もう原作がゆゆゆなのにブレイブルーに近い物語になりそうであああああとなってます。
さて今回で東郷さんがついに峡真と対峙してしまう回です。準備はよろしいですか?それではどうぞ
The wheel of fate is turning…Rebel…1…Action!!!
「皆…どうして…どうして分かってくれないの!?」
東郷は奮闘する勇者たちを壁の上から見ていた。壁に穴を開けてバーテックスを結界内へ誘いこんだが、誰もが世界を守るために武器を取り、戦っていた。
「もう…終わりにしようよ…これしかもう方法が…ないのよ」
先ほど戦った椿姫は樹海化した後も何故かいたため、根によって隠されている場所に置いてきた。彼女たちよりも神樹の破壊を優先したからなのか、バーテックスたちも一直線に神樹の方へと向かった。
「私たちを散々利用して…何もかもが分からなくなるまで戦わせて…終いには生贄も同然にしか見てない…そんな世界に…なんの価値があるの!!?何処に可能性が、未来があるというの!!?」
涙を流しながら東郷は泣き叫んでいた。この凶事も東郷の意志だ。もし他に方法があったなら。もし犠牲が自分一人だったなら。そうだったら彼女もこのような行動に移らなかったのかもしれない。
「私、もう嫌だよ!!大切な友達が傷ついていくのを見るのも…それを失うのも!!!!」
それが、少女の紛れもない本心だった。東郷美森は一度記憶を失っている。そしてそこには大切な思い出がたくさんあった。忘れたくない、大事な記憶もあった。それはラグナや刃を見ていると、特に強く感じた。先日会った園子と銀のときも同じ感覚に襲われた。
あの時はぼんやりとした感情しか持てず、どうしてそう感じたのかが分からない。それが今度は友奈と会うたびでも起きたらどうなるのだろう。自分のことが分からずにひたすら戦い続けるように友奈がなったらどうしよう。そんな悍ましい恐怖が東郷の心を支配した。
「でももう少し…もう少しすれば…その必要もなくなるわ…守る世界が無くなるから…世界は終わるから…」
「世界が終わる、ですか。確かにそう感じさせるほどの圧巻ですね~」
東郷が後ろを見ると、そこには帽子を被った峡真がそこにいた。この樹海で人間がいることを信じられなかったのか、東郷は彼に話しかけてきた。
「どうして峡真さんがこの樹海に!?ここは普通の人は来れないのでは!!?」
「それが不思議なんですよ~。私、ここに来れちゃったんです」
「そんなはずがありません!!ここには神樹が戦えると判断した人間しか来れない場所のはずです!!そもそも何故こんな危険な場所に!!?」
「いえね、私にもある目的を果たすためにここに来たんですよ。貴方たちの言うふざけた世界を壊すためにね」
峡真はどこか愉快そうにしていた。彼とは何度か会っている東郷もこれは怪しいと感じる。峡真はいつもの調子を続けながら話し続けた。
「それにしてもよくやってくれましたね~東郷さん。おかげで…全ての準備が整いました」
「準備…ですか?」
「はい。ほら友奈さん、見てください。貴女が会いたがっていた東郷さんですよ」
「ッ!!!?友奈ちゃん!!!!」
そう言って峡真が連れてきた友奈はボロボロにされており、ウロボロスに縛られた状態だった。その光景を見て東郷はすぐに銃を取り出して彼に向けた。
「今すぐ友奈ちゃんを離してください!!どうしてそんなことをしているんですか!!?」
「いえいえ、これから行う計画には友奈さんの力が必要なんですよ~。ですが抵抗するものですから…ちょっとお仕置きしました」
「これのどこがお仕置きだというの!!友奈ちゃん、聞こえる!!?」
「と…東…郷…さん…」
東郷の呼びかけに対して友奈は弱々しい声を返した。東郷は改めて峡真の方を見る。彼には一分も後ろめたさを感じない。寧ろ楽しんでいるようでもあった。友奈は精一杯の声で東郷に逃げるように呼び掛けた。
「逃げ…て…東郷さん!!」
「あらら、ちょっと虫がいるみたいですね~」
峡真は友奈を踏みつけようとするが、その前に東郷が銃を撃ってきた。友奈からウロボロスを解放してすぐに銃撃を躱した峡真は東郷の方をニタニタ顔で見ていた。それに対して東郷は憤怒に満ちた顔で彼を見る。
「…良くも友奈ちゃんをこんなに苦しめてくれましたね」
「これは失敬。私としたことが、つい躾がすぎましたね~…でもあれあれ~?確か~東郷さんも世界を破壊しようとしましたよね~?私が友奈さんを痛めつけるのは許せないのに貴女が世界を壊して友奈さんを殺すことは許容するんですか~?そうでしたら何とも自分勝手なお人ですね~」
「どう…いう…こと…東…郷…さん…」
「友奈ちゃん…」
「そうなんですよ~友奈さん。このひど~い御方は貴女たちの世界を自分のために壊そうとしたんですよ~。貴女との思い出も全て裏切ってね~…」
「そ…な…嘘…だよ…ね…東郷…さん…」
「違うの…友奈ちゃん…この世界が続いたら!!」
「自分たちに不幸が押し付けられるから全員まとめて心中しましょう、ですよね~。いや~恐ろしいことを考える人ですよ~。ケヒヒヒ!!」
「黙りなさい!!!」
そういうと東郷は銃を乱射して峡真を遠ざけようとした。それに対してウロボロスの機動力で峡真は苦も無く回避していく。
「さーて、あんまりボヤボヤしているとラグナ君たちも来るかもしれませんからね~…テメーにゃあここで退場してもらうぜ~、メスガキ」
「ッえ!!!?」
そのとき、東郷は峡真の雰囲気が変わる瞬間が『
「『お前』…一体何なの…!!」
「あ~ん?何俺様に命令してんだ、このゴミがぁ!!!」
「ッ!!」
峡真の威圧感に押されながらも東郷は必死に応戦する。衛星も展開し、出来る限り友奈に近づけさせないように彼を一心不乱に攻撃する。それに比べて峡真の方はというと、奇声を発しながら楽しそうに戦っていた。
「ヒィーャッハーーー!!!いい具合に頭イッてんな、テメー!!!あの如月刃と同じで友奈ちゃんを殺して良いのは自分だけだってか!!?テメーもたまげたエゴイストじゃねーかよぉ!!!!」
「なんと言われようと私は意志を曲げるつもりはないわ!!!友奈ちゃんやみんなの地獄を終わらせるために世界を…神樹を殺す!!!でもお前は明らかに別の目的で友奈ちゃんを利用しようとしている!!!そもそもあれは何!!?あの感じ、まるで綾月君の魔道書と同じ…まさか!!?」
「脳細胞の栄養が胸に行っちまっただけのクソガキだと思ってたんだけどよぉ~、結構賢いじゃねーか…なぁ、『鷲尾須美』ちゃ~ん」
「その名前は!!」
峡真がその名前を口にしたときに東郷は動揺した。そこを峡真は見逃さなかった。すかさずウロボロスで一気に彼女の方へと近づくと複数の蛇が彩られた方陣を展開し、足元からウロボロスを放った。鎖は東郷の身体を捕らえ、振りほどこうとしても抵抗虚しくそのまま宙に持ち上げられた。
「やめて…東郷さんを…離して…!!」
「離さねーよ~だ。テメーはそこで惨めにあのクソレズ女がぶっ殺されるところを指を咥えて見てろ」
「ぐっ…!」
「鷲尾ちゃ~ん?テメーはぜぇーんぶ終わらせたかったんだよなぁ?大好きなだーいすきな勇者部のクソ女どものこの戦いをぉ…だったら心配すんな…テメーの
「そん……な…こと…させない!!」
「残念でした~。もう確定なんだわ~…テメーはここでくたばるからよぉ!!!『
狂喜しながらそう叫ぶと峡真の周囲から更に何本もの鎖が頭上の東郷に迫る。それらのウロボロスが収束していくとやがて碧い瘴気を放つ大蛇の姿になった。
「一夜に千の死を齎す冥府の蛇よ!!!その顎で…全ての魂を喰い尽くせーーー!!!!」
「ああぁぁぁああぁぁぁあああ!!!!」
「東郷さーーーーーーん!!!!」
大蛇が東郷を丸のみにして噛み砕くと爆発を起こし、同時に彼女は落下してきた。彼女の精霊も全力で守ってくれたものの、峡真の攻撃によって全員が戦闘不能になり、自身のもう立てる身体ではなかった。。峡真はというと悠々とそこに立ち、聞くに堪えない笑い声をあげながら東郷を煽った。
「どうしちゃったのかな~鷲尾ちゃ~ん?俺様を止めんじゃね~の~?ヒヒヒヒ…ヒャーッハッハッハッハッ!!!!」
「ゆ…な……ちゃ…」
「健気だな~おい。そんなに大好きな友奈ちゃんのために世界をぶっ壊してーの~?ま、テメーはもう様済みだからな。眠れよ、永遠に」
峡真は意識が朦朧とする東郷の喉を鷲掴みにして持ち上げると、その後に彼女を足で器用に運んで樹海の方へと蹴り飛ばした。それによって東郷は気絶し、そのまま落下していった。
「じゃ~ね~わ~しおちゃ~ん!!ヒャーッハッハッハッハー!!!!」
「そ…んな…」
親友が樹海の底へ落ちていくのを見て、友奈の心に絶望が広がっていく。そして目の前で気楽に帽子を拾い上げている男に普段の友奈ならば絶対に感じない感情が現れ始めた。それに駆られて彼女は満身創痍の身体でヨロヨロ立ち上がった。
「……ぃ」
「おやぁ?はて、何か聞こえましたね~」
「許…さない…!!!絶対に!!!」
「おおおお、そうですか!!?そうなんですか!!?それは私にとっては最高のエールですよ!!!これなら『あれ』のところへ連れて行っても問題なさそうですねぇ!!!」
友奈の怒りに満ちた瞳を見てなぜか喜び出した峡真は友奈の方へ手ぶらで近づいて叫び出した。
「さあ、友奈さーん!!私はここにいますよ!!貴女の大好きな東郷さんを殺したこの私がね!!」
「よくも…よくも東郷さんを!!!」
「ああ。これは素晴らしい、素晴らしいですよ友奈さん。貴女にもこんな感情が眠っていたなんてねぇ!!!東郷さんも地獄で貴女の新しい一面を見れて良かったじゃないですか~?」
「…うわぁぁぁぁぁ!!!!!」
峡真の東郷に対する罵詈雑言に対して友奈はついに堪忍袋の緒が切れてしまい、彼に殴りかかった。そんな彼女の拳を峡真は悉く躱していく。別に舐めプのつもりではない。今の峡真にとって友奈の拳は自分に対して特効を持った凶器のようなものだからだ。
そのまま峡真は壁の外にへと行き、友奈もそれを追いかけた。そしてあの煉獄のような光景を見たのだ。
「え…」
友奈は呆然と目の前の惨状に釘付けの中、峡真は彼女にその現状を話した。
「どうです?驚いたでしょう?何せこれだけの数のバーテックスがいますからね~。このままじゃああと何回貴女たちは咲き続けるのでしょうか~?」
「こんな…こんなことって…!!」
「しかもここで私を倒しても東郷さんはもういませんからね~…大事なお仲間の皆さんもど~んどん人でなくなりながら戦っていくことになりますよ~。そして最後は…貴女は独りになるんです。」
「嫌だ……そんなの…嫌だよ…」
「それに東郷さんがあそこまで暴走したのはですね、友奈さん。『貴女』のせいでもあるんですよ?」
「私の…せい?」
友奈がゆっくりと峡真の方へと振り向き、峡真は嬉しそうに続けた。
「そう!!!貴女がもっと東郷さんの様子に気を掛ければ、彼女はこんなことをする必要はなかった…もし貴女が無茶なことをせず安全な場所に居続ければ、東郷さんはあれ程は狂わなかった!!!」
「それは…」
「本当のことじゃないですか~。現に貴女は先ほど東郷さんが壁を破壊したことに驚いていましたね~!それはつまり、それをやってしまうほど精神状態が危ういことに気付いていなかったってことですよ~!!全く、その様子では友達かどうか分かったものではありませんね~!!!」
「東郷さん…そんなに…追い詰められて…」
友奈は悔いた。東郷が今まで不安を示すところなんて何度も見たはずだ。自分はどうにかなると励ましていたつもりだ。傍にいたつもりだ。でも…結果はこの有様だ。
「私…友達失格だ…」
「そうですよ~。誰にも貴女を理解することなどできません。勇者などという絵空事に憧れる貴女にはねぇ!!!そんな人間に友達なんて持つ資格なんてあるわけないでしょう!?まあ、今はある意味ゴミを処理出来て良かったじゃないですか~。ヒャーッハッハッハッハ!!!!」
その言葉を聞いた瞬間、はっきりとその眼に憎悪を秘めて峡真を友奈は睨んだ。
「…やっつけてやる」
「やっつける?別に構いませんがね~!!!さあ…来てください、友奈さん!!!貴女の憎悪を乗せたその拳なら、私を殺せるかもしれませんよ~!!!」
峡真に指摘されて、友奈は徐々に勇者パンチの構えに入る。絶対に人には向けないだろうと思った拳を今、彼女は家族に向けて放とうとしていた。
「許さない…許さない…!!!!」
「そうですよ友奈さん!!それでいいんです!!早く!!この私を殺しにかかるんですよ!!!!」
「ああ…あああ…ああああああ!!!」
「まだ足りません、全ッ然足りませんよ、友奈さん!!!分かってますか!!!あのクソ犬姉妹も、三好家のゴミも!!!今頃足掻いて、身体の機能をじゃんじゃん失っていっていくんですよ!!!あのラグナ君も!!!!如月刃も!!!!!今頃死んでいるでしょう!!!!!貴女が私に捕まったせいで!!!」
「あああああああああああああああああ!!!!!!」
峡真に促されるまま、友奈は憎しみに心が支配された。もう他には何も考えられない。外は無数とも言える数のバーテックス。親友の東郷は死んだ。そして目の前の人物はその東郷に手を掛けた人物だ。
「憎い…憎い…憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い!!!!!!」
「そうだ…もっと憎め!!この俺様を!!!世界を!!!自分を!!!その
「うわあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
友奈が絶叫しながら満開を発動した。巨大な拳が峡真に迫ってきた。それを峡真は待っていた。
「ヒャッハー!!!掛かった!!!掛かったぞー!!!!」
「ぇ!!!!?」
友奈が彼の狙いを理解できる前に峡真は何かを呼んだ。現れたものはバーテックスとは違う、巨大で真っ黒な球体だ。球体から翼のようなものが開くと光が漏れ始める。その中から光の帯が出現し、友奈をアームのユニットごと捕らえた。
「な、なにこれ!!!?」
「漸くだ…漸くこれで…あの天津神どもを殺す準備の最終段階に入ったぜー!!!!ヒャーッハッハッハッハー!!!!
「うわっ!!!」
友奈も抵抗するが全く振りほどけない。光の帯はそのまま友奈を黒い球体の中へ連れて行った。中は妙な温かさと気味悪さに支配されていた。
(なんだろう…この光…すごく…怖い…)
そんなことを考えている内に突然友奈の頭の中に大量の情報が流れ込んできた。見たことのない街。見知った風景。初めて見る人々の顔。どこかで会ったような気がする顔。そして…バーテックスたちが存在してからの世界のあらゆる惨状を。
(頭が…痛い…身体が…動かない…声も…出ない…)
少しずつ少しずつ自分の身体が自分のものではなくなっていく感覚が友奈を襲う。まるでどんどん死が自分に迫って来ているようだ。その状態の中、友奈は東郷のことが気がかりだった。あそこまで追い詰められるほど悲しんでいたのにどうして自分は何もできなかったのだろう。それが悔しくて仕方がなかった。
(ごめんね…東郷さん…!!)
涙がこぼれ、薄れていく意識の中で友奈は最後に心の中で祈った。
(誰か……助けて……!!!)
…友奈ちゃん、黒い球体に入ってしまう。もしハザマが悪役として登場するならばこれは避けて通れなかった。
さて次回、世界の垣根を越えてとうとうラグナとハザマは激突する!!!それではまた
どちらを先に読みたい?
-
のわゆwithラグナ
-
くめゆwithツバキとサヤ