艦隊都市伝説   作:雨降り

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アンケートについてはもうしばらくお待ち下さい。

どれも書きたいのですが…その前に私の思い付きを。


FILE③:船幽霊

…こんにちは。

 

突然ですが、貴方は船幽霊ってご存知ですか?

 

船幽霊と書いて、「ふなゆうれい」と読みますっ!

 

…え?

 

私は誰か…ですか?

 

あわわっ!そうですよね!

 

申し遅れましたっ!

 

私は綾波型駆逐艦、十番艦の潮ですっ!

 

どうぞよろしくお願いしますっ!

 

あ、ちなみに潮と書いて、「うしお」と読みますっ!

 

…ご丁寧にどうも、ですか?

 

えへへ…そう言って貰えると嬉しいです。

 

あ、それでなんで最初に船幽霊の話をしたのかというとですね…。

 

私、船幽霊なんですっ!

 

…あわわわわっ!!引かないで下さい!逃げないでくださいっ!

 

潮は船幽霊になっちゃいましたが、元気ですよ!?

 

そんなこと聞いてない?そ、そうですか…。

 

…と、とりあえずお話だけでも聞いていきませんか?

 

ちゃんとお茶用意しますので…。

 

なっ!腐ってませんよ、もうっ!!

 

…え?

 

話を聞いたら家に帰してくれるのかって?

 

えぇ、もちろんっ!

 

潮、約束します!話を聞いてくれたらちゃんとお家までお送りしますよ?

 

家まで来なくていい?

そ、そうですか…。

 

それじゃあ…早速お話しますねっ!

 

あれは…つい一時間前のことです…。

 

昔を懐かしむような顔をして、随分と最近のことを話すんだな…ですか?

 

いいじゃないですかっ!

 

潮にとっては印象深い出来事だったんですからっ!

 

話を戻しますね?

 

…船幽霊になった経緯は潮にも分かりません。

 

けど気が付いたら、潮は死装束を纏って海を漂っていたんです。

 

白い死装束に、白い三角巾。

そして柄杓を片手に、ただ海を彷徨う毎日。

 

…随分古典的ですか?

 

そうですかね…潮は気に入っているんですけれど。

 

…話が脱線してしまいましたね、コホン。

 

それで潮は近くを通る船を見つけては、柄杓に水を汲んで、それを船内に撒き散らしたんです。

 

なんでそんなことを…って顔をしていますね。

 

船幽霊を知らない貴方にも分かりやすいようにお伝えしますねっ!

 

船幽霊は手に持った柄杓で水を汲んで、それを船に浴びせ続ける幽霊なんですっ!

 

…随分と地味?

 

むっ!

そんなことを言ったらダメですっ!

 

よく考えてみてください。

船内にどんどん水が浸透していくんですよ?

 

水でいっぱいになった船はどうなると思いますか?

 

…沈みますよね?

 

…フフッ!潮の凄さ、分かってくれたみたいですねっ!

 

……。

 

……。

 

…急にどうしたのかって?

 

あははっ…。

 

…はぁ。

 

嘘です。

 

潮、嘘をつきました。

 

船幽霊は嘘じゃありませんっ!

 

…嘘をついたって言うのは、潮が凄いって件のところです。

 

本当は…潮、凄くないんです。

 

沈められないんですよっ…。

 

最近の船、めちゃくちゃ大きいじゃないですか…。

 

全然沈められないんですよっ!!!

 

しかも最近の船は排水機能もしっかり完備してて…。

 

頑張って掛けた水、全部吐き出されちゃうんですっ!

 

…ううう。

 

なんでどっか行こうとしてるんですかっ!

 

普通、慰めませんか!?

 

…話が見えてこない?

 

もうっ!せっかちさんですねっ!

 

今から大事な話なんですっ!

 

ちゃんと聞いてくださいっ!!

 

それで潮は海を離れました。

 

巨大で最新鋭、おまけにスピードの早い船が行き来する海は、もう潮には付いていけなかったんですっ!

 

海から川へ、どんどん昇って行きました。

 

そして潮が流れ着いたのは…とある湖でした。

 

…船幽霊は水から離れられないので、もう潮はそこからどこへも行けません。

 

静かな湖畔でしたから、居心地はよかったのですが、そこに永久に縛りつけられ続けると考えたら、なんとも虚しかったです。

 

それであてもなく…ただ湖に浮かんでいたんですけど。

 

…話が見えてきた?

 

あ、先にオチ言わないで下さいっ!

 

もうっ!油断も隙もないんですからっ!

 

…もうお話も終わるからちょっと待ってて下さいっ!

 

ある時、湖に一隻のボートが浮かんでいるのを見つけたんです。

 

ボートには若い男性が一人乗っています。

 

潮はそれを見て…。

 

チャンス、と思ったんですっ!!!

 

…思い出しましたか?

 

潮が貴方の乗ったボートを沈めたこと!

 

そうですっ!

 

話したかったのはそれですっ!

 

潮でも…こんな潮でも、まだまだやれるんだぞっていうのを誰かに聞いて欲しかったんですっ!

 

…それを俺に話すなんてとんでもない奴、ですか?

 

フフッ…お褒めの言葉、有り難く頂戴しますっ!

 

…で、この後なんですけど。

 

お気付きになりましたか?

 

もう貴方は潮と同じ存在なんですよ?

 

…鈍いですね、潮と同じ存在―――つまり貴方は船幽霊になってしまったんですよっ!

 

ちょっ、ちょっと!!

 

柄杓で叩くのは止めてくださいっ!!!

 

もう私は先輩ですよっ?

 

…え、なんの話しかって?

 

だって潮の方が船幽霊になるのは早かったんですから、貴方の先輩になるのは当たり前じゃないですかっ!

 

…家に帰す約束ですか?

 

もうっ!いやですね~!

 

ここが私たちの家じゃないですか?

 

…フフッ。

 

これからよろしくお願いします、ね?

 

 

次の題材について。お気軽にお答え下さい。多分ご存知だと思いますけど、完全にネタで書いてるのでガチホラーとか求められても、作者の力量では到底書けませんので悪しからず。作品投稿いつになるかは未定です。思ってたのと違う…っていうのはご容赦下さい。ちなみに回答の○×○は艦娘が主人公の場合もありますし、艦娘自体が怪異になる場合もあります。

  • テケテケ×漣
  • くねくね×金剛
  • きさらぎ駅×睦月
  • チェーンメール×那珂
  • 口裂け女×大井
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