ポケモンと俺達の学校生活は   作:クラッカーV

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下剋上バトルファイナル 決着は呆気ない

「"ムーンフォース"!!」

 

ヨウカの技がワルビルへと直撃する。超至近距離からの"ムーンフォース"だ。一溜まりもないだろう

 

『ル、ルァ………』

 

片膝をつきなんとか立ち上がろうとするワルビル。あれを受けてまだ立ち上がろうとするか、なかなかしぶといワルビルだ。きっと良いワルビアルに進化するだろう

 

だけど………

 

「あんま無理はすんな。これは下剋上バトルと言ってもあくまで模擬戦に近い。それにまだ一匹控えがいるだろ?」

 

「くっ………テメェ…」

 

悔しそうに顔を歪める坊主。なんだか俺が悪者みたいになってる?いやいやそんな馬鹿な

 

でもホントにワルビル限界っぽいしなぁ……ここは一思いにトドメをさすべきか?可哀想だが、致し方ないか

 

「ヨウカ、トドメの……っ!」

 

俺はヨウカにワルビルへトドメをさすように指示をしようとした。その直後

 

《ドドドドドド!!》

 

『フィィィィィィィィ!』

 

上から尖った石がヨウカへ向けて襲来した

 

「なっ!?これは………!」

 

"ストーンエッジ"!?嘘だろ!?なんで上から!

ワルビルはそんな仕草なんて………

 

「っ!まさか!!」

 

ヨウカがニンフィアへ進化した時、"ムーンフォース"の光に紛らせて、上に発動していた"ストーンエッジ"を撃ったのか!?

 

『フィ………フィィ…』

 

「ヨウカ!!」

 

『……ルァァ……』

 

「ワルビル!!な、何が……」

 

二匹は同時に地に伏す。俺はすぐにヨウカに駆け寄った

 

「ヨウカ……お疲れ」

 

ヨウカを抱き上げて優しく撫でる。ヨウカはよく頑張ってくれた

 

「ワルビル……よくやった」

 

坊主もワルビルに駆け寄り優しく声を掛けてボールに戻す

………こいつもポケモン、大切にしてるんだな

 

「……てか、何が起こったんだ?見た感じ今のは"ストーンエッジ"っぽかったが」

 

俺の方に顔を向け疑問を口にする坊主

 

何故いきなり空から"ストーンエッジ"が落ちてきたのか。坊主がわけわからなさそうにしてるとこからこいつの指示ではないんだろう。………だとすると、考えられるのは

 

「ワルビルだ。ワルビルが自身の判断で、"ムーンフォース"の光に紛らせて空に放ったんだ」

 

ヨウカが進化の光に包まれ、技を放った。その技をくらいながらも、ワルビルは必死に発動していた"ストーンエッジ"を空へ放ったんだ。落ちてきた時、ヨウカに当たるように

 

「ワルビルが!?」

 

思えばワルビルは倒れる前、ヨウカが倒れるのをしっかりと確認してから倒れた、かのように見えた

 

偶然じゃない、ワルビル自身が計画してやったこと。或いは負けたくない、という心からきた咄嗟の判断だったのかもしれない。だが、どちらにしろそのバトルセンスには目を見張るものがある

 

普段からあんな練習などしていないだろう。普段あんな指示は絶対に受けないだろう。そんなことをこんな状況で出来るか?出来るわけがないだろう

 

だけど、ワルビルはそれをやってみせた。この土壇場でだ

 

「おい坊主」

 

「…………なんだよ」

 

坊主も俺と同じことを考えていたのか、ボールの中で疲れてぐったりとしているワルビルを見つめながら返事をした

 

「そのワルビル、絶対手放すんじゃねえぞ。絶対大切にしろ。んでもって、お前もそのワルビルに相応しいトレーナーになりやがれ」

 

そのワルビルはタダモンじゃねえぞ。育てれば強く光り輝く。

 

「テメェに言われなくてもわかってるぜ」

 

「それなら良い」

 

なんだ、さっきからこいつ。ちゃんとポケモンのことは大切にしてんじゃねえか。案外いい奴か?

 

「………しかし、まさか高校生活の中でこんなにも早く良いポケモンが見れるなんてな。気分が良いぜ。とっても良い」

 

高校生活の中で、才能を持ったポケモンやトレーナーには会えると思ってたが、まさかこんなにも早く会えるとは。椎乃やサトシ達以外のポケモン以外ではなかなか見たことなかったからなぁ……。トレーナーの方は、やはり今のところあまり見ないな。榊原さんとかが一番近いか。もちろん椎乃とサトシ抜きでだが

 

ハッチーとナナはまだまだだ。けど、磨けば光るかもしれない。それだけの可能性は十分秘めている

 

今日見た中でも、向こう側にも一人

 

「すごいなぁ、高校って」

 

まだ始まったばかりだが、これから更に面白くなりそうだ

 

良い、これは良いぞ

 

「おい坊主ぅ!!」

 

「今度はなんだ!てか、坊主って言うのヤメろってんだろ!!」

 

さっきまでも気分は良かったが、今は更に良い

 

………だから

 

「手加減しなくても、構わないよなぁ?」

 

全力で叩き潰してやろう

 

なに、芽を積むなんて勿体無いことはしないさ

 

…………この程度、なんともないよな?

 

 

 

俺は、自分でもわかるほど獰猛に笑った

 

 

 

 

 

 

 

 

控え席から、獰猛に笑う葉月の顔を見てしまった

 

俺は思う

 

「(スイッチ、入っちゃったか〜……)」

 

思わずうな垂れた

 

「うお、なにあいつスッゲー顔」

 

「あんな顔出来たんだな」

 

俺の両隣では葉月に顔についてハッチーとナナがコメントしている

 

「あいつ、溜まってたのかな……」

 

「いきなりどした?サトシ。下ネタか?」

 

「死ねハッチー」

 

取り敢えず馬鹿に適当に返事をする。何やら煩いが気にしない

 

「サトシ、溜まってたって?」

 

今度はナナが質問してきた。これは話したほうが良いだろうか?まあ、話しても別段問題は無いか

 

「話したよな、葉月はここ四年間ぐらい全くポケモンバトルしてなかったって」

 

「あぁ、そうだな」

 

「しなくなる前は、あいつポケモンバトル大好きだったんだ。それを事件が原因といえどきっぱり辞めたから、どこか徐々に徐々にストレスが溜まっていってたんだろう。んで、今ポケモンバトルしてるだろ?楽しくて楽しくて、変なスイッチ入っちゃったってわけだ」

 

「…………つまり?」

 

「なんの面白味もなく終わる」

 

「「……………」」

 

二人は黙ってしまった

 

そこからはホントに一方的だった

 

葉月が繰り出したのはピカチュウのライデン。恐らくでんきだまを持たせて瞬殺する気満々だったのだろう。それに対して坊主はクサイハナ。相性で言えばくさタイプにでんきタイプは微妙なんだが………そこは流石葉月のライデン

 

"でんこうせっか"でぶっ飛ばした後に"アイアンテール"で空高く打ち上げ、トドメは自分を避雷針に見立ててクサイハナを掴み、百発百中になった"かみなり"でフィニッシュ

 

なんともえげつない。下手したらトラウマものだぞこれ

 

「ク、クサイハナ、戦闘不能。勝者、天野 葉月……君」

 

先生も若干引いてる。無理もないよな、あんなの見せられたら

しかも学年最下位がだ。驚き通り越して別世界に行ってしまう

 

「OK!ナイスライデン!!今日もイカしてるぜ!」

 

『ピかッピピ!!』

 

葉月とライデンはハイタッチをして勝利を喜びあっている………が、恐らく俺と、観客席にいる椎乃以外は驚愕で動けないんじゃないだろうか。坊主でさえもクサイハナをボールに戻すのすら忘れて口をポカン、と開けて立っている

 

…………ま、取り敢えず

 

「葉月」

 

俺は葉月へと走り寄る

 

「おう、サトシ!いやぁ、やっぱポケモンバトルって良いねぇ!久しぶりにスカッとした気分だぜぃ」

 

「そうか、それは良かった」

 

嬉しそうに、そして快活に言い放つ葉月を見て俺はニッコリと笑う

 

「…………だが」

 

そして右拳を握り

 

「やりすぎだ馬鹿野郎!!」

 

思いっきり振り抜いた

 

「のぉ!?何すんの!?」

 

「チッ、避けたか」

 

「いやいや!危ないでしょうよ!」

 

「やかましい!場を考えろ!そして加減しろ!!」

 

「と、取り敢えず!逃げるんだよぉぉぉぉ!」

 

「あ、待て逃げるな!!」

 

こうして俺達の下剋上バトルは、全戦全勝で幕を閉じた

 

俺と葉月は散々追いかけっこをした後、結局捕まらないのでポケモンを使ったところ、何故か鳥ポケモン同士で移動に移動を重ねた。そして人気のない場所で何故か………何 故 か、ポケモンバトルになったのだった

 

と言ってもお遊びみたいなものだったので、止めに来た椎乃に説教くらうだけで済んだのだった

因みに他のメンバーがどうなったのかは知らない。きっと帰ったんだろうな

 

…………しかし何故俺まで説教をくらわなければならないんだ……

 

「別に良いんじゃん?」

 

「お前のせいだろうが!」

 

「まあまあ…………それよりも、気付いたかサトシ」

 

「何に」

 

「いや、俺もコクヤから送られてきた念でわかったんだが………俺達のバトル、部外者が見てたっぽいぞ」

 

「……なに?」

 

「一体何の目的かは知らないけど、もし「ちょっと、聞いてるの?」はいぃっ!」

 

「全く、今回のことは葉月が全面的に悪いってことをちゃんとわかってるの?私はあんたの面倒を叔父さんや叔母さん、皐月さんから任されてるんだから、せめてもうちょっと落ち着いてほしいんだけど?ねぇ、わかってるの?」

 

「い、いつそのようなことが……」

 

「昔からに決まってるじゃない」

 

「嘘ぉ!?」

 

…………早く、終わらないかな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は変わり、葉月とサトシが追いかけっこをしてる最中の頃

 

「面白い子達、見つけちゃった♪」

 

扇子をピシャリと折りたたみ、楽しげに水色の髪をした少女は笑った

 





葉「はーい、やってまいりましたこのコーナー。みなさんお久しぶりでございます」

暦「本当に久しぶりね。どこかのゴミ虫が全く書かなかったせいで………もういっそのことパソコンの前にでも貼り付けておけば良いんじゃないかしら」

葉「はーい、そして辛辣なことを言ってるこの人が今回のゲスト。日ノ丘 暦さんでっす!はい拍手〜!(パチパチ」

暦「やめてちょうだい、なんだか不愉快だから」

葉「ご、ごめんなさい」

暦「まあでもしょうがないものね。矮小で猥褻な天野君だもの、そんなことしか出来ないことぐらい私はわかってるわ」

葉「ちょっと待とうぜ!?矮小で猥褻ってなに!」

暦「可愛いポケモン達を見て、グヘヘへ、今夜をどいつをおかずにしようかな、とか考えてるんでしょう?いやらしいわ。近付かないで」

葉「んなこと考えてねえ!マジでやめて!?色々と誤解を招くからさぁ!!あ、ライデン、そんな目で俺から離れて行かないで!?」

暦「さ、では質問に参りましょうか。まずは私の家族からだったかしら」

葉「無視か!無視なのか!?マイペースすぎんだろ!」

暦「私の家には一人のジェニファーと二人のステファニー、ジョニーとジュディが一ダースいるわよ」

葉「嘘だ、絶対に嘘だ………!てか1ダースって、1ダースって……!!」

暦「そして母親と父親がいるわ」

葉「そこ以外絶対嘘だろ!」

暦「何を言っているの?先に言ったのはポケモン達の名前に決まってるじゃない。親の」

葉「名前被ってるし!しかも数え方!」

暦「どう数えようと私の勝手だと思うのだけれど?」

葉「なんて傍若無人な!」

暦「はい、というわけで質問はこれで終わりね」

葉「マイペースぅぅ……ま、まあいいや。うん、もう、今日はこれで終わろうか」

暦「そうね、では私はお暇するわ」

葉「あ、ちょっとストップ。はい、これ」

暦「?」

葉「これに好きなタイプと恋人にするなら誰か書いておいて。これも質問のうちだから」

暦「え………え!?」

葉「それじゃ、まだまだ質問受け付けてるから、どしどし来てくれよな!またな!」

暦「ちょ、ちょっと待っ」






日ノ丘 暦

好きなタイプ:取り敢えずポケモンを大切にする人

恋人にするなら:…………

暦「こ、こんなの書けるわけないよっ!ダメダメダメダメ、絶対にダメッ!!」





クシャクシャに丸められたこの紙は数分後




葉「ん?ったく、誰だよこんな所にクズ紙捨てたの。こここれからも使うんだから………スタッフか?………ん?待てよ?これってもしかして、日ノ丘さんに渡した紙か?
………日ノ丘さんもふてぇことするなぁ、おい」

ガサガサ……

葉「どれどれ、そんな日ノ丘さんのタイプは〜♪こんなとこに捨ててんだから見ても良いってことだよなぁ♪
…………ふむ、ポケモンを大切にする人、か…」

……………

葉「日ノ丘さんも、ポケモン大切にしてんのな……」


V:日ノ丘さんへの評価が上がった葉月君でした!!

葉「てめぇどっから沸いたVこのクソ野郎ぁぁ!!」

V:え、ちょ待っ………あぁあぁぁぁぁぁぁぁ!!!

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