自分で書いておいてなんだけど下手したら結城友奈の章が勇者の章よりも絶望度が高くなりそうで怖い。主にハザマのせい。ここまでエグイ悪役を入れるだけでここまでプロット変わるんだなって驚愕してます。
さーて、とうとう化けの皮、いや蛇の皮を剥がしたハザマ大尉が襲来。BGM「Nightmare Fiction」がガンガンかかってる中、テイガーを苦なく倒した彼をラグナたちは倒せるのか!?
ちなみにですがここからハザマ大尉の本調子が出ます。つまり物凄い罵詈雑言、ヘイトじみた台詞が出ます。ご注意ください。
それではどうぞ
The wheel of fate is turning…Rebel…1…Action!!!
「…テメェら。下がってろ」
「ラ、ラグナ君!?伯父さんとは!!」
「ユウナ。悪ぃがあっちは少なくても穏やかに終わらせるつもりはなさそうだぜ」
「おおっ。随分と勇ましいじゃないですか、ラグナ君。女の子の前でカッコつけたくなったんですか~?」
バタフライナイフをクルクル弄ぶ峡真にラグナは勇者たちを庇うように前に立つ。友奈は家族である峡真との衝突を避けたがっているが、峡真から殺気は消えない。しかも後ろに倒れているテイガーが彼の本性の全てを物語っている。
「友奈。ここから逃げるわよ」
「夏凜ちゃん?」
勇者の中で最も冷静な夏凜は友奈の腕を引っ張って峡真から遠ざかろうとした。部の中でも唯一戦闘訓練を受けていた夏凜にはすぐに分かった。目の前の男は危険な存在だ。
「いい、友奈。アンタには悪いけどアンタの伯父さん、まともな神経をした人間じゃないわよ。あんな状態の風を平然とあそこまで笑える人間なんて…真っ当な訳がない」
「あれ~?それもしかして私のことですか~?本当に口が悪いですね~、三好家の『ゴミ』は」
「ッ!!!樹!!!風をお願い!!!」
(コクリ!)
「あらら、逃げるんですか。まあ、そちらの犬は構いませんが…友奈さんを連れていかれては困りますね~」
愉快な笑顔を浮かべる峡真は手を振ると彼の目の前の空間に穴が生じた。そこから碧の炎を纏った金属の蛇が飛び出し、友奈に食らいつかんと直行する。しかしそれはラグナによって叩き落とされた。軌道を変えられた蛇は峡真のもとへ帰っていき、彼の周囲でとぐろを巻いた。
「テメェ…それは!!!」
「ちょっと待ちなさいよ…なんでアンタが!!!」
「ああ、そういえば言ってませんでしたね~。この前、大赦の保管庫から拝借したんです。どうも私とは相性がいいようで、今はこうして使わせていただいていますよ」
峡真はそう言った後、蛇を今度は空中に飛ばした。蛇が空間に止まると峡真を空へと引き上げる。引き上げられた後に峡真が再び蛇を飛ばすと今度は夏凜の近くに向かい、峡真を高速で連れて行った。
「はやっ!!?」
「さーて、ゴミはゴミらしく、とっとと消えてくださいね~」
夏凜の懐に現れた直後、峡真は一度身体を大きく捻って、彼女を一切の容赦なく蹴り上げた。
「『
「ゲホッ!!!?」
『夏凜(ちゃん)!!!!』
「カリン!!!!」
蹴り飛ばされた夏凜は大きく宙を舞い、そのまま落下していった。何とか精霊が守ってくれはしたものの、衝撃までは殺しきれなかったようだ。そこへ蛇を使って峡真が追いつく。取り出したもう一つのバタフライナイフでしつこく夏凜を切り刻もうとした。それでも無事なのはやはり精霊が守ってくれているからだろう。
「まーた精霊ですか~。『あの娘』が残した御守りは随分と面倒ですね~。ならこれはどうです?」
そういって峡真は踵落としを決めて夏凜を地面に叩きつけた。
「『
「きゃああ!!!」
叩きつけられた夏凜は何とか起き上がろうとするが着地した峡真はそんな彼女を逃がさない。夏凜の頭を思いっきり足蹴にして彼女を押さえつける。
「ええーーー!!?これが噂に聞いた大赦に選ばれた勇者ってやつの実力ですかーーー!!?すみませ~ん、あまりにも『弱すぎて』気づきませんでしたよ~」
「う…ぐ…!!」
「いや~惨めなものですね。優秀すぎる兄といつも比べられるのが嫌で自分を『使い捨ての駒』としか見ていない組織のために頑張っちゃうとはなんて健気な子でしょう。私も…面白おかしさのあまりに涙が出そうですよ!!!ケヒヒヒヒヒ!!!」
「ハザマぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「もうやめてぇぇぇぇぇぇ!!!!」
怒りを爆発させたラグナと夏凜を助けたい一心の友奈は峡真に飛び掛かる。峡真はすぐさま蛇に後ろへ連れていかれて二人の攻撃を回避した。ラグナは右手を翳し出した。
「ラグナ!?ここで蒼の魔道書を使ったら!!!」
「フウ、こいつに手加減なんかしてられねー!!テメェも見ただろ!!?あれは『アークエネミー』だ!!!」
「ヒュー、流石はラグナ君!!初めて見たのにこの『
「黙りやがれ!!!ユウナ、すぐにカリンを連れて、大赦へ逃げろ!!!そこでソノコに事情を話せば匿ってくれるはずだ!!!」
「わ、分かった!!!」
「ぐ…ごめん、ラグナ…」
「気にすんな、後は任せろ!!!」
友奈は夏凜を抱えてすぐに風たちと合流した。ラグナと対峙する峡真の口からは更なる悪態が飛び出てきた。
「乃木園子さん…ああ、あの生意気で頭がお花畑の娘ですか。せっかく蒼や蒼の魔道書についての情報が得られると思ったのに追い返されちゃったんですよね~。あの娘も泣かしてあげるべきだったんでしょうか?」
「…テメェはぜってぇ許さねぇ!!!!!」
ラグナは右手に力を込める。グローブの装置へ樹海と同様、瘴気が集まっていき、蒼い方陣も展開された。
「第666拘束機関開放!!!次元干渉虚数方陣展開!!!
瞬間、ラグナの周りに蒼い光が広がり、風が周辺を吹き飛ばす。峡真の帽子も吹き飛ばされてしまった。しかし、そんな状況に置かれても彼は邪悪に笑っていた。
「うおおおおッ!!!これはこれは!!文献にあった最強の魔道書、
「そのきたねー口閉じやがれ!!!今まではユウナがテメェを家族だっつてたから我慢してきたが、もうやめだ!!!ここでぶっ飛ばす!!!」
「私を?ぶっ飛ばす?貴方が?…ナマ言ってくれるじゃーねーかよ、『クソガキ』」
一瞬だった。場の空気が完全に凍り付いた。得体のしれない何かをそこにいる全員は感じた。直接対峙しているラグナはもちろん、彼のこんな一面を一度も見たことがない友奈。それまでバーテックスとの戦闘しか体験せず、人間の殺意は刃くらいしか知らない他の勇者たち。それを遠目で見ているテイガーと通信越しから二人のやり取りを聞いている銀と九重すらだ。
峡真はその後も細い目からこちらを覗く黄色い瞳でこちらを愉快そうに睨む。
「テメーみてーなジャリンコがこの『俺様』をぶっ飛ばすってか…それをマジで言ってんなら、テメーにゃギャグのセンスがあるぜェ、ラグナくーん!!!」
「何がおかしい!!?」
「おいおい、それ本気で言ってるやつ!!?テメーの魔道書がどれだけ危険なもんか、大赦にいる俺様が知らねーわけねーだろーがよォ!!!?」
「そのためのアークエネミーだろうが!!悪いがここから先は行かせねー!!!」
「だ~か~ら~、ウロボロスは目的遂行のための道具だよ。こいつ一つでその魔道書に勝てる戦闘能力が得られンだったらだ~れも苦労しねーっての」
峡真はラグナを小馬鹿にするような口調で彼の推測を否定してくる。ラグナはますます分からなくなった。峡真は性格こそあの頃並に最低だが確かに人間だ。その彼がどんな手段を持っているというのか。
(確かにあっちとこっちとではかなり立場に類似点はあったけどそれでも違いはあった…いや、まさか!!!?)
ラグナは気づいた。気づいてしまった。そう、最初の多くのこっちの住民はあっちの者たちと類似点は多くあれど、違いはあった。そして今回は最も当てはまりたくなかった類似点だ。そしてそれを確信させる一言を峡真は口にする。
「まあ、でもテメーには感謝してるぜ~。何せあの時に俺様の計画には直接関係はねーが、かな~り便利なことを聞けたからな~」
「はぁ!!?いつ俺がンなことをテメェに!!!」
「覚えてね~の~?オラ、初めて会った時だよ」
「…嘘だろ!!!!!?」
「おお!!!焦った?今焦ったよな!!?これはやっちまったねー、ラグナ君!!!…えっと、確かこうだっけか?」
峡真は勝ち誇った顔をした後に両手を前方に出すと『碧色』の方陣を展開させる。それを見てラグナの身体中が震え上がる。体中が危険信号を鳴らしてくる。逃げろ。今のお前ではこいつに勝てない。峡真はついに悪夢を呼び出す呪詛を詠みだす。
「『
峡真が気怠そうにその呪詛を口にした瞬間、彼の躰に瘴気が集まっていく。勇者たちもテイガーもモニターで見る第七機関の二人もこれには驚愕した。今、目の前の緑はあるはずのないものを使おうとしてるのだ。
『なんだ、この数値は!!!?おいテイガー!!!何が起こっている!!?』
『九重さん、アタシが行きます!!!このままじゃあみんなが危ない!!!』
「済まない…二人とも。どうやら機関の大半が…損傷してしまったようだ…転送は出来ない」
「ちょっと…あれって…!!」
「まさか…あいつ『も』!!!?」
「伯父さんが…魔道書を…!?」
慌てるもの。助けに向かうもの。仰天するもの。叫ぶもの。それら全てを無視して峡真は続ける。
「『
碧色の方陣は広がり、大赦付近に地震が発生する。ラグナはアラマサを下げないが、冷や汗が全身から噴き出ている。
「何でだ…何でテメェが…テメェがそれを持っているんだ!!!テメェはあの時に持ってなかったはずなのに!!!」
「テメーにいい言葉を教えてやるよ。必要は発明の母だってな。テメーの話じゃあ俺様は持ってなきゃいけねーらしいから、テメーのために『造ってやったんだよ』ォ…こいつをォぉぉ!!!!」
「クソがッ!!!!」
「だからテメーらにも見せてやるよォ…『
力はどんどん峡真の方へと集まっていく。そして峡真はついにそれを機動させる。
「『コード=
峡真の咆哮と共に碧い光が周囲に広がり、凄まじい爆風が発生した。周囲の人間は思わず腕で顔を守る。気が付くとそこに立っていた峡真はそれまでの柔和な優男ではなかった。細目は開かれており、髪も大きく逆立っている。大きく裂かれたような笑みからは鋭い殺意がこちらを容赦なく突き刺してくる。力を完全に開放した峡真は狂笑しながらラグナに迫る。
「さぁ、身体の穴から穴までクソと血反吐ォぶちまけながらくたばりやがれェ!!!!!!ラーーグーナくーーーーん!!!ケヒヒヒヒヒ…ヒャハハハハハハハ…ヒャーーッハーッハッハッハッハー!!!!!!!!」
「チクショーー!!!!」
ラグナは自身の身体に発破を掛けると峡真に突進し、ヘルズファングを放った。しかしあの黒い炎は現れることはなく、ただのストレートパンチは峡真に受け止められ、逆にラグナの腕が強く捻られた。
「ぐあぁッ!!!」
「あれぇ~?どうしちゃったのかな~、ラグナ君?俺様をぶっ飛ばすんじゃねーのかよォ?」
「く…くそ…!!」
「飛んでいきな、『
峡真が苦しむラグナを嘲笑いながら彼を一度放り投げてから更にウロボロスで彼を掴み、地面に叩きつけた。
「ヒャッハー!!!オラ死ねやァー!!!『
「うああぁぁ!!!」
倒れ臥すラグナは全身がボロボロだった。普段なら魔道書の力で自分が負った傷は回復していくはずなのだが、今回は全くその兆候が見られない。
「どうしてよ!?あいつの魔道書なら身体の傷が治るんでしょ!?」
「オイオイ、そこのゴミ!俺様が対策無しで来るわけねーだろうが、ブァーカー!!!」
「どういうことなの!?」
「いいか?こいつの魔道書と戦うのに正面からヤリ合おうなんざするわけねーだろ?だからよ、こいつが蒼の力を使えねーように特殊な場を発生させるよう、俺様の魔道書を造ったってわけ!!!うわー、俺様超天才!!!」
峡真は夏凜を嘲笑している間にラグナは再び立ち上がった。しかし、ほとんどフラフラで足もおぼつかない様子だ。
「ハ…ザ…マ…!!」
「チッ、まだ生きてたのかよ。いい加減ぶっ殺されてくれねーかなァ?」
「テメェだけは…テメェだけはここで…倒す!!!」
「ヒャッハー!!!そのナリで何が出来んだよ!!?テメェも分かってんだろ!?どう転んだってこの俺様に勝てやしねーってことをなァ!!!」
「それでも…やってやらぁ!!!」
ラグナは自身の大剣を握って峡真に切り掛かり、峡真はそれをウロボロスで受け止める。ウロボロスが峡真の周りで展開されているため、ラグナの攻撃は中々峡真に当たらない。
しかし、蒼の魔道書が使えない今、ラグナは峡真から距離を取ることは出来ない。仮に離れてしまった場合、劣勢になるのは飛び道具がない自分の方だ。
だがそんな中、突如峡真の頭上から3本もの刀が降ってきた。すかさずウロボロスでそれをガードする峡真だったがその隙が命取りだった。気づけば峡真の身体は緑色のワイヤーで雁字搦めになっており、身動きが取れなくなっていた。
峡真は辺りを見渡す。するとそこには自分を睨む樹と夏凜がいた。樹はラグナの方を見て頷くと、ラグナもそれに応じて己の大技を峡真に叩き込む。
「カーネージシザー!!!!」
「あばばばばっ!!!?」
峡真が吹き飛ばされると、そこへ上空へ飛び上がった友奈が辛そう表情をしながらも彼に渾身のパンチで地面にめり込ませる。
「ごめんね伯父さん…勇者パーンチ!!!!」
「うぐぉおあぁぁぁ!!!!?」
地面にクレーターを作った峡真は血を吐きながら立ちあがる。自分の攻撃が人を傷つけることになって友奈は悲しそうにしながらも峡真に懇願する。
「もうやめて、伯父さん…どうしてこんな酷いことをするの!?」
「ケヒヒヒ…そうそう…この感じだよ…この纏わりつくような不快な感じ…『今』の俺様には特によく聞くぜェ!!」
「テメェ!!!訳の分からねーことを言ってんじゃねーぞ!!!」
「だからよォ…テメーの『力』は利用価値があんだよなぁ!!!!!」
そう叫んだ峡真は蛇のような瘴気で樹のワイヤーを断ち切り、自由の身になった。ウロボロスが出される前にラグナはアラマサを大鎌に変えて切り掛かる。峡真もバタフライナイフと瘴気を使って応戦した。そこへさらに夏凜も混ざり、2対1になった。流石の峡真もこれは分が悪いようだ。
「おい、いいのかよォ!!?勇者様が一般人をリンチするなんざとんでもねーなァ!!!」
「黙りなさい!!!魔導書もアークエネミーも持ってるアンタみたいなのが一般人を名乗ってんじゃないわよ!!」
「テメェ、ユウナの力がどうこうっつてたな!!あいつにいったい何があるってんだよ!!?」
「ちょっと勘弁してくれよー、ラグナ君!!テメー、そのメスガキとここ四か月近く一緒にいてな~んにも感じなかったのかァ?」
「アイツが勇者だってことか!!?そいつを言うなら他の連中も一緒だろ!!!」
「あ~、もうダメだわ。テメー、あの如月刃や乃木園子と過ごしてた癖に古い習慣の一つも知らねーのかァ?」
「古い習慣?」
峡真は瘴気でラグナと夏凜を追い払うと嬉々として説明をし始めた。
「この四国にはな、『西暦』の頃から様々なしきたりと文化が続いてんだよォ。テメーらに分かりやすい例で言うならァ?大赦のツートップや以前まで勇者の選定だ。まあ、後『ゴールドタワー』の隠された名前とかな。こいつはラグナ君なら少し聞いたことぐらいはあるんじゃねえの~」
「…確かに巫女から聞いたことがある。だが、それがどうした!!!!」
「実は、な。同じように四国では生まれてきたメスガキが『逆手を打ったり』すると『特別な名前』を大赦から付けられる習慣があんだよ。そしてそのクソガキには…『
「それがどうしたってんだ!!!」
「その名前は、西暦のある偉だ~いな勇者様から取ったものらしいんだわ。その勇者様の名前は…『
「タカシマ…ユウナ……『ユウナ』!!!?」
「そ、それって…」
「わ、私…?」
「その通りィ!!!!!」
その事実を聞いて峡真の目的が容易に推測してしまったラグナや驚きを隠せない勇者たちを余所に、峡真は友奈の方を指さしながら告げた。
「俺の目的は、結城友奈!!!!テメーの神殺しの力を利用して、天上で見下ろしているあの邪魔なクソ天津神どもをぶっ殺すことなんだよォ!!!!その次は神樹、そしてテメーらだ!!!!!そのために…ちょいと来てもらうぜ~。ま、過程でテメーの自我がぶっ壊れてテメーがテメーじゃなくなるかもしれねーけどなァ!!!!」
「な……なん…で…?」
「ンなもん、テメーらの恐怖と絶望に歪む顔を見るのが最ッ高に気持ちイイからに決まってんだろォ!!!ヒャーッハッハッハー!!!!」
「ンなこと、させると思ってんか!!!この蛇野郎が!!!!」
「ラグナ!!二人でこいつを畳むわよ!!!こんなやつに友奈は渡せない!!!」
「うひゃー、流石にここまで殺気立ったカスに余計な力を使いたくねーな…だから万が一の『保険』を掛けといてよかったぜェ」
「保険だと!?」
「ケヒヒヒ…きっとラグナ君も気に入ると思うぜ~」
それを聞いてからラグナたちの後ろで悲鳴が聞こえた。すると犬吠埼姉妹と他に一人がこちらに飛んでくるのが見えた。その人物とは。
「ジン!!!フウ!!!イツキ!!!」
「大尉!!!風!!!樹!!!」
「如月君!!!風先輩!!!樹ちゃん!!!」
「ヒャッハー!!!まさか本当にテメーのアニキをヤっちまったのかよォ!!!こいつは期待以上だぜェ!!!」
「いったい誰が…ッ!!!!?」
風たちがさっきまでいた場所にいたのは一人の少女だった。少女は重そうな巫女装束を着ており、その上に黒いローブと濃い紫色の羽衣を纏っている。全身を覆っているかに見える紫の髪を金色の冠でポニーテールを作り、こちらを虚ろな真紅の眼で見据える。少女は樹とほぼ変わらない年代に見えるはずなのに彼女からは圧倒的な威圧感が放たれていた。震える口からラグナは彼女の名前を呼ぶ。
「サ……ヤ……」
「嘘…あの娘が…」
「ラグナ君と…如月君の妹さん…」
「ヒャーッハーハッハッハー!!!!良かったなァ、ラグナ君!!!感動のご対面だぜェ!!!」
「どうして沙耶さんが如月君や風先輩たちを!!?」
「逃げろ…兄さん…!!」
かろうじてラグナたちに話しかけることのできた刃が警告する。
「今の沙耶は…正気じゃない!!何かをされている!!」
「あぁ?そういや一回蒼の魔道書とか蒼についての文献を探すのに騙くらかして、その後にギャーギャー騒ぐもんだから黙らせんのにウロボロスを使った」
刹那、峡真はラグナに突如攻撃される。憤怒の形相で彼に攻撃するラグナは一切攻撃の手を止めない。しかし峡真はこれを軽く捌く。
「………テメェは…」
「あ?」
「テメェは…『ぶっ殺してやる』、ハザマぁぁぁ!!!!!」
「ヒャーッハー!!!やれるもんならやってみろよ~、ラグナ君!!!」
怒号を上げながら峡真に攻撃を加えるラグナだが、それでも峡真には届かない。さしもの峡真も飽きたのか、興味なさそうにそういった。
「あーあ、流石にテメェとのお遊びはここまでだ…『
「ガッ!」
それを喰らって、ラグナは一瞬怯んだ。そこを峡真は見逃さない。
「『
「があああぁああぁあぁ!!!!!」
ウロボロスに捕らえられて身動きが出来なくなったラグナに峡真は2、3発蹴りを喰らわせ、落ちたところを何度も執拗に足蹴にする。最後の一撃は特に強く踏みつけた後、最後にはラグナを蹴り上げた後に彼の腹にキックを決める。吹き飛ばされたラグナは夏凜を巻き込んで倒れた。吹き飛んだ彼らの方へ友奈は急行した。
「夏凜ちゃん!!!ラグナ君!!!」
「テメーはこっちだよ~、『
友奈を逃がすまいと峡真は彼女の足を止め、ウロボロスで引き寄せる。抵抗できない彼女にナイフで切り裂き、最後に碧い大蛇の瘴気をぶつけた。
「手加減無しで行くぜェー!!!!」
「きゃああああ!!!!!」
碧の魔道書の力は精霊の守りすらも貫通する。激痛と衝撃にやられてしまい友奈は意識を手放してしまった。そしてそのすぐあとに壁のある方角から爆音が聞こえた。壁に穴が生じていたのだ。その様を見ていた峡真は笑いに堪えきれずに笑い声をあげる。
「ヒャーーーッハッハッハッハー!!!!あのクソ巫女勇者!!!!とうとうやりやがった!!!!やりやがったよー!!!!ヒャーッハッハー!!!!」
峡真はそう言いつつ意識のない友奈をウロボロスで運び、穴の方へと向かいながら沙耶に命令する。
「おい、クソガキ。俺は先に行くからテメーはこいつらをぶっ殺せ」
「……はい」
「ま……て……!!!」
「じゃあね~ラグナく~ん。お疲れっちゃ~す」
峡真の後ろ姿を見ることしかできないまま、ラグナは立つことが出来なかった。
やりやがったよ、こいつ…
以上ハザマ大尉大暴れの回。彼の詳しい設定はもうちょっと先になってからでますが…うん、アカン。
次回は東郷さんサイド。ただ筆者のリアルの都合上、更新が遅れると思います。すみません。
それではまた