蒼の男は死神である   作:勝石

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どうも勝石です。

アンケートに答えていただきありがとうございます。今回出した二つはかなりの接戦で正直びっくりしました。それを見て私は思ったのです。

この結果ならば…答えは一つ!!!

(杖ボキー)

両方、書くだけだぁぁぁ!!!

というわけで次回はビバーク回です。前もって言います。ぶっ壊れカオスです。そして今回はラグナ、レイチェルとのわゆ組と再会!それではどうぞ


Rebel59.開花の時

「クラヴィス=アルカード…」

「左様。お初にお目にかかるな、ラグナ殿」

 

老紳士クラヴィスが挨拶を交わすと、二人は向かい合いながら話を始めた。始めに口を開いたのはラグナだった。

 

「先ずは礼を言わせてくれ。俺を助けてくれてありがとう」

「ははは。礼を言うならば娘に言って下され。戦う貴公のことが気になっていたようでな」

「………何のことか分かりませんわ、お父様。それにこの男が先ほど一方的にではあるけれど私に礼を述べました」

 

レイチェルはつまらなさそうにそっぽを向くのを見てクラヴィスは少し意外そうな顔をした。対してラグナは相変わらずだなと思いつつも別の懸念を聞いてきた。

 

「そういや、アンタ。俺を見たならその前にあの山から降りていた勇者と巫女を見ただろ? アイツらはどうなった?」

「小僧! クラヴィス様に馴れ馴れしい口を利くでない!!」

「何だと、オッさん…!」

「まあまあ、ヴァルケンハイン。私は気にせんよ」

「…失礼致しました」

「さて、ラグナ殿。先ほど申していた勇者殿に巫女殿だが、あの二人ならば他の民を引き連れて、全員無事に四国に辿り着いた。もう心配は要らぬぞ」

「本当か!? 良かった…」

 

穏やかな様子で歌野たちの無事をクラヴィスが伝えると、ラグナはソファーに沈み込むように腰を下ろした。しかし老紳士はその後、少し怪訝な表情を浮かべた。

 

「うむ。確かにその者たちが無事だったのは紛れもなく吉報だ。しかし、まだ懸念事項が残っておる」

「……タケミカヅチ、か」

「左様。あの怪物は未だ滅びてはおらぬ。力を使い果たし、一時的に活動を止めているだけだ」

「やっぱりか…アレで倒せるなら苦労はしねえからな…そいつが動き出すのはやっぱ『4年後』か?」

 

ラグナの言葉にクラヴィスは首を横に振った。

 

「残念だが、アレがいる場所はかつて土地神が座していた神の地だ。それを考えれば…長くとも『1年後』には必ず力を取り戻すだろう」

「…くそっ。思った以上に時間がねえ!」

「しかしラグナ殿。貴公は何故アレがタケミカヅチであり、アレの活動が戻る時間に4年を要すると思った?」

 

ラグナは少し迷ったが、クラヴィスに本当のことを話すことを決めた。

 

「…かなりややこしい上に出来ればレイチェルたちに聞かれたくねえ話だが…良いか? 後で入れても構わねえ」

「…良いだろう。二人とも、一度下がりなさい」

「分かりました」

「仰せのままに」

 

ヴァルケンハインがレイチェルを連れて退室すると、二人は向かい合って話を続けた。

 

「…悪ぃな。こんな一方的な願いを聞いてくれて」

「構わん。それで、なんだ? 私だけにしか出来ぬという話は?」

 

ラグナはクラヴィスに自身の状況を説明した。自分がこの世界の人間でないこと。境界を通じて未来からここへやってきたこと。それを聞いて老紳士は難しい顔をした。

 

「……よもや境界を越える魂があるとはな」

「冗談みてえな話だが、俺のいた世界にはバーテックスなんていうものはいねえ。天の神もいねえ。それに近いものがいたとすれば…『マスターユニット』くらいだ」

「…貴公はアレのことも知っているのか」

「ああ。何せ…アレを巡った戦いに巻き込まれたからな」

「というと?」

「…『ユウキ=テルミ』。かつてその世界のアンタが捕らえていた『スサノオユニット』の持ち主が色々とな…」

「…『それ』まで知っているとは」

「だから分からねえんだ。この世界にも、あの世界での俺の知り合いはたくさんいた。でも、この世界ではマスターユニット…『アマテラス』のことを一度も聞いたことがねえ…どうなってやがる?人間は…マスターユニットと接触していないのか?」

 

ラグナの多くの疑問にクラヴィスはゆっくりと答えた。

 

「…どうやら、貴公のと此の世界には根本的な違いが存在しているのだな」

「なんだと?」

「最初に一つは、この世界では人類は未だ『マスターユニット』との接触に成功していない。貴公の言う通り、人間は太古の地層より『スサノオユニット』を観測することに成功し、発掘した。しかし、そこからが人間への裁定の始まりだったのだ」

「…つまり、スサノオユニットも…手にしていない?」

「最終的には貴公の言う通りだ。発掘されてすぐに彼奴等…『天津神』は行動に出たのでな」

「…天の神たちのことか…でもなんでンなことをしたんだよ…」

「人間はスサノオユニットを観測したことから境界の存在を知ることが出来た。そして放置すれば良かったものを、彼らは境界の奥深くにいるマスターユニットへの接触を図った」

「それに…天の神たちは…」

「そうとも。大いに怒った。人間が神に近づくなど彼奴等から見れば身の程を弁えぬ傲慢だろう。直ちに人間を滅ぼすために動いたわ」

 

つまりそもそも素体は生まれることもなく、窯も詳しく研究される前に天の神たちが動いて、人間たちを潰しに掛かったということになる。

 

「その時に反対したのが…シンジュにいる神たちか…」

「そうだ。人間は愚を犯したが、武力で強引に滅ぼすのは自然の理に反することだと、国津神は天津神に反対した。結果、両者は相入れることなく戦い、そして」

「国津神たちが負けた…」

「その通り。後は無力な人間を攻撃したよ。特に『紀伊半島』は酷く攻撃されたと聞いている」

「そこで…境界についての研究が行われていたのか…」

 

確かにあの地域は他よりも執拗に破壊されている印象があったが、そういうことだとは思わなかった。

 

「…じゃあ今スサノオユニットは何処に…」

「…アレはすぐに人の手から離れたが、流石に居処の詳細までは教えられん」

「…まあ、それもそうだよな…一応確認しても良いか?」

「何かね?」

「…アレは『空っぽ』なのか?」

「少なくとも空ではない」

 

少し含みのある言い方に疑問を覚えたが、聞く限りではテルミや峡真とは関係性が薄いとラグナは考えた。

 

「…俺の世界では中身だったテルミはアンタに捕まったみてえだが…それも…覚えはないのか?」

「そんな者はこの城にはおらぬし、聞いた覚えもない」

「…黒き獣という存在は?」

「もし黒き獣と呼べる存在がバーテックスならばまだこの世界では確認されてはいない」

「……そうか」

 

峡真は神樹から生まれた以上、やはりこの世界のスサノオユニットと峡真の間に関連性は低いようだ。

 

「ありがとうな、爺さん。おかげで少しこの世界の実情が分かってきた気がするぜ」

「…貴公は世界を変えるためにここへ来たのか?」

「分からねえんだよ。俺だって頼まれてこっちに来たんだから。そいつが言うに俺が来ねえとこの時代も俺の時代も困るらしいが、俺がしてんのは精々目の前のやつを助けてるだけだぞ?これで何が変わるってんだ?」

「……貴公は別の世界から来たと言ったな」

「……ああ」

「もしやも知れんが、貴公がこの世界に来た原因は、この時代と関係しているのやも知れん」

「…また一つ悩みのタネが増えちまったよ…」

「まあ良いではないか。貴公はまだ若い。大いに悩むが良い」

「この世紀末みてえな状況で良くそれが言えるぜ、爺さん」

「ははは。何、答えは来るべき時にいずれ明かされるだろう。今はゆっくり、ここで休みなさい」

「…ありがとうな。明日になったらすぐにまた出る…と思ったらここ、もしかして『狭間(はざま)』の中か?」

「左様。なに、出る時は娘を共に同行させよう。あの娘は貴公といる方が良く話すようだからな」

 

自分の娘に送らせるではなく、同行させると言うクラヴィスにラグナは不審に思ったが、やがてあることに気づいた。

 

「…爺さん。アンタ、もしかしてこっちでも先が長くねえのか?」

「そうだな…あの娘も私も外の世界には極力干渉せぬようにしている。だが、時には友人の一人や二人くらいは作って欲しいとは思うておるのだ。私がいなくなれば、後はヴァルケンハインや他の使い魔たち故にな」

「…俺と一緒になると十中八九、あのタケミカヅチと戦うことになるかも知れねえぞ? バーテックスだっているんだろ? こっちにいた方が安全じゃねえのか?」

「実はそうとも言い切れんのだ。天の神は『狭間』も知っている。私がいるから攻撃はしてこないものの、それでもここに侵攻する可能性も大いにあるのだ」

「…だから少しでも外の世界に慣れろってか?」

「そう捉えてくれれば幸いだ」

 

老紳士は笑いながらそう言うと最後にラグナに言った。

 

「ラグナ殿。私は神樹と同様の考えだ。神が必要以上に世界に干渉することなど、有ってはならない。世界がありのままであるからこそ、意味があるのだ。それは人類とて例外ではない」

「爺さん……ったりめーだ。あんなことを好き勝手にやって良い訳がねえ」

「そうだな…人類は時に愚かな選択を取ることがある。しかしそれでも…人類がこれからも人類らしく生きていけることを、私は心より望んでいるよ」

「ああ。それに、未来で待っているアイツらのためにも…ここでの『御役目』ってやつを果たさねえとな」

「『御役目』か。責任感があるのは良いことだが、貴公も命あるものだ。それを大事にせねばならぬよ。その待つ者たちのためにも」

「…おう」

 

ラグナがそう言うとクラヴィスは外の二人を呼び、ラグナと一時の別れを交わした。ラグナはヴァルケンハインが用意してくれた食事を食べ終えると、直ぐに眠りに就いた。

 

 

「それでは、達者でな」

「小僧。呉々もレイチェル様に失礼の無いように」

「はいよ」

 

クラヴィスとヴァルケンハインに見守られながら、ラグナとレイチェルは旅立とうとしていた。レイチェルが小さく口を開く。

 

「………それでは、飛ぶわ」

「場所は?」

「…香川にある丸亀城よ」

「いきなりか…」

「何か不安?身体が大きいだけで意外と肝の小さな男ね。みっともない」

「テメェは一々辛辣に言わないとダメなのかよ?」

「……」

「…どうした?」

「樹海化が発生しようとしてるみたいよ」

「この時代からあったのか…」

「そうよ。今まででも数度、行われているわ」

 

まさかなんの感慨も無く返事が来るとは想定していなかったラグナは驚きつつも小さな声でレイチェルに聞いた。

 

「…盗み聞きたぁ良い趣味してるじゃねえか」

「少ししか聞いていないし、ボロをアッサリ出す貴方に問題があるのでは無くて?」

「ヴァルケンハインのオッさんは知ってるのか?」

「例え聞いても信じはしないでしょう。あまりにも話が大きくてホラにしか聞こえないわ」

「じゃあなんでテメェは疑わねえんだよ?」

「疑ってないわ。ホラ話に付き合う道理はないもの」

「テメェも信じてねえじゃねえかよ……」

「そうよ」

「直球で言うか、それ…」

 

ラグナが苦虫を噛み潰したような顔になると能面のように硬かったレイチェルの顔に一瞬笑みが広がった。

 

「テメェ今笑っただろ!!?」

「笑っていないわ」

「嘘だ!! 絶対今ほくそ笑んだぞ、このウサギ!!」

「黙らないと口にギィを突っ込むわよ」

「姫さまー!?」

 

怒るラグナを放置したレイチェルは丸亀城に飛ぶ準備を完了させ、バラの花びらを撒き散らしながら大人二人の前から消え失せた。

 

城に着いた二人は今石垣の前にある広場にいる。普段ならば勇者たちが日常を過ごしているであろう場所だが、今は誰もいない。恐らく今は別の場所で訓練しているのだろう。

 

そんなことを考えていると、急に周りの時間が停止した。どうやら自分たちは丁度樹海化が始まる頃に来たようだ。

 

「行くしかねえ…か」

「……精々死なないことね」

「そう簡単にくたばらねえようにするさ」

 

ラグナは普段と同じ態度でレイチェルと別れを告げると樹海の中へ入っていった。

 

 

「ここがこの時代の樹海か…あっちとは随分と違うな。これじゃあ蔦や根っこで街を覆ってるだけじゃねえか」

 

もしかしたらこの世界の神樹はそれほど強い力を持っていないかもしれない。そう懸念していると、向こう側からバーテックスらしき影が見えた。

 

「アイツは…確かノッポ野郎か?俺が初めて戦ったやつ」

 

前方を確認すると百体近くの星屑の中に一体、際立ったバーテックスがいた。ラグナのいた時代のジェミニに良く似たそれは猛スピードでこちらに接近している。

 

「チッ、流石にいきなり魔道書を使うわけにも…おい、あれはなんだ?」

 

そのジェミニみたいな何かの数百m前に人間の一団が見えた。恐らくこの時代の勇者たちだろう。そしてそこには間違いなく、若葉や友奈、そして歌野もいるはずだ。

 

そんな彼女たちが何をしていたのか。少女たちのうちの一人である土居球子が秘密兵器と称して出したのは。

 

「この『最高級! 打ち立て!』のうどんタマで!! やつの動きを止めるんだ!!」

『おおー!!!』

(いや、おおー!!! じゃねえぇぇぇ!!!?)

 

彼女たちは盛り上がっているが、ラグナは一瞬コケそうになった。球子の言う作戦とは即ち敵の注意をうどんに誘導させるものだ。

 

彼女が言うにバーテックスは知能が高いため、特に人間に似ている目の前の敵ならばうどんに反応するのではとのこと。

 

全員が期待する中、球子はうどん玉をバーテックスの前方に投げた。うどん玉はその目の前に着地し、バーテックスは

 

そのまま素通りして行った。

 

『な、何ぃぃぃ!!!?』

(テメェら、バカかぁぁ!! あんなものが通じるなら人類は滅びかけてねえよ!!)

「釜揚げじゃなかったからか!!?」

(そう言う問題じゃなくね!!?)

 

ラグナが心の中でシャウトし続けていると、今度は歌野が不敵な笑顔を浮かべながら前に出た。

 

「違うわ。バーテックスがうどんに反応しなかったのは仕方のないことだったのよ」

(そうそう!! お前ならそう言うと信じてたぜ、ウタノ!!)

「バーテックスが反応しなかったのは…これじゃなかったからよ!!」

 

歌野は自信満々に言いながら懐の物をバーテックスに投げた。そこにあったのは

 

『ウルトラ信州そば』の袋だった。

 

(ウタノぉぉ!!? テメェもかぁぁぁぁぁ!!!?)

「バーテックスはうどんではなく、蕎麦派!!だからうどんには反応しなかったんだわ!!」

「そ、そうだったんだ!!」

(ンなわけあるかぁぁぁ!!!)

「くっ…悔しいが、その案に乗るしか無さそうだな」

(納得してんじゃねえよ!! 止めろよ、うどん派の誰か!!!)

 

本当なら止めに行きたいところだが可能性はゼロではない。取り敢えず様子を見てみることにした。バーテックスは蕎麦袋に猛烈なスピードで近づいていき、やはり素通りした。

 

「そ……んな……!!」

(そんな、じゃねえよ!!? ガッカリするとこじゃねえよ!!?)

「やはり、奴らとはどうやっても分かり合えないようだな…」

(戦いの最中に食いモンに反応するバカに世界滅ぼされたら一生笑われモンだよ!!)

「後で、回収するからな…!」

(言ってる場合か!? もうそこまで来てるぞ!?)

 

ラグナの言う通り、ジェミニ擬きは一切スピードを落とすことなくこちらに突っ込んでいる。まず一番手に球子が向かい打った。

 

「最高級うどんの仇!! タマが取ってやる!!」

 

球子は自身の武器、『旋刃盤(せんじんばん)』を投げて攻撃するが、悉く相手に躱されてしまった。

 

「くっ! こいつ、すばしっこくて旋刃盤に当たらない!」

「タマっち先輩! 援護するよ!」

 

伊予島杏がクロスボウを敵に向かって撃つが、こちらも軽やかな身のこなしで躱された。バーテックスも徐々に杏の方へと近づき、飛び蹴りを放ってきた。

 

「喰らいやがれノッポ野郎!! ブラッドサイズ!!!」

 

球子は急いで彼女の元へ駆けつけようとしたが、その前にバーテックスは宙から突然何者かの大鎌の一撃で叩き落とされ、そのまま樹海に激突した。

 

何が起こったのか良く分からなかった二人が戸惑っているとラグナの声が聞こえてきた。

 

「やばっ…いつもの感覚でぶっ飛ばしちまったが、問題ねえよな?」

「え? え?」

「…取り敢えず帰ってから確かめてみるか。今は気にしてる場合じゃねえ。おいアンタ、大丈…あ?」

 

杏の方を見るとラグナは一瞬目を見開いたが、すぐに落ち着きを取り戻して、改めて無事を聞いてきた。

 

「…悪ぃ、ジロジロ見ちまって。取り敢えずアンタ怪我はねえか?」

「あ、はい。特には…」

「そうか。だったら一旦下がってろ。奴が来るぞ」

「あ、あの! 貴方は危ないんじゃ!?」

「おーい、あんず!! 大丈夫か!? ておい! お前誰だよ!!」

「ンなことは良いからこいつを頼んだぞ!! 話はアイツを倒した後だ!!」

「お、おう」

 

アラマサを鎌から大剣に戻してラグナは構える。敵は再び起き上がると、彼らを向かって特攻して行った。

 

「デッドスパイク!!!」

 

敵が自分たちのすぐ前まで来るとラグナは衝撃波を飛ばすが、バーテックスはその上を跳躍して躱す。だがそれこそが彼の狙いだった。

 

「インフェルノディバイダー!!!」

 

すぐに大剣で思い切りジャンプして頭上の敵を切り、追撃にアッパーとストレートパンチをかます。敵は敢え無く神樹から遠ざけられた。

 

「こいつでトドメだ!!」

 

着地してすぐにラグナは構える。敵が地面に着く前に一気に駆け出すと、敵を一度切りつけた後に大剣を振り回す。バーテックスは剣と共に発生した瘴気によって両断された。

 

「カーネージシザー!!!」

 

他の勇者たちは星屑たちの相手をしているようで、かなり早く決着が着いた。すぐに杏と球子の方へ駆けつけると四人のうち、三人はラグナに気づいた。

 

「杏、球子!! 無事…だっ…た…」

「ワーオ、でもその恰好、それにソード…」

「良かった…生きてたんだね!!」

「……ああ。心配掛けちまって悪かったな」

 

彼はバツが悪そうにそう言うが、三人は友の無事を喜んだ。初めは状況がよく理解出来なかった他の勇者たちだったが、球子が何かを察した。

 

「もしかして…こいつが友奈たちがよくタマたちに話してたラグナか!?」

「うん、そうだよ!! 名前はラグナ=ザ=ブラッドエッジだって!!」

「外国人だったんですね…」

「ワッツ!? そんなこと聞いてなかったわよ!?」

「ラグナは香川の人らしいよ?」

「こんな奴がいたら絶対見覚えがあると思うがな…」

「それにしてもまさか『進化体』を一人で片付けるなんて思わなかったわ…」

「ん? しんかたい?」

「…この人、本当に大丈夫なのかしら?」

「仕方ないさ千景。ラグナさんは殆ど旅していたから大社の発表も知らないんだろ?」

 

若葉が大社の名前を出すと、ラグナは若干複雑な表情になった。

 

「うん? どうかしましたか?」

「…いや、なんでもねえ。お前らの気にすることじゃねえよ」

「ラグナ…やっぱり大社のことがまだ嫌いなの?」

「嫌いっつーか、なんか合わねえっつーか…苦手、だな」

 

そのまま嫌いだとはっきりとは言えない分、ラグナは少しぼかして答えた。すると樹海も晴れ始め、元の世界の形へと戻り始めた。

 

「じゃあ、あっちに戻ったらラグナの歓迎会をやろうよ!! 無事に帰って来れたことも記念して!!」

「そうだな!! タマも腹減ったから早く帰りたいぞ!!」

「もう、タマっち先輩ったら…」

「取り敢えず美味いうどんのある場所へ案内しよう! ラグナさん、どこか希望はありますか?」

「そうだな…かめやって店はあるか?」

「あるよ!! 私たちもそこで良く食べてるんだ!! 最近は歌野ちゃんと水都ちゃんの希望に合わせて蕎麦まで作ってくれるようになったよ!!」

「かなりデリシャスだったわ! みーちゃんも喜んでたから満足よ!」

 

少女たちが明るくそう話しているのを見てたラグナは思わず嬉しそうに笑った。

 

そして無事に元の世界に戻ると彼の右の視界が完全に無くなった。




ラグナは中の人とかギャグシナリオの影響でツッコミ役に似合いすぎる。

というわけで前回と今回出たゲストキャラクターはレイチェルのお父さん、クラヴィス=アルカード。彼は寧ろブラッドエッジ・エクスピリエンスの方で活躍するから気になる方はそちらの方を。

因みに諏訪組の勝手に妄想、似合うブレイブルーbgmは

白鳥歌野:Alexandrite II(マコト=ナナヤ。明るいところとメンタルの強さが良く似ている気がする)
藤森水都:in the shadows(ヒビキ=コハク。主に大雑把な人の嫁っぽいところが)

次回は予告通りのビバーク回で本編は日常回。それではまた
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