少しフライング気味ですが、これから少ししばらく更新できないので先にあげます。
6月20日での誕生日おめでとう若葉ちゃん!というわけで筆者の病気シリーズの始まり始まり。
それではどうぞ
The wheel of fate is turning…Rebel…1…Action!!!
「知っていますか若葉ちゃん。世の中には並行世界と呼ばれるものがあるらしいですよ」
「ああ。杏や園子ズからも聞いたことがあるぞ」
『
「確か…世界は一つだけではなく、ある出来事が起こることで世界が分岐し、平行線上に複数の世界が存在するようになる…というものだったな」
「はい。これからの戦いの苛烈さが増していくことを考えますと、やはり神樹様も戦力を増やしていくと考えられます」
「それはそうだな。最近になって出会った『造反神』側の勇者のこともあるし、恐らく神樹様も対応をなさるだろう」
「そうですよ~。それはつまり…」
ひなたは身体を震わせた後、目をシイタケにしながら若葉の方へと顔をズイっと近づけた。
「並行世界の様々な若葉ちゃんがこの世界に召喚されるかもしれないっということです!!!ちょっと乙女若葉ちゃんもメルヘン若葉ちゃんもアルティメット若葉ちゃんもと可能性が無限大というわけです!!!あ~、早くカメラのスペアメモリを今のうちに買っておかないと!!!」
「ひ~な~た~!!またお前はそうやって!!」
「なーんて、冗談ですよ。それにそんなことが仮に起きてしまったとしても私にとっての一番はいつだって貴女ですよ、若葉ちゃん」
「別にそういう意味で言ったわけではないのだが…ありがとう」
親友の言葉に少し赤面しつつも感謝する若葉はその後に考えた。もしあの時にこの出来事がこうなっていたら。これからこんなことが起きたら。今を生きる自分がこれからどんな出来事に逢って変わっていくことに少し思いを馳せていた。
(もしもこれからの私の人生に大きな分岐が生じるとしたら…それはきっと…)
「みんな大丈夫かな〜。今日は何だか不思議な予感がするよ〜」
「不思議な予感…ですか?」
「うん。なんかね…この前、リトルわっしーやそのっち、ミニミノさんと会ったでしょ〜?あの時と同じ感じがするんだ〜」
数日を明けて愛媛奪還のための二度目の戦いに勇者部が向かった後、乃木園子は巫女たちと共に彼女たちの帰りを待っていた。一緒にいるのはひなたと『
「だけどもしかしたら悪いことの前兆かもしれないんだよね〜」
「大丈夫です。皆さんには西暦の風雲児たる若葉ちゃんがついていますし、今頃敵を千切っては投げての繰り返しです!」
「そうだよ!!それに兄さまもいるんだから敵なんてみんな倒されているよ!!」
「そうなんだけど…何だろう…この違和感。出会いはドキドキのはずなのに、会ったら悲しいような…」
そんな園子の悪い予感が見事的中したのか、部室が衝撃で揺れた。何事かと辺りを見回すとそこには造反神側の勇者として召喚された『
「作戦成功ーっ。本命はこっちだよー。今頃樹海にいる勇者たちは大慌てだろうねー」
「友奈さんと同じ名前の人がこんな作戦を仕掛けてくるなんて…」
「前もって言ったはずだよ。戦いのゴングが鳴るまでは手は出さないって。ゴングが鳴った以上、こっからは何でもありで行くよー。さあ、みんな。出てきて、出てきてー」
赤嶺が宣戦布告すると空から大量のバーテックスを召喚した。その後に勇者システムが無事使えるようになった園子が応戦したことで何とか巫女たちを守ることが出来ている。しかし、それでも赤嶺は容赦をしなかった。
「流石にここまで強いとはね…あの若葉さんの子孫なだけはあるってことかー。なら…これはどう!みんなー、突撃ー!!」
赤嶺の指示に従って、バーテックスが全員巫女たちに向かって特攻を仕掛けてきた。園子も当然槍でどんどん敵を殲滅していくが、バーテックスは止まらない。まさに一億玉砕と言わんばかりに犠牲を構うことなく向かってくる。やがて星屑の1匹が園子の攻撃を回避し、そのまままっすぐひなたの方へと迫った。
「ひなターン!!!」
『ひなたさん!!!』
園子、沙耶、水都はひなたに逃げるように叫ぶがもう遅い。星屑はすぐそこまでに来ていた。ひなたは自身の運命を悟ったのか、目を閉じて星屑が来るのを待った。
その時だった。白い光がひなたの前に輝くと迫っていた星屑も他の周りのバーテックスも全て吹き飛ばされた。突然の出来事に敵味方問わずに顔を庇って爆風から身を守った。
ひなたが目を開けると自分の前に立っていたのは白い甲冑を着た2メートルほどの剣士だった。9本の長い銀髪の房を一本に結って纏め、手には何処かで見たことのあるものの、見知ったものよりも長い大太刀を手に取っている。その背中はどこか頼もしく感じるものだった。
真っ白な仮面に隠された顔を、剣士は赤嶺に向ける。立っているだけにも関わらず、その者から凄まじい威圧感を赤嶺は感じた。
「これは…参ったねー。流石にピンチかなー」
《…去れ。此れ以上戦う心算為らば、私が相手だ》
「ごめんねー。でもそういうわけにもいかないんだ」
《そうか…》
剣士から低いエコーのかかった声が発せられる。手の大太刀を脇に構え、戦闘態勢に入る。赤嶺友奈もバーテックスたちに指示を出す。
《…其処の勇者よ、右の敵を押し戻せ。左は私が請け負う》
「う…うん!!」
剣士は園子に指示だけを残すと、八相の構えを取る。剣に大気中の空気が集まっていく中、剣士はその技の名前を呟く。
《『
次の瞬間、雪崩のように迫り来るバーテックスを物ともせずに剣士は大太刀を振り下ろし、暴風を以て敵を薙ぎ払う。
《
敵は力の大波に攫われていくかのように消えていく。気が付けば星屑の大群は塵一つ残すことなく綺麗に消滅していた。これには流石に赤嶺も予想していなかったのか、目を丸くしていた。園子の方も敵は片付いたが、隣にいる剣士から目を離せなかった。
「うっそー…」
《未だ其の手を止めぬか》
「…その前に一ついいかな?」
《…何だ》
「貴方は…一体何者なのかな?私が聞いている限りでは貴方のような勇者はいなかったようだけど」
《其れを聞いて如何する》
「教えないよー。それに、私は良くても後ろにいる巫女や勇者たちは黙ってないだろうしー」
赤嶺に指摘されて剣士は部室の扉へと振り返る。そこには急いで樹海から讃州中へと帰ってきた勇者部のメンツがいた。見知らぬ者がいることに困惑を覚える勇者たちだが、一人だけ彼を認識できた者がいた。勇者たちと同じく来たラグナだ。
「テメェは…『お面野郎』!!!」
《…》
「そっかー、お面野郎って名前なんだねー。随分と面白い名前だn」
刹那。剣士はラグナの存在を『意に介することなく』赤嶺に居合一閃。僅かな殺気に気付いた赤嶺はすかさず後ろに跳んで躱した。それでも勇者服の腹部に切り傷が入っていた。
「おお、怖い怖い。冗談も通じないなんて」
《貴様…巫山戯ているのか》
「ふざけてないよ。何せ貴方と勇者たちをまとめて相手するためにここからは少し戦力を上げるからね!!」
樹海が展開されると同時に赤嶺は大型のもの数体を含めて多くのバーテックスを召喚した。それを前にしても尚、剣士は驚きも揺らぎもしない。その代わりに眼前の敵を見据え、その刀を自身の前に構え、高らかに名乗りを上げる。
《
剣士の声に合わせて樹海全体が一度振動した。剣士はさらに言葉を続ける。
《
再び樹海は震える。
《
剣士が言葉を一度言葉を切ると徐々に樹海を揺らす振動は大きくなる。大地そのものが恐怖に怯えてるかのように揺れは激しくなっていく中、剣士は処刑の文句を並べた。
《
剣士の周りに青白い炎が燃え盛り、言葉が終わると同時に衝撃波が飛ばされる。長い九つの銀髪の房もその時に広がる。勇者たちが息を呑む中、その剣士は締めくくる。
《
剣士、ハクメンはそう宣言すると赤嶺のいる敵地へと駆け出す。その道をバーテックスの軍団が阻もうと彼に迫る。星屑、アタッカ、フェルマータ、タチェット、アジタート…多種多様なバーテックスが剣士を襲う。
「待て、あの数を一人で挑むなんて危険すぎる!!」
「待って下さい、ハクメンさん!!?危n」
《ズェア!!!!》
しかしそんなものはこの剣士の前では全く意味を為さなかった。若葉と杏の心配など不要といわんばかりにバーテックスがどんどん消し飛んでいく。星屑に至ってはほぼ足場の代わりにされており、大太刀で斬った後の残骸を蹴って次の敵に切り掛かるという離れ業が繰り返されていた。
「…なさそう…ですね」
「ワーオ…なんてアメージングな光景なの…」
「…これ、私たちがいる意味はあったのかしら?」
「もうここまで来ると天晴れとしか言えないな…これにはタマもタマげた」
「うわ~…バーテックスがバッタンバッタン倒されていくよ~」
「刀一本で大量の敵を物ともせず相手取るなんて…これはもはや船坂弘の再来ではないでしょうか、東郷さん!!?」
「いいえ須美ちゃん、あれはもはや人間の姿をした不沈艦大和よ!!我が国の英霊たちが御降臨なさって御国を護るために立ち上がったのよ!!!」
「お前は落ち着け」「貴様は落ち着け」
ハクメンの雄姿を見て護国魂に火が付いてしまったわっしーズを中学生銀と刃が落ち着かせる中、唯一彼を知るラグナはその様子を見ておかしく感じた。もしあれが自分の知るハクメンなら、自分を真っ先に殺しかかるはずだ。しかし目の前のハクメンはそうはしなかった。寧ろ興味がないようにも見えた。そんな彼の様子を結城友奈は聞いてきた。
「ラグナ君どうしたの?」
「ユウナか。いや、何つーか…俺の知っているお面野郎とは少し違うと思ってな」
「違うって?」
「俺の知っている『六英雄』ハクメンは確かにあの姿であの声だ。ただ…武器の大太刀が違えし、何より…あいつは黒き獣を倒そうとするはずだ。それなのに『俺』を見てもうんともすんとも言わなかった…」
ラグナの懸念を尻目にハクメンは敵を切り伏せながら赤嶺の方へと接近する。その様子を見ていた『
「乃木さん…あの人、貴女よりも『八艘飛び』をマスターしてるんじゃないかしら?」
「…ああ。私もそう思う」
若葉は相槌を打ちながらもハクメンの別の部分に着目していた。やがて剣士はバーテックスをほぼ全て薙ぎ倒してしまい、赤嶺のところへと辿り着いた。赤嶺の方もついに動きだし、二人は激突した。
「『勇者パンチ』!!!」
《『
赤嶺の勇者パンチを刀の柄頭を先にした突進で受け止めて、逆に赤嶺を弾き返した。パンチをパリィされて無防備になった赤嶺にハクメンはさらに蹴りを放つ。
《『
「キャッ!!」
蹴り上げられた赤嶺は宙を舞い、それをハクメンが追撃した。その時の技の名前を、若葉は聞き逃さなかった。
《『
「キャーーー!!!」
ハクメンは空中で大太刀を赤嶺に振り下ろし、彼女を樹海の根に叩きつける。立つことのできない赤嶺を確認すると、ハクメンは彼女に剣を向けた。
《是にて幕引きだ、『友奈』の名を持つ少女よ。さあ、答えよ。何故この世界に、地の者たちの集合体と天上の者たちの尖兵が存在する?》
「何を…言っているのかな?神樹様も…天の神もまだいるに決まっているでしょ?まだ…天の神は倒されていないんだから」
《…私が知る限りでは…既に彼奴等は私が余すことなく滅した筈だ》
『はあ!!!?』
その場にいる全員はハクメンの言葉に仰天した。彼の剣士の言うことが事実ならばそれはとんでもない偉業である。何せ神を倒したと言うことだ。これには思わず他の勇者たちも質問責めした。
「ちょっと君ー、あんまり誇張しない方がいいんじゃない?その話し方じゃあまるで『一人』でバーテックスたちを倒したみたいに聞こえるけど?」
《事実だ。其れ以上でも以下でもない》
「マジっすかー…」
ハクメンの言葉に『
《為らばもう一つ問う。何故巫女に攻撃を加えた。勇者である貴様為らば、巫女の存在が何れ程勇者を支える存在であるかを知っている筈だ》
「だからこそなんだけどね〜。巫女を押さえればこの娘たちも戦えなくなるでしょ?」
《成る程…為らば…此処で貴様に報いを与える》
ハクメンがとどめまで刺そうとする中、彼の前に立ち塞がったものがいた。若葉だ。
「待ってください、ハクメンさん!!もう赤嶺友奈は戦えません!!これ以上はやめてください!!」
《退け、桔梗の勇者。其の者は自身の意志で戦いの場に出た。為らば此の結末を辿る事も覚悟の上だ》
「それでも…こんな状態の人を攻撃しようとするなど!!」
《…何者で在ろうと世界に悪を齎す者は然るべき報いを受けねば為らん。為らば》
ハクメンは太刀を持つ手の力を強める。
《其の者も又、然り》
「…それでも、私は退かない!!!」
ハクメンを前にしても若葉も愛刀、『
《…やっぱり未熟だな、私は。名前の通りだ》
「え、ハクメンさん?」
《…貴様、赤嶺友奈と言ったな。最後に答えよ。『この世界』に…『天の神』は居るか?》
ハクメンの質問に赤嶺はいないと答えると、ハクメンはそれを聞いてから剣を納めた。
《貴様に是以上聞く事はない。疾く失せよ》
「…言われなくてもそうするよ。それじゃあみんなー、バイバーイ」
そうして赤嶺は突風に乗って去って行った。樹海化が解けると全員いつもの部室へと帰っていく。巫女たちがそれぞれの大切に抱きつきながら無事を確認しあった後、話題は後ろに佇むハクメンへと移った。
「それで、えっと…」
《我が名はハクメン》
「そう、ハクメンさん。貴方も勇者で良いのかしら?なんかすっごくゴッツイけど」
《…私はその様なものなどではない》
「だったら俺からも聞きてーことがあるぜ」
風の質問にハクメンが答えたあと、ラグナが話に入ってきた。
「お面野郎。テメェ、本当にあの『六英雄』ハクメンか?」
《…其の六英雄とは何のことだ》
「違うってことか…」
どうやらこのハクメンはラグナの知る人物ではなさそうだ。最後にひなたが彼にお礼を述べた。
「先ほどは助けていただいてありがとうございます、ハクメンさん。貴方が来なければもしかしたら最悪の事態になっていたのかもしれません」
「私からも、本当にありがとねー」
《…》
「どうしたんだ、ハクメンさん?」
若葉はひなたから顔を離さないハクメンの様子を不思議に見ていた。時々園子と見比べている様な動作をするが、それでも基本的にはひなたのことを注視していた。それはひなたも気づいたようで
「あの、ハクメンさん?どうかしましたか?」
《…済まない。少し貴殿を見て懐かしい者を思い出してな》
「そうですか?もしかしてハクメンさんのご友人だったりとか?」
《…嗚呼。唯一無二の、大切な親友だ》
「そこまで大切な人だったんですね…」
《其の者は私をいつも傍で支えてくれた人だ。若かりし頃の私は酷い堅物で頑固者だったが、其の者は私を時に諌め、時には助け、そして見守ってくれた。幾ら感謝しても仕切れない》
「まるで今の若葉ちゃんとひなちゃんみたいだね!」
《しかし、当時の私は…未熟だった。愚かだった。弱かった。気づいた時には仲間も、その大切な者も…手の内から落ちていた。だから、私は生涯戦う道を選んだ。必ずや世界を、未来を取り戻すと。其れが私が唯一できた、彼女たちの思いに対する報いだった…。最期に我が身は朽ちたが、果たせて良かった…》
『…!!!!』
それを聞いたとき、若葉とひなたの背筋に悪寒が走った。その話し方、戦う動機、見慣れた太刀筋、そしてよく見たら背に携える大太刀。身体と声を除けばそれはまるで。
「まさか…お前は…」
《…話は此処迄だ。私は貴様等の側ではない故、先を征く。だが乃木若葉よ。努努忘れるな》
「な、なんだ」
若葉は動揺しながらもハクメンに返事すると剣士は最後に忠告した。
《貴様がもし大切な者を護り通したくば、この世界で『強さ』を身に付けよ。力ではなく『強さ』を。話は以上。然らば》
「待て!!まだ話が!!」
「待って下さい!!!」
若葉とひなたの制止も虚しく、ハクメンは赤嶺同様、突風を起こして去って行った。勇者部のメンバーが呆然としている中、若葉とひなたは二人だけ、先日の会話を思い出す。ひなたは若葉に寄り添う。
「…若葉ちゃん」
「…なんだ、ひなた?」
「何があっても、傍にいますからね」
「…ああ、ありがとう」
《まさか、此の様な形で現世に還るとはな》
ハクメンは讃州中学から遠く離れたビルの上で部室を眺めている。あそこにはかつての仲間が元気に生活し、笑い合っていた。だからこそ、自分はそこにいてはいけない。
《其処は貴様の居場所だ。だから守って見せよ。次に合間見える時を…楽しみにしている》
そう言い残して、ハクメンは高知へと向かった。
以上、筆者の趣味と妄想が爆発した結果によって誕生した、スサノオユニット憑鎧若葉ちゃん、ないしワカメンちゃん回でした。
最初はなんとか抑えられたんですけど、偶然ハクメンの別カラーリングに多分ギルティギアのカイ・キスクカラーバージョンがあって、それを見たら、あれ?これ若葉ちゃんっぽくね?……良し。みたいなノリで書いてしまいました。因みに続かない。(要望が多ければ書かないとは言ってない)
話にも出ましたがこの若葉ちゃんは簡単に言うとのわゆ最悪のバッドエンド(若葉以外の勇者全員とひなた死亡)を辿り、わすゆ本編前に天の神を相討ちで倒した若葉ちゃんルートです。原作暗黒大戦時の強さでまさかの刻殺習得です。そりゃつえーわ。なお、花結いではこの2割。
技の緋那汰は要は原作ゲームの椿祈のことです。この二人、嫁の名前を必殺ワザに使っているのでそこから拝借。
次回こそ本編。それではまた。