ヤンデレに愛される最強   作:翠晶 秋

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なんか知らんけど続きモノになってしまいました。


ヤンデレと告白

 

「愛に終わりってあるのかしら」

「愛に終わり……?」

 

勇者は首を傾げた。

火の光に照らされた騎士は、同じ言葉を投げかけた。

 

「愛に終わりってあるのかしら?」

 

氷のような冷めた目つき。

ボサボサの長い髪が揺れている。

 

「無いんじゃないか」

 

勇者は言った。

 

「どうしてかしら?」

「昔、偉い人が言ったんだ。愛の反対は無関心だと」

「良い言葉ね。それが?」

「つまり、無関心の反対が愛なんだ」

 

何を当たり前の事を、と騎士は次の言葉を待った。

 

「お前、俺の事をどう思ってる?」

「……?どう、って?」

「俺の印象だよ」

 

赤い髪の勇者は笑った。

裏に何かあるのは分かる。だが読めるわけもないので思った事を呟いた。

 

「かっこいいわ。世界で一番」

「そっか。それはサンキューな」

「……お世辞ではないのよ?」

「どーも」

 

勇者は再び笑った。

もちろん、自分が好意を寄せられているとは微塵にも思っていない。だって非リアだもん、しかたないじゃん。

 

「んでな、それが『愛』だ」

「あい?」

「お前の俺に対する印象。それを考えるだけでも、無関心ではなくなったんだからさ。嫌いであれ好きであれ、それは『愛』だ」

「愛……」

 

騎士は皆無と言っていい胸に手を当てて考える。

彼の言った愛とやらが、自分にもあるのかどうか。自分の愛とはなんであるか。

そしてそれは───

 

 

 

 

───終わりの世界で、ようやく自覚することになった。

 

「ハク!」

「フィリア!?」

 

ハクはレオによる流れ弾を防ぎながら冷や汗を流す。

 

「お前はいい!地上に戻って交通整理だ!」

「私も連れて行って!」

「はぁ!?何バカなことを言ってるんだ!」

 

神々の戦争が頭上で展開される中、フィリアはハクに駆け寄る。

レオはエリースに神力弾を放ちながら、六本ある中の一つの腕で、フィリアを狙った。

 

「……ッ!!」

「させるかバカ!」

 

放たれた弾。

跳躍したハクが剣の横で叩いて落とし、また一つ、雲のステージに穴が開く。

 

【ほぉ……?人間、強いな】

「そりゃどうも。……俺の仲間に手を出したんだ、もう許さねえからな」

【やってみるがいい!】

 

怒りに拳を握ったハク。

その服を、フィリアが掴んだ。

 

「私もいくわ」

「わがまま言うな!こっから先の戦いが、お前に付いていけるものか!」

「いけるわ!付いていける!」

「冗談も大概にしろ!今は付き合ってる暇は無い!」

 

勇者は吠えた。

平和ボケしたこの身体を、もう一度戦闘に引っ張り出すために。

手に持つ亜空聖剣の輝きを目にして、レオが目を細める。

 

【そこの人間、もしやとおもったがまさか……?】

【させないよ!】

【ぐおっ!?お前……】

【彼には、自分の意思以外では戦わせない!もう、他人の意思に振り回されないで欲しい!】

【やはり勇者か!忌々しい!】

 

神は鳴いた。

他人の勝手な事情で異世界に呼ばれ、他人の勝手な事情で国の戦争に巻き込まれた彼を、戦場に呼び戻さないために。

 

【封印されてからというもの、勇者が嫌いになったのだ!】

「知らねぇよバーカっ!勇者ってのに選ばれたからにはな、お前みたいなやつをぶっ倒さなきゃいけないんだよ!」

「ハク!」

「フィリア……」

 

フィリアは俯いたままハクの服を掴んで離さない。

 

「離してくれ」

「嫌よ」

「大丈夫だって。ちゃんと帰ってくるから」

「でも!」

「俺は勇者だぞ?受けた傷はすぐ治るし、攻撃力も文句なし。……お前は、巻き込まれないようにしとけ」

 

デュランダリアが光る。

所持者の自動回復。海を割り、空を破る攻撃力。

それを付与する亜空聖剣と、亜空聖剣を常に持っていても体が壊れない勇者という桁違いの力。

 

「お前は、一般人であってくれ」

「ッ……」

 

不意に、ハクが右手を横に突き出した。

瞬間、右腕が砲弾にあたって砕け散る。

デュランダリアが眩い光を放ち、収縮した光はハクの肩から先で新たな右腕となった。

 

「俺は今なら、痛みも感じない」

 

フィリアは息を飲んだ。

一歩踏み出せば、そこが神々と勇者の戦い(別の次元)であることはわかっていた。

もちろん、今すぐにでも足を踏み出したい。

しかし、震えた少女の足は、それを良しとしなかった。

 

動かない。

恐ろしく怖い。

 

「ハク……」

「フィリア。何度も言うけど───」

「愛してるの」

 

ハクは、目を見開いた。

 

「こんな時に冗談は」

「自覚したわ。ようやく。私は、貴方を、愛している」

「……それにしては、愛が重い気がするが?」

「……それはごめんなさい」

 

勿論のことであるが、今までの愛が重いなどフィリアは微塵も思っていなかった。

しかし、心優しい勇者はなおのこと、

 

「俺を愛してるなら、地上に戻って俺を出迎えてくれよ」

「……」

「フィリアを、巻き込むわけにはいかないんだ」

「……強情なのよ、あなた」

「お前が生き残ってくれるなら何を言われてもいいさ」

「……私を巻き込みなさい。一人で背追い込まない。いい?貴方が死んだら───」

 

 

 

 

 

───私は間違いなく喉にナイフを当てるわ。

 

 

 

 

 

「……そうだった、コイツは愛が重いんだったな」

「えぇ」

「何を言っても付いて来たがる」

「愛してるもの」

 

ったく、とハクはため息をこぼす。

 

「わかった、わかったよ。でも、絶対に死ぬなよ。神ってのは多分、今までの何よりも強いぞ」

「わかってるわ。それに……」

「おぉぉぉぃい!!」

 

雲を突き抜け、魔力で形成された若草色のバリアが飛来した弾丸を包み、防いだ。

しなやかな脚。健康的な肌。溢れ出る魔力。膨れた頰。

 

「ボクを置いてくなんてひどいじゃないか!」

「あら、いたのね」

「いたよぉ!さっきからどのタイミングで飛び出そうか待ってたもん!ってか気づいてたんじゃないの!?」

「気づいてたわよ?」

「もぉ〜!!」

 

唖然とするハクにブイサインを押し付ける魔王の娘。

いずれ世界を担う重鎮の存在が簡単に命を投げ出す状況に、ハクは舌を巻いた。

 

「なんでお前まで?」

「いや〜……その、ね?さっきの後に言うのも何だけど、さ?ボクも、は、ハクが好き……みたいな?」

「……………」

「だからその、一緒に戦いたい的な……?」

 

修行一筋で恋愛なんてやってる暇がなかった勇者が、今、騎士と魔王の娘に告白された。

脱力した腕をいたわりながら、ハクはなんとかこの状況を打破する方法を考える。

イヴを地上に返すことはほぼ不可能。

むしろイヴが来たことで『いざとなったらフィリアを空からぶん投げてイヴにキャッチしてもらう案』がなくなってしまったのだ。

 

「はぁ……わかった、3人で……」

【何言ってるのハク君!?君は戦うべきでは無い!】

「いや、4人で戦おう」

「「了解!」」

 

ハクはデュランダリアを掲げた。

この世界の来て、これ以上の武器は持ったことがない。

ハクは、ずっと考えていた。

この世界の魔力について。

ハクはずっと考えていた。

この世界の大陸について。

 

「デュランダリア、能力解放」

 

───この世界、なんてわがままは言わない。俺が救いたいのは……

 

「えっ?」

「力が溢れてくる……前にデュランダリアを持った時みたい」

 

───この大陸!この笑顔!

 

「もう何でもいい!行くぞお前ら!」

「「応ッ!!」」

 

今、神話に残る戦いが始まる。




なんか最終回行きそうですね。
行けるならいこうかな
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