デート・ア・ライブ 狂三リビルド   作:いかじゅん

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第百六十三話『運命に背きし勝利者』

「――――――っ、ぁ」

 

 空気が凍りついた。意味の通り、今の艦橋を包む空気は、まさに一触即発。

 瞬間、言葉を失った。何を言うべきか。何を伝えるべきか。それを無くした琴里は――――――

 

 

『――――あとは、頼む』

 

 

 まだ何も終わっていないのだと、叫んだ。

 

「っ――――マリア、転送装置を緊急停止!! 全扉閉鎖!! ここから、誰一人出さないで(・・・・・・・・)!!」

 

『了解――――!!』

 

 必要なだけの経験を積んできた。即ち、今士道のために必要なことは何か、だ。故に琴里はマリアにそう命じ、マリアは忠実にそれを実行してくれた。

 琴里の部下たちも、精霊たちも驚きの表情で琴里へ視線を向けた。そして何より、まさに転送装置へ駆け出していた真那が信じられない顔で琴里を見た。

 

「なに、しやがるんですか……っ!!」

 

 真那の顔にありありと浮かぶ憤怒。もはや、殺意(・・)と呼んでも差し支えないかもしれない。

 正気じゃない。そう、言葉ではなく睨み付ける視線にて語られている。けれど、琴里は一歩も引かずに司令席から立ち上がった。

 

「聞いての通りよ。ここから出ることは……士道のもとへ行くことは、私が許さないわ」

 

 無論、琴里自身であっても(・・・・・・・・・)、だ。

 今度こそ、堪忍袋の緒が切れた。そう言わんばかりに、真那は隠そうともしない殺気を琴里へぶつけてくる。

 

「ふざけてる場合ですか!? それとも、〈ナイトメア〉に絆されたとでも……それでも、兄様の命を預かる司令官でいやがりますか!!」

 

「ええ、そうよ。士道の命を預かってる。だから、ここにいなさい(・・・・・・・)と言っているの」

 

「っ、話になりません!! こうなったら腕尽くで――――――」

 

 真那が手で何かを掴む――――顕現装置(リアライザ)を使うつもりだ。彼女ほどの腕なら、〈フラクシナス〉の中から強引にでも脱出できる。

 ふと、息を細く吐き出す。ああ、今なら、思う存分戦えそうだ(・・・・・・・・・)

 

 

「そう――――なら私が、あなたを止めないといけないわね」

 

 

 刹那、琴里の身体から焔が溢れた(・・・・・)。唇の端を上げ、琴里は片手を正面に構え、焔を操るように収束させる。

 実態を伴う紅蓮の炎――――〈灼爛殲鬼(カマエル)〉顕現に、静観していた精霊たちの中で二亜が「げっ……」と慌てた様子で声を上げた。

 

「妹ちゃんズちょっと待った!!」

 

「待たない」

 

「妹ちゃんそんな頑固だったっけぇー!?」

 

 こんな時でも――――こんな時だからこそ、おちゃらけた二亜を一瞥し、琴里はいつでも限定霊装を呼び起こせる状態にする。

 いつになく力の引き出しが簡単だった。まあ、至極当然なのだろう。何せ、琴里の精神は今これ以上なく不安(・・・・・・・・)なのだから。

 それを悟られぬよう不敵に微笑む琴里に対し、真那はもう笑うしかないというかのような半笑いで声を発した。

 

「……正気ですか?」

 

「何度でも言うわ。正気も正気よ。士道の邪魔は、私がさせない」

 

「っ……邪魔、ですって……?」

 

 カッと目を見開いた真那が、大型のモニタを手で指し示し声を張り上げた。

 

「何を見て、そう言いやがるんです!? 兄様は――――負けを認めたんですよ!?」

 

「…………」

 

 それは、真実なのだろう。精霊たちも、真那の言葉に堪えきれない悲痛な表情を浮かべる。

 士道が、負けを認めた。今し方、狂三と士道の戦争(デート)は――――狂三の勝利という形で、幕を閉じた。

 だが、終わっていない(・・・・・・・)戦争(デート)は琴里たちの負け。それでも、何も終わってなどいないのだ。その先(・・・)を、琴里は観測しなければならない。

 だから琴里は、尚も冷静に真那へ呼びかける。

 

「……どうしても、行くつもり?」

 

「あったりまえでやがります!! たとえ、琴里さんが相手でも……!!」

 

 答えは同じ、ということか。仕方がない。黙っているとはいえ、精霊たちも真那と同じ考えを、という可能性も当然考慮しなければならないのが琴里だ。

 ――――あまり、使いたくはなかった。しかし琴里は、躊躇なく隠されたカード(・・・・・・・)を切った。

 

「そ。だったら――――落ちるわよ(・・・・・)。この〈フラクシナス〉が」

 

「は……――――ッ!!」

 

 一瞬、何を言っているのかわからないという顔をした真那も、その視線に気づく(・・・・・・・・)

 

 四方八方から突き刺さる、無数の視線(・・・・・)

 

 我が子同然の〈フラクシナス〉を、琴里が落とすはずもない。その相手は、別にいた(・・・・)

 精霊たちも、同じように視線の正体に勘づいたのだろう。恐る恐る声を上げ始めた。

 

「……くるみん、抜け目なさすぎじゃない?」

 

「質問。琴里はいつから気がついていたのですか」

 

 夕弦の問いかけに、琴里はフッと表情を緩めて返した。

 

「いつからかしらね。私は、狂三なら多分こうするだろうって思っただけよ」

 

「い、以心伝心とはこのことか……」

 

「こ、これはイケナイ関係を感じますよぉ……」

 

 慄いた様子の耶倶矢はともかく、美九はどうしてこの状況でその発想が出るのかと琴里も呆れ返って息を吐いた。

 やはり、仕込んでいた。狂三なら(・・・・)、そう信じていた。『時崎狂三』ならば、士道が負けを認めた時を想定し、仕掛け(・・・)を用意していると確信があった。

 感情と戦略を切り離して考える。狂三はそれを実行できる。そしてそれは、琴里も同じ(・・・・・)

 すると、電子音声で異議申し立てが琴里の耳に届く。

 

『琴里。この案件は聞いていません。後ほど、問題として抗議させてもらいます』

 

「ごめんなさい、マリア。言うわけにはいかなかったのよ」

 

 苦笑しながら答えた琴里に、不満だらけと言わんばかりの無言抗議が発せられる。

 言ったら、巧妙に隠れた『彼女たち』でも筒抜けになってしまった可能性が高い。策は、相手に気取られず、悟られないからこそ意味がある。

 今、『彼女たち』と琴里の利害は一致している。『彼女たち』は狂三の邪魔をさせない。琴里は士道の邪魔をさせない。向こうからすれば不可解極まりないだろうが、琴里からすれば好都合な配置なのだ。

 如何に真那と言えど、『彼女たち』と琴里をこの艦橋で相手にすることはできない。精密機器が並ぶ艦橋で暴れれば、場合によっては全員が空の彼方へ放り出されてしまうのだから。

 それを悟った真那は、やはり信じられない顔をして、震えた拳を握りしめ声を発した。

 

「どうして、ここまで……!!」

 

「――――シドーを、信じているからだ」

 

 答えは、琴里ではなく十香が。真っ直ぐに、放たれた。

 その瞳に曇りはなく、その信頼は曇りある盲信ではなく――――救われた者としての、究極の信頼。

 

 

「シドーは、最後まで信じてほしいと言った。それを私たちから裏切ることは、できぬ」

 

「士道さんは、嘘をつけない人です……だから、自分の言ったことを、嘘にしたりしません……っ!!」

 

 

 十香と、大人しい四糸乃でさえも強い意志で宣言する。そこには真那は疎か、琴里でさえも圧倒しかねない力強さがあった。

 嘘にしない。するわけにはいかない。させるわけにも(・・・・・・・)、いかない。琴里は、あの一瞬で崩れかねない均衡を、保つ責任がある。

 ならばこそ、精霊たちの想いは同じ。言葉はなくとも――――否。琴里は彼女たちの想いを纏め上げるように、言い放った。

 

 

「馬鹿でお人好しのおにーちゃんが、一世一代(・・・・)の我が儘を願ったなら、叶えてあげるのが家族の役目ってもんでしょ」

 

「っ……それは」

 

「私たちは信じるわ。士道を――――そして、狂三を。今するべきことは、それだけで十分よ」

 

 

 二人を、信じる。どちらかだけではなく、あの二人の――――未来を信じる。

 しかし、まあ。

 

 

「ほんと――――羨ましいわ」

 

 

 一世一代の告白に続いて、一世一代の我が儘まで必要とされてしまうとは、とんだ高飛車なお嬢様だと、琴里は言葉を零した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 理解が、出来なかった。

 時崎狂三がその考えを抱くのは、士道を相手にして言葉の意図を理解できない(・・・・・・・・・・・・)のは、二度目。

 あの時は、理性は受け止めきれず、けれど心は理解していた。今度は、逆――――(少女)は理解しきれず、理性(精霊)は受け入れる。

 

「――――今、なんと?」

 

 それでも、訊かずにはいられなかった。問わずにはいられなかった。それほど、士道の口から出た言葉だとは、にわかに信じられなかったのだ――――ずっと、それを望んできたくせに。

 狂三の馬鹿な問いかけに、士道は己の命運を決めたとは思えぬ穏やかな顔で返した。

 

「俺の負けだ。そう言ったんだよ。……お前に、心の底から落とされた、ってことさ」

 

「どう、して……」

 

 自分の声の震えが伝わってくる。握りしめた銃がかたかたと揺れているのが、何よりの証拠だった。

 狂三の狂三らしくない言葉を聞いても、士道に動揺は見られず、むしろ困ったように微笑みながら声を発した。

 

「どうして、なんて言われてもな。元から、そういう約束だったろ?」

 

「っ、それは……」

 

「お前は俺を、俺はお前をデレさせる。――――悔しいけど、俺は負けたんだ。お前になら、全部を捨てても構わない(・・・・・・・・・・・)。そう思わされちまった」

 

 そう言った士道は、相変わらず酷く穏やかな顔で――――困った、ことに。狂三には、それが嘘ではない(・・・・・・・・)と、気づいた。気づいてしまったのだ。

 気づけないわけがない。この一年、狂三の視線には士道がいた。瞳の中には士道がいた。狂三が、士道の嘘を見抜けないはずがない――――――彼は、嘘をついていない。

 

 

「お前の覚悟も、怒りも、知った。全部、受け止めた――――優しすぎるんだよ、狂三はさ」

 

 

 ――――違う。

 

 叫ぼうとして、目の奥が熱くなり、視界が歪む。

 違う、違う違う違う!! 狂三は優しくなんかない。優しさなど、甘さの裏側でしかない。そんなものに意味はないと、『時崎狂三』は捨て去ったのだから。

 知っていたのだろう? わかっていたのだろう? 士道が狂三の過去を知った時、どんな選択をしてしまうのか(・・・・・・・)。この過去は、文字通りのジョーカー――――狂三(少女)にとって、使ってはならないババの札。

 その結果が、今まさに示されているではないか。現実になったのだ。『時崎狂三』の望み通りに(・・・・・)

 

「お前の勝ちだ、狂三。最後の戦争(デート)で、俺はお前に負けた。俺の命は、お前のものだ(・・・・・・)

 

 士道が、近づいてくる。

 

「ぁ……」

 

 無様にも、足を引こうとした。恐怖(・・)があったというべき、なのだろう。

 でも、留まった。それは、士道に対する侮辱だ。真摯に馬鹿げた勝負に望み、逃げずに立ち向かい、狂三に敬意を表した士道を相手に逃げるなど、これ以上ない侮辱だろう。

 一歩、また一歩と近づいてくる――――時間が、止まってしまえばいいのにと、思った。

 

「狂三」

 

「っ……」

 

 けれど、叶わない。叶うわけがない。この世で、摂理を捻じ曲げられるのは狂三だけで、『時崎狂三』が望まないのであれば、現実にはなり得ない。

 かたかたと震える銃口を下ろそうとする。もう、必要ない。そう言い聞かせて、右腕から力を抜き――――大きな手が、銃を掴んだ。

 

「な……」

 

「最後に、我が儘を聞いてくれないか?」

 

 微かに声を上げた狂三に士道はそう言う。

 温かな手が、しかし今は冷たく感じられて――――死神に握られているようだと、錯覚してしまう。

 ごくりと息を呑み、隠しきれない動揺の中で狂三は声を返す。

 

 

「何を、望みますの?」

 

「俺を、撃ってほしい(・・・・・・)

 

「――――――――」

 

 

 理解できない、ではない。理解を超えた願いが、あった。

 

「前に言ったよな。狂三が、俺以外を殺すことなんて許さない。今も、その気持ちは変わってない。俺は、お前だけには殺されてもいい。いや、お前の手で殺されたい(・・・・・・・・・・)

 

「そん、なの……!!」

 

 狂いに狂って、倒錯的な願望。拒絶しようと腕を僅かに動かそうとして、出来なかった。そんなはずはない。精霊と人間の力であれば、今すぐにでも士道の手を振り解ける――――できないのではなく、しないのだ。

 業を、背負えと。ただ霊力を喰らうのではなく、狂三が命を奪う弾丸は、士道で最後にしろ(・・・・・・・・)と、彼が言うのか。

 士道がそんな考えを持っているはずもない。でも、狂三にはそう聞こえてしまう。この手で、この指で、最後の引き金(・・・・・・)を引け、と。

 

「……お前なら、出来るよな」

 

「…………」

 

 そんな顔を、しないでくれ。見せないでくれ。どうして、そんなに穏やかに笑える。どうして、狂三を憎まずにいられる。

 歪んだ顔で、狂三は言葉を吐き出そうとして――――止めた。もう、狂三に何かを言う資格など、ないのだ。

 言うべきことは、ただ一つ。

 

 

「――――ええ。承りましたわ」

 

 

 この戦争(デート)に、終止符を。

 

「……ありがとう、狂三」

 

 殺される相手に礼を言うなど、馬鹿だ。大馬鹿だ。けど、そういう人間だと狂三は誰より士道を知っている。

 ゆっくりと誘導された銃口は、士道の胸元へ。そうして、士道は目を閉じた。己の運命を、受け入れるかのように。

 

「……っ」

 

 悲鳴を上げそうになる声帯を押しとどめて、狂三は強く銃を握った。ずっと、離すことなく握っていた銃が、冷たく、感触が感じられない。

 

 終わりは、こんなにも呆気ないものなのかと、嘆く。

 

 触れた先から、心臓の鼓動が聞こえるようだった。そんなはずがないのに、士道の鼓動が、聞こえそうになる。幻聴だ。これから撃ち抜くのは士道の心臓ではない。これは、士道の意識を刈り取る、士道と狂三の儀式だ。

 その先で――――狂三は士道を、殺す。

 

「……は、ぁ」

 

 息が、上手く吐き出せない。

 この引き金一つで、全てが終わる。これまでの旅、これまで、踏み躙ってきた未来を、返すことが出来る。

 喜ばしいではないか。一人の少年の想いを犠牲にして、世界を救う。とんだ美談だ。ハッピーエンドだ。何を躊躇う必要がある。

 

 

『そうでしょう? 『時崎狂三』』

 

 

 黙れ。

 

 

『あなたが望んだことですわ。あなたが望んだエゴですわ。出来ないのなら、初めから道を選ばなければよかったのですわ』

 

 

 うるさい。

 

 

『現実から逃げ、快楽に浸る。それもまた、人間の生き方。あの子も仰っていましたのに。それを望むのであれば、受け入れると』

 

 

 それ以上、喋るな。

 

 

『それを望まなかったのはあなたですわ。『時崎狂三』、精霊に成り果てた怪物(・・・・・・・・・・)なのでしょう? 狂三(少女)を捨てた精霊なのでしょう? 何を迷っているんですの。何を躊躇っているんですの。いつから『時崎狂三』は――――恋心(しょうじょ)に揺れ動かされる、甘い存在になってしまったのかしら』

 

 

 ――――黙りなさい!!

 

 わかっている。わかっているとも。『時崎狂三』が迷うことは許されない。狂三(精霊)狂三(少女)に心動かされることなどあってはならない。

 どれだけの未来があった?

 どれだけの命があった? 

 どれだけの幸福な現実があった?

 

 それら全てを理不尽に奪い去り、踏み躙った『時崎狂三』が、たかが小娘一人の恋心に負ける? そんなこと、出来るわけがない。それをしてしまったら、狂三は狂三を許せない。絶対に、許さない(・・・・)

 

 故に『時崎狂三』は、狂三(少女)の心を捩じ伏せた。

 

「……!!」

 

 指先に、力が灯る。

 

 撃て。そして、終わらせろ。数々の悲劇を、惨劇を。

 撃て。そして、幕を引け。馬鹿馬鹿しく、最悪な世界を。

 

 たった一瞬、それで終幕を迎える。狂三は、引き金に指を触れさせ――――――

 

 

『また……、デェトに連れていってくれるか……?』

 

 

 知らない記憶を、視てしまった。

 

 

『違……ます、来て、くれ……嬉し……て……っ』

 

 

 記憶の、奔流。混線した、履歴。

 

 

『好き!! 私も大好きよ!! おにーちゃん大好き!! 世界で一番愛してる!!』

 

 

『だから、まあ、つまんないもんだけど、お礼にと思って』

『請願。目を閉じていてください』

 

 

『たとえこの声を失っても。みんなが私の歌を聴いてくれなくなっても――――あなたがいるなら、それで、いい。もしその時は……あなたのためだけに、歌ってあげます』

 

 

 何を、訴えている。何を、叫んでいる。

 

狂三(少女)の知る記憶が、知らない記憶が、浮かんで、消えない。

 

 

『私…………本当に、可愛い?』

 

 

『この恋は、負けない』

 

 

『けど、それが悪くないんでしょ?』

 

 

『もちろん、主様が切ってくれるのじゃろう? 家族以外にこの髪、触れさせる気はないぞ?』

 

 

 どうして、こんなものが、今さら――――今さら、来ないでくれ。

 

 

「ぁ……ぁ、ああ……っ!!」

 

 

 揺らぐな。お前はなんのために、ここまで来た。お前はなんのために、戦ってきた。お前は何を背負っている。

 

 こんなもの、『時崎狂三』には関係ない。

 こんなもの、『時崎狂三』は関わっていない。

 

 全て、〝なかったこと〟になる。

 

「ぅ、ああ……ああああああああぁぁぁ――――――」

 

 

 だから、撃て。撃て、撃て、撃て――――!!

 

 

「っ――――――あああああああああああああああああッ!!」

 

 

 絶叫が劈く。そうして――――――

 

 

 

『私は――――――シドーが〝好き〟だ』

 

 

 

 時崎狂三は、〝選択〟した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――ぁ」

 

 

 かちゃんと、音が鳴った。

 

 振り払った手を離れ――――銃が、落ちた音。

 

 

「……、う、あぁぁ」

 

 

 その、瞬間。

 

 

 

「あぁぁぁぁぁぁぁっ……あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ……!!」

 

 

 

狂三(少女)は、『時崎狂三』を裏切った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 少女が、泣いていた。

 

「あ、あ、ッ――――あぁぁぁぁぁぁぁぁっ……」

 

 決して、泣くことのなかった。涙を忘れた少女が、泣いていた。

 滂沱が表す感情は、怒り、悲しみ、嘆き――――どれも、撃つことが出来なかった(・・・・・・・・・・・)少女への、自身への怒り。

 両の手で覆ってなお溢れ出る涙は、少女が流せなかった一生分の涙のようで……少女は、力を失ったように崩れ落ちた。

 

「狂三……!!」

 

 身体を支えるようにして、ゆっくりと狂三を地面へ下ろす。へたり込むように座り込んだ彼女の手に――――銃は、握られていなかった。

 古式銃は影に帰らず、士道の視界の先に落ちている。狂三の手で手放されて(・・・・・・・・・・)、落ちていた。

 

「…………」

 

 それがどれほどの意味を持つのか。泣き崩れる狂三を見て、士道は噛み締めるように目を伏せた。

 狂三は、何があろうと(・・・・・・)銃を手放さない。

 そのままの意味だ。彼女は、悲願を決意したあの瞬間から、一度たりとも銃を手放すことはなかった。たとえ、士道と安らぎを覚える瞬間でさえも、彼女は必要とあらば瞬時に銃を握っていたことだろう。

 『時崎狂三』という刃をしろしめすものとして、士道は気づいていた。その彼女が、銃を手放した。

手放させて(・・・・・)しまったのだ。士道が……否。士道たちが(・・・・・)

 

 

「――――ず……る、い」

 

 

 噦る狂三は、普段の気丈さからは信じられないほど幼く見えた。そんな彼女が、たどたどしく言葉を発した。

 

「し、どうさんは……ずるい、ですわ……っ。わたくしが、わたくし、は……撃てなくては、いけなかったのに!!」

 

 そうだ。『時崎狂三』であるが故に、撃てなければならなかった。撃たなければ、これまでの全てを無に帰してしまうのだから――――でも、撃てなかった。

 その業を押し付けたのは士道だ。だから、全てを受け入れるように、泣きじゃくる狂三を抱きしめ、言う。

 

「うん。そうだな――――でも、狂三は撃たなかった」

 

「っ……!! 卑怯、ですわ……!!」

 

「うん。でも、俺は謝らない」

 

「……あ、ああああああああ――――ッ!!」

 

 士道の胸板を弱々しく狂三の手が叩く。気の済むまで、させてやるつもりだった。

 狂三の心に渦巻く激情は、恐ろしいほど混沌としているはずだ。怒り、戸惑い、悲しみ、喜び。全てが全て、彼女自身の感情。

 

 ああ、ああ。やはり、狂三は視てしまったのだろう。

 

 記憶が流れ込むのは、士道だけではない。あの空間は心の距離が全てを決める。視たのだ、狂三は――――自分が紡いできた(・・・・・・・・)、思い出を。救いを(・・・)

 

 それは、『時崎狂三』ではない狂三(少女)が紡いだ奇跡。士道と共に歩み得た〝友〟たちの救い。

 

「お前は、優しいから……自分のためには、止まらないもんな」

 

「う、ああああぁぁぁ……」

 

 士道だけでは止まらない。ああ、そうとも、止まるはずなどなかったのだ。士道の持っていたエゴは、元々狂三を手にしたいという欲、狂三に普通の幸せを与えたいという欲。極端に言えば、狂三自身の救いに繋がるものだ。

 受け取るはずがなかったのだ。狂三は、自身の幸せの代償に悲願を捨て去れる子ではない。

 

 

「だけど――――誰かの幸せのために、頑張れちまう。どこまでも優しいんだもんな、狂三は」

 

 

 けれど、誰かの幸せを、幸福を、それを見て、創って、生み出してしまったのなら――――狂三は、『時崎狂三』ではいられなくなる。

 これが最後――――そう言い聞かせるように、言霊にしてた。

 嫌だと叫ぶ少女を殺すように、精霊は自らの想いを犠牲にする。犠牲にできる

 だが、ああ、ああ。大切な皆の想いは、犠牲にできなかったのだ。

 

 士道だけではない。彼と共に得た、かけがえのない〝友〟を。その大切な繋がりを。その救いを、〝なかったこと〟にするなど出来ない――――――したくない。

 

 『時崎狂三』は、時崎狂三(自らが紡いだ世界)に、負けてしまったのだ。

 

 

「け、れど……わたくし、は――――!!」

 

 

 それでも。士道の胸板を突く拳は、強く。

 

 

「諦めるわけには、いきませんわ!! 紗和さんを、皆様の未来を返して――――でも、でも……っ!!」

 

 

 諦めきれない悲願への決意が燻り続ける、悲しい精霊の姿があった。

 そう。少女が精霊を押さえつけたとしても、狂三が救われるわけではない。この選択は、ただ狂三が紡いだ履歴を消すことができなかったという結果が生み出され、狂三の心に深い悲しみをもたらす。

 何のために罪を重ねたのか。泥を被ってきたのか。それら全てを、取り返さぬまま無駄にしてしまうのか。

 

 それこそ。士道が迷っていたこと。狂三を諦めさせることができたとして、それは果たして狂三の救いになるのか――――なるわけが、ない。

 

「なあ、狂三」

 

 だから士道は、未来(・・)を選ぶ。

 存在しなかった未来。第三の選択肢。さっきのが士道の我が儘? 何を言っている――――ここからが、士道が持つ最高の我が儘なのだ。

 

「俺たち、どっちも目的を果たせなかった。これって、引き分けってことでいいよな?」

 

「……どちらかといえば、わたくしの試合放棄のように見えますけれど」

 

「……お前、こんな時でも変わらないな」

 

 こんな時だと言うのに、呆れ顔にならざるを得ない。

 本当にこのお嬢様は減らず口が減らないというか。自身の不利に関してすら頑固というか。

 まあ、とにかくこの先が肝心なのだ。狂三が撃てなかった。皆との奇跡で起こした結果の先――――狂三を、口説き落とす(・・・・・・)

 

「俺はお前になら殺されてもいい。けど、お前は俺を殺せなかった。さて、困ったな。俺と狂三、二人の望みは平行線。このままじゃ、どっちの希望も叶わない」

 

「士道さん……?」

 

「――――そうやって俺たちは、難しく考え過ぎてたんだよな」

 

 フッと笑い、士道は立ち上がる。涙で腫れて、別次元の美しさを纏う狂三が見上げてくる。

 片方の望みが叶えば、片方の望みが失われる。等価交換。常識だ。現実だ。

 

 それを受け入れていたことこそ、士道が強大な世界に負けを認めていたことに他ならない。

 

 だからこそ、士道は士道らしく。自分らしくなかった自分を捨てて。大馬鹿(・・・)の五河士道として、狂三へ手を差し出した。

 

 

「歴史を、変えよう――――俺たち、二人で(・・・)

 

 

 それこそ、士道の出した最後の答え――――究極の我が儘だった。

 目を丸くして、理解が追いつかない狂三がぱちくりと瞼を何度か瞬きする間に、士道は堂々と世界への文句を口に出した。

 

「大体、何で俺たちが妥協しなきゃいけないんだよ。俺は狂三が好きで、狂三は俺が好き。何も問題ないのに、世界に邪魔されちゃたまらない」

 

「は……ぁ。え……?」

 

「だから、世界を壊す(・・・・・)。俺だけじゃなくて、狂三だけでもなくて。俺たちで(・・・・)、な」

 

 どうして、こんな簡単なことに気が付かなかったのだろう。

 答えは、ずっと手にしていたはずなのに。士道と狂三は、どんな困難も乗り越えてきた。それこそが、答えそのものだった。

 理解に苦しんでいる狂三を見遣り、士道は不敵に笑って言葉を続けた。

 

「俺だけじゃ時は越えれない。けど、狂三だけじゃ始源の精霊ってやつが生まれるのを防ぐことしかできない。なら、両方合わせちまえば、どうだ?」

 

「な……そ、そんなの理想論でしか……っ!!」

 

「ああそうだ、理想だよ!! 我が儘だよ――――けど俺たちは、ずっとそうやってきただろ!!」

 

 意図せずして、士道と狂三はそうやって何度も奇跡を起こしてきた。世界すら、一度は変えてみせた。

 それと同じ。いいや、それ以上のことを〝完璧〟にやってしまえばいい。狂三と士道で、だ。

 

 

「過去を〝なかったこと〟にするんじゃない。新しく創る。世界を創り変える(・・・・・・・・)。俺たちで……俺たちの最高のハッピーエンドを、創り出す!!」

 

「ど、どうやって……」

 

「それを、みんなで考える!!」

 

 

 ポカンと。今度こそ狂三は心底呆気に取られた顔をした。

 当然。現実を見れば、当たり前のようにぶつかるだろう。人は不可能だと笑うだろう。けれど士道は、不可能を捩じ伏せて、可能にしてきた。だから、言えるのだ。

 

 

「みんなの力を借りて、やり方を考える!! 今までだってそうしてきた。俺たちはそうやって、明日を創ってきた。方法はめちゃくちゃでも、理屈は変わらねぇ!! ――――奇跡を起こすのが精霊ってもんなら、それを使わない手はないよな?」

 

 

 幾つもの、奇跡を見た。〈刻々帝(ザフキエル)〉は狂三と士道に応え、いつだって奇跡を謳った。

 それと同じことを、すればいい。奇跡を起こすのが精霊ならば、士道は何度でも奇跡を起こす。不可能な事象を、可能にしてみせる。

 

「その始源の精霊ってやつも、〈アンノウン〉のことだってまだ何も知らない。〈刻々帝(ザフキエル)〉だって、狂三の知らない力を得たんだろ? 最初から無理だって諦めるのは、勿体ないぜ」

 

「そ、それは……」

 

 眉根をひそめる狂三の気持ちは理解できた。正直、士道自身めちゃくちゃを言っているのはわかっているのだ。

 二人で過去に行くための霊力はどうするのか。世界という強固な壁を前にして、都合よく物事を書き換えるなどできるのか。

 

 ――――出来るさ。士道と狂三の二人なら。

 

 確信を持って、言える。数々の奇跡を生み出して、あの『時崎狂三』さえ止められる履歴を生み出した士道と狂三ならば、その程度の奇跡起こしてみせようとも。

 

 

「俺たちだけじゃない。狂三の力があれば、できるかもしれない。同じことを、もう一回言うぜ――――出来るか、出来ないか。そんなの、やってみてから決めればいい」

 

 

 士道は狂三を信じて。狂三が、士道を信じてくれるなら。出来ないことなど、ない。

 世界を変えたあの日と同じ言葉と、あの日言えなかった言葉を、紡ぐ。

 

 

「俺は、狂三と未来を創りたい。そのためなら俺は――――――自分の身勝手(時崎狂三の幸せ)のために、この理不尽な世界をぶっ壊す」

 

 

 そのためなら、士道という存在の全てを賭ける価値がある。

 士道は、そのために答えを出した。己の欲(・・・)のためだけに、世界を壊す。狂三を苦しめる、この気に入らないクソッタレな世界を、好き勝手に創り変えてみせる。

 

 それが――――五河士道の得た、答えだった。

 

 

「――――本気で」

 

 

 ぽつりと、狂三が言葉を零した。

 

「出来ると、思っていますの」

 

「出来る。俺たちなら、やれる」

 

「わたくしのために、世界を壊すと?」

 

「お前のためだけじゃない。俺自身のためだ。そのために、都合のいい世界を創る。俺たちの思い出を、なくさなくていい世界を」

 

「……死んだ方がマシだと思える、道かもしれませんわ」

 

「慣れてるさ」

 

「正しいことでは、ありませんわ」

 

「今まで、俺はやりたいようにやってきた。それが正しいかなんて、今さら知ったこっちゃない」

 

「…………ああ、ああ。どこまで、どこまであなた様は……」

 

「何度でも言ってやる。頭がおかしくなるくらい、俺はお前のことが好きだ。お前を手に入れるためなら――――世界を壊したって、惜しくない」

 

 五河士道が目指す道に、倫理や道徳が邪魔になるなら、躊躇わず捨て去ろう。あらゆる可能性を模索して、不可能など撃ち抜いてみせよう。

 悪夢の女王と並び立つためなら、世界を壊す魔王にだってなってみせる。

 

 手を伸ばしたあの瞬間に、士道に足りなかった全てを懸けて。

 

 

「――――バカな、人」

 

「おう、知ってる――――五河士道は、時崎狂三がいなきゃ、どうしようもない人間なんだ」

 

 

 繰り返した問答は、終わりを告げる。

 

 勝利者のいない戦争(デート)。けれど、最後の勝利者は、二人(・・)

 

 

「本当に、仕方のない人」

 

 

 花咲くような微笑み。少女は、いつだって少年を魅了する。

 

 

「けれど、そんな士道さんだから――――わたくしは、信じてしまうのかもしれませんわね」

 

 

 けれど、その笑みには一筋の涙があって。

 その涙の意味を知って、目を見開いて打ち震えた――――少し、遅くなったけど。

 

 

「ならば、二人で(・・・)参りましょう。この世界を、存分に破壊して(楽しんで)差し上げましょう」

 

「ああ、行こう――――俺たちの戦争(デート)へ」

 

 

 少女はやっと、素直に泣けたのだ。悲しみではない涙を、士道の前で取り戻すことが、できたのだ。

 

 あの日、重なることのなかった手のひらが――――――想いが、重なった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとう。君なら、この時間(・・・・)を生み出せると、信じていたよ」

 

 

 

 そんな脳髄を揺さぶる(・・・・・・・)声が響いたのは、一瞬。

 誰もいない。二人だけの世界に、光が走った(・・・・・)

 

 

「――――え?」

 

 

 それは、どちらの声であったのだろう。士道であったかもしれない。狂三であったかもしれない。或いは、両方であったかもしれない。

 確か、なのは。それ(・・)が見えているのは士道だけだった。狂三へ迫る(・・・・・)それが見えているのは、士道だけだった。

それ(・・)が何なのかは、わからない。けれど、本能的に、直感的に、狂三をそれ(・・)に触れさせては駄目だと悟った。

 

 だが、何も出来はしない。

 

 一瞬の後、それ(・・)は狂三の胸を穿つ。避けられはしない。庇うこともできない。天使の顕現など、間に合うはずもない。そして、狂三自身があまりにも無防備だ(・・・・・・・・・)

それ(・・)は、それ以上の声を上げる間もなく狂三を穿ち――――――

 

 

 

「うん――――『私』なら、そうするよね」

 

 

 

 因果が、未来が書き換わる(・・・・・・・・)

 

 

「は――――――?」

 

 

 目を疑う光景を、士道と、そして士道に抱き込まれた狂三が見た。

 

 薄くしなやかな光の帯。一目で、何かを貫けるものではないとわかるそれは――――士道たちの目の前で、一人の少女の胸を貫いていた。

 

 眼球そのものが震えているように、視界が揺れ動く。

 

 

「――――君、は……」

 

 

 呆然と、そんな声が届いた。それは士道でも狂三でも、ましてや胸を貫かれた少女でもなく、少女と同じ貌をした少女(・・・・・・・・・・・)が、零した。

 

 こんな状況で、三者が食い入るように見る少女は――――――笑っていた。

 

 まるで、こうなることが正しかったように、笑っていたのだ。

 

 

「……これが、君の選択なの?」

 

「……そう、だよ。だから、ね」

 

 

 同じ貌を持つ少女たちが、向き合う。否、胸を貫かれたはずの少女が少女へ向き直り、重なり合うように身を委ねた。

 

 

「――――ただいま。『私』」

 

「――――おかえり。『私』」

 

 

 少女が、溶けて、消え逝く。

 

 残されたのは、胸を貫いた少女と、少女に取り込まれる二つの霊結晶(セフィラ)

 そう。それは、精霊の力の源。灰色の光を放つ一つと、もう一つは――――――白を黒で染めた(・・・・・・・)ような色だった。

 

 士道は、消えた少女を知らない。あまりに可憐で、美しい少女。それだけではないと、士道の中の何かが叫んでいる少女。

 

 故に士道は、少女の名を呼んだ。

 

 

 

「……アン、ノウン――――?」

 

 

 

 偽りの名を、この世にいない少女の名を肯定するかのように、少女は――――最初にして最後の精霊(デウス・エクス・マキナ)は、愛を持った微笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 全ては、この瞬間のために。

 

 

 

「……久しぶり。ようやく会えたね――――シン」

 

 

 

 原初の神が、世界に顕現した。

 

 

 





NEXT TIME『澪バッドエンド』。



二人の最終章とは言ったが、物語の最終章とは一言も言っていない。そんなこんなで五河アンサー編、完結いたしました。あ、記念に感想もらえると嬉しいです(ラスト付近不評続出なんじゃないかと常にドキドキしていた顔)。
原作以上に頑なで自罰的で恐ろしい頑固者になった狂三を止める方法。それは士道のエゴでも、狂三が封じた自身の幸せでもなく、誰かの救い。自分が手を貸して、救ってしまった大勢の記憶。それを〝なかったこと〟になんて出来ないと、気づかされてしまった。今さら、というのはそういうことです。
ちなみに、ここは一つのルート分岐点です。たとえば士道がこのリビルドで得た二人なら、という答えを持ち得なかったら……それもまた一つのエンディングである狂三ENDを辿る分岐。本編が完結したらちょっと触れたいですね、個人的に(盛大な自己満足)

さて、誰もが士道を信じていた。十香たち精霊も、〝彼女〟でさえも。だからこそ致命的な隙が生まれ、白い少女はある運命を変えた。


さあ――――〝計画〟を始めましょう。


感想、評価、お気に入りなどなどお待ちしておりますー。次回をお楽しみに!!
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