この度通算UAが1000回突破しました。
これだけ見てくれてきた皆様、本当にありがとうございます。
正直自分でもまだまだフラグ立てやストーリー展開が下手かもしれませんがこれからよろしくお願いします。
さて復活したラグナの初戦闘です。とうとう『アレ』が出てきますよ!
では
The Wheel of Fate is Turning … Rebel One … Action!
『おおぉぉぉぉぉ!!!』
須美たち勇者と刃はバーテックスに向かって突貫していた。敵の数は再び三体。どうやら敵側も連携して戦えば勝てる可能性が高くなることを学んだらしい。
そのうちの一体、牡牛座の怪物「タウラス・バーテックス」は上にぶら下がっている鐘から騒音を響かせる。一瞬怯む勇者たちだが、すぐさま行動に出た。
「こんなもので…止められると思うなぁぁぁ!!」
タウラスの頭上にある鐘を須美が一発で撃ち抜いて破壊した。そしてタウラスが音を封殺されてしまったところを銀が斧の連撃を叩き込む。成すすべがなくなった牛は後退し、そこを双子座の流星「ジェミニ・バーテックス」が体当たりを仕掛けようと突っ込んできた。
だが銀の後ろからすかさず飛び出した園子が槍で向かい撃ち、そのままジェミニの頭部を貫いて、切り落とした。頭部を失ったジェミニはそこで倒れる。しかし安心するのもつかの間、頭上から爆弾が降ってきた。煙が晴れるとそこには臓物のような形のバーテックスがいた。乙女座の敵「ヴァルゴ・バーテックス」だ。
体に傷が増えても、その傷が痛くても、それでも彼女たちは挫けない。思い出すのは「あの日」の悔しさ。守るはずの人物に助けられ、その人が生死を彷徨うことになり、そしてその大切なものたちが泣いていたあの光景。そしてその原因となった眼前の敵に対する怒り。
「バーテックス…兄さんの命を奪おうとしたことを…あの世で後悔させてやる!!」
「絶対に退いてたまるか!!こいつらが相手だったってラグナなら逃げたりしない!!!」
「こんな傷…あの時死にそうになったラッくんや大好きなお兄さんを失いかけたサッちゃんのものに比べたら大したことない!!!」
「貴方たちは私たちの大切な友達を傷つけた…だから絶対に許さない!!!」
頭上に向かって叫ぶ彼らはそれぞれの武器を構えると再びヴァルゴは爆弾を放出しようとする。だが二度も同じ手は彼らには通用しない。
「『
刃が爆弾の出口の前に手をかざすと巨大な雪の結晶を出現させた。すると爆弾が結晶に触れた瞬間、爆発する前に凍りついてそのまま地面に落下した。これが刃の
爆弾が爆発した後、ジェミニが再び現れてきた。それを見るや刃はユキアネサを一度鞘に納めて居合いの体勢に入る。ヴァルゴと戦線復帰したタウラスはそんな刃に向かって攻撃しようとするが
「そうは行くか!」
「ジンジンの邪魔はさせないよ!」
銀がタウラス、園子がヴァルゴに攻撃を加えて妨害する。ジェミニが突っ込んでいくと唐突に膝から倒れた。どうやら須美が足に数発痛いのを撃ち込んだようだ。
「刃君、いまよ!」
「…『
そう言い放つと刃はもうジェミニに剣の一閃を放ち、一刀両断した。それを銀と園子も続く。
「うおりゃぁぁ!!」
「隙ありー!!」
銀に柱を一つ切り落とされ、園子はヴァルゴに風穴を空けて、後ろからも跳んで追撃した。それでもなお敵はまだ去る気配を見せない。
「くそッ!今回の連中はしつこいな!」
「中々鎮花の儀が始まらないね〜」
「まだ敵はやるつもりなのね…」
「構わん。何度でも斬りふせるのみだ」
流石にここまで長期戦になると疲労が目立ち始めるのは勇者たちの方だ。だが敵がまだやるならこちらも退けない。再び前衛組が駆け出した。だがそのとき、タウラスが鐘を鳴らした。
「またこれか!」
「くっ、もう一度…!?そのっち!あれ!」
「ミノさんは私!ジンジンはわっしーのところに行って!」
「了解だ!」
園子は銀を盾にいれて、刃は園子から離れて須美と自分の間に氷の壁を建ててヴァルゴの爆撃を防ぎきった。しかし突如別の問題が発生した。その様子を見て刃と銀がそれぞれ声をあげた。
「こいつら兄弟だったのか!?」
「このタイミングを読んで送り込んだならば、笑えない冗談だ」
なんとジェミニがもう一体大橋の外から現れた。双子座のバーテックスであることが所以かどうやら二体を倒さなければならないらしい。
「!?しかもあの屑、僕らを無視して神樹に特攻しているだと!?」
「行かせない!」
しかも水上を猛スピードでダッシュしながら神樹に向かっているので勇者たちはすぐに止めには行けないのだ。須美はすぐに矢を乱れ撃って足止めを試みるが、ジェミニは止まらない。このままでは神樹様が危ない。ようやく陸に着いたそれを見て誰もがそう思った瞬間、
「『カーネージシザー』!!!」
男の咆哮が響き、ジェミニが切り裂かれてこちらに吹っ飛んできた。何が起こったのかが分からないまま、須美と刃がそれを避けてこちらに近づく男がいる方向に目を向けた。
男は白髪で自分たちよりも少し身長が高く、黒に統一した服装の上に真っ赤なコートを着ていた。赤い装置のついたグローブが握っている得物は片刃の大剣。こちらに向く顔はかなり目つきが悪く、その鋭い目の瞳の色は右眼は赤、左眼は碧色だった。数日前この樹海で死にかけ、そして今は病院のベッドの上で眠っているはずの、自分たちがよく知る顔だった。
目の前の男がここにいることに衝撃を覚える二人を余所に男は如何にも鬱陶しいという顔を浮かべながらタウラスへと走って叫んだ。
「黙りやがれ、このクソヤローがッ!!」
男の叫びと同時に剣はその姿をエネルギーの刃を持つ大鎌に変形した。男は叫びながら大鎌をタウラスに叩き込む。
「『ブラッドサイズ』!!」
鎌の一撃で再び鐘を破壊されるだけでなく、地面に叩き落される。突然の乱入者へと走る勇者たち。はじめに口を開いたのは男の方だった。
「テメェら、大丈夫か?」
「それはこっちの台詞だよ!ラッくん!」
「もう体は大丈夫なの、兄さん!?」
「安心しろ。綾月洛奈、完全復活だ」
綾月洛奈、いやラグナは右腕をブンブン回しながら笑った。友の無事を知れて勇者たちは涙を浮かべながらも心の底から喜んだ。同時に安心したからか弱音が少し漏れてきた。
「ラッくん、ごめんね…あのとき」
「気にすんなよソノコ。お前らのせいじゃねー」
「で、でもラグナ。お前…その腕…」
「ああ、知ってる。だけど『こいつ』を取ると決めたのは…俺自身だ。だから問題はねー」
園子と銀の言葉を受け止めた後、ラグナは後ろの敵へと振り向く。鎮花の儀はまだ始まらない。流石にもうジェミニは退却し始めているが、タウラスとヴァルゴはまだ健在。まだ完全に再生はしていないが戦意は喪失していない。
「ジン、スミ、ソノコ、ギン。後どれくらいやれそうだ?」
「まさか兄さん、戦う気なのかい!?」
「ああ。どのみちここにいる以上それしか選択はねーしな」
タウラスはラグナの方に向いている。どうやら地面に叩き落されたことが相当ご立腹のようだ。戦う意思の揺らがないラグナを見て、須美は言う。
「綾月君…無茶をしないでください。また何かあったら私たちは…」
「大丈夫だ、スミ」
心配する須美にラグナは振り向かずに敵を見据えて決意を表す。
「ここに来て、戦う道を『
だからそんな顔すんな。そうラグナは言い切った。
「ソノコ、俺はあの緑色のやつをやる。お前らはもう一体を頼む」
「…ラッくん。無事に帰ってこなかったら許さないんだからね」
「ああ」
そう言って園子たちがヴァルゴに向かうのを見た後、ラグナはタウラスと向き合い、右腕を顔の前にかざした。すると手の甲にある赤い装置が蒼い光を放った。そして…ラグナは右腕の、蒼の魔道書を発動させるための言葉を放つ。
「『
ラグナの右手に黒い瘴気が集まっていく。ラグナの周りの樹海も鮮やかな色彩から少しずつ『灰色』へと変色する。
「『
ラグナの足元に蒼い魔法陣が展開された。樹海のエネルギーも少しラグナの右手へと集まっているように見える。その様子を見て思わず勇者たちはラグナの方を見た。いや、バーテックスですら彼に注目していた。
「見せてやるよ…これが…『蒼』の力だ!」
力の吸収が収まるとラグナは最後の言葉を叫んだ。
「『
ラグナがそう言い放つと後ろに紋章が浮かび上がり、蒼い波動が広がった。バーテックスはその様子を見てから、後ずさり始めた。これには勇者たちも驚いた。人を殲滅する筈のバーテックスが目の前の
「行くぞ!!この『ド底辺野郎』が!!!」
そう叫ぶラグナは大剣を手にタウラスに正面から突撃した。タウラスは距離を取ろうと浮上するが、
「逃げんじゃねー!!インフェルノディバイダー!!」
ラグナが切り上げてきてタウラスに追いつき、更にアッパーと踵落としを決めて再びタウラスを地に伏せた。なんとか起き上がろうとするタウラスだが着地したラグナは追撃する。
「『ヘルズファング』!!」
今度はラグナは黒い炎を纏った左手を突き出して突進した。バーテックスにヒットした後、更に右手で黒い波動を発生させてタウラスを切り裂いた。ラグナの猛攻を受けたタウラスは若干よろめきながら浮上し始めた。
「これで終わりだ!!『ブラッドカイン』!!」
ラグナはそういうと腕に力を込める。すると右腕はから黒い瘴気が発生し、やがてそれは人のものから巨大な獣のような赤い爪を持つ黒い腕になった。ラグナはそれでタウラスを鷲掴みして握りつぶそうとする。
「そして…『闇に喰われろ』ぉぉぉぉぉ!!!」
するとタウラスの身体はみるみる灰色になっていき、身体にヒビが入り始めた。やがてタウラスは砕け、砂となって消滅した。その時ラグナは一瞬奇妙なものが見えた。
(なんだ…あの変な箱みてーのは?あいつらの『核』か?)
そう言っているうちに鎮花の儀が始まった。ラグナは腕を元の姿に戻してヴァルゴがいた方向を見た。ヴァルゴはというと触手が数カ所凍らされていて下半身が完全になくなっていた。
「どんなことすりゃああなるんだよ…」
こりゃ確かに勇者たちを怒らせたらエライ目にあうなと呑気に考えるラグナだった。向こうから刃たちが駆けつけてくるところが見える。
(全員無事だな…あいつら。良かった)
ボロボロではあったがなんとか全員無事だったようだ。
「ラグナ、無事か!?」
「ああ。ピンピンしてるぜ、ギン」
「ホントに大丈夫?なんか『変なもの』が体から出てきたけど」
「あー、まあなんだ。そういう技なんだよ、ソノコ」
「とりあえず早く病院に戻らないと。芹佳さんも心配しているわ」
「やべっ、そういや気づいた後はウサギの野郎としか話してねーから巫女とサヤにはなんも言ってなかった!!」
「兄さん…母さんは少し説教するだけで済むかもしれないけど沙耶は怒ると長いよ…」
「…なんてこった」
「ま、まあまあ。サッちゃんは私がなんとか説得するよ。ラッくんの病室にいたのはレイチェルさんだけだったの?」
「ああ。多分巫女は俺の回復を優先してあえてあそこにはいなかったんだと思う」
「ん?それはどういうことだい?兄さん?」
「巫女は『こいつ』の封印を任されていたってことはおそらく『こいつ』を無効化する力が大なり小なりあるってことだ。もし回復仕切っていない俺の傍にいて『こいつ』が上手く働かなくなったらマズイだろ?」
ラグナはそういうと周りが光に包まれた。樹海が解ける前兆だ。
「さあ、帰るぞ。俺たちの世界へ」
『うん!』
その後ラグナは少し説教されながらも無事に帰ってこられたところを刃共々芹佳に思いっきり抱きしめられて少し恥ずかしい思いをし、なんとか沙耶を宥めることに成功した。
いかがだったでしょうか?
ようやくラグナが戦えて自分は嬉しいです。何体のバーテックスをはたき落とすことをなるんだろう、彼?
因みに今のラグナのスペックはカラミティトリガーの頃のものです。流石にいきなり最強の蒼炎の書はまずいと思ったので。
あと作者のリアルな事情の都合上、更新ペースは落ちると思います。楽しみに読んでくれる方、申し訳ありません。時間が出来れば投稿はしたいと思います。
それでは次回は日常回。また会いましょう。