「お待ちしていました、五河士道」
相変わらず感情の起伏が薄く気味が悪い。いや、起伏が薄いわけではなく必要最低限の感情しか使っていないのか。どちらにしろ、士道が緊張を和らげるための現実逃避に似た考察。
エレン・メイザースは、ただ淡々と士道を見て声を発した。用事があるのは
「無遠慮で作法がなっていないお客様ですわね。いえ、不法侵入なのですから客ではなく部外者でしょうか。まったく、淑女ではなく盗賊ですわ」
「っ、おい狂三……!!」
わざわざ煽るような事を言う狂三を咎めるが、エレンはやはり表情を動かさない。内心はどうあれ、狂三の揺さぶりに耳を傾けるつもりはないらしい。士道の眼前で肩を竦めた狂三が、そのまま士道へ向けて声を発した。
「どうやら、要件は士道さんにあるようですのでお任せ致しますわ」
「……ああ、みたいだな。天下のDEMさんが、か弱い一般市民の家に不法侵入までして、一体なんのご用ですかね」
狂三ほど口に自信はないが、最大限皮肉を込めて言ってやる。そうなるとは思ったが、エレンは気にする素振りすら見せず士道を見つめていた。
「何の事はありません。一つ、簡単な質問をしに来ただけです」
「質問?」
「はい。単刀直入に聞きます――――――先日あなた方が連れ去った精霊〈ウィッチ〉は、今どこにいるのですか?」
「――――――ふざけるな。教えられるわけないだろ」
一瞬の間も置かず、士道は唸りのように低い声で返答を返していた。狂三の目の前でなければ、恐らく声を荒らげていたに違いない。
七罪の行方は、実のところ士道たちも知らない。だが、そんな事をエレンに教えてやる必要はないし、知らないのであれば好都合だ。七罪を危険から遠ざける事ができる。
「まあ、そうでしょうね。こちらも、そう簡単に教えてくださるとは思っていません」
「……そうかい。ならさっさとお引き取り願おうか。こっちにも、夕飯の支度があるんでね」
「あなたが作るのですか?」
「悪いかよ」
「いえ、素敵だと思いますよ」
「……そいつはどうも」
エレンに褒められたところで何一つ嬉しくなどないが。社交辞令にも満たない敵意の籠った言葉を受け流し、エレンはソファから立ち上がった。
何を考えているのか。そのまま部屋の中を観察するように視線を巡らせる。
「……少し手狭ですが、掃除の行き届いた良い家ですね。毎夜の幸せな団欒が見えてくるようです」
何を考えて言葉を紡いでいるのか。その真意が読めない士道は困惑に眉をひそめ――――――狂三の纏う空気が、また変わったのを感じ取った。棘のあるピリッとした張り詰めたものに、変わった気がした。
「その団欒にいるのは一体誰でしょう。あなたに、五河琴里、夜刀神十香、四糸乃、もしかしたら八舞姉妹や誘宵美九――――――ああ、〈ナイトメア〉もいるかもしれませんね。皆、あなたの料理に舌鼓を打つのでしょう。絵に書いたような幸福な空間です。素晴らしい。是非、大事にしてください」
「――――――何が言いたい」
士道が大切にしている団欒。ああ、こんな奴に言われるまでもない。いつか、その中に狂三が入ってくれればと思っているさ。だからこそ、こんな奴の口から嫌味ったらしく出てくることが許せそうになかった。
窓を背に、逆光を浴びながらエレンは不意の問いかけを浴びせる。
「――――――その団欒は、誰のおかげで存在していると思いますか」
「……決まってるだろ。琴里や〈ラタトスク〉の――――――」
「違いますね――――――それが今存在し得ているのは、アイクの、そして私のおかげです。
「っ!!」
――――――本気だ。
士道は彼女の表情で悟る。荒唐無稽でふざけているとしか思えない理論を、エレンは何一つとして冗談で語っていない。本気で、そうなのだと思っている。
「簡潔に言いましょう。五河士道、並びに〈プリンセス〉、〈イフリート〉、〈ハーミット〉、〈ベルセルク〉、〈ディーヴァ〉。以上の安全の代償として、〈ウィッチ〉の居場所を教えてください」
「てめぇ……!!」
「勘違いしないでください。これはこれ以上ない譲歩です。あなたに選択権はありません――――――単純な算数です。〈ウィッチ〉
「お断りだ」
一部の迷いもない。士道は一刀両断でエレンの言葉を切って捨てた。その答え自体は予測していたものなのだろうが、あまりの速さに少し面食らっている様子だった。ざまあみろ、と士道は言葉を続ける。
「言い方を変えようか? 俺は昔から算数が苦手なんだ。もう一度言うぜ――――――お引き取り願おうか」
「……そうですか。残念です」
「――――――黙って聞いていれば、随分思い上がった事を仰いますのね」
それは、士道に向けてのものではない。殺気と、僅かではあるが静かな怒りを灯した狂三がエレンを殴りつけるように声を飛ばしたのだ。
「我々が見逃しているから? 無様な姿を晒した負け犬の分際でよく吠えましたわねぇ。本当に、あなたの愛する男ごと黙らせて差し上げましょうか」
「それが事実です。〈ナイトメア〉、如何にあなたであろうと――――――」
「素直に仰っては如何ですの――――――士道さんを、『鍵』とするつもりなのでしょう?」
「――――――――」
微笑を浮かべた狂三に対して、今度はエレンの纏う空気が一変する。変わったのは纏う空気だけではない。張り巡らされた随意領域の圧が変わったのが、妙に息苦しい――――――もしかしたらこれは、二人がぶつけ合うプレッシャーなのかもしれなかった。
「合理的ですわ、必然的ですわ。〈ラタトスク〉にとっても、DEMインダストリーにとっても、士道さんは欠かすことが出来ない
「――――――やはり、あなたは危険です」
士道を『鍵』と表現し、それを聞いたエレンが余裕を翻し表情を変えた。二人がどういった意図で意思を繋ぎ合わせているのか、士道には皆目見当もつかない。話に出ている当人だと言うのに、既に流れは彼の手を離れていっている――――――精霊と魔術師の戦争という形で。
声を発することが叶わない。そんな士道の代わりに
「――――――っ!?」
刹那。瞬きの一瞬にも満たないと思える、その刹那だ。張り詰めていた緊張が和らぐどころか――――――狂三とエレンは、お互いの眉間に銃と刃を突き付けていた。
距離を詰める瞬間どころか、互いの武器を取り出す仕草すら見逃した。くぐり抜けた修羅場の数が違う、それを否応なしに感じさせる存在が今目の前にいる。
ワイヤリングスーツなしの随意領域を保つのは集中力が必要だと聞いた事がある。エレンは、狂三という存在を前にして――狂三という存在がいるからか――その集中を欠片も乱していない。同時に、それに対応しながら悠然と相対する狂三も大したものだ。
今ようやく、狂三が一歩も前に立つなと言った理由が身に染みた。彼女の一歩後ろにいるというのに、部屋に満ちるプレッシャーが肌を突き刺す。いや、肌が爛れるのではないか思えるほどの殺意が場を支配していた。
「あら、あら。淑女とは思えない横暴なやり方ですわね。わたくしも、思わず手が出てしまいましたわ」
「……あなたは危険すぎる。今ここで――――――」
だが、そこで
「出ていただいて構いませんわよ。わたくしは、
「ふん……」
どこまでが本気なのやら。そんな狂三の物言いに不快そうに眉を動かし、だがエレンは素直に電話に応じた。
「はい、私です。何かありましたか――――――なんですって?」
冷徹さを保っていたエレンが、電話の先でどんな情報を耳にしたのか表情を険しいものへと変えた。その会話が聞こえたのだろうか……狂三も僅かに肩を揺らす。
「……ええ。わかりました。こちらで対応します」
「――――――では、今度こそお引き取り願いましょう」
三度目。今度は狂三の口から告げられた言葉を、エレンは忌々しげに受け止めながら張り巡らせた随意領域を解除した。
「く……っ」
随意領域に縛り切られていたわけではないが、二人の強烈なプレッシャーから開放されたのもあって士道は身体のバランスを崩しその場につんのめった。それを狂三が支えてくれるが、エレンを前にして無防備だと士道はエレンを見やるが……。
「運のいい人です」
「は……?」
向こうは興味をなくしたように、一瞥すらしないまま走り去ってしまった。
「な……何だ、一体……」
「良いではありませんの。不愉快な方にいつまでもこの家の敷地を跨がせておくのは我慢なりませんわ。それよりも、お電話が鳴ったままですわ」
「え、ああ……」
もしかして、狂三が所々で珍しく怒りを露わにしていた原因って……? と、それを考え切るよりも早く、士道は電話の画面に琴里の名前が示されている事に気づいて急いで通話ボタンを押した。
「もしもし? 琴里か? 聞いてくれ、今――――――」
『出るのが遅いッ!! 何してたのよこの非常時に!!』
開幕から相変わらずの凄まじい怒声。鼓膜へクリティカルフィニッシュ、までは行かずともクリティカルヒットはする声量に士道は思わず文句を垂れた。
「な、何だよ。こっちだって大変だったんだぞ」
『いいから、落ち着いて聞きなさい。そっちに狂三もいるわね、一緒に聞いてちょうだい』
「……なんだ。一体、何があったんだ?」
士道だけではなく、狂三も指定した琴里の深刻な声に眉根を寄せた。急いで電話をスピーカーに切り替え狂三と二人で琴里の声が聞こえる環境を作った。
「ええ。にわかには、信じられないだろうけど――――――」
こちらの状況を察したのか、彼女はいつになく緊張を孕んだ呼吸を整え――――――恐ろしい言葉を紡いだ。
『――――――今から数十分後、天宮市に、人工衛星が落下してくるわ』
「空間震警報!? こんな時に!?」
「いえ、違いますわね。精霊が現れる予兆はありませんわ」
慌てて窓の外を見やるが、狂三は見るまでもなくそう冷静ながらも断言に近い声を発する。
『狂三の言う通りよ。辺りに空間の揺らぎは観測されていない。これは奇跡的なタイミングで起こった誤報か――――――人工衛星の落下による被害を空間震のせいにしたい何者かの仕業よ』
「空間震のせいに……って、一体誰が!?」
『……恐らく、DEM社でしょうね』
琴里の予想は普通であれば、他に出来る組織も考えられず合理的なものだろう。が、士道はほんの数分前の光景を思い出しそれに待ったをかけた。
「ちょ、ちょっと待ってくれ。それはないんじゃないか……?」
『おかしなことを言うわね。これだけの事が出来る組織、実行力的にも頭のネジの外れ具合的にも、他にないと思うけれど』
「あ、いや。それは同意するが……」
「琴里さん、実は――――――」
狂三が言葉を引き継ぎ、士道も彼女を補佐する形で琴里にたった今起こったことを説明した。家に帰ったらエレンがいたこと。あわや狂三がエレンと交戦状態に入りかけて――――――何故か、不自然にエレンが家から出て行ったこと。
『エレン・メイザースが? 確かに妙ね……もしこの行動が、精霊を一網打尽にする計画なのだとしたら、それを彼女が知らないはずはない……いえ、それ以前に……』
「考えるのは後、ですわ。その人工衛星……何か、仕掛けがあるのではなくて?」
『――――――ええ。微かだけど、魔力反応が感知されたわ』
琴里の言葉に士道の顔が強ばり、狂三も心なしか表情を似たようなものへ変える。彼女の場合は、当たって欲しくない予想が当たってしまったとか、そんな風な顔だ。
「そ、それってどういうことだ?」
『まだ詳しいことはわからない。でも、DEM社が、ただの人工衛星の残骸を降らせてくるだけとは考えづらいわ。何らかの方法で、大気圏を突破してくることだって考えられる』
「最悪の場合――――――対空間震用のシェルターすら、
「な……っ!?」
話にならない。それは、丈夫に作られたシェルターですら人々を
「その人工衛星がもしシェルターの真上に落ちたら……中にいる人たちは……っ!?」
『……まだ推測の段階よ。けど、狂三が言ったようにそういう可能性もあるわ。あくまでも、可能性の話』
そうは言うが、琴里が士道を安心させようとあえて楽観的な言葉を使っているのは明白だった。
「…………ッ!! なんだよそれ!! 精霊たちが狙いだからって、いくらなんでもそこまで……!!」
『そこがまた――――――わからないのよ』
「……え?」
拳を痛いほど握りしめ怒り叫びを上げる士道に対して、琴里は再び思案するように難しげに声を発した。
『DEMも、私たちが空中艦を持っていることは知っているはず。精霊たちが狙いっていうのなら、こんな確実性のない手段を取るとは思えないわ』
「じ、じゃあ、どういうことなんだよ、これは……」
『現状では何とも言えないわ。上層部にそんな判断も付かない馬鹿がいたのか、とうとう頭が狂ったのか、それとも――――――何か他に目的があるのか』
「目的……」
街全体。数万人規模の犠牲者を出すかもしれない目的。それこそ、皆目見当もつきそうにない。
思い出したのは、アイザック・ウェストコット。事実上のDEMトップの男。だが、あいつではない。側近であるエレンが焦っていた理由がわからなくなるし、何よりどのような目的であろうと
後は士道を『鍵』と語りエレンと彼がわからない話をした狂三ならば……と思ったが。
「今はそのような事は関係ありませんわ。大方、向こうのくだらない
「どうでもいいって……」
狂三らしくもない乱暴な言い方だが、彼女はふんっと不機嫌さを隠さず鼻を鳴らした。
他者より多く情報を得ている狂三は、完璧ではないにしろある程度の予想は出来た。しかし――――――
理由などどうでもいい。向こうの事情など狂三の知ったことではないし、同情すべき理由もない。ただ、そのようなことに士道や精霊たちを巻き込んだことが
「それよりも、有事に備えて士道さんを回収する算段なのでしょうが……このお人好しなお方を納得させるだけの解決策、琴里さんはお持ちなのでしょう?」
『ええ。単純な話よ――――――人工衛星が大気圏を超えて地上へ墜落する前に、〈フラクシナス〉の主砲で撃ち落としてやるわ』
その方法なら、仮に爆破術式が作動したところで降り注ぐのは爆風や破片だけ。人的被害は抑えられ普段の空間震被害と差はなくなる。完全に無事でないが、最悪の事態は免れると琴里は続けた。狂三も納得したように頷いているし、琴里が自信を持ってそう言うのなら大丈夫なのだろうと士道はホッと息を吐いた。
「なるほど……それなら!!」
『納得してくれたみたいね。じゃあ、今すぐ〈フラクシナス〉であなた達を回収するわ。続けて十香たちの回収もするから、急いでちょうだい』
「ああ!!」
携帯の通話を切って狂三と頷き合い、玄関に向かい靴を履き直す。十香たちも待っている、グズグズはしていられない――――――と、靴を履くために屈んだ士道のポケットから、何かが転げ落ちた。
「あ――――」
「士道さん?」
突然固まった士道を見て、狂三は不思議そうに首を傾げる。ともすれば、急かすようにとも思えた。だが、それに答えることは出来ない。落としてしまったのは、
士道は思い出してしまった、取りこぼした可能性を――――――思い出したからには、士道は残された可能性を捨て置くことが出来ない。
『ちょっと、何やってるのよ士道。時間がないって』
こんな短い距離をいつまでも立ち止まっている彼に業を煮やしたのか、今一度通話を繋げて琴里は急かす。だが、ダメだ、ダメだった。もう素直に琴里の声に答えることは出来ない。
『……何よ。一体どうしたっていうの?』
「ああ。一つ頼みがあるんだが……狂三だけを回収してから、十香たちを迎えに行ってくれ。俺は、残る」
『――――――何、言ってるの』
携帯から伝わる声が怒気をはらんでいることは明白。が、怯む士道ではない。そうなるのがわかっていて言ったのだ。
「頼む。俺はまだ地上でやることが残ってる」
『ふざけないで。非常事態なのよ!? 今までとは規模が違うの!! 命あっての物種なのよ!! だいいち――――――』
「――――――七罪が、まだ見つかってないんだろ」
琴里が息を呑み、言葉を詰まらせる。それが答えだとは言うまでもなかった。〈フラクシナス〉でも七罪はまだ捕捉できていない――――――彼女が地上にいる可能性が残っている。
『それは……でも、七罪だって馬鹿じゃあないはずよ!! シェルターに入ってないにしろ、もう遠くへ逃げてる可能性だってあるし、仮に爆風と人工衛星の破片が降り注いだとしても、彼女は精霊よ!? それくらい簡単に防げるはずだわ!!』
「そうかもしれない。でも、七罪はエレンから受けた傷が完全には癒えてないはずだ――――――だから、
『…………っ』
七罪は頭が良い。取り越し苦労になる可能性の方が高いのかもしれない。けど、そうじゃない
「頼む……ギリギリまで、俺に七罪を――――――」
「――――――失礼。お借りいたしますわ」
「っ、おい狂三!?」
懇願に近い声を琴里に届けていた士道の手から携帯が消え、それは沈黙して成り行きを見守っていた狂三の手の中に奪い取られた。抗議の声を視線だけで封殺し、彼女は耳に携帯を当て琴里に声を届け始めた。
「我が儘なお方からお電話変わりましたわ」
『言わなくてもわかるわよ。何用?』
「わたくしが士道さんにお付き合いいたします――――――精霊である、わたくしが」
その意味が、琴里にはわかるだろうと。人工衛星破壊による破片を精霊なら防げると、ほんの数十秒前に言ったのは琴里なのだから。
「無論、このお方に無理はさせませんわ。そちらが指定したタイムリミットが来たらそこまで。応じないのであれば、わたくしが引きずってでもお連れいたしますわ」
「おい……」
至って本気だ。どうせ言うことを聞かないのは目に見えているのだから、最大限譲歩して後は力づくで納得してもらう他ない。そう、
「……これで、如何でしょう」
『…………勢い余って、士道を食べるんじゃないわよ!!』
「――――――あら、あら。極上のデザートをこんな形で食べてしまう愚か者はいませんわ」
噛み付くような叫びを薄く微笑みを浮かべて返す。そうとも……
『聞いての通りよ。タイムリミットはこっちの迎撃準備が整うまでよ。それ以上の捜索は認めないわ。狂三の言うことをしっかり聞くこと、いいわね?』
「ああ、わかってる――――――ありがとう、二人とも」
『……それは、こっちのセリフ。焦って大事なことを見落としてたわ。頼んだわよ、士道……狂三』
電話が切れる。落ちたチュッパチャプスをポケットにしまい込み、改めて狂三に向き直った。
「また、付き合わせちまったな」
「慣れっ子、ですわ。気にしないでくださいまし」
「……それは俺が気にするべきだろうな」
美九の時にも似たような同じような会話をしたが、あの時以上に危険なことに付き合わせてしまっている。それをわかっていて、狂三は傍にいてくれているのだ。
「良いのですわ。士道さんは、だから士道さんなのですから――――――それでは
頷いて、短く息を吸う。
「ああ――――――行こう!!」
吐き出して、二人は無人となった街へ駆け出した――――――たった一人の、精霊を救うために。
僅かに、ポケットが動いた事には、誰も気づかず。
英語力が壊滅的なので原作みたいにオシャレなのは思い浮かびません、いかです
失われた平穏を知る狂三だから、五河家という平和の象徴に踏み込まれるとキレ散らかしますって話です。士道の手前抑えてる方じゃないかなぁと。
狂三とってウェストコットやエレンはまだしも、それ以外とかマジでどうでもいい扱いなので事情とか知ったことじゃないよねという。まあ物語的にもウェストコットはともかく他はただの悪役でしかないので……ウェストコットも狂三にとっては邪魔をする敵でしかないのですが。狂三とっては(念押し)
結局、エレンたちの目的に大方の予想を付けはしましたが狂三にとって受け入れられないのは変わりませんしね。あとカッコよく書いても中身ポンコツもやしなんだよなぁと思うエレンさんでした
原作より強気な部分はありますけど、やっぱそれでこそ士道なところ。段々と協力する関係も板について来ましたが、はてさて二人の進む道は……その辺はまた次章で。
次回、絶望が落ちてくる。感想、評価、お気に入りお待ちしておりますー。次回をお楽しみに!!