俺達の前に突如として現れた女の人、見た目は髪が銀髪のショートカットだ。そこら辺にいる女性と変わらない、ていうか街中でよく見かけるような服装をしているが…………纏ってる何かが違う
「あんた………なにもんだ?」
「私?私は雁夜 春《かりよ はる》。そのボーマンダとタツベイ、返してくれるの?くれないの?」
自己紹介のすぐにそれかよ………、せっかちだな
「返すわけにはいかない」
「怪しいあんたに渡すわけないだろ」
「あっははは!そりゃそうだよねぇ。…………じゃあ、力付くで行こっかな」
雁夜が手を上に掲げる。あれが何かの合図だったんだろう、俺達の周りを大勢の連中が囲んだ
全員白い帽子を被っている。服装はまばらだ
……………統一性がないな
「まあこんな大勢も、なんですか?これからライブでも始まるんですか?」
「巫山戯てる場合じゃないでしょ?どうするのよ」
どうするってそりゃあ…………
「相手、するしかねえんじゃねえの?」
「なんて無責任な………」
まあそう言うな
「…………敵の人数はわからんが、きっちり三等分だ。各自自分の向いてる方向へ真っ直ぐ突っ切れ、椎乃は榊原さんの方向な」
「ちょっと、なんで私は違うわけ?」
「女子一人だと心配なんだよ。待ち合わせは山の入り口前……………行くぞ!」
「「「了解!」」」
俺の合図で三方向へと走り出す俺達
「グレー、"ベノムショック"!」
「…………邪魔。アブソル、"かまいたち"」
「ルカリオ、"はどうだん"!」
それぞれ目の前の奴らの間に技を放って道を作り逃げる
「ライデン、"10万ボルト"!」
『ピィッカ!』
「へいへい、ボーマンダは俺が持ってるぜ!欲しけりゃ追いかけて来なよヘンテコ集団!」
走り抜けざまに挑発も忘れない。てか挑発する時に見た奴の顔がすごかったんだけど、憤怒に満ち溢れてたんだけど
「逃げるんだよ〜〜〜!!」
「追って!逃がさないわよ!」
おぉ、ちょうど三分の一がこっちに来たみたいだな。こんなにうまくいくとは思わなかったぜ
『バニプッチ、"れいとうビーム"!』
『デルビル、"かえんほうしゃ"だ!』
「うわっとぉ!?…………あん?全然狙いがついてねえな」
技を放ちやがるから焦ったんだが……、ただ外れただけか?
まあいい、当たらないに越したことはないからな
「…………そんじゃあ、仕掛けを始めますか」
俺はニヤリと不敵に笑った
「…………さて、ここら辺でいいだろ」
よう、俺はサトシだ
俺は大勢の敵を引き連れて拓けた場所に出ている
「てか、なんで俺も追いかけて来るんだよ。俺はタツベイもボーマンダも持ってないぞ」
『お前を捕まえれば人質として使えるからな』
うわ、ゲスい
「まあ、無駄だけどな」
俺は一匹のポケモンをボールから出す
そのポケモンは、バシャーモ
「なあ、あんたらもトレーナーならポケモンバトルぐらい出来るよな?…………バトルだ」
『シャーモ!』
俺とバシャーモのシャモは連中を睨む
『っ!…………』
連中は少し怯んだ
…………なんだ、これくらいで怯むようなら大したこと無いな。これは俺が一番乗りかもしれない
『くっ、舐めるな!』
沢山のボールからポケモンが出てくる。バシャーモが相手だからか、ひこうタイプと水タイプが多い
「でも、関係無いな」
圧倒的力の前では、タイプ相性だってひっくり返るんだぜ
「シャモ、"はじけるほのお"」
『バッシャァァァァァァ!!!』
シャモは雄叫びと共に体中から炎を噴出し、相手へと炎を放つ
一匹に放たれた炎は飛び火し、次へ、また次へと飛んでいく
『なっ!?』
数秒後にはその場のポケモン全てが地に伏していた
『そんな馬鹿な!?水タイプのポケモンに炎技は効果が薄いのに!』
「あんたら、うちの学校の生徒より弱いんじゃないか?まあシャモが全力で撃ったからってのもあるけど。………これがあんたらのポケモンと俺のポケモンとの実力差」
『くっ…………』
「だてに毎日鍛えてるわけじゃないんだよ」
…………もう、何も出来ないままなんて嫌だからな
『だが、まだポケモンは残ってい…る……zzz』
『どうした!何が起こ…って…………zzz』
そんな事は知ってるさ
「だから眠ららさせてもらった。ワタの"ねむりごな"でな」
ワタを真上に出してたのを誰も気付いてなかったんだな。この組織、大丈夫なのか?
「まあいいか。案外早く終わったな、これは待つことになりそうだ」
はぁ、と溜息を吐きながら俺はワタに捕まって山の入り口を目指した
「あいつら、なかなかしつこいわね」
「面倒だね。どこかで相手しようか」
私と陽奈は陽奈のアブソルに乗って山を駆けていた
私達の横には並列するようにルカリオがいる
「…………そうね」
私は後ろを一瞥して答える。後ろにはギャロップやゴーゴートに乗った敵がいる
「ポケモンよりもトレーナーを気絶させた方がいいかな。この人数だし、日もいい感じに暮れてきた。闇に紛れて攻撃しよう」
「直接トレーナーを狙うの?」
マナー違反なんだけどな………
「向こうは警察に連絡されたら困るって言ってた。だったら悪い人達だよ、マナーなんて気にしてられない」
「……………そうね、敵の場所はルカリオがわかるから………」
考える私の目に、丘が映った
「そうだ」
良い案が思いついた。私はルカリオをボールに戻してキングドラを出す
「"えんまく"お願い」
『ドラッ!』
キングドラの"えんまく"で敵から私達の姿を隠す
『なんだ!?』
『一旦止まれ!』
「よし。陽奈、煙幕が解けるまで時間があるから、あそこの丘まで移動して」
けっこう離れた場所にあるけど
「わかった。アブソル、スピード出して」
『ブルッ!』
陽奈の指示に応えスピードを上げるアブソル
……………速い、すぐに丘に着いた
「ここで何をするの?」
「見てて…………そろそろね」
私は敵の居る場所を見つめる。すると煙幕が急に掻き切れた、"きりばらい"を覚えているポケモンがいたようね
…………それにしては大分遅かったけど、ポケモンの扱いに慣れてないのかしら?
「キングドラ、スタンバイ」
『ドラ』
キングドラに合図を送る
『奴らは何処だ!?』
『捜せ!』
その必要は無いわよ。私達から見えればそれでいいから
「敵の数は10、行けるわね?」
『ドラッ!』
うん、いい返事
「"みずでっぽう"……………撃て」
ババババババババババン!!
『ぐぁぁぁ!!』
『何ぃ!?ぐあっ!』
敵は次々と倒れていく
「すごい………今の本当に"みずでっぽう"?」
「ええ。ただまあ、弾丸の様な形にはしてあるけど」
普通の"みずでっぽう"は放出された水の柱を相手へとぶつける技
でも私のキングドラは、それを弾丸の様な形にして一発一発を放出することにより威力を上げて放つ事が出来る
「"ハイドロポンプ"でも同じ事が出来るけど………流石に威力が強過ぎるから」
「でも、けっこう距離あるよ?」
ああ、そんなこと
「私のキングドラの射程範囲は、半径200mよ」
陽奈が目を見開く。初めて見たわ
「……………椎乃、狙おうと思えば学年一位狙えるんじゃない?」
「学年一位なんていらないわよ。今の順位で十分」
「何位だっけ」
あれ、そういえば話してなかったっけ
「丁度あんたの下、11位よ」
昔とは違って、私も強くなってるのよ
………葉月とサトシは無事かしら
「陽奈、取り敢えず山の入り口まで戻りましょう。もう二人ともいるかもしれないし」
「う、うん。乗って」
私は陽奈の後ろに跨り、山の入り口へと向かった
葉「さあ、今回もやってきたぜこのコーナー!ゲストはなんと未だ過去の回想と名前でしか出ていない、小鳥遊 新のご登場だぁ!」
新「イェーイ!!」
葉「いや〜、会うのは久しぶりだな。毎日LINEで会話してるけど」
新「そうだな。まあ俺も色々と忙しいんだよ」
葉「へぇ〜、部活とか入ってなかったよな。なんでだ?」
新「ん?ああ、俺の学校治安悪くてさ。学校を占めようと思って」
葉「…………マジで?」
新「いやぁ、血の気が多い奴らばっかでさ。バトル仕掛けられてるうちに、もう占めるか!って気になっちゃって」
葉「そ、そうか………まあ頑張れ」
新「おう!」
葉「そんじゃあここまでにすっか、それじゃあまた次回!」
「「また見てくれよな!」」