まず作者は戦闘に関する描写は苦手なので主に政治や外交の話になると思います。浅学通り越して無学ですが(汗)。あとがきのキャラ紹介でクラスも載せますがいつのまにかクラスチェンジしているかもしれません。ですがアカネイアとヴァルム(バレンシア)の壊滅を扱う以上戦争は必ず起こります。
2つ目に作者はネーミングセンスが皆無です。登場する人物のほとんどがオリジナルのキャラですが、子孫・先祖の名前を一文字変えたのが多いです。あと○○の子孫・先祖となっているキャラはほとんど子孫・先祖と同じ外見を想像してもらえばいいです。(22話から登場するヴィオール公爵はユー○ス・アル○レア、ヴァルム皇帝ファルスはアルムの赤髪版をイメージしてますが)
FEシリーズの様々なゲームのクロスオーバーになる予定ですが、「封印の剣」シリーズや「聖魔の光石」と「ヴェスタリアサーガ」は一切関係ありません。関連作品が増えるごとにタグも増えます。
以上の点をどうかご了承ください。
第1話 海から来た公女
アカネイア大陸
かつてこの地では人と竜の争いが幾度も繰り広げられていた。英雄王マルスが封印の盾を完成させメディウスを封印しマルスがアカネイア連合王国の盟主に即位してからは現代にいたるまでも人同士の争いは絶えず行われていたが人と竜の争いはこの千年間行われることは無くよく言えば安定している悪く言えば停滞した時代だった。
その安寧はこのタリスの地で覆される。
港町タリス、千年前は国だったが王女シーダがマルスの妃として嫁いで以来、元々他の国よりはるかに小さいため、治安維持のための部隊の常駐を条件に国号を捨て一つの町となった。
そのタリスの店で青い髪の若者が買い物をしていた。
「このガラス細工ください」
「彼女への贈り物かい?」
「いやいや、父へのお土産ですよ。タリス由来のものに目がなくて」
「土産ねえ、そういや今パレスから王子様が部隊を引き連れて町を視察してるって聞くが」
主人の言葉に若者はぎくりとして、
「ぼ、僕はただの平民ですよ。王子が視察なんて初めて聞いたな」
主人は若者が兵士ではないかと思って訪ねてみたのだ。しかしこの反応は……
「まさかとは思うが、いや思いますがあなた様は――」
主人が言い終わらないうちに若者の後頭部を男が小突く。
「何をやっているんですクロス。まだ視察は終わっていませんよ」
「ごめ、すみません。ジェイクス隊長」
クロスと呼ばれた若者の謝罪を聞きながら男は主人に愛想笑い、
「うちの新兵が失礼しました。商品はちゃんと買わせますのでどうかお許しを」
男は主人に頭を下げ若者を引っ張っていった。だがサボった兵士へのお咎めがあんな程度だとは思えない。やはりあのお方は、主人は先ほど気付いた若者の正体に確信を抱いていた。
「王子、勝手に町へ出られては困ります。タリスへはあくまで視察に来たんですよ」
店から離れてほどなく男は若者から手を放し目付け役として注意した。
「ごめんごめん。視察中だと買い物できるとは思えなかったからさ」
若者の名はクロス。この大陸を統べるアカネイア連合王国の王子だ。
「陛下への手土産なら領主が用意していますよ。部隊が常駐し治安が良くなったとはいえ海賊が現れないとは限りません。どうか御身を大切に」
クロスのお目付け役を担っているのはジェイクス。20代の若さながら中隊の隊長を務めている。
「海賊なんてもう何百年も前から現れてないって聞くよ。しかもパレスの部隊まで来ている時に限って……」
その時海岸から悲鳴が上がった。
「船だ!」「海賊か!」「あんなバカでかい船で」「ペラティからの軍じゃないか?」
クロスだけでなくジェイクスも海賊がやってくるなんて夢にも思っていなかった。思わず二人は顔を見合わせて、
「すぐに部隊を招集します。タリスの治安部隊もすぐに駆けつけてくるでしょう。王子は領主館に」
「僕もいくよ。部隊を率いて視察に来たって触れ込みを流して危なくなったら館に逃げ隠れしていたんじゃ民から失望されるよ」
この後も説得を試みるもクロスは折れず、絶対に最前線に出ないことを条件に同行を許し、一度領主館へ戻り部隊を率いて船が来たという東の海岸に駆け付けた。
東の海岸には巨大な船が4隻近づいていた。アカネイアと国交を結んでいるのは西のヴァルム大陸だけで東には別の大陸を確認したこともなかった。そのためタリスの東には船を停泊するための港が存在しない。
パレス部隊とタリス部隊が合流し、野次馬を抑えながら展開し船を警戒していた。その時船から男が大声で兵たちに呼びかけた。矢を恐れているのか物陰に隠れて姿はよく見えない。
「俺たちは海賊じゃない! この大陸と交易するために来た国の船だ」
兵士たちは動揺し警戒しながらおかしな真似をすれば容赦なく追い払うと言って、タリス西の港へ移動するように促し数人の下船を許可した。
それからしばらくの時間をかけて奥に控えていた一番大きな船から数人の兵士が下船し始めた。
「どこの町から来た? 東に異国があるなんて聞いたこともない」
タリスの部隊長が尋ねるものの件の船から降りた兵士はこちらの言葉が分からないらしく手ぶりで少し待つように頼んできた。ほどなく商人風の男が下りてくる。
『我々は南東の大陸からこの大陸と交易するためにやってきた。どうかこの国の国王陛下にお目通りいただきたい』
商人の通訳を介して彼らはこのような要求を突き付けてきた。先ほど大声で呼びかけたのもこの商人らしい。
「まさかパレスまで案内するわけにいかないだろう」「いずれにしても領主さまの許可が必要だ。領主さまを国王だと思うかもしれない。そうなったら適当にはぐらかして帰ってもらおう」
隊長が側近とそんなやり取りをしている間に、
「王子、お待ちください」
ジェイクスの制止も振り切りクロスは前に兵士たちの前に進み出て、
「私はアカネイアの王子クロスと申します。よろしければ私がお話を伺いましょう」
双方の兵士たちが戸惑いながらクロスに注目した。こんな巨大な船が遠い大陸からやってくるなどアカネイアの技術では信じられないことでクロスは直感的に彼らが本当に未知の大陸からやってきたことを信じ、彼らと親交を深めればこの国の発展につながると思いジェイクスとの約束を忘れ彼らと接触しようとした。
相手の兵士たちは信じていないようで返事を返さずクロスをしばらく注視した後内々で相談を始める。そんな時船から新たな人物が下りてきた。侍女らしき女性が必死で止めようとしている。
侍女を説得した後下りてきたのは長い銀髪をおろし、足元まで覆った豪華なドレスとドレスとは裏腹に額を簡素なサークレットで覆った美しい女性だった。
『お初にお目にかかりますクロス様。わたくしはユグドラル大陸にあるグランベル王国のバーハラ公爵家の公女ユリナ。貴国をはじめ、この大陸の国々と国交を結ぶためにやってきました』
このときクロスはユリナにみほれていた。残念だったのは彼女の言葉を復唱していたのは商人のおっさんだったことだ。
クロス クラス:ロード
マルスの子孫でアカネイア連合王国の王子。大陸を統べる次期国王であるため、自分と対等に話せる人がいないことに寂しさを感じている。
ユリナ クラス:シャーマン
「聖戦の系譜」のユリアの子孫。グランベル王政復古後にバルド直系のセリスが即位したためバーハラ家は公爵となった。近年父を病で亡くし、兄が爵位を継いだため家督争いの芽を摘み取るために縁談を勧められる日々を送り、縁談話から逃げるため成り手が見つからなかったアカネイアへの使節団の団長に志願した。
ジェイクス クラス:パラディン
クロスのお目付け役。好奇心旺盛なクロスに振り回される苦労人。