俺達は歩いている、学校を目指して
「…………さて葉月?さっきの話の続きといこうか」
むぅ……覚えていたか。なんとか誤魔化そう
「いやね、あの時俺の中に選択肢が出てきて俺に選べと言うのだよ」
……………なんだこの言い訳?信じるわけねえだろ!
「ほう…………、どんな選択肢だったんだ?」
信じた!?……………よし、行ける!
「そこでサトシに水をかけるかライデンにかけるかってのが来たのよ」
「ほうほう」
「ライデンにかけるくらいならサトシにかけた方がいいかな〜って」
これはいったろ!完全にいったろ!
「成る程な………………完全にお前の意志じゃねえかぁ!!」
なんだとぉ!?駄目だった、逃げろぉ!!
「あっ!待て葉月ぃ!!」
「待てと言われて待つ馬鹿はお前かお前くらいだよヴァカめ!!」
『ピィカ、ピィカ、ピィカ、……………ピィ』
酔ってんじゃねえぞライデン!全力ダッシュBダッシュだぜ!
「俺しかいねえじゃねえか!」
「フハハハハハ!」
俺には追いつけまい!速いだろう、お兄さんは速いだろう!!
おっしゃぁ!もうすぐ学校に着くぜ、それまでもってくれよ俺の体力!
………………ん?曲がり角になんか人影があるような
「はっはっはっはっはぁぁぁ!?」
「キャッ!」
曲がり角から女の子がッ!だが避けるッ!
「おわっとぉ!危ねぇ!?すんませんでした!」
「こ、こちらこそ……………葉月?」
ん?なんで俺の名前知ってんだ?
「?…………………椎n「グレー、"かわらわり"!!」………へ?」
『グレッグッ!』
かわらわり!?何グレーに技使わせてんの!?
やべえ!もう真上まで「トゲピー、"じんつうりき"!」
『トゲチュイ!』
『グレァッ!』
「グレー!大丈夫か?」
トゲピーのじんつうりきでグレーが弾き返される。サトシはグレーに近付いて回復してやっている
……………やっぱりだ。じんつうりきを覚えてるトゲピー………
「大丈夫?葉月」
「………………ああ」
そのトレーナーはこいつしかいねえわな
「…………あれ、
「ええ、話すのは久しぶりねサトシ」
肩より少し上位に黒い髪、顔の横の髪を少しリボンで束ねている
見た感じ度の入ってない伊達メガネ、小柄で少し幼いが整った顔立ち
………………彼女の名前は朝月 椎乃《あさづき しいの》
俺のもう一人の幼馴染みだ…………
「あぁ〜、そのなんだ。ぶつかりそうになってごめんな、
「っ、………………ええ、こちらこそごめんなさい」
「……………行くぞサトシ」
俺は歩き出した
「はあ!?………………あぁ〜、わかった。じゃあな椎乃」
サトシは驚きの声をあげるが頭を掻きながら俺についてきた
「……………待って」
……………はぁ
「どうかしたか?」
俺が朝月さんの方を向く、朝月さんの顔は真剣そのままだったので俺は息を飲んだ
「……………まだ、バトルはできないの?」
「………できないんじゃねえ、しないんだ」
そう、できないんじゃねえんだよ
「……………そう」
なんでお前がそんな顔すんだ、関係ねえだろ
「ね、ねえ。さっき椎乃って呼んでくれたわよね?」
「…………気の所為だろ。行くぞ、サトシ」
「お前…………いいのかよ。せっかく同じ高校で同じクラスなのによ」
「いいんだよ」
「…………お前がいいならいいけどよ」
俺達は、後ろにある悲しそうな顔を無視して歩き出した
「おはよー」
「お、来たか葉月、サトシ!」
「おはよー馬鹿」
「ひどっ!」
あ〜、こいつ見てるとなんかさっきのブルーな気持ちがどうでもよくなってきたわ。よし、スイッチ切り替えよう
「そういやよ、なんか今日人が少ないと思わないか?この学校」
あ、それ俺も思った。なんか登校中に人少ないなぁって
「ああ、今日は三年と二年は合同宿泊研修に行ってんだ」
サトシが言う、何故教えてくれないのだよ
てか合同宿泊研修?んなもんあったのか
「もう俺達も高校だからなぁ………。研修なんてきっと沢山あるんだろうよ」
何か目を輝かせながらそう言うハッチー、ごめんよくわからない
「おい八幡、何を考えてるか知らないがあんまり変なこと考えんなよ」
「ナナの言うとおりだぞハッチー。いくら現実が不条理だとしても逃げることはいけないことだ(キリッ」
うん、今俺いいこと言った
「お前が言ってんじゃねえよ(ペシッ」
あうっ、おでこ叩かれた
「……………さっきのことかサトシ」
「べっつにぃ〜?誰もさっきのこととか言ってねえけど?てか自分でもわかってんじゃねえか」
こいつ…………まあいい、お返しなんだろう。甘んじて受け入れてあげましょう
「なんだ?さっきのことって」
「なんでもねえよ」
そう、なんでもないの、なんくるないの
てかナナ、ハッチーはまだ帰ってきてないっぽいぞ
「てか八幡、はよ戻ってこい。どこ見てる、お〜い?…………しゃあないな。スゥ…………」
そう言うとナナは息を吸い込んだ
「彼女いない歴=ね・ん・れ・いの赤崎 八m「ちょっと待てぇぇぇぇい!!」やっと戻ってきたのか八幡」
「うるせえよ!なに人の経歴バラそうとしてるわけ!?あと年齢の部分を強調するのやめてくれる!?」
いや、お前の経歴なんて誰も興味ないうえに彼女いない歴=年齢も皆わかってるから
「いや、お前の経歴なんて誰も興味ないうえに彼女いない歴=年齢も皆わかってるての」
さすがサトシ、だてに幼馴染みなだけないな
「やめて!?泣くよ!ホントに泣くよ!?」
「「「どうぞどうぞ」」」
「うわあぁぁぁぁぁ!!皆なんて嫌いだッ!」
……………あ〜あ、走って行っちゃった
「まああと10分もすれば戻ってくるだろ。授業始まるし」
そうだな。戻ってこなかったらあいつがサボりになるだけだし
ウハッw俺達って案外酷いね
「……………ねえ、ちょっといい?」
ん?誰だ、声的に女子だな。知らずと聞いたことあるような声だが
「あいあい、なんですか?俺達に用で………も…………」
「しいて言えばあなたに用があるかな、天野君」
……………わお、昨日のチョロネコの
「え、えぇと。なんで俺に用が?」
「昨日…………私の名前知らないって言ってたから」
あ、そうですか
ん?なんだ?回りがざわついてるな
「…………榊原 陽菜《さかきばら ひな》。よろしく」
「あ、ああよろしく、榊原さん。いいお名前で」
何言ってんだ俺。ほら、榊原さん少し驚いてるよ。てかそんなに驚くこと?
「………………ありがと」
榊原さんは俺に向かって少し笑いながらそう言った
…………うん、こういうのに男は落とされやすいんだろうね。だって俺から見ても美人だもん
「それじゃあ…………そろそろ授業始まるから」
「お、おう」
…………結局なんだったんだ?名前教えるだけだったが、なのに回りの反応が大袈裟なんだよな。サトシやナナまで
「どうしたんだ?サトシ、ナナ。そんなマメパトが豆鉄砲くらったよう顔して(ビュンッ!)ぇぇぇぇ!?危ねえ!誰だこの野郎!!」
岩が!岩が飛んできたよお母さん!!
「チッ、外したか!」
いやお前誰だよ!?違うクラスの人に狙われたよ!
岩飛んできたよ!?窓開いてたからよかったけど開いてなかったらやばかったよ!?
トントン
ん?誰だ俺の肩を叩いてんのは。………なんだサトシか
「おい葉月、ちょ〜っとこっちにおいで?」
「なんだその笑顔、気持ち悪いぞ」
「いいから来い」
サトシにグイッと引っ張られてナナとサトシの間に連れて来られる。回りには他の男子もいた
そして小さい声で話始める
「なんだよサトシ。いいのか、他からの視線が痛いぞ」
「うるせえよ、他ってのは女子だけだろうが。…………それよりも」
それよりも?
「なんで榊原さんとお前が知り合いなんだよ」
…………ん?そんなもん俺が知り合ったからに決まってんだろ、馬鹿め
「お前…………榊原さんと話したことあんのか?もしかして」
「ま、まあクラスメイトだし。少しくらい話すことはあるだろうな、どうなんだ葉月?」
『どうなんだ!?』
「ちょ、ちょっと待てよ。なに?あの人ホントに超有名人だったの?」
『はぁ!?』
驚かれたよ!昨日もこんな反応もらったよ!!
「はぁ…………、昔っからお前って奴は。ナナ、説明してやれ」
「はぁ…………しゃあねえな」
たのんます
「榊原 陽菜さん。このクラスにいる二人の"七輪花"のうちの一人だ。バトルの実力も相当高く、学年順位10位に入ってる」
がくねんじゅんいじゅーい?言いにくいね
てか学年順位10位!?相当強えじゃねえか!
「なんでそんな人がっ!?」
てか七輪花だったのか、まあ納得できるな
「それを俺達が聞きたいんだよ」
あ、そうだったの
『いいから話せ!』
…………こいつら、目がマジだ。巫山戯たら殺される
「い、いや。昨日帰りにチョロネコを見つけてよ、そいつにかまってたらそのチョロネコがあの………榊原さんのポケモンらしくって。それで少しだけ話しただけだよ」
『なにぃ!?』
え、えぇ!?何か悪いことだった!?
「葉月…………」
サ、サトシ、俺なんか悪いことしたのかな?
「七輪花には七輪花ファンクラブってのがあってな、学校外までに及ぶほどに」
マジか!?すげえなおい!
「そのファンクラブの掟、第16条にこんなものがあるらしい」
ま、また中途半端な数字だな。てかなんでお前が知ってる
「うちの近くのファンに聞いたんだ。その内容がな…………。《一、七輪花のメンバーとお話しはまだOK、だがポケモンと触れ合うことは万死に値する。デートorダーイ》」
「………………ず、随分と今風な条約ですね」
そして続けてサトシは俺の耳に顔を近づけて更なる衝撃の事実をボソリと言った
「ちなみに椎乃も七輪花のメンバーだから(ボソリ」
「へ、へぇ〜そうなのか………………散開ッ!!《ヒュッ!》おわっ!今度はなんだ!?」
スカーン
…………………黒板にシャーペンが刺さってる。誰だなげたの!?
「……………………ふん」
あんたかよ日ノ丘さぁん!!なんだよ、あんたには関係ないよね!?
『さぁ、覚悟しろよ天野ぉぉ』
『えひゃひゃひゃひゃひゃ』
『デートorダーイ』
こいつらやべえ!?全力ダッシュBダッシュ!!
『逃げるぞ!追えぇ!逃がすな!!』
塞がれた!くっ!こうなったら窓から!!
「出てこいクウラ!」
『チルッ!』
初登場がこんな場面でごめん!!
『チルッ!?』
「とりあえず逃げてくれ!攻撃くるだろうからコットンガードしといて!特殊系は避けるぞ、俺が指示だす!」
『チルゥ!!』
元気良く返事して飛び立つクウラことチルタリス
『近くの林に逃げ込んだぞ!即刻向かい見つけて仕留めろ!いいか、見つけたらどうするかわかってるな!!』
『サーチ&デストロイ!!』
「あいつらマジでやべぇ!!もっと奥へ逃げるぞクウラ!!」
こうして俺達の鬼ごっこは始まった
………………はぁ、この学校にこんな黒い部分があったなんて
出たよクウラ!チルタリスかわいいよチルタリス!
感想待ってます!