蒼の男は死神である   作:勝石

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どうも、お久しぶりです。勝石です。

FE新作が中々に面白くて困っている。だが更新する。まだ終わりじゃねえぞ!

そしてゆゆゆい配信777フェスおめでとうございます。皆さんはガチャ当たりました?自分は二人も持ってるやつと被りました…何でや。

それでは文化祭の続き!!今回も中の人ネタアリですが…それでも平和は続きます。それではどうぞ

The wheel of fate is turning…


Rebel50.様々な繋がり

「ジン君、あの後どこへ行ったのかしら?」

「そんなに遠くは行ってないと思うけどね〜」

 

いなくなった刃を探すため、ラグナたちは東郷、園子、銀と夏凜、ラグナ、そして椿姫、沙耶、友奈の3グループに分かれて彼を捜索していた。

 

東郷たちが校庭の広場に着いてもなお刃を見つけることができなかった。

 

「にしても外の騒ぎを聞いてここまで来たけど、これはどこの部の仕業だ? こんなアトラクションみたいのがあるなんてパンフレットには書いてないぞ」

「『科学部』って書いてあるけどこんなものうちの科学部に作れないと思うわ」

 

校庭には二つの大きなロボットが置いてあった。二体の後ろにはそれぞれ子供が一人ずつ立っていて、太いゴーグルを被りながらラジコンを操作していた。

 

東郷の指摘通り、こんな大掛かりなものを作れる技術は科学部には存在しない。しかしロボットには全員見覚えがある。というか銀にとっては知り合いだったりもする。

 

「とと、父さーーーーん!!!? 何やってんの、こんなところで!!?というかなんで二人!!?」

 

銀が絶叫すると丁度催しが一息着いたのかそのロボット、テイガーは彼らに返答した。

 

「ん? 東郷美森、乃木園子、それに銀か。まさかここで会うとはな」

「それこっちが言いたいよ〜。また九重さんに身体改造されちゃったの〜?」

「なに。今回は私自身が志願したのだ。この姿のままで行っては騒ぎが起こるからな。何とか出来ないものかと相談したらこうなった。後あちらにいるのはブラックテイガーさんだ」

「ヨロシクオネガイシマス」

「よ、よろしく…じゃないだろ!! どうしたら学校に来るのにアトラクションの一部にされるって言うんだ!!?」

「だが客も喜んでいるようだぞ? アレを見ていると悪い気がしない」

「アタシが言うのもアレだけどもう少し自分の身を大事にしようよ父さーーん!!」

 

どうやら銀の知らないところでまたテイガーは改造、といってもラジコンからの指令を感知できるようになったり、なんか胸にV字の装飾が付けられたらしているだけだが、されていた。

 

銀が頭を抑えながら狼狽していると九重が通信から登場してきた。

 

『なんだ銀。随分と騒がしいじゃないか』

「そりゃ騒がしくなりますよ! 親父がまた改造されてるから!!」

『今回はテイガーの方が何とかしてくれと頼んだからこうして紛れ込めるようにしただけだ。決して勇者たちの様子の観察とかデータ収集とかお前の学校の下見とか偵察とかチェックとかではない』

「いや後半…て、え?学校の下見?」

 

途中から知らない話題が出てくるとテイガーが訳を話し始めた。

 

「あの戦いの後に家に帰ったのは覚えているな、銀」

「ああ…あの時の母さんの顔は…忘れられそうにないな…いろんな意味で…」

「…私もだ」

 

峡真との戦いの後、銀とテイガーは2年ぶりに三ノ輪家の玄関を通って家族と再会した。始めは銀の元気そうな様子を見て歓喜した他の家族だったが、テイガーを見ると阿鼻叫喚の地獄絵図になった。

 

「あの時は金太郎が懐いてくれなかったら父さんだって信じてくれそうになかったよなー。しょうがないっちゃあしょうがないけど」

「アイツや鉄男は我々の留守の間家を長い間守ってくれたんだ。姿を見せなかった我々を見て不審に思っても無理はない」

「でもちゃんと受け入れてくれて良かったよ」

「ああ。その時にアイツと話しをしたのだが…お前を讃州中学に転校させるのはどうだろうかと思ってな」

「え、本当!!?」

 

実はそうだったら良いなと密かに思っていた銀だったが、少し不安があった。自分は事情があったとはいえ、小学校を中退しているような状態だ。

 

園子なら大赦にちょこちょこ働き掛けてどうにかできるだろうし、自分もそう望むならやってくれるだろう。しかしそうなると大赦での園子の立場もあまりよろしくないものになってしまう。なにせ権力の濫用であることに変わりがないからだ。

 

『その辺は心配するな。私が手配しよう』

「九重さんが?」

『実験協力者に対する報酬とでも思え。お前のおかげで勇者システムやイデア機関を別の形に応用、汎用化が出来そうだからな』

「一体何を造ったんですか?」

 

東郷がそう聞いてくると九重が説明に入った。

 

『今までの勇者システムの最大の問題点は余りにも適応者の数に限りがあることだった。だが今度のやつは違う。精霊もない上にスペックそのものはオリジナルの勇者システムには劣るが、量産が可能で一定水準以上のものを造ることが出来た』

「ですが、それではバーテックスに通じないのでは?」

『あれは個人で戦うためのものではない。集団で戦って壁の外を調査するために造ったものだ』

「そしてそれを身につけた少女たちで構成された部隊を大赦は『防人(さきもり)』と呼んでいるみたいんよ〜。私も大赦のお偉いさんから聞いたんだ〜」

「それでは…私たちは国民を戦いに巻き込んでしまった…ということになるのね…」

「量産化自体は仕方がないことだよ〜。あのまま戦ってもいつか神樹様がうわーッてなって人類が滅んだだろうしね」

「そういう意味では峡真も正しいところはあったのね…やったことは許されないけど」

「ラグナが言ってたみたいに…奴は面白がって言ってただけだと思うけどな」

 

三人が少ししんみりしていると最後尾から女性がこちらに走ってくるのが見えた。

 

「隊長に九重!! 学校の間取り図と組の構成員のリスト、施設の情報を調べ終えた!! 異常はなし!! 至って平和な公立中学校であることを確認した!!」

『でかしたぞ『バレット』。他に変な輩はいなかったか?特に女に飢えたマセガキやヒャッハーと叫びそうな緑膿菌』

「そういった輩はいなかったが何人か不審な目で私を見てきたな。ジロジロ見てくるから勝負を挑みたいのかと思って話しかけようとしたが、逃げられてしまった。奴らめ…何がしたかったんだ?」

『良しテイガー。そいつらを捕獲して女を好きにならなくなるように脳改造を施そう。すぐそうしよう』

「落ち着け九重。娘を妹のように可愛がってくれていることには感謝しているがそれはやり過ぎだ」

「ちょっと『丸菜(まりな)』さん!!? なんでよりにもよって『その服』で来てるんですか!!?」

 

銀が突っ込むのも無理はない。やって来た女性は出るべきところは出て、締まるべき場所はしまったセクシーなお姉さんだった。

 

が、公の場所に来たその服装はアームギアを左腕に付けたヘソ出し。そして何よりも際立つのが布があるのかないのか分からないホットパンツだった。

 

「きゃあぁぁぁぁぁぁ!!! 何ですかその破廉恥な恰好はぁぁ!!!?」

「は、破廉恥だと!!? バカな!!? この服装の機能性を理解できないのか!?」

「こんな尋常じゃないローライズを着てここに来れる気持ちの方が理解できないかな〜…」

「丸菜さん、それ戦闘任務とかの時の服装じゃないですか!!? 今回そんなことする必要ないでしょ!!?」

「任務中は丸菜ではなく『バレット』だ、お嬢!! 如何なる任務も万全の状態で挑まねばならないものだ!! もし敵が現れてお嬢に何かあったらどうするんだ!!?」

「気持ちはありがたいけどせめてジーンズとかズボンで来て欲しかった!!」

 

いつでも戦える準備をしておかなければならないからと豪語する丸菜だが、それでも彼女の姿を見る人々はかなり困惑していた。目のやりどころが困るでは済まない今の彼女の服装を見て東郷は顔を赤くしていた。

 

「と、とにかくこっちに来てください!! それでは他の殿方も困るでしょう!! 蘭苺先生なら余り物の服を貸してくれるはずだわ!!」

「じゃあチャイナドレスかスカートが良いかな〜? でもこのホットパンツに近いのはミニスカートくらいしか無いと思うけど〜」

「や、やめろ!! 私にスカートを履かせるな!! アレは下半身がスースーして嫌いなんだ!!!」

「そのスカートよりも布面積が少なそうな恰好をしてるんだけどね〜。じゃあココちゃ〜ん。この娘借りるね〜」

「心配しないで。可愛い服ならたくさんあるから」

「誰かーーー、助けてくれーーー!!!」

 

丸菜の懇願も虚しく、東郷に首根っこを掴まれて園子も同伴でズルズルとメイド喫茶の方へと連れていかれた。苦笑いしながら彼女たちを見る親子と九重はその後に話を戻した。

 

「それで銀。どうだ、讃州中学は?楽しそうか?」

「…ああ。出来るなら、アタシもここに通いたいな」

『なら任せておけ。明日までには手続きを終わらせる』

「ありがとうございます!」

「では私はもう少しここにいてから体育館に向かうつもりだ。お前は友達と楽しい時間を過ごすと良い」

「うん、またね!!」

 

手を振りながら銀は東郷のいるであろう教室へ向かっていった。

 

 

「二人とも、文化祭はどうかな?」

「はい! とても楽しいですよ、友奈先輩」

「私も、なんとか慣れて来たかも」

 

友奈たちはというと樹もいる一年生がいる階に来ていた。刃を探すにも人混みや大人が苦手な沙耶の負担を少しでも減らすために同年代のいる階に行った方が良いという友奈からの提案だ。

 

因みに友奈は気に入ったのでカカ族パーカーを着たままでいるが、沙耶たちは流石に恥ずかしかったのか普段着に着替え直していた。

 

「あ、アレって樹ちゃんのクラスの出し物じゃないかな?」

「樹ちゃん?」

「犬吠埼樹さんよ。犬吠埼先輩の妹さんで、私たちと同じ一年生だと聞いているわ」

「樹ちゃんは同じ一年生だからきっと仲良く出来ると思うんだ。会ってみない沙耶ちゃん、椿姫ちゃん?」

「はい!」

「宜しくお願いします」

 

樹のクラスに向かうとここでも長い行列が出来ていた。どんな感じになっているのだろうと前の方を見に行くとそこには意外にも刃がいた。

 

「あれ? あの人って刃君だよね?」

「間違いありません! 刃兄様です!」

「あんな所で何をしているんだろう?」

 

刃は難しい顔をしながら占い師の姿をした樹と話をしていた。こう言ったことを信じなさそうな彼が来たことに樹も内心驚いているようだ。

 

「……でどうだ? 何か分かったか?」

「えーっと…今出たのは女教皇の逆位置に塔と恋人の正位置だから…刃先輩のそれはまだ困難が待っていますが、それを乗り越えれば良い関係が持てる、とのことです」

「ほう、そうなのか?」

「でももしかしたら大変かもしれませんよ? 先輩、昔その人のことを全然構ってやれなかったんじゃないですか?」

「うっ…」

「ですが今の刃先輩なら大丈夫だと思いますし、その人もまだ先輩のことを大事に思ってくれていますよ」

「そうか…感謝するぞ、犬吠埼樹」

 

樹に感謝を述べて振り返るとそこには友奈たちがいた。これには少なからず刃も動揺した。

 

「な、何故貴様らがここに!!?」

「いや、いきなり刃君がいなくなるからどうしたのかなと思って。みんなで手分けして探してたの」

「そしたら刃兄さまがここにいるのを先ほど見たので来たんです」

「所で刃兄様は何を? 占いをやるなんて私には珍しいと思いましたが」

「そ、それはだな…」

 

どうも歯切れの悪い返事しか返してこない彼に友奈が答えを当てに来た。

 

「そっかー! 仲直りしたい人がいるんだね!!」

『え?』

「だって今は大変だけど後になったら関係が良くなるんでしょ? 良かったね、刃君!! 刃君ならきっとその人と仲直り出来るよ!!」

「あ、ああ。感謝する」

 

本当は少し違うが友奈が嬉しそうにそう言うものだから否定しにくくなった刃はそれ以上何も言わなかった。その後も樹は占いを続け、自分の担当の時間が終わった後に四人と合流した。

 

「それでは改めて、犬吠埼樹です。よろしくお願いします」

「う、上里…沙耶です。よ、よろしくお願いします!!」

「弥生椿姫です。よろしくお願いします、犬吠埼樹さん」

「そんなにかしこまらなくても良いよ。私は沙耶ちゃんや椿姫ちゃんと呼んで良いかな?」

「う、うん! ありがとう、樹ちゃん!」

「これからもよろしくね樹」

 

そんな一年生たちが仲良く触れ合っている様子を物陰から見守っている人物がいた。目にハンカチを当てながら嬉しそうに彼女は横の二人に同意を求めた

 

「見たラグナ、夏凜!! 樹が…樹が初対面の同年代の女の子たちとあんなに仲良く…うおおおーーーん!!」

「はいはい、見えてるわよ。全く、アンタの過保護には毎回呆れるわ」

「沙耶のやつも楽しそうだし、俺たちの出る必要もなさそうだな」

「そう言いながらソワソワしてたのはどこの誰よ?」

 

ラグナと夏凜は先ほど合流した風とともに樹たちの様子を陰から見ている。彼女は現在自分のクラス出し物の持ち場からようやく解放されたところでラグナたちと会ったのだ。

 

まだ劇をやる時間まで時間があったので見回っていたが、度々困っている生徒がいては彼女たちも手伝っている。こんな時でも勇者部は勇者部だ。

 

そんなところへもう一人、困った様子の女子生徒が来た。かなり慌てている様子だった。

 

「あ、犬吠埼さん!! 少し助けて欲しいんですけど大丈夫ですか!?」

「ん? どうしたの?」

「ちょっと出し物の仕掛けの最終確認がしたくて…それで出来れば私たちの関係者以外の人に頼みたいんです! お願いできますか?」

「良いわよ! それじゃあアンタたち!勇者部出動よ!!」

『おう!』

 

沙耶たちが楽しそうに話している様子を見届けてからラグナと夏凜は風の後を追っていった。

 

 

「これなんだけど…どうでしょうか、皆さん?」

 

生徒が風たちにどうかと尋ねるが、三人のうち、二人は話が聞こえていなかった。

 

目の前の扉は黒い紙に包まれ、おどろおどろしい血や火の玉が描かれた看板がこちらに寒気を覚えさせる。それを見てしばらく考え込むとラグナと風はニコリと笑顔を浮かべた後、グルンとUターンして逃亡を図った。しかし残念。夏凜からは逃げられなかった。

 

「どこに行くつもりなの、二人とも?」

「いや、ソノコたちのところに行ってジンが見つかったことを言わねえと」

「乃木さんと一緒にいる東郷とはSNSで連絡できるでしょ?ていうかもう私がしたわよ。それで風。アンタは?」

「いや〜、ね? アタシも用事を思い出して…」

「……はあ。そうだった。アンタたち、幽霊とかお化けが大嫌いだったわね…」

「幽霊じゃねえ!!! そんなもんいるわけねえだろうが!!」

「あ、アレよ! アレはアタシたちの側にいつも立ってる何か、そう!! 人呼んで!!」

『スタン「それ以上は言わせないわよ!!!」

 

件の出し物はお化け屋敷。二人が入るのを全力で拒否するのも理解できないものではない。だがこの前のように変な意地を見せるのも面倒だと判断した夏凜は二人に言い放った。

 

「ねえラグナ、風。アンタたち、やっぱりお化けが苦手でしょ?わざわざ別の呼び方で呼ぼうとするなんて滑稽でしかないわ」

「怖くないわよ!! アタシは全ッ然怖くないわよ!!」

「おいカリン!! テメェ何の根拠があって俺たちがアレをビビってるってんだ!!」

「それよ。そんな足を生まれたての子鹿みたいに震わせるそれが何よりの証拠じゃないの」

 

平気そうに笑っている二人だが、その実はすぐにでもここから退散したいと心の中で叫んでた。夏凜の言う通り、二人は幽霊や階段などの心霊系の話題がとにかく苦手である。だからこの話を受けたくないのだ。

 

「困りましたね…出来れば三人はなかを見て欲しいんですが…これもうすぐ始まるんですよ」

 

生徒は悲しそうに俯きながら間に合わないことを懸念していると、それを見た二人は腹を括った。

 

「あーー!! 分かったよ!! やりゃあ良いんだろ!! 別に俺怖くねえし!! ホント平気だし!!」

「そうよ!! 何がお化けよ!! もうこちとら中学生よ!! この歳で怖いわけないじゃないの!!」

「本当にやってくれるんですか?」

「何言ってんの!! 人のためになることを勇んでやるのが勇者部よ!! そんじゃラグナ! 夏凜! 入るわよ!!」

「おう!! 幽霊がどうしたってんだ!! いねえもんにビビるわけねえだろ!!」

「いっそ哀れね。念のためにも私も行くか」

 

風とラグナが空元気を振りかざしながら入ると、後ろの扉は閉じられ、床には淡くて白い光が照らし出されていて、足元に薄い霧が広がっていた。部屋全体も肌寒く、まだ夏の暑さが残るこの季節とは思えない。

 

「な、なな中々凝ってるわね。これなら大概のやつはビビるんじゃないかしら? アタシは怖くないけど」

「そそそ、そうだな。さっきから寒ぃがこれだって冷房をガンガン回してるだけだろ? タネが分かってんならビビる必要もねえよ。俺はそもそも怖くねえけど」

「だったらくっつくんじゃないわよ!! 熱いわ!!」

 

二人はがっしりと夏凜を両側から腕を絡ませて離そうとしなかった。ラグナからは冷や汗が出始めているし、風は早くも変な声が出始めていた。まだ始めの場所なのに精神的に余裕がなくなっていた。

 

「取り敢えず進むわよ。ここにじっとしても出られないでしょうしね」

「そ、そうね。アンタの言う通りだわ」

 

奥へ歩を進めると、正面から屍の人形が突然飛び上がってきた。

 

「うわっ!! って何だ、人形か。驚かさないでy」

「ヒギャーーーーー!!!」

「うおおあああああ!!!」

「アンタたちが私を驚かせてどうすんのよ!!」

 

始めの仕掛けのインパクトを完全に消すほどのシャウトを放ったラグナと風により、夏凜は味わう必要のない追撃を食らう羽目になった。これからも一々こうなるのか。不安を覚えるのは容易だった。

 

 

あの後もラグナたちはヒーヒー言いながらも何とかお化け屋敷の探索を進めることができた。最も、終始振り回された夏凜は彼らとは二度と入らないと固く心に誓うのであった。

 

出口手前の道の横に設置されていたのは小さな廃船だった。廃れてしまった旗は元のデザインを残しておらず、船体はひどく錆びている。その異様な光景に夏凜は思わずごくりと生唾を飲んだ。

 

「今度は幽霊船とはね…ここまでデカイとどんな仕掛けがあるのか分からないわ…」

「ゆゆゆ、幽霊船…ですって…」

「どうやってンなもん入れたんだよ…」

「…ほら行くわよアンタたち。ここを突破すれば終わるんだから」

 

いい加減限界間近のラグナと風だが、夏凜に励まされてどうにか気持ちを持ち直した。

 

そーっと船を通っていく三人だが、先頭の夏凜が過ぎると突如船から何かが何体も放り投げられた。三人がその方向へ顔を向けると、それはビチビチと振動していた。

 

「こ、これは!!」

「マグロの人形だわ!!!」

「いや、なんでマグロがこんなとこにあんのよ!!?」

 

しかしそれだけでは終わらなかった。なんとマグロから怪しげな音声が流れ始めたのだ。これには夏凜も恐怖を覚え始めた。

 

「う、うわぁぁぁ!!! 何よこれ!!! と、と取り敢えずアンタたち!! 早く出るわよ!!!」

 

夏凜の呼びかけに対して二人はどうしていたかというと

 

「デレレッデレレッデレレッデレレッデレレッデレレッデレレレ!! デレレッデレレッデレレッデレレッデレレッデレレッデレレレ!!」

「ペペペッペペぺッぺペペッペペペッぺぺぺッペペペッペペぺぺ、デレレッデレレッデレレッデレレレ!!」

「何鼻歌歌ってんのアンタらーーーーーーーーーー!!!!!」

 

完全に我を忘れてしまった二人は目を泳がせながらどこかで聞いたことのある歌を唄い出していた。因みにその歌は出てくる漫画やアニメ共々神世紀までも残り続けている。

 

ある意味バーテックスや峡真と戦った時よりも激戦を潜り抜いた二人だが最後のマグロクライシスで壊れた。歌詞まで歌い出しており、三人ともそれぞれの形でボロボロだ。

 

「ダメだわこいつら…早く何とかしてここから出ないと…」

「ジャンジャッジャンジャッジャンジャッジャンジャッジャンジャッジャンジャッジャン!!!」

「デッデデーデッデデーデーレデッデデー!!」

「2番に入ろうとしてんじゃなーーーーーーーい!!!」

 

その後辛うじて三人は転がるようにお化け屋敷から出ることに成功し、夏凜はグロッキーになったラグナと風を連れてみんなが待つ体育館へと向かった。もうすぐ勇者部の劇が始まるのであった。




ゆゆゆでもお化け屋敷ネタはあったけどアレはちょっとエッチな方向の感じがしたのでこうなった。ラグナと風のメンタルに多大なダメージを与えてしまったけど…

そして今回のゲストはホットパンツが印象的なバレットさん!!最初に立絵を見た時に後ろのヒモが尻尾かと思ったけど、あれベルトなのね。

次回は劇!そこまで長くはないけどお楽しみに!それではまた
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