デート・ア・ライブ 狂三リビルド   作:いかじゅん

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記念すべき80話。お前完結までに何話使うつもりなんだよ80話ですね。




第八十話『交わる想い、交わらない道』

「この……外れろってんだよ……!!」

 

 縛り付けられた椅子を必死に揺すり、背で手錠に繋がれた両手首を椅子に打ち付ける。無論、そんなことであの折紙が施した厳重な拘束が解けるはずもない。

 だが、時間を無駄にはしていられない。今この瞬間にも、十香たちは危機に晒されている――――――先ほど鳴り響いた空間震警報が、嫌な想像を掻き立てた。

 普通の空間震警報であれば、折紙は戻ってくるはずである。何故なら、こんなところに士道を監禁した意味がなくなるからだ。あくまで、折紙は士道の安全を最大限確保してこの場所を選んだ。それが示す意味、以前にも行われたDEMの工作。つまるところ、意図的な(・・・・)誤報だ。

 

「こうなったら……」

 

 士道は息を整え、目を閉じて覚悟を決めた。普通のやり方では壊れない。なら、普通じゃないやり方を試すまでだ。一番に思いついたのが、回復前提(・・・・)の破壊作業。普通の人間なら、やる前に無理だと悟る上にやったところで怪我を負うだけだが、生憎と士道の持つ力は普通ではない。

 覚悟を決めたとはいえ、自らを痛めつける趣味は士道にはない。が、起ころうとしている悲劇を見過ごす趣味も士道にはない。この場において重視されるのは、少なくとも士道の中では後者である。

 

「よし……っ!!」

 

 歯を食いしばり、手錠のついた両手を出来うる限り離して――――――

 

 

「〈刻々帝(ザフキエル)〉――――【三の弾(ギメル)】」

 

 

 数発、撃鉄を落とした彼女の弾丸が士道の耳に届く。彼がそれを認識した時には、既に弾丸は着弾していた。錆び付いた手錠と、ボロボロになった縄が自然と士道を拘束する役目を果たせず朽ち果てていく。

 〈刻々帝(ザフキエル)〉・【三の弾(ギメル)】。士道が知る〈刻々帝(ザフキエル)〉の力……時間を戻す、止める、進めるの中で、時間を進める(・・・)弾丸だ。この力を使えるのは、この世でただ一人。

 

「……狂三」

 

「ごきげんよう、士道さん」

 

 風が舞うように、霊装のスカートを揺らして。変わらない狂三が、士道の眼前に現れた。その手には、士道の縛めを解いた銃も握られている。

 

「どうやら、それを解くために無理はしていらっしゃらないようですわね」

 

「お前があと三秒遅かったら、そうなってたけどな」

 

「あら、あら。それは残念、と言うべきなのかしら」

 

 冗談めかして笑う仕草にホッと息をつく。それを見た狂三は意味を察したのか、眉を下げて唇を動かした。

 

「わたくしに驚かれないということは、どうやらあの子(・・・)は士道さんに会って行かれたようですわね」

 

「ああ……好き放題言ってくれたよ」

 

 少女が動いているから、きっと狂三は来ると思っていた。驚かなかった理由は、単純にそれだけだ。ただ、わからなかったのは狂三がどういう理由で白い少女の事を黙認していたか、だ。

 

「狂三は、知ってたんだよな。折紙のこと」

 

「ええ。その上で、あの子に事をお任せしました――――――正確に言えば、あの子がそれを望んでいました」

 

「あいつが?」

 

「『鳶一折紙の一件、どうか私に任せてくれませんか』。そう言い出したのはあの子で、わたくしも七罪さんの一件で一つ我儘を押し通していたもので、断るわけにもいきませんでしたわ」

 

 肩を竦め仰々しい態度で言う狂三を見て、士道はそれだけではない(・・・・・・・・)と思った。

 多分、狂三は〈アンノウン〉が自ら望んだ(・・・・・)願いを、断る事をしたくなかったのだろう。折紙を倒すだけなら、他にいくらでもやり方があったはずだ。それをわかっていながら、僅かでも我を通した(・・・・・)少女の想い。狂三が、断れるはずがない。

 

「あいつ……折紙のこと好きだってさ」

 

「あら、堂々と浮気とはあの子もなかなかですわね」

 

「ほんとにな――――――けど、狂三の為に折紙を殺そうとしてる」

 

 そして、折紙も……復讐の為に精霊を殺そうとしている。どちらが正しいのか、どちらも正しくないのか。少なくとも、士道に復讐する者の気持ちを完璧に理解する事は出来ない。想像することは出来ても、全てを理解しているなんて傲慢な考えは持てない。

 けれど、白い少女の考えを――――――士道は理解してしまえる。愛しい少女の為に、全てを。それはまさに、五河士道の衝動そのものだから。その上で、士道の答えは決まっていた。

 

「……折紙さんの復讐。躊躇いを振り切る為の儀式とでも言いましょう。そして、あの子の決断。それを知った上で、士道さんは如何なさいますか?」

 

「――――――止める」

 

 朽ち果てた縄を振り払い、士道は立ち上がって狂三と相対した。どちらの行動もわかった。だったら、士道が取るべき選択はそれだけだ。

 覚悟を試すような狂三の視線を、正面から受けて立つ。

 

「折紙さんとあの子の覚悟。並大抵ではありませんわ。それでも?」

 

「それでも。俺は、止める。あいつらだって好き勝手やってるんだ――――――俺も、そうするさ」

 

 元より、士道の願いは折紙と相容れず、折紙の願いは白い少女と相容れない。だが、少ない希望でも可能性があるのなら、士道は止める。悲劇を止めてみせる。そして、そのためには――――――

 

 

「だから狂三……また、お前の力を貸してくれ」

 

「ええ。それがあなた様の願いなら、喜んで」

 

 

 躊躇い、逡巡。そういったものは一切感じさせず、狂三はスカートの裾を摘み上げていつ見ても優雅な返事を返した――――――言い出した士道が、呆気に取られるほどに。

 

「……なあ、俺結構酷いこと言ってると思うんだけど、良いのか?」

 

「あら、いつもは酷くないとおっしゃられますの? 思っていたより楽観的ですのね、士道さんは」

 

「いや、そういうわけじゃないが……折紙を止めるってことは、少なからずお前に危険があるってことだろ」

 

 それを排するため、白い少女は行動しているのだ。士道が狂三に助けを求めるのは、お前を殺そうとする相手を(・・・・・・・・・・・・)助ける手伝いをしてくれ(・・・・・・・・・・・)と言っているのと同義。断られることは覚悟していたのだ。

 

「それに……お前が静観してたのはあいつに頼まれたからなんだろ? それを破る事になるんじゃ……」

 

「いいえ。あの子は折紙さんとの事を、自分に任せて欲しいとだけでおっしゃりましたもの。士道さんに手を貸すだけなら、わたくし〝は〟折紙さんに手出しをしていませんわ」

 

「うわ、すげぇ屁理屈……というか無理やり過ぎる……」

 

 解釈の仕方が強引すぎて、なんというか白い少女の普段の苦労がわかる気がした。しかし、この屁理屈で押し通すにしても最初の疑問が解決していない。狂三は、どうして自分に不利が生まれることを――――――

 

 

不躾なこと(・・・・・)考えないでくださいまし――――――わたくしに、今更その理由を言わせるのですか?」

 

「……ぁ」

 

 

 狂三が士道を助ける理由。霊力を、持っているから。ああ、それだって理由の一つだ。でも、彼女は今まで、それだけで手を貸してくれていたか? その本心(理由)を、狂三は口に出す事はしない。知っているなら、言わせるなと狂三は言っている。

 そうして、思わず笑みがこぼれた。同時に、狂三の手を引いて――――――抱きしめた。

 

 

「……ごめん。それから、ありがとう。お前を好きになりすぎて、困っちまうよ」

 

「うふふ。いくらでも困ってくださいな。わたくし、あなた様が考えているより、尽くす(・・・)タイプですのよ」

 

「ああ、知ってるさ。将来、俺の中で絶対にお嫁さんにしたいタイプナンバーワンだ」

 

「まあ、お上手。そうなる前に、士道さんはわたくしに全てを捧げる予定ですけれど」

 

 

 あなた様の願いなら、喜んで。初めから、狂三は問いかけの答えを言っていた。士道だって同じだ。お互いに相手の全てを好きだから、相手が望むことを叶えてやりたい。それが、二人の愛なのだから。

 でも、全てを愛しているのに、全てを捧げることは出来ない。

 

 

『――――――私と、同じだから』

 

「……っ」

 

 

 その理由を、士道はまだ知らない。時崎狂三が命よりも重いと言った、折紙が救えないと言った理由を。

 知らなくてはいけない。いや、知りたい。たとえ、狂三の持つ真実がどれほど重いものであっても、どれほど残酷なものであっても、士道は狂三の全てを知って救いたい(・・・・)。誰になんと言われようと、諦めるのは知ってからでも遅くはない。

 

 そのためにも、狂三と戦争(デート)し続ける。

 

 

「どうかな。それより前に、俺に全部を捧げてもらう予定だ――――――俺は、今のお前も、過去のお前も、全部(・・)が知りたい」

 

「それは……」

 

「今すぐじゃなくていい。お前が何の憂いもないくらい、俺は強くなってみせるから。だから……!!」

 

 

 言いたくないことを、無理やり言わせる趣味はない。狂三が何故、士道に理由を語らないのか、語りたくないのか、それはわからない――――――だったら、狂三が話したいと思わせるに相応しい男になって、狂三をデレさせる(・・・・・)

 

「……士道、さん」

 

「狂三……」

 

 熱を帯びた視線が絡み合う。視線だけじゃなく、身体全体が熱い。抱き合っているから、狂三が近くにいるから。なら、これ以上(・・・・)を求めたら、士道たちはどうなってしまうのか。

 脳細胞を蹂躙し尽くす、あの甘く狂おしい感覚を。恐らく、この瞬間の二人に考えなどない。ただ、身を狂わす衝動に駆られるだけの男と女だった。

 男としての本能に刺激を受けた士道の目に映っていたものは、可憐すぎる狂三の――――――――

 

 

 

 

「……ねぇ、私たちもいること、忘れてない?」

 

「え――――――おぉぉぉっ!?」

 

 素っ頓狂な声を上げ、大慌てで飛び退いた。開けられた扉の前に、何故か七罪と四糸乃が顔を赤くして立っていた。逆に士道は熱が引いて顔が真っ青である。

 

「い、い、いいいいいいつからそこに!?」

 

「……士道が狂三を抱きしめたくらいから」

 

「一番ダメなところ!?」

 

『やーん、ダメだよ七罪ちゃーん。もうちょっと我慢してたら良いものが見られそうだったのにー』

 

「やめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

 

 耳を塞いで叫びを上げた。人に狂三との本気の逢引を覗かれたことが今までなかったが、羞恥が尋常ではない。凄い、凄い慣れない似合わないセリフを言っている自覚がある分、見られていた時のダメージがとんでもないことになった。よりにもよって、七罪だけではなく天使級のオアシス四糸乃に見られてしまった事が更にダメージを加速させた。

 

「……あ、あの……ごめん、なさい。士道さんと狂三さんの……邪魔、しちゃって……」

 

「いえ……お二人をお連れしたのは最終的にわたくしの判断ですわ」

 

『ひゅーひゅー。お熱いねーお二人さーん』

 

「……やはり、無理にでも避難させるべきでしたかしら」

 

 そう言って頭を抱える狂三も、士道ほどではないにしろ恥ずかしげに赤面した表情を見せている。そりゃあ、二人きりと思ってやっていた愛の囁きを見られていたとなれば誰だって恥ずかしい。と、何とか復帰した士道が至極当然の疑問を口にした。

 

「てか、いること忘れてるも何も、俺は七罪たちがいる事を知らなかったんだが……二人とも避難はどうしたんだよ」

 

 空間震警報が鳴ったなら、相応の対処を二人とも教わっているはずである。警報が鳴ってから精霊が封印状態で出歩く危険性は、〈ラタトスク〉によって教えられていたはずだった。

 

「わたくしが『わたくし』に任せましたわ。どうしてもついてくると言って聞かなかったものですから……それだけ、士道さんの事が心配だったのですね」

 

「……そっか。ありがとな」

 

 言って、二人の頭を撫でてやる。危険性があっても、心配してくれたのは純粋に嬉しい。

 

「い、いえ……」

 

「ちょ、髪が崩れる……」

 

「あ、悪い」

 

「……べ、別に嫌とは言ってないけど……」

 

 四糸乃は照れたように、七罪は恥ずかしいのか、少し素直じゃない素振りで受け入れていた。

 

「あら、あら。手馴れたご様子ですわね」

 

「ん、狂三もやって欲しいのか?」

 

「大変魅力的な提案ですけれど、今は遠慮いたしますわ」

 

「……そうだな。行こう――――――十香たちを、助けないと」

 

 そして、折紙と〈アンノウン〉を止める。狂三、四糸乃、七罪はそれぞれ真剣な表情で首肯した。

 

 

 

「――――――それにしても、わたくし士道さんのこととは一言も言わなかったのですが、よくお分かりになりましたわね」

 

「え、だって狂三が何かする時って大体士道が絡んでるんじゃないの?」

 

「……まるで、わたくしの世界が士道さんを中心に回っているかのような言い方ですわ」

 

「違うの?」

 

「…………違くは、ありませんけれど」

 

 いつの間にか狂三に対して強気に出られている七罪に、その自覚があるのかどうかは気になったが、ネガティブが絡まって化学反応を起こされても困るので笑ってスルーすることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

随意領域(テリトリー)が身体を縛る。以前までの鳶一折紙の比ではないその力は、満身創痍の十香ではどうすることも出来ない。

 

「く、鳶一折紙、貴様……!!」

 

 呻いたところで結果は変わらない。気絶した十香を護るために傷つき、倒れた美九も。夕弦を助けるために血だらけの全身で挑み、随意領域に制圧された耶倶矢も。今まさに、トドメを刺されようとしている夕弦も――――――今の(・・)十香では、助けられない。

 

「長かった。私はようやく手に入れた。精霊を倒す力を――――――〝悲願〟を達する力を」

 

 長く、長く、息を吐いた。折紙の中に残る膿を吐き出すように。

 

「この一撃を以て、私は私を取り戻す。世界の精霊は、全て私が倒す。もう二度と、この世に私のような人間が生まれないように」

 

 何故だろうか。口に出した折紙自身を傷つけているとも思えるそれが、十香には痛々しくて見ていられなかった。

 

「鳶一折紙……ッ!!」

 

 止めなければならない。その狂刃に理由はある。けれど、それをやらせるわけにはいかないだけの理由も、十香にはあるのだ。みんなを護れるのは十香だけで――――――この大馬鹿者を止められるのも、十香だけだ。

 

 

「う――――あ、ああああああああッ!!」

 

 

 いくら力を込めたところで、折紙の随意領域を突破することは出来ない。もっと、もっと、もっと――――――!!

 

「……ッ」

 

 最初に来た感覚は、十香ではない十香(・・・・・・・・)が手を取ろうとする物だった。確かに、この力なら鳶一折紙を止められるかもしれない……が、そこまでだ。鳶一折紙を止めるだけには留まらず、殺して、(ころ)しつくして――――――終わる。

 それではダメだ。何も救えない。あの時と、士道が殺されそうになった時と同じではダメなのだ。十香は()を救いたい。十香は十香でなくてはならない。

 

 耶倶矢を、夕弦を、美九を――――――あの女を。

 

 図々しくて、忌々しくて、愛想がなくて、いつも十香の邪魔ばかりする、十香が大嫌いな――――――それでも、いて欲しいと願う。消えかけた、あの気高い女の手を取るために。

 

 

「シドー――――――私に力を、貸してくれ……ッ!!」

 

 

 夜刀神十香は、〈鏖殺公(サンダルフォン)〉の柄を握る手に、渾身の力を込めて士道の名を叫んだ。

 

 ――――――温かくて、懐かしさを感じさせる感覚が、舞い戻った(・・・・・)

 

 

 

 

 

 

 これで、終わる。

 

「――――――っ!!」

 

 ようやく手にした力で、折紙は刃で精霊を貫かんと力を込めた。これで終わる――――――否、始まる。全ての精霊を倒す。その始まりの一歩。弱い自分と決別するための、果てしない一歩。

 奇しくも、自分をマスターと慕う夕弦が最初だった。構わない。そうでなくてはならない。良いも悪いもない。精霊は〝悪〟、そうであってくれなければ、そう思わなければ(・・・・・・・・)、折紙は、剣を振るえなくなってしまう。

 

 そうして、振り抜いた刃は――――――

 

 

「――――――また会いましたね、復讐鬼さん」

 

「……ッ!?」

 

 

色のない刃(・・・・・)によって、止められた。

 

「〈アンノウン〉――――!!」

 

 一度目は、邪魔を。二度目は、助けられ。三度目も、助けられ。四度目は、手を振り払い――――――五度目は、殺し合い。

 

 上から折紙の剣を火花を散らして押さえつけ、間近に迫った〈アンノウン〉が淡々と、殺意(・・)の言葉を口にした。

 

 

「あなたを――――――殺しに来ました」

 

「く……ッ!!」

 

 

 殺し合いの予感は、当たる。随意領域を容易くすり抜けた少女に、全ての意識を集中させた折紙は……。

 

「……と、思っていたのですが」

 

「――――!!」

 

「どうやら――――――そうはならないみたいです」

 

 次の異常を察知して、弾かれ、飛ぶ勢いで退いた。そうでもしなければ、光の軌跡に随意領域ごと持っていかれていた(・・・・・・・・・・・・・・・)

 夕弦を拘束していた随意領域が弾け、落ちようとする彼女の身体を〈アンノウン〉が抱き抱える。既に、刀は仕舞われている。そう、折紙の相手は少女ではない(・・・・・・・・・・・・)

 

「――――――夕弦たちを、頼む」

 

「はい」

 

 眩い光が、弾ける。そこにいる彼女しか、折紙の目には映っていなかった。そうでもしなければ、次の瞬間に倒されているのは折紙だと、本能が告げる――――――半年前と、同じように。

 

「その、姿は……」

 

 風に靡く夜色の髪。水晶の双眸は、復讐に濡れた折紙を映し出していた。この世のものとは思えない輝きを放つ大剣――――――見る者全てを圧倒する、紫紺の甲冑(・・・・・)

 

 『それ』は消えたと思っていたものだった。

 

 『それ』は折紙にとって絶対的な意味を持つものだった。

 

 『それ』は――――――心のどこかで、待ち望んでいたものだった。

 

 

「鳶一折紙。私は貴様が嫌いだ。今も、昔も、変わらずな……だが、今の〝嫌い〟は昔の〝嫌い〟と、多分、少し、違う。だから――――――」

 

 

完璧な霊装(・・・・・)。唸りを上げる霊力。手にした天使の切っ先と、その水晶の瞳は真っ直ぐに折紙の瞳と交錯して――――――

 

 

(ころ)すつもりでいく――――――死ぬなよ、折紙(・・)

 

 

 今、再び。絶対にして最強の女王が、戦場を舞う。

 

 

 




わかっているなら、言わせるな。うんうん、それもまた愛だねな回。ラブロマンスしてる裏で精霊たちが極限状態なんですけどぉ。

さてここまで来たということは、次回折紙は……? 感想、評価、お気に入りなどなどお待ちしておりますー。次回をお楽しみに!!

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