魔法少女リリカルなのは ストライカーズ 正義はいつも   作:キングオブ不死身さん

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さてと、ISの小説書いてるのになぜかこっちも書きたくなったので投稿。
ISのほうを優先するのでこちら側は不定期となります。ご了承ください。


 世界の中で

人はいつも悪を求める。時代が移り変わろうとも、世代が変わっても、人はひたすらに口当たりのよい悪を求める。大衆を纏めるが為に為政者は煽動し、火種を広げ、そして国民は誰一人気づくこと無くそれをあたかも「絶対的な悪」と決め付狂ったように制裁する。

だが誰一人とて気づかない。煽動した為政者も、煽られた国民も、怒りに立ち上がった「正義の軍隊」も。たった一人の男の手の内で踊らされていたことなど

気づくわけが無いだろう。

 

プロローグ 15年前

 

レジアス・ゲイズ中将は目の前にいる男をじっと見据える。

男の周りにはコンバットスーツを着込んだ女性達が周囲を警戒しその目をレジアス・ゲイズにも向けている。だがレジアスとて弱気ではない。

油断も無い、慢心も無い。この男に取り合うだけの準備は完了した。後はこの男の回答を待つのみ。それが揃えば自分の計画も完成する。道は確かに逸れたものの、自らの計画は結局は必要悪とならざるを得ない状況にまで地上本部は落ち込んでいる。

だからこそ、この男の協力が不可欠だった。

「頼めるか」

レジアスの愚直なまでに真っ直ぐな声音で男に問いかけた。

自分の目は焦燥に駆られ、心臓は張り裂けんばかりの勢いで鼓動する。

彼の問いで、全てが決まるのだ。将来も、何もかもがこの男の答えに委ねられた。

そして男は、ゆっくりと口を開いた。

「いいだろう」

それが、恐らくは彼らにとっての合図だったのかもしれない。

あるいは始めからこの光景をはっきりと見ていたのかもしれない。

男がそう応えた瞬間に、高層ビルの一角がきらりと太陽に反射し、一瞬の後に衝撃が彼の左腕を容赦なく引きちぎり血の煙が辺りに充満する。それを皮切りに、マルチカムの質量兵器で完全武装した2個中隊が懸垂降下で瞬時に突入し、手にしたEVOL3短機関銃から気の抜けた発砲音と共に9mm弾が放たれる。警戒に当たっていた女性達は防御魔法を詠唱する間も無く襲撃者の凶弾に倒される。

すべてはガラスの欠片のように地面へと砕け散った。

「くそっ!何処の部隊だ!?」

「分かりません!状況は不明!」

この状況から察するに恐らくは高度に訓練された特殊部隊と見て間違いは無い。

懸垂降下からの射撃の精度、魔法詠唱前の射撃術を見ればそれはすぐに分かる。

はずだというのに部下は依然とデバイスを駆使して襲撃者と銃撃戦を繰り広げている。

状況は明らかに向こうが有利。応戦したとて勝ち目は無い。

「レジアス…」

男は持てる力の全てを振り絞りレジアスのいる鉄骨の遮蔽物へと身を寄せる。

だが敵もこちらが居るのは既にばれているようで時折、金属音が鉄骨を響かせる。

「大丈夫だ。脱出班を2ブロック先に回してある。そこまで撤退だ」

それだけ言うと、レジアスは自らの得物を取り出し、5.56mmマガジンを装填し手負いの男を肩に担ぐと、慣れた足取りで十字砲火の中を駆けていく。

「まずいな、HVTが逃げるぞ!」

「追え、逃がすなよ!」

やはりか、とレジアスは薄々感づきながら次々と崩れていく鉄骨を盾に後退していく。

HVT、ハイバリューターゲット、もしくは高価値目標。長らく地上で働いていただけのことはある。

このコードが自分に向けて使われる事になるとは。

何故か、重大な危険に晒されているというのに苦笑が漏れる。

何とか2ブロック先の脱出班の下へたどり着き、用意してあったハンヴィーへと転がり込んだ。

「行け、回収地点まで行け!早く!」

ハンヴィーのエンジンが忠誠の唸りを上げて市街地へと疾走する。

入り組んだ都市部に入ってしまえばこちらのものだ。だがレジアスにとってまだ気を許せるような状況ではない。

レジアスの逃走に気づいた一人の兵士は苦虫を噛み潰した表情で追撃を開始し無線を入れた。

「HVTが逃走、至急ジャベリンによる対戦車攻撃を要請する!」

「了解。ジャベリン発射準備」

無線越しの重低音。それと共にシーカーは鷹の目のように冴え渡り、目標を見据える。

「発射」

対戦車チームの抑揚の無い声と共に鋼鉄の槍は真っ直ぐに目標へ飛翔し、遠く爆炎を挙げた。

「ああ、目標破壊。繰り返す、ターゲットダウン」

その爆炎はいつまでも彼らの墓標のように立ち上っていくのであった。

 




ええと、おかしな描写がありましたら感想欄にてガンガン訂正お願いします。
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