ファイアーエムブレム 聖痕の覚醒   作:ヒアデス

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第41話 乱心

 ガン!

 ボォ!

 陣内の篝火が屍に蹴り倒され火災が起きる。どこの軍も天幕が張っていないため燃え広がることは無かったが放っておくわけにもいかない。

 消火と屍への対処そして松明の建て替えで多くの軍がシューターの組み立てを中断せざるを得なかった。

 そんな中、

 

 

 

 

 

 イストリア陣地。

『やみをてらすひかりを! トーチ』

 セネリオの詠唱と同時に彼のかざす杖からまばゆい光が放たれる。

「おおっ!」「光が」「テリウス大陸にはそんな魔法が…」

「皆さん! 呆けていないで作業を進めてください。この光は時間がたつごとに薄れていきます。それにこの光につられて屍どもがやってきますよ!」

 トーチの魔法光に感嘆としている作業員とイストリア兵をセネリオは叱咤する。

 作業員たちは気を取り直し組み立て作業に戻り、兵たちは屍を迎撃するべく構える。

(問題はそれだけでなく、この状況でこの杖を掲げている間僕は動くわけにいかないこともなんですよね)

 今最優先すべきは未完成のシューターの組み立て及びそれと完成しているシューターの防衛だ。

 組み立てさせるためにも灯りの持ち手となった自分が彼らから離れるわけにはいかない。当分セネリオは遠距離魔法を使うしか攻撃の方法がなかった。

 セネリオたち軍師が屍たちはこの時を狙ってくると予想したため、手持ち用の松明も用意されていたがシューターの部品の輸送にかなりの手間がかかった。そのためあまりに過剰な松明を用意する余裕はどこの軍にもなかった。

 時間がたてば松明を切らす軍も出てくるだろう。

(例の物を各軍に配布して正解でしたね。問題はいつあれを発動させるか)

 

 

 

 

 

 

 アカネイア陣地。

 ドシュ!

「ぐぁ!」

 ビュォォォ!

 アカネイア兵を仕留めた屍の黒天馬騎士はすぐに滑空し、剣と槍が届かない空中まで浮遊する。

 弓兵は近くにいない。だが――

「やあああ!」

 ザシュ!

 屍騎士の横から天馬に乗ったティアが突貫し、屍騎士を叩き落とす。

 騎士と天馬どちらの屍も地面にたたきつけられた途端に黒い霧となって立ち昇り消滅した。

 ギィィィ!

「!」

 だがその直後弓弦を引きティアの乗っている天馬を狙う屍を見つける。

「なんの!」

 ティアは急いで手綱を引き矢を避けさせようとする。

(急所を当てられなければいいけど)

 そう思い懸命に手綱を引くが直撃は避けられそうにない。

 そこへ、

「おおおお!」

 ズシャ!

 空中から飛んできた槍が屍弓兵を砕く。

「カーシャさん!」

「油断しないで! 海上とは違ってソンシン兵を操るまでもなく敵は弓兵も導入できるんだから」

 屍を倒したカーシャがティアを叱咤する。

「はい! 申し訳ありません!」

 ティアは上官にするように勢いのある声でカーシャに謝る。

(私とティアさんって面識がないだけで同期のはずなんだけどな、どっちも騎士の叙任を受けてないし)

 海上での戦いが終わってからティアはカーシャが寝てない時はずっとべったりだ。同格だからタメ口でいいと言ってるのに敬語をやめない。様付けは何とかやめてくれたが……。

 貴族を目指すならそんなことにも慣れなければならないとわかっているのだがどうも落ち着かない。

 頭の片隅で少しだけそんなことを思っていると――

 シュ!

 ギィン!

 カーシャは下から自分の方に飛んできた矢を槍ではじく。

「またか……」

 矢の飛んできた方向からは5体の屍が弓を構えて次の矢を射ようとした。

「行くわよ!」

「はい!」

 カーシャとティアはその前に屍たちを薙ぎ払うべく下へ跳ぶ。

 ギィン!ザシュ!ザン!

 カーシャとティアはすれ違いざまに弓をはじき落とし、それぞれ2体ずつ屍を倒していく。

 だが1体残っている。2人が討ち損じた屍は矢をティアの方に向けている。

「く……」

 ティアは回避を、カーシャは屍を倒そうとするが間に合うか?

 ザシュ!

 そこへ別の方から繰り出された槍が屍を突き倒した。

 槍を繰り出したのは重騎士だった。兜をかぶって顔はわからない。

「ありがとうございます」

「ええ! あなたのおかげで助かりました」

 ティアとカーシャは重騎士に礼を述べる。

「いや。……仲間として当然のことだ」

 重騎士はそう返した。カーシャはどこかで聞いたような声だなと思っている間もなく――

「危ない!」

「え……うわ!」

 カーシャの叫びと同時に重騎士はすぐに真横へ跳ぶ。

 ズシャアアアア!

 ティアのいた空中を通過しその真下の地面に巨大な矢が飛んできた。

 重騎士は矢の直撃はかろうじて避けたが土がえぐれた衝撃で吹き飛んだ。

 しかし幸い鎧が体を守って傷つかずには済んだ。

「いてて…危なかった……今度はこっちが助けられたな。カーシャありがとう」

「いえ。ご無事で何よりです。……これはシューターの矢、クインクレイン? ……ティアさんを屍と間違えたのかしら?」

 シューターの多くはまだ未完成だが予定数の半分近くはすでに完成している。敵に黒天馬やグリフォンに乗る屍がいるならシューターで撃ち落とそうとするだろう。

 飛んできた矢を見てそのシューターの誤射だとカーシャはつぶやく。

 だがティアはカーシャの推測を否定する。

「いいえ! この様子ではどこの軍も自分の陣地を守るのが精一杯のはず、我が軍の陣の屍を討とうとする余裕はないでしょう」

「つまり?」

 カーシャの問いかけにティアは告げる。

「どこかの軍が乱心している……」

 

 

 

 

 

 

 ペレジア陣地。

「おい……何を」

 ザン!

「ぎゃああああ!」

 ペレジア兵が味方のはずの同国の兵の刃に倒れる。

 そんな光景がペレジアの陣でそこかしこに見られた。

「神竜ギムレー様に従え! 俺たちが生き延びるにはそれしかない」

「いや教団の連中が言うにはそんな名前じゃなかったような……まあ様付けしてひざまづいていればギムレー様は俺たちを助けてくれるだろう」

 暴動を起こした兵は口々にギムレーへの恭順を表明する。

 大陸を砂場のように破壊し、殺した敵兵を蘇らせ自分の手駒に変える。そんな神のようなことを行うギムレーの御業にペレジア兵は慄き、教団から改宗を勧められた時は拒絶した巨竜を改めて自分たちの神「神竜」として敬うことを決めた。

 中にはシューターの破壊はおろか完成したそれを乗っ取って別の国の陣を攻撃している者もいる。

 夜闇なので命中率はかなり低かったが当たるときは当たる。特にストーンヘッジは外れても周囲に巨石の残骸をまき散らすので一番厄介だ。

 そんな暴動の知らせは司令官ジェルドの耳に入った。

「何をしている!」

 知らせを聞いたジェルドは現場に駆け付け兵を一喝する。

 反乱兵は悪びれずにジェルドに言う。

「この期に及んでギムレー様を拒絶する奴に罰を与えているんですよ。ジェルド様、ここはひとつあなた様からも神竜ギムレーへの帰依と敵軍の討滅の命令を」

「なっ、何を馬鹿なことを? 血迷っていないで屍を倒しに行かんか! 今なら手柄次第で減刑の機会を与えてもいい」

 暴動の正当化の要求をジェルドは当然拒絶する。

「そうだったな。あんたは憎きアカネイアの天馬騎士の色気に騙されて寝返った裏切り者だったな。ユミス王女という妻がいながら……このロリコンがあああ!」

 別の反乱兵がジェルドに槍を突きかける。

「フッ……はあああ」

 ザシュ!

 だがジェルドは反乱兵の槍を軽く避けると反撃の剣で兵を切る。

「かかれえええ!」

 他の反乱兵たちが一斉にジェルドに斬りかかる。

「くそ、ジェルド様を守れ」

 正気を保った兵はジェルドとともに反乱兵を鎮圧しようとする。

 ガン! ザシュ! ザシュ!

 ジェルドは次々と反乱兵を切り捨てていくが、

 ズガ!

「ぐ……」

「へっ」

 ある兵の剣を受けわき腹に大きな傷を受ける。

「死ねええええ!」

 ジェルドがひるんだすきを見て兵はとどめを刺そうと剣を振りかぶる。

 ドシュ!

「ぐあっ」

 だがその前に兵は弓を受け絶命する。

「お前は?」

 兵を仕留めジェルドを守ったのはボウガンを手に持ったジャンだった。

 ボウガンなら近接でも戦え剣のような武器と渡り合える。

「ジェルド様大丈夫ですか? 今俺の部下たちが散開して暴動を鎮圧しているところです」

「ああ、すまない助かった」

「いえ……まずはこの薬をどうぞ」

 ジャンは急いでジェルドに薬を握らせる。

「ひとまず下がりましょう。ここは暴動を起こした兵が多すぎます」

「うむ。ジャンこのまま私の補佐を頼めるか?」

「はっ、お任せを!」

 ジェルドの頼みをジャンは快諾する。自身の今後のために。

(今あんたに死なれるとユミルとの結婚を承認する奴がいなくなるからな……あんたの奥さんは絶対承知しないだろうし)

 本軍が集結してほどなく暴動は鎮圧されるだろう。だがこの間にペレジア側のシューターはすべて破壊されペレジア軍はギムレーへの攻撃に加わることはできなくなった。

 そんなペレジアの陣の様子をある者が見守っていた。

(ペレジアの人間はラーズ神に帰依しつつあるか……)

 壊滅したドルマの拠点におらず生きながらえたラーズ教団の生き残りの一人クライネである。

 彼女はギムレーの計らいで戦闘に出ず敵の偵察のみを命じられている。彼女は現代でギムレーが起こす破滅を防がれた際の保険とされているからだ。クライネの腹は幾分か膨らんでいた。

 ほどなくペレジア軍に見つからないうちにクライネは姿を消し、以後も各国軍の前に姿を現すことは無かった。

 

 

 

 

 

 イストリア陣地。

 ふっ

 セネリオのかざす杖から光が消える。トーチの効力が切れたらしい。杖の先端にある宝玉にひびが入る。

「……もうこの杖は使えませんね。どこかの軍の反乱も収まったらしいというのに。ならば松明は…」

 セネリオは荷物袋をまさぐるがそれらしき物はない。

「皆さん! 皆さんの中に松明を持ってる方は?」

 セネリオは作業員や彼らを守る兵にそう呼びかけるが…。

「すみません。自分は持っていません」

 言葉を発した兵以外の者も首を横に振る。

 彼らは皆松明を持っていないようだ。

 そのときを狙ったかのように、

 ブォン!

 ギィン!

「ぐっ」

 セネリオたちを守る兵の一人に屍が剣を振りかぶり兵は剣で受け止め鍔迫り合いとなる。

 ググ!

 だが体力を消耗した兵に比べ屍は新たに湧いて出て来たからなのかそれとも屍に疲労というものはないのか屍がにじり寄ってくる。セネリオは魔道書を構え詠唱の準備に入った。そこへ、

「はっ!」

 ズガン!

 アンナが鋭い剣さばきで屍を蹴散らした。

「あなたは!」

「はぁいセネリオ君! ララベルがいなくて寂しいだろうと思ってこっちに来てあげたわよ」

 アンナはセネリオに向かって冗談交じりに手を振る。

 アンナの言う通りララベルはこの戦いについて来ていない。アイクはそれを気にしていないどころかむしろ安心しているような様子を見せたのでアイクとララベルがどういう関係になったのか。セネリオもアンナもすぐにわかった。

 アイクはララベルだけでなくもうララベルの中にいるかもしれない命の心配もしているのだろう。

「あいにく忙しすぎて寂しがってる暇などありませんね。それで? あなたも我々に加勢しに来てくれたんですか?」

 セネリオは一応そう聞く。アンナの事だから商売がらみだと思うが返答次第では戦力として引きずり込めるかもしれない。

 もっとも期待はできない。珍しくララベルのいない時こそアンナの独壇場だからだ。

「物資的な意味ではね! 松明が欲しいのよね? 1軍につき30個いかが?」

「ぜひください! お代は後払いで」

 値段を聞く間も惜しいセネリオは即答する。

 交渉成立とみてアンナは30個の松明を置いて行く。

「次はアルバレアか……じゃあギムレーを倒して生きて戻ってくるのよー!」

「ご心配なく……アンナさんこそ合図が出たら速やかに商いを終えて一番近い陣に避難するように」

 今回の策ではなるべく陣の外に出ない方がいい。他の軍の陣に行こうとするアンナを本当は止めた方がいいのだが今までの例からして聞く耳持たないだろう。それに他の軍では松明が底をつきているかもしれなかった。

 ヒィィィン!

 商品を積んだ馬車に乗ってアルバレア軍の陣に向かうアンナに返事をしセネリオは松明に火をつけて持つ。松明を持つのなら魔道士でなくてもできるのだがこの場では遠距離魔法が使えるセネリオが適任だった。

 松明で視界を確保した作業員は直ちにシューターの組み立ての再開に移る。

(屍の攻撃は激化する様子はない。そろそろか……)

 

 

 

 

 

『ミラよ! ふじょうなるたましいをじょうかしうけいれたまえ ディル』

 ふとアカネイアの陣に侵入した屍が一斉に消滅した。

 その直後に複数の騎乗した騎士とそのうちの一人にしがみついてここに来たシスターが陣に駆け込んでくる。

「チキ様!」

 シスターは一心不乱に目当ての人物の名を呼ぶ。

「キット!」

「シスター殿!」

 チキと彼女を守りながら指揮を執っていたカイルがキットの姿を見て驚く。

 チキとキットが護衛とともに留守を預かっていたはずの船内で、キットが夕食に呼んでもチキは現れず、部屋まで行って毛布が盛り上がっていることからチキは昼寝から起きてこないのだと思い、彼女がくるまっているはずの毛布をはぎとるとその中にあったのは予備の毛布やら袋やらとにかく毛布を膨らませるために手当たり次第に入れた物ばかりだった。

 その後キットは船を見張る最低限の人員だけ残し、護衛兵たちとともにギムレーの潜む山を駆け上がってきたのだ。

「チキ様!」

 チキを見つけてキットは彼女のもとに駆け寄る。そして……、

 パァン!

 チキの頬を思いきりひっぱたいた。

「この危険な時に勝手なことを! ……あなた一人のためにどれだけの人が迷惑していると思っているんですか!」

 チキが衝撃から立ち直るのを待たずキットは怒鳴るがチキはひるまない。

「いえ! こんな時に船になんか籠っていられない。私もギムレーと戦う!」

「そんなひび割れた石でですか? それで神竜になれたとしても本当にギムレーに通用すると思うんですか? 私には足手まといがいいところだとしか思えません!」

 当然のようにキットは譲らない。

「いいえ通じる! キット、ノーヴァの人たちこそわかってない。神竜は人から崇められて遊んで暮らしているべき存在じゃないの。神竜の「霧のブレス」はすべての竜に通用する。地竜や暗黒竜さえも倒せるくらいに、ギムレーみたいな人を脅かす竜が現れた時こそ私たち神竜が戦うべき時なの!」

「いくら神竜でも人の姿に戻ったら私たち以上に無力です。それでチキ様の身に何かあったらチキ様を心の支えにしているバレンシア教徒は何にすがればいいんですか……それだけじゃない。チキが死んだら母様もチキをバレンシアに連れてきたことを後悔してしまう。何より私もチキに死んでほしくないのよ!」

 バレンシアの信徒や母チェルシーそして自身の涙と本音を持ってチキを翻意させようとキットはまくしたて乞う。

 チキはそんなキットの涙をぬぐい手を握ってから言う。

「ごめんキット。……それでもギムレーに大きな傷をつけられるのはファルシオンと私くらいなの。私が安全なところに隠れてカイルに任せきりにしてたら、この戦いには勝てないかもしれない……私だってキットやチェルシーに死んでほしくないんだよ」

「チキ……ぅぅ」

 チキを意志を変えることのできない自分を悔やみキットは嗚咽を漏らす。

「カイル様ご無事ですか? ようやく屍の出現がおさまって……あら?」

 そこにカーシャとティアがやって来てチキとキットの様子に戸惑う。

 船で待っているはずのチキとキットがなぜここにいて、なぜキットは泣いているのか皆目見当がつかなかった。

 そこへさらに状況の変化を告げる音が聞こえてくる。

 パァン!

 突然空から快音が聞こえてその場にいる全員が頭上を見る。

 パァン!パァン!

 空に向かって小さな火の玉が上がり夜を照らしている。

「合図だ! 例の物を持っている兵にあれを展開するように伝えろ! 急げ!」

 カイルはすぐに側近数名にそうまくしたてる。

「は、はい!」

 側近たちはすぐに例の物とやらを持っている兵のもとへ急ぎ駆けていく。

「カイル様、私とティアにもお命じください。天馬ならすぐに飛んでいけます」

 すぐさまカーシャがそう志願してきた。

「…よし頼む。ティア…だったね。君もいいかい?」

 カイルは初対面のティアの方を向き彼女に尋ねる。

「はい王子! お任せください」

「ありがとう。二人ともくれぐれも弓矢に気を付けて」

「「はい!」」

 ティアも強く応えカーシャと手分けして別方向の伝令に向かう。

 

 

 

 

 

 ブォォン!ブォォン!

 各陣地の端でセネリオから各軍に大量に配布した例の物、光の結界が発動する。

 合図が出た後陣内の屍を掃討し終え、灯りの不安がない軍は光の結界を起動するように言ってある。

 戦いが始まって結界を発動させるまで時間を置かせたのは敵をできるだけ倒しておきたかったからだ。

 この結界が起動している間は敵味方共に結界を通って進むことができない。

 そのため現在陣へ侵入するには結界が張られていない一本道を通るか、敵の天馬騎士やグリフォンナイトが飛んでいくしかない。

 だが一本道には準備を整えた迎撃部隊が待っている。そして敵の飛空部隊にもすでに完成したシューターで対処できる。結界が張られている軍の陣は松明と篝火が燦々と灯っている。

 この篝火によって陣内に侵入してくるような飛空系に対しシューターでも命中精度はよくなり、そのシューターの中で未完成の物を完成させるための視界も確保できる。

 どこの軍でも兵士たちが数少ない結界の張られていない箇所を強行突破しようと試みようとする屍に備え、作業員たちはシューターを完成させるべくせわしなく手を動かしていた。

 屍たちは最初は細い一本道への強行突破を試みたがヴァルム大戦を潜り抜けた精兵に少数対少数で挑んでも勝ち目はなく、空から奇襲した天馬騎士もシューターや弓兵に撃破されていった。

 こうして各陣地でシューターは次々と完成していってる。試射する暇はなくぶっつけ本番となるのが気がかりだが。

 防衛戦には勝利した。あとは残りのシューターがすべて完成すれば……。

 だがそう甘くはないようだ。

 グォォォォォ!

 すべてのシューターの完成を待たず破壊と絶望の竜ギムレーが火口から姿を現した。

 

 

 

 

 

 バラン クラス:ジェネラル

 「覚醒」のカラムの先祖。アカネイア王国軍の重騎士。実はカイルとカーシャとはワーレンの領主館を警備している時に何度も会っており、ヴァルム大陸への調査団にも属し第一次ヴァルム大戦では何度かカイルの護衛を務めていた。だがあまり目立つ容姿と声ではないためかカイルたちはバランと会うたび初対面だと思っている。

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