蒼の男は死神である   作:勝石

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どうもお久しぶりです。勝石です。
この度通算UA2000になりました。ありがとうございます!
もう平成最後の日になっちゃったよ…
時が過ぎるのは早いな〜
今回のお話は悩んだ末に少しだけ日常編を書くことに決定しました。それではどうぞ


Rebel12.気になるアイツのアレ

「須美、園子。来てくれたか…」

「どうしたの銀?いつにも増して真剣な顔だけど…」

「ミノさん何か悩み〜?」

 

仲良し勇者3人組は今日イネスのフードコートに集まっていた。理由は須美と園子の目の前で座っている少女、銀に集合のするように呼び掛けられたからだ。大好きな醤油豆味ジェラートすら買わずに某司令のポーズを取りながら銀は神妙な声で話し始めた。

 

「二人を呼んだのは他でもない。これから重大な話がしたかったからなんだ」

「そ、その話って…わざわざ集まらないといけないほど重要なことなの?」

「ああ。すごくな」

 

須美の全身に緊張が走った。普段はあまり型にハマらない行動派の銀が自分たちを呼んでまで相談したいことがあると言ったのだ。もしや御役目と深く関係することなのだろうか。

 

「ぶっちゃけたところ…あの二人、どう思う?」

「ん〜?あの二人って〜?」

「決まってんじゃん。ラグナと刃だよ」

「えっ!!?」

 

完全な不意打ちだった。銀が話題に出してきたのは自分たちと御役目に就いている二人の男子だった。一人は同級生で文武両道な完璧超人…だけど実際は極度のブラコンを患っている衛士、如月刃。もう一人は合宿で会ってからはちょくちょく会うようになった赤コートの男子、綾月洛奈。通称(そして本名)ラグナ。

 

御役目の話かと思ったらまさかの異性の話題が上がったことに須美は動揺した。彼女自身はあまりそう言った話題は不慣れだ。今は大事な御役目に就いているのでそもそもそんなことを考えている時間がない。というか自分は男子にそこまで興味はなかった。

 

自分の発育の良さから少なくない視線を浴びることがあったり、一緒に御役目に就いている同級生はアッチなのではと疑うほど兄に猛烈なスキンシップを取ったりするのでそこまで異性が魅力的に見えなかったのだ。

 

「ぎ、銀。あの二人をどう思うって…」

「そりゃどっちの方がカッコいいかな…とか」

「ええー!!?」

「うおっ!?どうしたんだよ須美?」

「わっしー。顔真っ赤だよ〜?」

 

須美は確信した。これは絶対恋の悩みだ。実は三ノ輪銀の夢は「お嫁さんになること」である。お嫁さんになる以上素敵な異性に会わなければ話は進まない。しかし…

 

(まさかこんなすぐに気になる異性を見つけるなんて…もしや!?)

「須美〜。大丈夫かー?」

「え、ええ。大丈夫よ。ただ銀がもうそういうのを意識するなんて思わなかったから…」

「ひどいなー。アタシだって真面目なことを考えるときくらいあるよ」

「そ、それで銀はどう思うの?」

「うーん。色々考えたけど…やっぱラグナかな〜」

「やっぱりー!!!」

「うおお〜。ミノさん大胆〜」

 

どうやら銀が気になっているのはラグナの方らしい。確かに言われてみればこの二人はかなり似ている。どちらも三人兄弟の一番上でどちらかというと考えるより先に動くタイプだ。しかもラグナは以前銀を命の危険から救っている。銀の声にさらに真剣味を帯びていく。

 

「アイツ。一見怖そうだけど何だかんだ話を聞いてくれるし、こっちの話にはちゃんと答えてくれるからさ。それで聞こうと思っているんだ」

「ええっ!?大丈夫なの銀!?刃君に知られたらタダでは済まなさそうだけど!?」

「なんでアタシは刃にそんなヤバイことされなきゃなんないんだ」

「うーん、サッちゃんにも問い詰められそうかな〜。あの娘もお兄ちゃん大好きだし」

「なんでそこで沙耶ちゃんまで?」

 

どうやら園子も自分と同じことを思っていたみたいだ。確かにラグナ自身は銀のこと嫌っていることはないだろう、むしろ好印象だ。問題はラグナのことが人一倍好きな下の弟妹二人である。刃は最早説明不要だが、沙耶もまた兄を強く慕っているのだ。それでも刃に比べたらまだマシだが。

 

「ああ見えてサッちゃんはヤキモチさんだからね〜。ミノさんもラッくんとそういうことしたいなら先にサッちゃんに挨拶しないとダメだよ〜」

「え、ヤキモチ?なんで?」

「まあ、ミノさんならサッちゃんもそこまで色々言わないと思うけど〜」

「それより問題なのはやはり刃君ね…」

「あのー二人とも〜?」

 

園子の言う通り、ラグナに恋人ができたなんて聞いたら沙耶は確かに相手に対して嫉妬する可能性はある。しかしそれでも沙耶は兄の幸せを先に考える可能性があるため、銀がきちんと話をつければまだ許してくれるかもしれない。

 

問題は刃である。この男、兄に対しては悉く迎撃されているにも関わらず、懲りずに「兄ぃぃぃぃさぁぁぁん!!!」と叫びながら跳び掛かってくるのだ。そんな彼が兄に恋人ができたと聞いたらどんな反応が返ってくるのだろうか。

 

(間違いなく『兄さんを付け回る蛆が!』とか言って相手に煉獄氷夜をぶつけるに違いないわ!!)

 

そんなことを須美が考えていると先ほど話に上がっていた男の姿を確認した。

 

「お、スミにソノコにギンじゃねーか」

「あ、ラッくん。ここに来て大丈夫なの?」

「今日は巫女も一緒だからな。ちょうど昼飯の時間だし、ここで食おうって話になったんだ」

「え?母親なら今のラグナを外に連れ出さないと思うけど」

「俺が付いていくって言ったんだよ。巫女にはやっぱり俺の右腕の力を抑えることができていたみたいだし。何より…今日は師匠居ねえし…」

「それがどうかしたのか?」

「…巫女は方向音痴なんだよ。それもすこぶる質の悪ぃレベルのな。一人で買い物に行かせたらしたら帰ってくるのはいつになることやら…」

『そこまで!?』

 

ラグナの話によれば保護者である芹佳は酷い方向音痴らしい。なんでも目的地と逆の方向に自信満々に向かう、地図が読めない、近道と考えて一本道から逸れて別の場所へ向かう、同じ場所をグルグル回ってしまう、など挙げたらきりがない。

 

そのため出かけるときは安芸などの大赦関係者、十兵衛、レイチェル、ラグナが同伴しなければならないのだ。因みに今は近くの席でゆっくりしており、ラグナには席を離れないからいってらっしゃいとのことだ。

 

「それは大変ね…」

「まあ、それでもあの人に感謝しかねーよ。身寄りのねー俺たちを引き取ってくれて、しかも世話してくれたからな」

「そっかー」

 

ラグナがそう話した後に続ける。

 

「そういや、さっき俺や刃の名前が聞こえた気がしたんだけど…どうかしたのか?」

「ギクッ!」

 

その話題が触れられたことで須美に再び緊張が走る。それに対して銀は答える。

 

「なあ、ラグナ。アタシ、お前に聞きたいことがあるんだ」

「な、なんだよ」

「実はね〜ミノさんがラッくんに大事な話があるんだって〜」

「はあっ!?」

「頼む、教えてくれ!!なんでもするから!!」

「ちょっ!!?銀、ダメよ!そんな、はしたない!」

「な、何が聞きてーんだよ?」

「多分これからやることについて」

『え』

 

銀がそう言うと突如刃がラグナの背後から出現した。完全に不意を突かれたラグナは追い払う前に抱きつかれた。

 

「兄さぁん!!こんなところで会うなんて偶然だね!!」

「おい、ジン!!いい加減離れろ!!」

「いいじゃないか。僕たちの仲だしー。…あ、匂いが」

「カーネージシザー!!!」

「ぐあーッ!!?」

 

余りにもしつこい刃を振り払うのにラグナは大技を使って無理矢理引き離した。そんないつもの光景を見た後に銀は目をキラキラさせながら須美と園子に話しかけた。

 

「聞いたか!?」

「ええ、聞いたわ。全くどうして刃君はあんなことをされてもやめないのかしら」

「いや、そこじゃねー」

「ラッくんがジンジンをぶっ飛ばしたときの声?」

「それより少し前!」

「え…それなら確か綾月君が何か叫んでいたような…まさか」

 

ここまで来て須美は自分の考えが誤りだったことに気づいた。同時に自身の親友がとてつもなく子供っぽいことを考えていたことも。

 

「なあ、ラグナ。教えてくれ…」

 

銀は意を決してラグナに聞く。

 

「どうやったらそんなカッコいい必殺技の名前が作れるんだ!」

『………は?』

 

 

 

 

 

 

「銀が気になっていたのは必殺技の方だったのね…」

「そうだよ!ほらラグナと刃って普段戦っているときにさ。必殺技の名前を叫んでるじゃん。それに対してアタシらはそういうことをしていない。これは勇者としてマズイだろ?」

「あのね銀。私たちの御役目は遊びじゃないのよ。この前だって危なかったじゃない」

「う〜ん。なんというかそうじゃなくてさ〜」

「技の名前を言うことに何かあるの?ミノさん?」

「なんかラグナたちを見ていると、必殺技を叫んでいる方が技の威力とかが高いように見えるんだよな〜。ほら、力と気合いが込められているって言うか」

 

銀の言うことはあながち的外れではない。ラグナや刃は勇者システムではなく、術式や蒼の魔道書を用いて戦っている。そのため技をフルパワーで発動させるには術式などを起動させる必要があるのだ。そのときの発動のトリガーとなるのは技の名前であり、これを叫ばずに使うと技の威力が下がってしまうのである。

 

「そう言うものかしら…」

「まあ、ラッくんとジンジンの場合は私たちとは戦い方が少し違うからね〜」

「でも必殺技があるのとないのとじゃあ気合いの入りようが違うと思うんだ。それでラグナ、どうなんだよそこのところ?」

「いや、そう言われてもよ…」

 

まさか前の世界でも使ってたからとか言えないからラグナは答えに迷った末、前の世界の出来事であることを伏せてきっかけを話すことにした。

 

「…師匠に教わった技をなんとなくカッコいいと思ったフレーズをつけて遊んでたらこうなった…」

「マジかー、でもその話だとある程度動きはもう完成しているって感じだな」

「まあ必殺技なんてタイミングミスったらマズイしな」

「なるほど〜」

 

なんか二人で必殺技談議が始まってしまっていると刃が復活して帰ってきた。

 

「で、三ノ輪。お前のお気に入りはどの技だ?」

「やっぱり『カーネージシザー』かなー。動きもスタンダードだし、なんか難しい単語が出てカッコ良さそう」

「それかー、確かにあの技は豪快で兄さんらしくて僕も良いと思うな」

「そう?あれは横文字だから聞いていても慣れないわ…」

「わっしーはどれがいいのかな〜?」

 

園子が須美にそう聞くと須美はそれが当然だと言わんばかりに力強く答えた。

 

「私はやっぱり刃君の技ね。大和男児たるもの、やはり大和言葉を使った名前をつけるべし、よ。特に『虚空刃雪風』!雪風というのは吹雪の別称だけど、もう一つは我が国の軍の中でも数々の戦いを潜ってきた駆逐艦の名前でもあるの!数々の戦場を駆け抜けた旧世紀の帝国海軍が誇る歴戦の猛者で云々…」

「やべえ、須美の歴史トークが始まったぞ」

「さすが未来の歴史学者さんだね〜」

「…ということもあるけど、技自体も一度攻撃を受け流しながら素早く反撃を加える様はとても美しくペラペラ…」

「あ、ちゃんと技についても話してる〜」

「…ふん」

「ジンジン照れてる?」

「照れてなどいない」

 

須美は刃の技の方がお気に入りのようだ。

 

「そういうそのっちはどっちの方がいいの?」

「私はどっちも素敵だと思うけど、レイチェンの技の方が好きかな〜」

「ん?ソノコお前、あの後にウサギと会ったことがあるのかよ」

 

ラグナは少し驚いた。あのレイチェル=アルカードが自分から他の人に会うなんてそうあることじゃない。普段の時間を城で過ごしている彼女が外に出るのはほとんどの場合退屈しのぎのためだからだ。

 

「うん♪でも驚いたよ〜。ちょっと他の人とは違う雰囲気だな〜と思ったけどまさか『吸血鬼』だったなんて」

「その割にはそこまで驚いてなさそうだがな」

「まあその後にお茶をしながら話しているとすごく面白い話をたくさんしてくれたからそんなに怖くなかったかな〜。寧ろ小説のいいネタがたくさん聞けてよかったよ〜」

「そういやお前、小説家が夢だもんな」

「そうだよ〜」

「にしても『あの』ウサギがねー…」

 

基本的にSなレイチェルと普通に接する相手なんてカグラくらいのものだと思ってたがここにも彼女と親しくなれる存在がいたとはな。そんなことを考えるラグナであった。

 

「それで園子、結局お前はレイチェル=アルカードのどの技が好きだというんだ?」

「色々あったけど…もし自分が使うとしたらあのいっぱい出てくるのがいいな〜」

「それは…多分『テンペスト・ダリア』かもな」

「あ、それそれ。私もあんな感じにサンチョとかトリさんとかいっぱい出したいんよ〜」

 

言われてみればレイチェルの多くの技は使い魔との連携で行われることも多い。タイニー・ロベリアやゲオルク13世がそのいい例だ。

 

(まあ本人自身も相当強いがな…)

 

彼女の真の実力をよく知るラグナはそう思っていると唐突に銀が声を上げた。

 

「よし!!」

「うん?どうしたギン?」

「ミノさん?」

「銀、どうかしたの?」

「なにかいい案を思いついたのか、三ノ輪」

「ああ、とびっきりのやつをな!こんな感じのなんてどうだ?…」

 

こうして五人は必殺技談議をしながら1日が過ぎていった。

 




いかがでしたか?
わっしーがもしブレイブルー をやったら絶対ハクメンを好きになると思う。いろんな意味で。

そして私は思った。ブレイブルー キャラだけが必殺技の名前を書くのはフェアではないと。というわけでここからはゆゆゆ系統のキャラも必殺技を叫びます。Astral Finish のロゴが出てきてんなと気軽に思ってくれるなら幸いです。技のソースはゆゆゆい。

次回も日常パート。この五人だけでなくそろそろ他のキャラも入れてー…。

それではまた
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