デート・ア・エグゼイド   作:紫姫・真

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これ迄のデート・ア・エグゼイドは


トリプルデートをしていた耶俱矢と夕弦は途中、永夢と狂三から離れて警備をする為に隠れていた十香達が居る所に来ると話があると言って工事現場跡地まで来る。なんと耶俱矢と夕弦は十香達が仮面ライダーだと言い当てたため、それに警戒して最初はASTの者かと思われていたが、実際は違って、寧ろ彼女達が精霊だったと分かった。十香達も変身して応戦するが圧されてしまい、自分達よりも圧倒的に強いと感じさせられた。そして止めとして耶俱矢と夕弦は〈颶風騎士(ラファエル)〉――【天を駆ける者(エル・カノフ)】を使い変身したブレイブ達に向けるが、彼女達もキメワザで対抗したが押し負けてしまい、強制的に変身を解除まで追い込まれてしまった。絶対絶命だと思いきやゲンムが現れたが、なんと…バグスターバックルとガシャコンバグヴァイザーを合体させたバグルドライバーと完成させたデンジャラスゾンビガシャットを使ってゲンム ゾンビゲーマーLEVEL-X(テン)となった‼️更に十香もガシャットギアデュアルβを使いブレイブファンタジーゲーマーLEVEL-50になる。
無事に耶俱矢と夕弦、狂三に勝てるのか⁉️


28話:明かされたる永夢のTRUE CHARACTER!?

SIDE:ナレーション

 

各ガシャットを構えた二人はプレイングスターターを押して起動させた。

 

《BAKUSOU BIKE!》《DRAGO KNIGHT HUNTR Z!》

 

《HURRICANE NINJA!》

 

「「5速、変身!」」

 

「変身!」

 

起動させた各ガシャットをゲーマドラバーに挿入しアクチュエーションレバーを開いた。

 

〈〈ガシャット! ガッチャーン、LEVEL-UP!〉〉

 

ハイフラッシュインジケータから各ディスプレイが投影され、四糸乃と七罪はそれを通り抜けた。

 

《爆走!独走!激走!暴走!BAKUSOU BIKE!

アガッチャ!

ド・ド・ドラゴ!ナ・ナ・ナ・ナ~イト!

ドラ!ドラ!DRAGO KNIGHT HUNTR Z!》

 

《マキマキ 竜巻 HURRICANE NINJA~♪》

 

ディスプレイを通過して四糸乃は新たに、“仮面ライダーレーザー ハンターバイクゲーマーLEVEL-5(フルドラゴン)”へ、七罪は風魔へ変身を完了した。

 

3人はクロノスの横に並び立ち、狂三に宣言した。ブレイブは右手にガシャコンソードを持ち、横にして手術のポーズを、レーザーはドラゴナイトブレードが装備さっrされた右手を前に突き出し、風魔は2本の忍者刀を構えた。

 

「これより、精霊救済手術を開始する」

 

「「ノリノリで、行きます!【行くよ】」」

 

「天国を汚す精霊はお仕置きよ」

 

彼女達の宣言を聞いていたクロノスは折角だから自分もと思い、狂三に向かって宣言する。

 

『折角だから私も言うか…今こそ審判の時…』

 

「きひひひひひひ!良いですわよぉ!皆さんまとめて(わたくし)と“(わたくし)”達がお相手いたしますわぁ!お行きなさい、(わたくし)達!」

 

狂三本体が叫ぶと同時に、彼女の影から無数の狂三分身体達が姿を現す。

 

「「「「「「「「「「「「「「はい、(わたくし)、きひひひひひひ!」」」」」」」」」」」」」」

 

ブレイブ達は狂三分身体達に向かって走りだし、攻撃しながら突っ込んで行った。

 

 

~工事現場跡地:別の場所~

 

「はっ!」

 

「突撃。えいやー」

 

ファイターゲーマーとパズルゲーマーはデンジャラスゾンビガシャットとバグヴァイザーで変身したゾンビゲーマーLEVEL-Xのゲンムに攻撃を仕掛けていた。

 

パズルゲーマーは周囲に有る複数のエナジーアイテムを空中に集め、自分の好きな組み合わせを組みファイターゲーマーに吸収させた。

 

「決定。これでいきましょう、耶倶矢」

 

「OK!」

 

《マッスル化!》×2

 

《鋼鉄化!》

 

二種のエナジーアイテム、〈マッスル化〉を二枚と〈鋼鉄化〉をファイターゲーマーに吸収させて攻撃力と身体の硬質化させた。

 

連続パンチをゲンムにしてから最後は蹴りをして吹っ飛ばした。

 

「おりゃあー!」

 

《HIT》×10

 

《GREAT!》×2

 

『ぐあっ!』

 

壁に衝突したゲンムはその場に倒れた。一見、倒した様に見えた。

 

「やった?」

 

「警戒。やったと思いますが、油断は禁物です」

 

「わかってるって!」

 

50のパラドクス達が話していると倒れているゲンムの身体からは紫のきオーラが発生して、ゾンビの様な立ち上がり方をしたから二人は驚く。

 

「「ッ⁉️」」

 

『今のは結構効いたぞ。だが残念だったな…ダメージが入っていても、私は簡単には倒れないぞ。何故なら…私は不死身だからな…ククク』

 

「あれだけやったのにまだ動けるの⁉️」

 

「戦慄。このゲンムは危険です。速攻で倒さないと後が大変な事になります」

 

不死属性が付いたゲンムに危険だと警告するパズルゲーマー。丁度ファイターゲーマーも同じ事を考えていた様だ。

 

「奇遇ね、夕弦。私も同じ事を考えていたわ」

 

『お喋りしている隙があるのか⁉️』

 

話をしている所をゲンムに止められる二人のパラドクス。

 

ゲンムは持っている手持ちのプロトガシャットの中からプロトギリギリチャンバラガシャットに登録されているガシャコンスパローを召喚した。

 

《ガシャコンスパロー!》

 

『フフフ、行くぞ』

 

ゆっくりとファイターゲーマーとパズルゲーマーに歩み寄るゲンムに、二人は得意の連携プレイを見せた。

 

「行くわよ夕弦!」

 

「肯定。了解、耶倶矢」

 

もう一回パズルゲーマーは周囲のエナジーアイテムを空中に集め操作して組み合わせた。自分には〈高速化〉と〈マッスル化〉、ファイターゲーマーには〈マッスル化〉と〈伸縮化〉のエナジーアイテムを吸収した。

 

「選択。次はこれでいきましょうか」

 

《マッスル化!》×2

 

《高速化!》

 

《伸縮化!》

 

「ありがとう、夕弦!」

 

エナジーアイテムを使った戦法に面倒だと感じ始めたゲンムは、近くに有ったエナジーアイテムを吸収した。

 

『少々厄介だな…仕方ない、このエナジーアイテムを使うか』

 

《発光!》

 

なんとゲンムは〈発光〉のエナジーアイテムを吸収して二人が襲い掛かるのを待つ事にした。

 

パズルゲーマーは〈高速化〉のエナジーアイテムの効果でスピードアップし素早くゲンムに近づいていく。

 

同時にファイターゲーマーは〈伸縮化〉の効果で身体が伸び縮みが出来る様になり、ゲンムに向けて右手を伸ばして〈マッスル化〉で力が上がった状態でパンチしよとした。

 

『今だ!』

 

自分に近づこうとする二人にゲンムはこの期を待っていた様で〈発光〉のエナジーアイテムの効果で全身を光らせた。

 

ピカッ!

 

「うわっ、眩しッ!」

 

「混乱。いったい、何が…ッ!」

 

余りの眩しさに50のパラドクス達は目を瞑ってしまう。 それを狙ってゲンムはマスク下でニヤリと笑っていて懐からプロトジェットコンバットガシャットを取り出してガシャコンスパローに装填した。

 

『これ以上…エグゼイドに手を出すなッ‼️』

 

《ガシャット! キメワザ!》

 

ガシャコンスパローのトリガーを引き、キメワザを発動させた。

 

『お前達は、暫く寝てろ‼️』

 

《JET CRITICAL FINISH!》

 

ズドドドドドド!

 

黒と紫のエネルギーがガシャコンスパローの銃口的な所に収束され、モノクロのミサイル型のエネルギー弾が無数に発射され、50のパラドクス達に襲った。

 

無数のミサイル型のエネルギー弾に直撃した50のパラドクス達は爆発して吹き飛ばされた。

 

「きゃぁぁぁ!」

 

「あぁぁあああああ!」

 

本来なら誰にも負けた事がなかった。彼女達がやられたのは〈発光〉のエナジーアイテムによる目眩ましとプロトガシャットの一つのプロトジェットコンバットガシャットによるキメワザを食らった所為だ。

 

敗因を理解するよりも二人はその場に膝を付く。体から白い煙が出ていているのがわかる。相当大ダメージを食らったのだろう。

 

「まさか…八舞たるこの私達が追い込まれるなんて…」

 

「不覚。本当に油断してしまいました…」

 

痛みを堪えながらも立ち上がり、二人は退く事を選んだ。これ以上は自分達の身が保たないとわかっていたため、やむ終えなかった。

 

「此所は退くしかなさそうね。でしょ、夕弦?」

 

「撤退。このまま戦っても余計にやられるだけだと判断します」

 

一目散に二人は逃げ出した。当然、それをゲンムは許す筈がない。

 

『逃がさん!』

 

逃げた50のパラドクス達の後を追いかけるゲンムは内心捕まえてやろうと思っていたらしい。散々ブレイブ達に酷い事をしていたから、それに対して怒っていたのだ。

 

『待て腰抜け共!お前達からガシャットを回収する!』

 

追いかけながら逃げる二人に叫んぶゲンムだった。

 

 

~工事現場跡地:中心部~

 

狂三分身体達と戦いを繰り広げているブレイブ達。彼女を止める為に各自大量の狂三分身体達との相手をしていた。

 

ブレイブは20人近く居る狂三分身体達にガシャコンソードを構えて一人一人斬撃を当てていく。

 

「はあ!」

 

《HIT!》×10

 

斬られていく狂三分身体達は狂三本体よりはそこまで強くない。だが、数でこられたら堪ったものじゃない。

 

二挺の長いマスケット銃と短いマスケット銃を両手に持つ狂三分身体達は一斉に乱射してきた。

 

ババババババババババババン!

 

あれに当たるのはまずいと思い、ブレイブはガシャコンソードを左手に持ち替えてから空いた右手を前に出す。

 

するとブレイブの周りには赤紫色バリアが張られた。一斉に放たれた霊力が帯びている弾丸は全て赤紫色のバリアに防いだ。

 

「今度は私の番だ!」

 

そう言うと、ブレイブはフォーフェアマントをドリル状変えて狂三分身体達に当てていった。ドリル状に変化したフォーフェアマントに食らった狂三分身体は次々と消滅していく。

 

「「「「「「「「「「きひひひひひひ!」」」」」」」」」」

 

残った狂三分身体達はブレイブに襲い掛かるが、今度は亜空間を出現させて、其所からバグスター戦闘員達がロケットの様に飛んでいく。

 

ドゴン!×10

 

ロケットの様に飛んで行ったバグスター戦闘員達に直撃した瞬間爆発した。

 

「「「「「隙だらけでしてよ!」」」」」

 

背後からも狂三分身体体がブレイブを襲うが、彼女の目は光り、狂三分身体達の身体を浮かせた。

 

「甘いな、お前達の攻撃パターンはもう読めている!」

 

右手を翳し、浮かせた狂三分身体達を壁にぶつけたりコンクリートに叩き下ろしたりしてそのまま放り投げた。

 

「そろそろ、決めよう…」

 

動きが鈍くなっている狂三分身体達に止めを刺す為にアクチュエーションレバーを一回閉じる。

 

《ガッチョーン キメワザ!》

 

ゲーマドラバーから待機音が鳴り響き、もう一度アクチュエーションレバーを開いた。

 

「ふん!」

 

《ガッチャーン!

TADDLE CRITICAL SLASHS!》

 

ガシャコンソードに禍々しいエネルギーのオーラが収束され、狂三分身体達に、タドルクリティカルスラッシュが発動した!

 

クロス状にガシャコンソードを振り、そのエネルギーの刃いばを狂三分身体達へ飛ばす。

 

「はああ…はぁぁぁぁ!」

 

ザシュザシュザシュザシュドゴン!

 

「「「「「「「きゃぁぁぁぁぁ!」」」」」」」

 

《VICTORY!》

 

あれだけ居た狂三分身体達はタドルクリティカルスラッシュを食らって爆死した後、全員消滅が確認された。

 

内心ブレイブはこう思った。『さっきのが本体ではなくて良かった』と。それもその筈。あれが狂三本体だったら確実に殺していたのだから…

 

そう思いながらブレイブは狂三本体へ目指して移動した。

 

 

レーザーと風魔は何時もの戦法で狂三分身体達の相手をしていた。

 

右手のドラゴナイトブレードで切り裂き、左手のドラゴナイトガンでレーザーは狂三分身体達に向けて放つ。

 

「はっ!えい!」

 

《HIT!》×5

 

「四糸乃、後ろからも来るよ!」

 

「わかったよ、よしのん!」

 

レーザーはよしのんのサポートを受けつつ、後ろから襲い掛かる狂三分身体達の銃撃を回避してからドラゴナイトガンで反撃した。

 

《HIT!》×7

 

一方で風魔は忍者プレイヤー達に指示を出してなんとか凌いでいた。

 

「鬱陶しわよ!忍者プレイヤー達、総員、目の前の狂三の分身体を足止めして!」

 

コクッ×15

 

忍者プレイヤー達は風魔の指示通りに動き、狂三分身体達の足止めをしていた。その間に風魔はレーザーの元まで来る。

 

「四糸乃、よしのん!あんた達は大丈夫⁉️」

 

「私は大丈夫ですよ、七罪さん!」

 

「この程度、ボク達なら勝てるよ!」

 

二人共無事みたいだし良かったと安堵の息を風魔は漏らす。

 

「そう…良かった…」

 

「安心している場合じゃあないですわよ、四糸乃さん、七罪さん!きひひひひひひ!」

 

「チッ…!いつの間に!」

 

「させません!」

 

風魔の背後から近づいてきた狂三分身体を3人に向けて左手のドラゴナイトガンでいち早く気づいたレーザーが撃ち抜いた。

 

《HIT!》×3

 

「ッ⁉️」

 

危うくやられそうになった風魔はレーザーにお礼を言う。間一髪だったみたいだ。

 

「四糸乃、ありがとう。あんたが気づいてくれなかったら、私は今頃分身体に殺られていたわ」

 

「そんな事無いです。私も七罪さんにはいっぱい助けてもらってます…お礼みたいなものですから…」

 

「四糸乃…」

 

お互いにこれ迄助け合ってきた事を思い出し、『やっぱり私達は最高のコンビだ』と思った。

 

「それじゃあ…四糸乃、よしのん。さっさとこの分身共を片付けるわよ」

 

「そうですね。早く本体の狂三さんの元に行かないとですから。よしのん」

 

「出力の調整は任せてよ、四糸乃!」

 

レーザーと風魔は顔を見合った後、それぞれゲーマドラバーから各ガシャットを抜き、キメワザスロットホルダーに装填しホルダースイッチを押す。

 

《ガシャット! キメワザ!》

 

ドラゴナイトファング、ドラゴナイトブレード、ドラゴナイトガンにエネルギーが収束され、風魔の持つ2本の忍者刀にも紺と橙色のエネルギーが纏い始めた。

 

二人は同時にホルダースイッチをもう一度押す。

 

《DRAGO KNIGHT CRITICAL STRIKE!》

 

《HURRICANE CRITICAL STRIKE!》

 

「今だよ、四糸乃!」

 

「うん、よしのん!これでも食らってください!」

 

「食らえぇぇぇぇぇ!」

 

狂三分身体達にレーザーのドラゴナイトファングから収束された火炎砲を放ち、後からドラゴナイトブレードによる斬撃波とドラゴナイトガンによるエネルギー弾が彼女達に襲い掛かった!

 

2本の忍者刀を構えた風魔も回転させて巨大な紺と橙色の竜巻を作り、狂三分身体達に放った。

 

二人のキメワザが彼女達に直撃し、大爆発して、一人残らず消滅させた。

 

「やったー!」

 

全滅させた事に喜ぶ風魔はレーザーとハイタッチした。レーザーもやっと倒せたから安堵の息を出す。

 

「なんとか…勝てましたね。調整の方、ありがとうよしのん」

 

「なんのなんの、あれくらい朝飯前だから簡単に出来たよ!」

 

狂三分身体達を倒したレーザーと風魔は狂三本体の相手をしているであろうクロノスの元へ向かおうとする。

 

だが風魔はレーザーにドラゴナイトハンターZガシャットの力を使っているから疲れてないかと心配はしていた。

 

「四糸乃、LEVEL-5のドラゴナイトハンターZガシャットを使ったから疲れてない?」

 

「私は全然大丈夫です七罪さん。日頃からフラクシナスの訓練用のゲームエリアで自分自身を鍛えていたので使えました。患者さんや他の精霊さん達を救う為に、私は日々レベルが高いガシャットを扱える様にしました」

 

「あんた…高レベルのガシャットを扱える様に日々フラクシナスの訓練用のゲームエリアで鍛えていたのね。なら次は一回私と模擬戦しましょ?お互いにどれだけ強くなったかを確かめる為に」

 

フラクシナスの訓練用のゲームエリアで鍛えているレーザーの話を聞いて風魔は自分も負けてられないと思い、模擬戦の提案をした。

 

その提案をレーザーは肯定し、風魔と力を競う事にした。レーザーから承諾を得た風魔は嬉しく思えた。

 

「やっぱりあんたには敵わないわね。さて、いきましょう。本体の狂三の元へ」

 

「はい!」

 

「そうこなくっちゃね!」

 

クロノスと狂三本体の元へレーザーと風魔は走りだし向かった。

 

 

「きひひひひひひ!さぁさぁ、クロノス!(わたくし)にリプログラミングの技術のデータが入ったUSBメモリを渡してくださいな!」

 

狂三は長いマスケット銃と短いマスケット銃で射ちながら叫ぶ。当然、その要求にはクロノスは応じなかった。

 

ババババババババン!

 

『悪いが、そうはいかない。君みたいな危ない精霊なんかに渡したら最悪な結末を辿ってしまう!』

 

二挺のマスケット銃の霊力を帯びた弾を回避しつつ、クロノスもバグスターバックルⅡから取り外したガシャコンバグヴァイザーⅡをビームガンモードにして、右手に装備した状態で撃ち込む。

 

ズドドドドドド!

 

二人の銃撃はお互いに回避しながら横に走り、射ち続ける。途中、クロノスの背後から近づいてきた狂三分身体達が襲ってくるが、それに察知したクロノスはかわした後蹴り飛ばしてビームガンを連射する。

 

『邪魔だ…消えろ』

 

静かに狂三分身体達に言うと、クロノスはガシャコンバグヴァイザーⅡのBボタンを押す。

 

《キメワザ…》

 

Bボタンを押した事で待機音が鳴り響き、ハイフラッシュモニターが赤く点滅する。そしてAボタンを押してキメワザを発動させた。

 

《CRITICAL JUDMENT!》

 

横に大きく振り、狂三分身体達に収束された緑色のエネルギー弾、クリティカルジャッジメントを放った!

 

『はっ!』

 

ズドドドドドン!

 

《HIT!》×15

 

クリティカルジャッジメントを食らった狂三分身体達は爆死して消滅していく。残るは本体の狂三のみだ。

 

ガシャコンバグヴァイザーⅡの銃口を狂三に向けてリプログラミングの技術のデータが入ったUSBメモリを諦める様にクロノスは言う。

 

『諦めたらどうだ?私とて、これ以上不毛な戦いはしたくないのだが?』

 

「いいえ、まだですわ!あなたからUSBメモリを奪う迄は退く訳にはいきませんわ!」

 

クロノスの申し出を狂三はあっさりと切り捨て、諦めない姿勢を見せる。

 

これにクロノスは呆れてしまい、やれやれと思った。『本当に…頑固者が』と。

 

『そうか…なら、仕方ない…』

 

「お出でなさい…〈刻々帝(ザフキエエエエエル)〉!」

 

呼び掛けに答える様に狂三の背後にローマ文字盤型の天使〈刻々帝(ザフキエル)〉が現れた。

 

「〈刻々帝(ザフキエル)〉―【一の弾(アレフ)】!」

 

ローマ文字盤のⅠから霊力が短いマスケット銃に収束されると、狂三は自身の頭に突き立てて射った。すると狂三の動きが急激に早くなり、一瞬でクロノスに近付いていく。

 

「きひひひひひひ!(わたくし)なら、こ・こ・ですわ!」

 

咄嗟にクロノスは近くに置いてあるエナジーアイテム〈マッスル化〉に触れて吸収した。

 

《マッスル化!》

 

加速して移動する狂三に対抗するべく、クロノスは更にもう一つエナジーアイテムの〈高速化〉も吸収した。

 

《高速化!》

 

「ふぅ…はっ!」

 

二人は高速で動き、周りには見えない程の激しい戦いが繰り広げていた。狂三は二挺のマスケット銃を仕舞い、格闘戦を持ち込み、クロノスもガシャコンバグヴァイザーⅡをバグスターバックルⅡに填めてからそれに応じる。

 

連続パンチを狂三はし、クロノスはそれらをかわしてから同じ事をする。だがクロノスの方が先に〈高速化〉の効果が切れてしまい、動きが遅くなってしまった。

 

「今ですわ!」

 

その所為で狂三に隙を与えてしまう。これは好機だと踏んだ彼女は二挺のマスケット銃を取り出してから霊力を帯びた弾丸を射とうとした。

 

流石にまずいと思ったクロノスはバグルドラバーⅡのABボタンの同時押しでPAUSEを発動させた。

 

『させるか!』

 

《PAUSE!》

 

ピタッ

 

顔面に短いマスケット銃を突き立てた狂三が、止まった時間の中で止まる。その間にクロノスは狂三の懐に手を入れて、雛型のブランクガシャットを取り出す。

 

『悪いが、これは没収させてもらう。君には持たせられないのでな。ふん!』

 

ドゴッ!

 

雛型のブランクガシャットを懐に仕舞ったクロノスは狂三から少し離れると一発パンチして、更に蹴りも加えた。

 

パンチと蹴りを食らった狂三は空中に投げ出された状態で止まり、クロノスはバグルドラバーⅡのABボタンを同時に押してPAUSEを解除した。

 

《RE:START!》

 

「くあっ!」

 

狂三は空中から体に痛みが入るのと同時に壁に激突する。コンクリートの上に倒れてから、ゆっくりと立ち上がると何かに気づいて二挺のマスケット銃を捨て、懐に手を入れる。

 

「ッ⁉️無い、無いですわ!雛型のブランクガシャットが何処にも!何故!」

 

PAUSEされて、止まった時間の中でクロノスに雛型のブランクガシャットを没収された事に気づかないでいる。

 

だが後から狂三はクロノスがPAUSEで時間を止めている間に自分から盗ったと気づく。

 

「クロノス…あなたまさか…」

 

『ああ、君の察し通り、この雛型のブランクガシャットは私が没収させてもらった。君が持っていると、後々が面倒になるのでね』

 

懐から没収した雛型のブランクガシャットを取り出して狂三に見せつけてクロノスは言う。

 

没収された狂三は頭を抱えて叫び、怒りと殺意を剥き出しにした。あの余裕を持っていた狂三がここまで激怒するとクロノスは思っていなかったからだ。

 

「クロノス…あなたってお方は…そこ迄して(わたくし)を怒らせたい様ですわね!よくも、よくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくも!絶対に、許しませんわ…!」

 

完全に怒りに支配された狂三は恐らく此方が話しかけても耳に届いていない。そう思ったクロノスはやむを得ないと思い、もう一度PAUSEをしようとバグルドラバーⅡへ両手を伸ばそうとする。

 

「これはいったい、どうなっているんだ⁉️」

 

『ッ⁉️』

 

なんと、狂三本体が作り出した心が歪んでいない頃の分身体とデートしていた永夢が後ろの離れた所に居たからだ。

これにはクロノスも驚いてしまった。

 

「クロノス、助太刀に来たぞ!」

 

「遅れてすいません!今来ました!」

 

「数が多過ぎて時間を取ってしまったよ!」

 

「私達が来たからにはもう大丈夫よ!」

 

次に現れたのは狂三分身体達の相手をしていたブレイブ達だ。彼女達は撃破後に集まった後、クロノスに加勢する為に来たのだ。

 

状況が掴めていない永夢は何がどうなっているのかもわからず、混乱していた。

 

「何でみんな変身してるんだ⁉️それにクロノスも何で狂三があそこまでボロボロになっているんですか⁉️」

 

この場に永夢が居る事に逆にブレイブ達が聞いてきた。 彼女達も多少混乱していている。

 

「エムこそ、何故ここに居るのだ⁉️お前は狂三の分身体とデートしていた筈だ!」

 

「狂三の分身体ってどういう意味かさっぱりわからないぞ十香!」

 

「あの狂三は本体で、あんたと耶倶矢と夕弦と一緒にデートしてた方の狂三は分身体だったのよ。残念だけど…これは事実よ」

 

「そんな…狂三が、僕を騙していた…?」

 

風魔から聞かされた事実に永夢はショックを受けた。確かにデートしていた方の狂三からはゲスい感情を感じ取れなかった。

 

余計に永夢は訳がわからなくなっていた。ブレイブ達はなんとか落ち着いてたが、永夢だけはまだ混乱してる時に、逃げ出した50のパラドクスと追いかけていたゲンムも現れた。

 

「なっ、マスター⁉️」

 

「同一。何故ここにマスターが⁉️」

 

『エグゼイド⁉️』

 

現れた3人にも永夢は混乱してた。当然と言えば当然なのかもしれない。久しぶりに会って自分に慕っていた耶倶矢と夕弦がブレイブ達を襲撃した二人のパラドクスだと言う事に。

 

「その声、耶倶矢と夕弦?何で二人がLEVEL-50のパラドクスなの?あと、今思ったけど…十香とゲンムもレベルアップした姿…あの人達と同じ所まで上がったんだ…」

 

「あの人達?」

 

余りにも混乱が酷い所為で、永夢もレベルアップしたブレイブとゲンムにそこまで驚く事はなく、寧ろ飛彩と黎斗神を思い浮かべてしまった。

 

永夢の言葉に風魔は反応する。狂三は士道以外のメンバーが揃ったからある事を言おうと思った。

 

「(士道さん以外、揃いましたわね…フフフ)」

 

風魔の言葉に、代わりに狂三が答えた。しかも、永夢の正体(・・)を暴露して…

 

「風魔、その質問には(わたくし)がお答えしますわ…永夢さんの本当の名前は、宝生永夢。今は高校生ではありますが…実際は大人で、聖都大学附属病院小児科の所属にして…電脳救命センター…通称:CRのドクターですわ」

 

「「「「「『ッ⁉️』」」」」」

 

嫌な空気が辺りを支配し始めた。クロノス以外のメンバーは皆永夢の正体を聞いて驚きを隠せなかった。それもその筈…今迄五河として生きていた彼の正体を聞いて呆然としているのだ。

 

「エムが大人だと…?」

 

「聖都大学附属病院所属の小児科で…」

 

「電脳救命センター通称:CRのドクター?」

 

ブレイブ、レーザー、風魔は聞き慣れない言葉を口にした。状況に追い付けていない50のパラドクス達も唖然としていた。

 

「マスターが大人ってどういう事よ⁉️」

 

「反対。ありえません。マスターが夕弦達よりも大人でドクターだなんて…信じられません」

 

二人は永夢自体が大人だと言われて認めなかった。いや、正確には認めたくなかったと言うべきか…

 

『(成る程、そう言う事だったのね。今迄、永夢兄がたまに不可解な事を口にしていたのはこの事だった訳か…それならつじづまが合うわ)』

 

驚いていたゲンムは冷静になって考えていた。これ迄の永夢から言われていた不可解な言葉の意味をやっと理解したのだ。

 

そして、狂三は急に大声を上げて永夢に向かって叫びだした。嘗て黎斗神が彼にバグスターウイルスに感染している事を堂々と暴露した様に…

 

「宝生永夢さん!何故あなたの体内に始祖霊結晶(セフィラ)が有るのか⁉️何故あなたの過去の記憶が失われているのか、何故あなただけ過去で精霊達と出会っているのかッ⁉️…その答えはただ一つですわ…」

 

なんだか嫌な予感しかしないと思い、ブレイブは真っ先に動き、後から風魔も動いた。

 

「それ以上言うな‼️」

 

「止めなさい‼️」

 

狂三は止まらず、最後まで言い切った。

 

「宝生永夢さん!あなたが…別世界の人間である故に、それを利用しようとした…精霊〔ファントム〕の手の平の上で、全て踊らされていたのですわ‼️きぃひひひひひひ‼️」

 

明かされた永夢の正体と、彼がこれ迄秘密にしてきた真実を言われたのと、自分の記憶を消した精霊〔ファントム〕の事を言われて…永夢はショックを受けた。

 

「精霊〔ファントム〕が、僕の記憶を消した…?」

 

コンクリートに膝を突き、ショックした永夢。別世界から来たと聞かされたブレイブ達はその真実に驚愕していた。

 

「永夢さんが…別世界の人間…?」

 

「嘘よ…マスターが別世界の人間で記憶を〔ファントム〕と言う精霊に消されていただなんて、何かの間違えよ‼️」

 

「否定。夕弦も信じたくありません。マスターが別世界の人間で記憶を失っているなど」

 

レーザーも混乱し、二人のパラドクスは永夢の真実を否定していた。クロノスは内心狂三に怒りを向けている。ずっと隠し通していた真実を言った彼女にこれ以上にない程だ。

 

全体的に混乱している間に狂三は一先ず撤退していった。

 

「今回(わたくし)の負けで構いませんの。流石の(わたくし)も、これ以上は保ちませんわね。本当なら雛型のブランクガシャットとリプログラミングの技術のデータが入ったUSBメモリを奪い返したかったですが…いいですわ。皆さん…次に会った時は、永夢さんの最後だと思ってくださいまし…では、(わたくし)はこれで…ごきげんよう…」

 

《GAME CLEAR!》

 

狂三は自ら負けを認めた事でゲームクリアとなって、影の中に入り彼女は消えていった。

 

ゲームクリアとなってもブレイブ達は嬉しくなかった。こんな状態で喜べる訳がない。そう思い、3人はアクチュエーションレバーを閉じて各ガシャットを抜き変身を解いた。

 

〈〈〈ガッチョーン ガッシューン…〉〉〉

 

ファイターゲーマーとパズルゲーマーもギアホルダーからガシャットギアデュアルを抜き、アクチュエーションダイヤルを元の位置に回し、デュアルアップスターターを押して変身を解く。

 

『…』

 

クロノスは無言のまま永夢達から去って行き、ゲンムもいつの間にか居なくなっていた。その後、永夢達は先に帰ったゲンム、琴里からインカムを通じて連絡してきて一旦フラクシナスに回収してもらった。

 

耶倶矢と夕弦も今回ばかりは自分達からお願いしてきたから、琴里は丁度良いと言う事で一緒に回収をしたのだった。

 




28話どうでしょうか?

ここで補足です。
狂三は黎斗がやった永夢がバグスターウイルスに感染している事を暴露したのを狂三にやらせましたが、普通ならゲンムたる琴里だと思われる方も居ると思いますが一応、狂三は敵なんでやらせました。すいません‼️

次は永夢が自分や嘗て自分がいた世界の事をみんなに話します。

次回もお楽しみにしてください!

感想、質問、提案、誤字報告の方をお願いします!
あと活動報告も出しましたので良かったら見て下さい。

現在、アンケートで第1回、デート・ア・エグゼイド内の人気ヒロインランキングを開催します‼️気に入ったヒロインに票を入れてあげてくださいね\(^^)/



次回、デート・ア・エグゼイド



「雛型のブランクガシャットとリプログラミングの技術のデータが入ったUSBメモリは一旦諦めますわね」

「永夢兄、わかってるとは思うけど…話してもらうわよ。貴方が知っている事、全部」

「私が突然大好物のきな粉パン以外の甘い物を好んで食べだしたり、最近新しいガシャットを見ても興奮しなくなったりし始めたのは」

『全身にノイズが掛かった正体不明の者…やはり〔ファントム〕か…』


第29話:小児科医の過去とあり得ないFACT!?

デート・ア・エグゼイドの第1回、人気ヒロインをランキングを開催します‼️

  • 十香(ブレイブ)
  • 四糸乃
  • 七罪(風魔)
  • 万由里

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