みなさん水族館イベ後半はどうですか?自分は相変わらずです。
さて今回の話でラグナ、奈良に到着!そして奈良と言えば…あの娘が登場!それではどうぞ
The wheel of fate is turning...
あの日から一週間の時が過ぎ、ひたすら東へ進んでいったラグナは遂に目的地であった斑鳩町に着くことが出来た。バーテックスによってそれまで多くはあったであろう立派な建物も今では殆ど壊されている。
しかしそれでもわずかながら人間が住んでいることが確認できる。特に小さな神社がある辺りでは特に人の出入りが確認できた。
「取り敢えず…まずはあそこで…腹ごしらえか」
かなり苦しそうにしているが、それも仕方がない。ここへ来るまで三日間、食したものは途中で見つけた昆虫や木の実が殆どだ。
本当ならスーパーなどで食糧を調達したいが、破壊されて取りに行ける状態でないことが多く、例え残っていても電気が動かないこともあってこの暑さで腐ったものも多かった。育ち盛りの男子には中々辛いところだ。
次に出発するときはもっと獣がたくさんいる森を通ろうと考えている内に彼は神社付近で倒れこみ、意識を手放してしまった。何かが近づいてくる気配がしたが、彼には動くだけの力は残っていなかった。
*
ラグナが目を覚ますと、まず目についたのは木造の天井だった。身体を起こしてみると自分は布団の中にいて、上着や靴を脱がされていた。
「良かった~。目が覚めたんですね。入口で倒れているのを見つけたときは驚きましたよ~」
隣から聞き覚えのある声がすることに彼は気づく。顔を声の主の方へ向けると心臓が一瞬止まりかけるほどの衝撃を覚えた。
「なッ、テメェ『ユウナ』か!!?」
「え? お兄さん、私のこと知ってるんですか?」
自分の顔を見て狼狽えるラグナに対してユウナと呼ばれた少女はキョトンと首を傾げながら彼をじっと見る。状況が分からないラグナは更に語気を強めて言う。
「どうしてテメェがここに!!? まさかテメェまで『ここ』に来たのか!!? それとも俺が『帰ってきた』のか!!?」
「ちょ、ちょっと待ってお兄さん!! 私、お兄さんとは『会ったことありません』よ!!?」
確かに先ほどから見せるよそよそしい感じから少女は自分と初対面であることを印象付けさせている。彼女の言葉で一旦言葉を止めて状況を整理した後、ラグナは改めて少女に話しかけた。
「……済まねえ。ちょっと込み入った事情があってな…混乱していた。それにお前が俺の仲間と顔が似ていたからな、勘違いしちまった」
「良いですよ、気にしなくて。あんなにボロボロでしたし、怖い思いをしたでしょう?」
「違えよ。俺は別に」
ラグナが思わず少女に反論しようとする前に腹からかなり大きい音が発生した。少女が何かを察すると、すぐに部屋の外へ向かう。
「あはは、そっか! お腹すいてたんですね…ちょっと待っててください! あんまりいっぱいはありませんが食べものを持ってきます!」
「あ、ああ…ありがとう」
少女は引き戸を開けて他の場所へ向かった。しばらくしてから戻ると、彼女はおにぎりを三つ持っており、そのうちの二つをラグナに渡した。
「はい、お兄さんの分!」
「おう、悪ぃな」
おにぎりを受け取るとラグナはそれを一口食べ、食べ進めていくうちにガツガツ食事を進めて行った。少女はそんな彼の様子を見て嬉しそうに言う。
「良かった〜。そんなに美味しそうに食べてるなら大丈夫そうですね」
「…米ってしばらく食ってねえとこんなにうまく感じるんだな」
「お米を食べてないなんて…お兄さん、こっちも食べますか?」
「いらねえよ。それはお前の分だろ? お前が食え、俺なら今ので十分腹ごしらえになった」
「ありがとうございます!」
二人は食事しながらいろんなことを話し始めた。最初に話題に上がったのはラグナの身の上だ。
「お兄さん、どこの人ですか?この辺では見かけない気がしますけど」
「……香川だ」
「香川! じゃあお兄さん、『
「…いや、違え。一応『大赦』は知っているが、俺はアイツらの関係者じゃねえよ」
「え!? じゃあどうしてここに!? 香川から一人で来たんだったらすっごく危なかったんじゃ!?」
「…まあ、色々あってな。これでも戦いって奴には慣れてんだよ」
「へえ~、お兄さん強いんですね…でもあれ? 『バーテックス』って普通の武器は通用しないはずじゃ?」
「通常の…そういやウサギもンなこと言ってたっけ…」
となるとこれまでに剣の状態のアラマサでバーテックスを攻撃できたのは蒼の魔道書のおかげ、ということになるのか。しかしそこで別の疑問が生まれる。
(じゃあなんで大鎌の時は攻撃が通じたんだ?アレも蒼の魔道書の影響があっただろうに…)
「お兄さん、大丈夫ですか?疲れてるなら休まないと」
「いや、なんでもねえ。それでなんだっけ? 俺がなんで戦えるか、だよな?」
「はい! もしかしてお兄さんも『勇者』なんですか?」
「俺は勇者じゃねえよ。それでも俺が戦えんのは…右腕のコイツの影響だ」
ラグナは腕の方に視線をやる。上着が無くなった今ではそれに何等かの封が施されていることが分かる。少女は少しそれを見た後、すぐにラグナに次の質問をぶつけた。
「そうですか…じゃあじゃあ、お兄さんはどうしてここに来たんですか?」
「ああ、それだが…お前、金髪のちっちぇ女子を見たことないか?黒い服を着こんだウサギみてえな髪型と見た目のやつ。ソイツとは長い付き合いで探してるんだ」
「う~ん、ごめんなさい。私はその人とも会ったことないと思う…その人はここに来てるんですか?」
「いや、俺が勝手に予想しただけだ…本当の居場所は分からねえ。まあ、ありがとな」
どうやらここは外れだったみたいだ。少し残念だが、仕方がない、別の話をしよう。そう考えていたが、少女は元気な笑顔で言葉を続けた。
「でもきっと大丈夫ですよ! その人、きっと四国に既にいて、安全に暮らしているはずです!」
「…まあ、そうかもな。仕方ねえし、俺も一度帰ってみるか。どうせウサギがバーテックスにやられてるところなんざ想像出来ねえし」
「うおぅ。そのウサギさん、お兄さんよりも強いんですね~」
「そうだぞ。無茶苦茶、な」
そんなことを言っていると、ラグナは次に少女について聞いてきた。
「ところで、お前の名前は?」
「あ、そうだった! 自己紹介がまだでしたね! お兄さんとお話していたらつい教えるのを忘れちゃいましたよ!」
少し距離を開けてから少女は改めて自己紹介した。その名前もラグナにとって聞き覚えのあるものだった。
「私の名前は『
「タカシマ=ユウナ…か。俺は…」
綾月洛奈だ、という前にラグナは一度考え直した。ここが過去の世界以上、自分の存在を不用意に確立させるような行動はあまりやらない方が良いだろう。本来の時代の名前を教えるなどもってのほかだ。
しかしここで偽名を使うにも中々良い案が思い浮かばない。そう考えた末、ラグナは口を開けて答えた。
「ラグナ…『ラグナ=ザ=ブラッドエッジ』だ」
「外国人さんだったんですね! 私、そんな人と仲良くなれるなんて初めてです! じゃあ香川には旅行しに来ていたんですか?」
「ガイコク人? いや…俺は四国で生まれているぞ。まあ、みんなからは特にラグナと呼ばれている」
「そうだったんですね、間違えちゃってごめんなさい! そしてラグナさんか…はい! よろしくお願いします、ラグナさん!」
「…なんかその顔でさん付けとかされるのもむず痒いな…別に畏まる必要はねえぞ?」
「じゃあ、ラグナ!」
結城友奈とは違う呼称をもらうとは思わなかったが、別のあだ名で呼ばれるのも変な気がするから彼は訂正しなかった。ラグナはそうしてから今度はこの町の状況について聞いた。
「それでタカシマ。ここは安全なのか? バーテックスはいなさそうだったけどよ」
「…それなんだけど、そろそろ難しいかも。今は神社の結界があるからあまり入ってこないだけで、次に襲撃したらここもあぶないかも知れないんだ」
「そうか…それでさっき大赦つたな。どうしてアイツらの話が出てくるんだよ?」
「んーとね。大社は今の日本で設立された対バーテックス用の団体で、その人たちが出来る限りの勇者たちを集めてるんだって。私がいるって聞いてからもう何日か経っているけど、そろそろ来ないと食べものとかが…」
「…お前、さっき握り飯をくれたけどアレも貴重な食糧だったんじゃねえか?」
「それでも行き倒れてたし、お腹を空かせてるなら食べないと! 栄養を少しでも取らないとダメだよ?」
どうやら友奈は飢え死にそうになっていた自分を放っておけなかったらしい。そういう部分はあの時代の友奈とも同じだなと思いつつ、ラグナは提案を出してきた。
「なあタカシマ。この近くに獣が出そうなところはあるか?」
「鹿ならいるけど…どうするの?」
「ちょっと一狩りに出て倒したら丸焼きにしようかなってよ」
「ええ!? 野生の鹿の肉を食べたらお腹壊しちゃうよ!?」
「心配はいらねえ。師匠からは火を通せば食えるって教わった」
「ラグナって結構ワイルドなんだね…でも外に出ても平気なの?」
「なんだよ、バーテックスは確かに厄介だがなんか捕らねえとマジで飢え死にしちまうぞ?」
「そうじゃなくて…まあここまでみても大丈夫そうだし…ラグナ、念のために聞くけど…『
「テンキョー? なんだそれは?」
聞き覚えのない単語に対してラグナが頭に疑問符を浮かべていると友奈は説明をし始めた。
あの運命の日、バーテックスが空より襲来したことで多くの人は空を見上げることに対して恐怖を覚えるようになった。軽い者でも外出をひどく嫌うようになり、重症の者では自我の崩壊など、廃人化してしまう。
それらの症状から人々はこれを『
「…そんなもんがあったなんてな」
「知らなかったんだ…でもよく考えたらラグナって香川から一人でここまで来たわけだし、天恐の線は最初からなかったかもね」
「本当は島根から徒歩で来たんだけどな…」
「ラグナ、もうちょっと命を大事にしようよ!?」
またもや仰天発言を繰り返す彼に驚く友奈だったが、二人のやり取りを邪魔するかのように鈴の音が鳴りだした。少し時間が来てから大人がラグナたちのいる部屋へ転がり込む。
「大変だ! 怪物が来たぞ!!」
「バーテックスどもがか!!」
「分かった! すぐ行くね!」
敵の来襲を聞いた二人はそれぞれの装備を取って現場へ急行していた。するとラグナは一つ奇妙ななことに気付いた。友奈の手には神世紀ならば絶対にあるはずのものがない。その代わり、腕の中には先ほどから携帯していた手甲があった。
「おいタカシマ! お前、端末はどうした!?」
「端末? なんでそれが必要なの?」
「な、テメェ馬鹿か!? 端末がなかったら勇者システムが使えねえだろ!? 危ねえだろうが!!」
まさか西暦の時代ではそもそも勇者システムそのものがないのかと考える彼だったが、友奈は笑いながら言った。
「心配いらないよ! これが私の武器なんだ!」
「その手甲が? それでどうにかなんのか?」
「うん! 任せて、あんな奴らなんてやっつけてくるから!」
友奈は自信満々にそう言うが、ラグナも流石に勇者服がない状態の彼女を放っておくようなことはできなかった。
「ダメだ。俺も参加させてもらうぜ。二人なら怪我もしにくいだろうよ」
「…危なくない?」
「戦おうが居座ろうが危ない状況なんだ。どっちにしても変わらねえ。だったら俺は俺のやり方でやらせてもらう!」
「…分かった! 死んじゃダメだよ!!」
「そっちもな!!」
現場に辿り着くと星屑が数十体結界を越えて侵入してくるのが見える。白い歯を光らせ、こちらを確認すると接近してきた。
そこからの二人の行動は早かった。友奈はパンチでどんどん敵を粉砕していき、ラグナは大剣で敵をねじ切っていく。
「ナイトメアエッジ!!!」
「うおおりゃぁぁッ!!」
今回の敵も、勇者の出現だけでない別の敵に対抗するために合体を始めた。二人は急いでその元へ向かおうとするが他の星屑が彼らの道を遮る。
だったらとラグナは大剣を逆手に持つ。そして勢い良く切り上げて頼りになる飛び道具、デッドスパイクを放った。
黒い化け物に星屑たちが喰われたことで自分たちを阻むものは無くなった。まだ身体を形成している途中のバーテックスに向かって二人は渾身の一撃を込める。
「もう一回!! だぁぁッ!!!」
「終わりだ!! ブラッドサイズ!!!」
二人の同時攻撃でバーテックスは爆散する。落ちていく肉片が砂になっていくのを見ながらラグナは友奈と合流すると、しばらくしてから二人の元へ白装束の一団がやってくるのが見えた。
「あの仮面…それに服…間違いねえ…大赦だ!」
「あの人たちが大社の人たちなんだね。良かった~、これでみんな四国に無事に行けそうだよ~」
「勇者の護衛だけじゃあ無理なのか?」
「私じゃあバーテックスを倒せてもすぐに見つけることは出来ないからね。みんなで行くには危険が高いんだ」
「なるほどな…」
そうしたらこの前の若葉達は大丈夫だったのだろうか。少し心配になってきたラグナであった。白装束のうちの一人が前に出ると、友奈の前に膝を落とした。他の者たちもそれに倣う。
「勇者、高嶋友奈様ですね。お迎えに上がりました」
「あ、ありがとうございます」
友奈が応対している横でその様子を見ていたラグナは少し大社の様子の違いに驚いた。自分の知る大赦はかなり厳格かつ謎が多い組織で、とても冷たい組織に感じていたからだ。しかしこの時代の大社は類似点が多かったものの、どこかまだ開放的には感じた。
「それで、みんなは無事に四国へ行けますか?」
「問題ありません。食糧や水は十二分にあります。移動も車ですが巫女の何人かが御同行させてもらっていますので何とかここまで来れました」
(やっぱりこの頃から巫女という存在はあるのか…)
「それでそちらの方は? 先ほどバーテックスを相手に戦っていたようですが」
「えーと」
「待てタカシマ。それは俺から説明する」
そうしてラグナは自分の身の上のことを説明した。若干事実を言わなかったのは、彼が大社のことを完全に信用していないからである。後の時代では情報隠蔽をやってのけるような組織においそれと魔道書の秘密を教えることなんて出来ない。
彼の説明に納得した大社の神官たちは神社に残っていた人々を用意された車へ案内した。中には神社から外に出たからか、暴れ出す人間もいた。友奈は悲しそうに言う。
「あの人、天恐なんだ…あの日に助けることが出来たんだけど、それ以来外に出るのが苦しいらしくて…」
「そうなのか…」
「私は…ああいう顔を見るとすごく悲しくなるんだ…もしもっと早く助けられたら…他に出来ることはないのかなって…町のお医者さんにも聞いたけど薬で症状を抑えるしかないって…」
「…ここ以外」
「うん?」
「ここ以外にも…ここの連中みたいなやつらがまだたくさんいるのか?」
「…分からない。あの日から世界中でバーテックスが現れて、生存者がどれだけいるのかは知らされていないから…いるとしたら勇者がいるんだろうけど…」
「…そうか」
それだけ言うとラグナと友奈も大社の車と合流して、ともに奈良から離れた。道中にはバーテックスが現れることがあったものの、基本的に巫女の神託で回避することが出来た。場合によってはラグナや友奈が出て倒すこともあった。そんなことを繰り返しながら彼らは四国へ着くことが出来た。
*
「そんなことがあったんですね」
「うん! 『アンちゃん』たちに会ったのはその後に四国に着いてからちょっと経った後だよ」
友奈が食事の席でそんなことを話していた。運命の7月30日から3年。彼女らも中学生になり、今は香川県にある『丸亀城』で生活している。彼女たちはここで勇者の訓練に励んでおり、いつ襲撃があっても良いように備えている。
その食事の時に偶然彼女たちは本土と四国を繋げる瀬戸大橋から人が避難してきたというニュースを聞いた。それに興味を示した『
四国に着いた後、レイチェルがいないと分かったラグナは再び旅に出ることを友奈に伝えた。今度は大社からある程度保存のきく食べ物や米を貰い、最低限に必要な備品を整えてから旅立った。
それからしばらくして度々人が大橋から渡ってくるようになった。どうやってここまで来たのかと聞くと何人かの者は揃って口にした。赤コートの男に助けられた、と。
その噂は時々丸亀の街にも聞こえ、その度に友奈は安心した。会いに来ることはないが、少なくともラグナは無事であることが分かるからだ。最後に交わした会話も彼女は良く覚えていた。
「じゃあな、『ユーナ』。俺はまだ旅を続けるよ」
「うん! またね、ラグナ!」
初めは苗字で呼ばれることも多かったが、友奈本人の要望もあって名前で呼ばれることになった。苗字呼びをしていたのは以前間違えられた知り合いと同じ名前だからだろうが、聞いていてもぎこちなかった。なので気のせいか、こっちで呼んでいる方が自然に聞こえる。
友奈の話を聞いて、巫女の『
「良かったですね若葉ちゃん。あの男の人、ちゃんと生きてましたよ」
「そうだな。あの時は本当に危なかったから…本当に死んだのかと思っていたよ…」
「若葉ちゃんとヒナちゃんもラグナに助けられたの?」
「ああ。あの日の島根にいたときにな」
「若葉ちゃんがあの人を置いていくと聞いたときは驚きましたが、その後は杞憂に終わりましたからね。あの時のバーテックスたちを相手に一人で互角だったのですから」
「強ッ!!? そんなに強いのか、そのラグナってやつは!!? いつかタマも会ってみたいぞ!!」
「タマっち…もしかしてその人に喧嘩を挑むつもりなの?」
「喧嘩じゃない! 競争だ! それから先輩もつけないとダメだぞ、あんず!!」
まだ見ぬラグナと早くも競合してみたいと意気込む球子とそれを宥める妹分の『
「高嶋さん…その話からすると…その人って鎌を使うの?」
「う~ん。なんかね、剣でもあるけど鎌にもなるんだ、ラグナの武器って。それに『ぐんちゃん』みたいにズバーッとかズバーンじゃなくてね。ドカーンとかズガーンとかなんだ」
「ドカーンにズガーンって…それ本当に鎌を使っているのかしら…?」
「でも本当にそうなんだよ? なんというかこう、思いっきり殴るみたいな感じで」
「そ、そう…」
鎌って殴る武器だっけとか考えた千景だが、友奈が嘘を吐いているとは考えられないので恐らく本当にそう扱っているのだろう。もっと武器を大切に扱ってもいいのではないか。
鎌使いと聞いて少しでも訓練の参考に出来ればと考えたが、あまりにも自分の戦い方とかけ離れた様子だったので千景はそれ以上彼について話すのを止めた。
しかしそれでも彼女のラグナへの興味が完全に尽きた訳じゃない。ある意味こちらの方が千景にとって重要だったのだ。
(高嶋さんにとってここまで印象深い人って……どんな人なのかしら?)
球子とは意図は違えど、同じくラグナに対して思いにふける千景だった。
因みに千景と球子に朗報だが、その男はどんな人かというと。
「そういやタカシマ。俺が持っていた『布団』はどこなんだ?倒れたときに持っていただろ?」
「え?そんなもの持ってなかったよ?」
「いや、持ってただろ? ほら、茶色のデカい箱の奴」
「………もしかして…あの解体された『ダンボール』箱みたいなののこと?」
「そう、それだ!! それはどこに行ったんだ!!?」
「………ご、ごめんね。アレ、ゴミかと思って…その…置いて、行っちゃった……」
その友奈の台詞を聞いて膝から崩れ落ちるほど落ち込むような男だった。
ラグナ、バーテックスには勝てど相棒の消失で心にAstral Finish!!される。
とまあ今回の話で時系列的に元祖友奈である高嶋友奈ちゃん登場!!他ののわゆ組もちょろっと登場です。
さて次回ですがラグナ君、遠方での戦い!あのキャラクターたちも登場!そしてついに物語は動き出す!それではまた