多く存在しているようだ。あたかも今の今まで、その場で食事を摂っていた者が居たかと言わんばかりに…。
人の気配など全く感じないというのに…。
私は何とも言えない恐怖を感じながらも、船内の捜索を続けた。そしてとある客室を覗いた時のことだ。
床には鞄や衣類が乱雑に散らばっていた。
テレビも点いていたのだが、電波が悪いのだろうか。ザーザーと時折ノイズが入っている。
そして燭台には一本の蝋燭が置かれ、弱々しい光を放っていた。
そしてそこから視線を寝台の方に移した時、私は息を呑んだ。
純白のシーツ。
それはその真ん中をどす黒い色で染めていた。
「…血痕、よね?」
私の隣には誰も居ないので、その呟きに返ってくる言葉はもちろんない。
でもその血痕は黒く変色していて、かなり時間が経っているようにも思われた。
私は疑問で頭がいっぱいになった。
そしてふと、燭台の近くに一冊のノートが置かれていることに気が付いた。
私はそれを手に取ると、パラパラとページを捲る。
随分と年季の入ったノートだけど…。
ある一頁を除いて、その中身は全て真っ白だった。
…そしてその例のページには、何か焦っていたのだろうか…書きなぐったような、乱暴な字体で
犯人は丹陽
…そんな言葉だけが綴られていた。
次の題材について。お気軽にお答え下さい。多分ご存知だと思いますけど、完全にネタで書いてるのでガチホラーとか求められても、作者の力量では到底書けませんので悪しからず。作品投稿いつになるかは未定です。思ってたのと違う…っていうのはご容赦下さい。ちなみに回答の○×○は艦娘が主人公の場合もありますし、艦娘自体が怪異になる場合もあります。
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テケテケ×漣
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くねくね×金剛
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きさらぎ駅×睦月
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チェーンメール×那珂
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口裂け女×大井