蒼の男は死神である   作:勝石

22 / 133
どうも勝石です。

昇段ガチャを回したら結城友奈の新しいSSRを手に入れたぜ。やったー。でも、そろそろ紫SSRをお願い出来ますかね、神樹様…

さて今回もカオス回。タイトルからも分かるようにゆゆゆいとブレイブルー のあのシナリオを合体させました。それではどうぞ


花結いの確率事象4.魂と躰のリンク

「ターマ…じゃなくて、まーた本を読んでいるのか」

「もう、ハマっち先輩。邪魔しないでよ」

「思い切り引っかかってるじゃないか。それで、何の本を読んでるんだ?」

「これはね。2人の男の子と女の子が身体を入れ替えられてしまう本だよ。そして最後にはドキドキの展開が待っていて…」

「あんずは本当に恋愛小説が好きだなぁ」

 

勇者部の部室で伊予島杏と土居球子が先ほど杏の読んでいた小説の内容について話していた。

 

「それでさ、あんずなら誰と入れ替わりたいんだ?」

「私だったら…タマっち先輩かな。いつも元気だから野山を駆け回ってみたいんだ」

「そっかー…待てよ。てことは、だ。あんずがタマと入れ替わるってことは、タマはあんずの身体の中に入るってことだよな?」

「そうだね。それがどうしたの?」

「つまり、あの夢にまで見た禁断の果実が我がボディーに!!」

「何を言ってるの!!?タマっち先輩の変質者!!」

「まあまあ、例えばの話だろ?叶わない妄想ぐらい良いじゃないか?」

「それがそうでもないんだな〜」

「うおっ!?って園子か!驚かすなよ!!」

 

2人の会話を聞いていた乃木園子(中)が話に割って入ってきた。重度のソノコストと化している杏はその訳を食い気味で聞いてきた。

 

「そ、園子先生!!それはどういうことですか!?この小説のようなロマンチックなシチュエーションを体験出来る手段があるんですか!?」

「ロマンチックかは入れ替わった人の努力次第だけど〜入れ替わりなら出来る人は知ってるよ〜」

「本当かよ!?どいつなんだ!?」

「ちょっと待っててね〜。今連絡してみるから〜」

 

園子はそう言って誰かに電話をかけた後、短い会話を交わしてすぐに切った。そして杏たちの方を向いて親指を立てる。バッチリコンタクトを取って許可も貰ったようだ。

 

舞い上がる杏と一緒に球子は一抹の不安を抱えながらも素直に入れ替えが体験出来ることを喜んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全く…こんな下らないことで私を呼ぶな、園子」

「どうしてもココちゃんの力が必要なんよ〜。実験のデータは取って良いからお願いを聞いて〜」

 

3人がやってきたのはこの世界に来てから科学部の一角を占領し、根城にしている綾月九重のラボだった。

 

馬鹿馬鹿しいとは少し思っているものの、園子たちが振った話題にタイムリーな案件について困っていたから、仕方なく彼女の頼みを引き受けたのだ。

 

「はあ…まあ良い。丁度テスト運用をしたい『ブツ』があってな。お前たちにはその被験者になってもらう」

 

彼女がチャップスで後ろに置いてある機械を指し示す。球子がその詳細について質問した。

 

「なあ九重。そもそもこれは一体なんなんだ?中に豆電球が一つあるだけのでっかい檻みたいだけどさ」

「よくぞ聞いた。これはな、人間の魂を移し替える装置だ」

「ホントか!!?これをお前が作ったかよ!!?」

「私を侮って貰っては困るぞ、土居球子。この天才科学者、九重博士に不可能はない」

「それでは…上手くいけば、この小説みたいに2人の人間が身体と魂を入れ替えることも!?」

「当然出来る」

 

九重の力強い言葉を聞いて杏は歓喜に湧き上がる。球子も未知の体験が出来ると聞いてワクワクしているようだ。

 

「それで、お前たちが入れ替わるのか?だったら入れ。すぐに準備を進める」

「すごいな〜…因みに念のために聞きますけど、だ、大丈夫ですよね?安全性は確認されてますよね?」

「これから安全性を確かめるんだ。勇者なら余程でなければ死にはしないだろう?」

「責めてそこは大丈夫だと言ってくださいよ!!?」

 

九重の割と横暴な態度に若干の弱音を杏が吐いていると九重は溜息を吐きながら別の操作を始めた。

 

「注文の多い勇者様だな…分かった。安全性が分かれば良いんだろ?ならば今見せてやる」

「いや、誰も入ってないのにどうやって証明するんだ?」

「こちらから事象干渉を行なって好きな組み合わせをこいつの中にぶち込む。そこから問答無用で実験開始だ」

「あの、その巻き込まれた人たちに拒否権は?」

「ない」

「そんなー!!?」

「何を言っている。もうお前たちだって立派な協力者だからな。はい、ポチッとな」

 

杏の制止を聞かずに九重がスイッチを押すと電子音と赤い光が発生した。光が晴れるとそこにはラグナと刃が立っていた。

 

「ぐおっ!?いきなりなんだ!?俺はさっき、チカゲの訓練に付き合ってたはずなんだが…」

「ハッ!!?どういうことだ…先ほど僕は、椿姫と一緒に生徒会からの依頼で書類の整理を…」

「ら、ラグナさんに刃さん!!?」

「な、なあ九重。これは組み合わせを変えた方が…」

「何言ってるの、タマ坊?二人なら大丈夫だよ〜」

「分かってるじゃないか園子。この二人なら簡単にはくたばらない。初運転には丁度良い被験体だ」

「おい、テメェココノエか!!てなんでアンズにタマコにソノコまで!!?」

「おい、九重!!貴様ら、何を企んでいる!!」

「これからお前たちは世紀の実験の貴重な被験者になるんだ。科学の発展の礎となることを喜べ」

「おいふざけ「起動」『アーーッ!!?』

「ラグナさーーーん!!!?」

「刃ーーーー!!?」

 

ラグナが何かを言い終える前に九重がマシンを起動させると突然檻の中で眩い光が発生。引き込まれた二人の身体は一旦合体し、その後再び別れた。これで入れ替わりは完了のようだ。

 

しばらく気を失っていたが、目覚めると両者は立ち上がる。最初に様子がおかしいことに気づいたのは刃だった。

 

「う…何だったんだ…今のは…て、はっ!!?おい、何だこりゃあ!!!?」

 

刃は自分の手や身体を見ると突然品の無い大声で叫び出した。対するラグナは恍惚な表情を浮かべながら全身をペタペタ触り出した。

 

「こ、これは…兄さんの身体ぁぁ!!!クンカクンカ…」

「ジーーン!!!人の身体の匂いを嗅いでんじゃねえ!!!」

 

大慌てで刃は自分の身体を嗅ぎ続けるラグナを止めようとする。二人の変貌に面食らった杏と球子を他所に九重は冷静に計測器を確認していた。

 

「…81%か。兄弟にしては何だか中途半端だな」

「ジンジンは良くてもラッくんはそうじゃないからね〜」

「そんなことを言っている場合か!!?ラグナと刃がおかしくなったぞ!?」

「別におかしくはなっていない。身体が入れ替わったんだ」

「こ、ここまでギャップがあるんですね…特にラグナさん」

「ジンジンからすれば天国だけどラッくんの心は寒さゴワゴワーッだよ〜」

「さあ、安全性は確かめられたぞ?これでも疑うか?」

 

杏は少し悩んだが、自分の安全と身を焦がす好奇心や小説の状況をリアルに体験出来るチャンスを天秤にかけるとすぐに答えを出した。

 

「…やります」

「あんず!!?本当にやるのか!!?」

「だってやってみたいもん!!タマっち先輩はどうするの?」

「そ、そりゃあやり…たい」

「 なら、セッティングするぞ。少し酔うかもしれんが我慢しろ」

 

九重がそういうや否や、二人は直ぐに檻の中へ転移させられた。それを見た刃は驚いていた。

 

「おいテメェら正気か!!?ココノエの実験に付き合ってたら命がいくつあっても足りねえぞ!!!」

「良いんです、ラグナさん!!私たちが自分から志願したんですから!!」

「タマもやるぞ!!流石に男子を杏の身体の中に入れられないからな!!」

「それじゃあ始めるよ〜」

「お願いします!!」

「ポチッとな」

 

九重が再びボタンを押すとやはりラグナたちの時と同じようなエフェクトが発生し、入れ替えが終わった。二人が起き上がるとやはり似たような反応が返ってきた。

 

「お、おお!!!本当に、本当にタマっち先輩の身体に入ってる!!!」

「あんずの身体だぞ!!ヒャッハー!!!神ボディーゲットだぜ!!」

「こらタマっち先輩!!何してるの!!」

 

球子が自分の胸を揉みしだこうとしている杏の両手を掴んで止めた。しかし勢いが良すぎたせいで球子は杏の上にのしかかるように二人は倒れた。

 

その時に初めて自分たちの身体の変化に彼女たちは自覚した。

 

「あれ…私ってこんなに力強かったっけ?」

「おかしいぞ…タマがあんずに組み伏せられてるなんて!?」

「当たり前だ。身体能力は入っている肉体に依存するからな。因みに数値は…ほう、78%か。血の繋がりもない人間同士としては上出来か?」

「おおーー!!これは!!普段は大人しくてか弱いあんずんがタマ坊を強引に押さえてる図面だー!!良いよー!!ビュービューいってるよー!!!」

「何でも良いから誰か早くジンを止めろー!!!」

「兄さんの身体ぁ!!!ハァッ!!!」

「そうだな。いい加減気持ち悪いから入れ替えるか。伊予島杏とラグナの身体で」

『え?』

 

二人が気づく前に既に設定を終わらせた九重はボタンを押して入れ替えをまたしても開始した。最初に立ち上がったのはラグナだった。

 

「あいててて…あり!?タマがデカイ!!デカイぞ!!もしかして今タマはラグナの身体の中か!!」

「て、テメェタマコか!!いや、そんなことはどうでもいい!!」

「見ろよあんずー!!タマは今日から夢の高身長だー!!」

「待てタマコ!!今アンズの身体に近づくんじゃねえ!!」

「え?どういうことだよー?」

「た、タマっち先輩。私が押さえてる内に逃げた方が…」

「え?何でだ?」

 

状況がイマイチピンと来てない様子のラグナだが、すぐにそれを理解することになった。上に乗っている球子を突き飛ばすと、杏も立ち上がる。

 

そこにあったのは鬼の形相で自分を睨む彼女の姿だった。本来の杏では絶対に出てこない表情だ。ラグナが恐らく人生で初めてここまで杏に恐怖を覚えていると、彼女は低い声で恨み節を吐いてきた。

 

「チッ……せっかく兄さんの身体を手に入れたというのに…どうして貴様は邪魔をするんだぁ!!!!」

「いや、待てよあん…じゃなくて刃。ほら、話せば分かるって」

「もうダメだね…殺すしかない……兄さんの身体を他の人に渡すくらいなら…殺した方がマシだぁ!!!」

「ひっ!!?」

「兄さぁん…僕に殺されよう…そして一緒に死のうぉぉぉぉ!!!」

「ぎゃあぁぁぁぁぁ!!!!よりにもよってあんずの顔と声でそれを言うなぁぁぁぁぁ!!!!」

「お、今の台詞。少しラグナっぽかったな」

「兄さぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!」

「余計な油を火に投じるなよぉぉぁぁぁぁぁ!!!」

「ジンジンは炎じゃなくて氷使いだよ〜?」

「どうでも良いわぁぁぁぁぁ!!!」

 

最悪のタイミングでラグナと入れ替わってしまった球子。これまで見たことないほど狂った杏に追いかけられてラグナはヒーヒー言っていた。

 

「くっ!こうなったら戦うしか!済まん、あんず!!」

「貴様、手間取らせるな!!!」

 

ラグナは腰の大剣で杏を追い払う。彼女も寸でのところで躱して後ろへ距離を取る。自分の身体にあんな動きが出来たのかと感心している球子だった。

 

「おい、別にタマのせいじゃないだろ!!?殺す必要なんてないじゃないか!!」

「兄さんの身体に僕以外の人間が、まして女が入っている時点で万死に値するんだ!!」

「無茶苦茶だ!!?」

「来い、ユキアネサ!!!」

 

杏が事象兵器を呼び出そうとするが何も返ってこなかった。違う身体に入ったことが原因でどうやら普段の得物が使えないらしい」

 

「よ、良かった…でも、これで分かっただろ!!お前じゃあ今のタマには勝てないんだ!!」

「おのれ……いや、待て。おい九重。確か伊予島杏が持つ精霊は…『雪女郎』だったな?」

「……それは知らん。だが聞いたことはある」

「……フハハハハハハ!!!」

「な、なんだよ、ジン?」

「見せてあげるよ…兄さぁん。僕の本気をね!!!」

 

突如杏の周りに力が集まると彼女は目を見開きながら叫んだ。

 

「来い、『雪女郎(ゆきじょろう)』!!!」

 

彼女の周りに凄まじい冷気と暴風が吹き荒れる。杏を囲う吹雪が晴れると、そこには厚着の白装束に身を包んだ杏が現れた。

 

武器のクロスボウは無いがその凶悪な笑顔だけでも戦ったらシャレでは済まないことは明らかだった。

 

「ちょっと待て!!それはあんずの切り札だろ!!?なんでお前が使えるんだ!!?」

「僕のユキアネサに宿っている精霊も雪女郎さ!!同じ精霊ならば使うのに造作も無い!!」

「しかもドライブまで氷関連だからな。精霊の能力を使いこなせる意味では伊予島杏よりも長けているぞ」

「いや、私の身体ですけど!!?精霊の悪影響とかは!!?」

「秩序の力を持つ僕に精霊の干渉など受けるか!!!」

「そもそも最初っからジンジンはぶっ飛んでるし〜」

「そんなので罷り通ってタマるかぁぁぁ!!!?」

「さあ…終わりだよ……兄さぁん!!!」

 

杏はイイ笑顔を浮かべながら室内に無数の氷の刃を出現させてラグナに突貫した。当然こんな滅茶苦茶な奴の相手なんかしていられるかとラグナは逃亡する。

 

「凍てつけ!!!」

「ぎえぇぇ!!?さぶいぃぃぃ!!!」

 

しかし逃げようにも彼の足が瞬時に凍りつき、身動きが取れなくなった。これにはラグナもお手上げで杏の攻撃を剣で受け止めるしかなかった。

 

「これもある意味ドキドキなシチュエーションだね〜」

「そんな命がけのドキドキはいらねえ!!!くそっ!!このままだとタマコがやべえ!!」

「ど、どうしましょう、ラグナさん!!!」

「こうなったら…おいココノエ!!今すぐジンを他のやつに移せ!!」

「このままでは死人が出てしまいそうだからな…よし。一度伊予島杏を元の身体へ移そう」

 

このままでは血傷沙汰になるので九重は杏と球子の入れ替えを再度行った。切り札を発動している状態の肉体に戻ったせいか、杏はどっと疲れが出始め、球子は怒りのままに立ち上がる。

 

「くう…またこれか!」

「ったく…テメェは毎度毎度暴走すんじゃねえよ…ってアンズ?どうした?」

 

切り札を解き、眉がヒクヒク動いている杏に刃が気づくと杏は怒りを爆発させながら球子の方へ向かっていった。

 

「刃さん!!!お兄さんが大好きなのは良く知っていますし、それに関しては私も止めません!!!でも限度というものがあるでしょ!!!少しそこで大人しく反省しなさい!!!!」

「な、何故僕が貴様の命令を「返事ははい!!!!」はい……」

 

杏の本気の怒りを買ってしまった球子は言い返す間も無く従わざるを得なかった。この光景を全く予想していなかった刃と園子は思わず感心した。

 

「……まさかジンを黙らせることのできる奴が俺やツバキ以外にいたとはな…」

「あんずんも言うべき時は言えるんだね〜」

「…90%か。それなりに高いな。やはり同じ精霊と縁があるからか」

「タマっち先輩、もう大丈夫だよ」

「女神だ…今タマの目にはあんずが女神のように映ってるぞ…」

「もう…大袈裟なんだから…」

 

ラグナが杏をメシアか何かと勘違いしていると、九重は次の実験の準備を進めていた。

 

「さて、次は…もう少し大人しい反応を見てみるか。例えばそうだな…乃木若葉と乃木園子ならどうだ?同じ血統がどこまで親和しているのかも見てみたいものだ」

「おお、良いね〜!!若ちゃんと私か〜。でもどっちにするの?そのっち?それとも私〜?」

「無論ここにいるお前とだ。それでは行くぞ」

「今ので少しは躊躇えよ!!?」

「科学の進歩のためには多少の冒険も必要だ」

 

そう言って九重が中学生園子と若葉に合わせてセッティングすると、虚空から若葉と園子が出現。それとほぼ同時に入れ替えを開始した。

 

「ん!?こk」

「ワカバぁぁぁぁ!!?」

 

若葉からすれば何が起こっているのかがわかる間も無く変わっているからとんでもないとばっちりである。

 

「う、うぅ。一体さっきのは…てなぁぁぁぁ!!?」

「おぉぉぉぉぉぉぉ!!すごいよ〜!!若ちゃんの中だよー!!」

「園子ぉぉぉぉぉぉぉ!!!!なんてことをしてくれるんだぁぁぁ!!!せっかくひなたに耳掃除をしてもらっていたのにぃぃぃぃ!!!」

「それは…タイミングが悪かったな…」

 

それはまたご愁傷様なことで。どうも若葉はひなたに耳掃除されている途中でこちらへ連れていかれたようだ。

 

「ふむ、94%か。同じ血統で更に精霊も天狗を使っている分、相性が良いみたいだ」

「つーかこれ、ヒナタの方も相当困り果ててんじゃねえのか?」

「言われてみればそうですね…今頃学校中をひっくり返している勢いで若葉さんを探してるかも…」

「そうか、それは申し訳ないことをしたな。なら会わせてやろう。えーと、上里ひなたと上里沙耶…と」

「ココノエ!!?テメェ何さり気なく人の妹まで巻き込んでんだ!!?」

 

実験に夢中になっている九重を止めるのは至難の業である。敢え無く連れて来られたひなたと沙耶はそのまま入れ替えが始まってしまった。

 

「おや?これはまた…奇妙なことに巻き込まれてしまいましたね」

「あれ!?ここどこ!!?というか私、いつのまにか色々成長してる!?やったーー!!もう誰にもペッタンなんて言わせない!!」

「一人喜んでますね…」

「サヤ…気にはしてたんだな…」

 

コロンビアのポーズではしゃぎ回るひなた。それに対して困惑している沙耶に園子が話しかける。

 

「ひなた無事か!!?混乱するとは思うが私だ、若葉なんだ!!信じてくれ!!」

「ええ、分かりますよ。若葉ちゃん」

「そうか…ありがとう…それにしてもお前は沙耶と入れ替わってしまったようだが、平気か?」

「問題ありませんよ。寧ろこちらの方がとても身軽に感じます。元の身体ではあまり運動が得意ではありませんから少し新鮮ですね」

「そうか…まああっちもあっちで嬉しそうだが…」

「見てください、兄さま!!私、もうまな板じゃないですよ!!」

「お、おう…良かったな、サヤ」

 

何だかんだ自分も最愛の兄を間違えずに話しかけるひなた。彼女の言葉に刃はどう返すべきか分からずに生返事をするしかなかった。

 

「こちらは69%…養子だとあまりシンクロ率は高くならないようだ…」

「もうここまでにした方が良いのでは…」

「待て。最後に試してみたい奴がいる。『国土亜耶(こくど あや)』と結城峡真だ」

「いやどう考えてもその二人に関しては相性が最悪だと思うが…」

「やってみるまで分からない。それではポチッとな」

 

九重がボタンをまた押すと今度はクリーム色のロングヘアーをした可愛らしい女子、国土亜耶と黒スーツを着た怪しい長身男の峡真が出現した。

 

「あれ?いつの間に私、ここに来たのでしょうか?」

「はて?(わたくし)、何故このような寂れた場所に…てゴハァッ!!?」

「おいなんだ!!?ハザマの野郎が急に苦しみ出したぞ!!?」

 

檻の中へ放り込まれてすぐ峡真は蹲りながら地面を転がっていた。かなり苦しそうで立つのも難しいようだ。

 

「て、テメークソ猫ぉ…良くもそのクソ巫女にいる場所へ俺様を連れ込みやがったnゲボラーーッ!!!?」

「罵倒すら疲労困憊じゃねえか!!」

「いい気味だな」

「あ、あの!?どなたかお医者さんを呼んでいただけますか!!?」

「キャンキャン喚くなメスガキ!!ぶっ殺すぞゴrゴボボボ!!!?」

「結城峡真〜。あっちでの借りは返しますね〜」

「ぐあぁぁぁぁ!!?寄るなぁ!!!気持ち悪くなるだろうがぁ!!あ、ヤベ。吐きそ…」

「だったら亜耶ちゃんへの口の聞き方を改めて下さいね〜」

「ふざけんじゃねえ、誰がテメーを「えい♪」ぁぁぁ!!?」

 

のたうち回る峡真の姿を見ながらひなたは愉悦に満ちた顔で見下ろしていた。

 

その後、この状態で入れ替えたら亜耶に悪影響が出ると判断した九重が峡真を元の場所へ送り返すと実験はそのまま終了した。

 

当の九重はデータが録れてご満悦の様子だったが、翌朝になるまで入れ替え組はそのままの状態になっていた。




ハザマさん、とうとう今までのツケが回ってきたね…

というわけで今回は両作の入れ替え回の話でした。分かりにくいかもしれませんがセリフは中身、地の文では外見の方でお願いします。

次回はそろそろ本編にするかな?それではまた
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。