『バァァァァン!』
バンギラスは叫びながら俺達に"ストーンエッジ"を放つ
「クウラ、"コットンガード"!」
『チルゥ!』
俺はクウラを出してコットンガードで技の威力を失くした
バンギラスはこちらの様子を伺ってるのか追撃はない
「…………なあ榊原さん。そのハッサム、"かわらわり"使えるかな?」
「うん、使えるよ」
お、ラッキー
俺はバンギラスを見やる。バンギラスは右足を引いて体を横にするように、まるで自分の弱点を隠してるかのように構えている
……………あいつの弱点は右脇腹だな
「よし、だったらあのバンギラスにそれを撃ち込んでくれ。狙う場所は右脇腹だ」
「……………?なんで右脇腹なの?」
ん?わからないのか、説明した方が良さそうだな
「あいつを見てごらん。あの構え方、まるで自分の弱点を隠してるようじゃない?」
「……………うん、まあ。でもそれだけで決めつけるのは」
「多分あのバンギラスはトレーナーに飼われてるポケモンなんだろうな。なんでトレーナーが近くにいないのかは知らねえけど、戦い方から見てそうだ。あのバンギラスはさっき俺達に技を放つ時もずっと自分の右側を隠してた。多分トレーナーにああ戦うように言われたんだろうな、だったらもう決定でしょ」
早口で言ってしまったが、わかっただろうか?
「成る程…………ねえ、天野君」
ん?何かな?
「まだ質問があるか?」
「うん………………天野君は、なんでバトルしないのにそんなに詳しいの?」
………………ほんと、痛ぇとこ突いてくんなこの人
「……………まあ気にすんな!榊原さんは右から攻めてくれ。まずはこっちで引き付けるから」
「え!?ちょ……………わかった」
何か不満そうだが気にしねえ!
俺達は両サイドにそれぞれ走り出す
「ライデン、挑発しろ。"でんきショック"!」
『ピカッ!』
ライデンが放った電撃がバンギラスにあたる
全然効いてねえみたいだが………まあ普通そうだわな、だけどそのおかげであいつは俺とライデンをターゲットした!
「ほれほれぇ!こっちだこっちぃ」
『ピィカァ!ビッピピカピィ』
さらに俺とライデンでおちょくる。イラつくだろうなぁ、これ
ほら、ライデンの顔見てこれ。すんげえドヤ顔してるよ
『バァァァァン!!』
バンギラスは俺達に向かって"ストーンエッジ"を撃つ
おーおー怒った怒った!こいつ煽り耐性ゼロだぜ
「ほらほらぁ!そんなもんじゃ当たらねえぜ?もっとすごいのじゃないと当たらないんじゃねえのぉ!?」
こいつが本当にトレーナーのポケモンならあの技ぐらいは覚えるてるはず!だいたいのトレーナーは覚えさせるからな
『バァ………………バァァァァン!!』
来た!俺はこれを待ってたんだ!!
バンギラスが"はかいこうせん"を放つこの時を!
「避けろライデン!"こうそくいどう"!!」
『ピィッカァ!』
俺はライデンに指示を出して自分もはかいこうせんの射程外へと移動する
「今だ榊原さん!」
はかいこうせんを撃った後だ、反動で動けねえ!!
「うん!ハッサム、"かわらわり"!!」
『ハッサム!!』
ハッサムのかわらわりがバンギラスの右脇腹へと食い込む
そしてバンギラスは戦闘不能になり倒れた
「「いぇーい!」」
いや〜、いい食い込みでしねぇ〜。解説のライデンさん、どうでしたか?
『ピッカァ、ピカピカピカッチュ。ピカピカァ』
なんにもわかりませんねぇ〜、なんか良いこと言ってるっぽいけどなんもわかりません
まあそんなことは置いといて
「もう外はだいぶ鎮静化してるんじゃないか?」
「そうだね…………下に行こっか」
「ああ、そうだな。先に行っててくれるか?このバンギラスについて色々調べたいことあるし」
「…………調べたいこと?」
「そ、調べたいこと」
「…………………わかった。先に行ってる」
「おう」
榊原さんは先に屋上から出る
…………ん?なんで俺は残ったかって?言ったじゃん、調べたいことがあるって
「さて、出てこいコクヤ」
『ホー!』
俺のポケモン、ヨルノズクのコクヤ。夜目が効く奴でな、暗いところでも問題無く見渡せる
「ちょっとひとっ飛び頼むぜ……………あの林によ」
俺はコクヤの足に捕まる
そしてコクヤは飛び立った
「ふふ、ここまで来れば追手も来ないだろう。いや、誰も俺のことなんか気付いてないだろうなぁ、なんせあの騒ぎの中だったんだから。……………これさえあれば、お前はもっと上の次元に行けるぞぉ?バンギラス。そして、俺は最強になれる!!」
「へぇ〜、最強なのか」
「ああ!俺は最強になれるんだぁぁぁぁ!?」
ん?なんだ、そんなに驚いて失礼な奴め。ただ空から見下ろしてるだけだろう
「な、誰だお前は!なんでここにいる!!」
「そりゃあお前、追っかけてきたからに決まってんだろ」
何を当たり前のことを……………っと、サンキューコクヤ
「そんな馬鹿な!あの騒ぎの中だぞ!?俺の行動は誰にも見られてなかったはずだ!!」
「まあ確かに、あんたが林に入る前までは俺だって気付いてなかったよ」
「じゃ、じゃあなんで!!」
あ〜ん?説明しなきゃなんねえのか、めんどくせえ
「木に砂が沢山ついてるのを見たんだよ。このコクヤがな」
「そいつが………見た!?」
男は驚く
「ああ、ヨルノズクっつうポケモンは夜目が効くだけじゃなくとても目がいい。木についてる砂なんて当たり前のように見えるんだよ。そしてそれと同時にエスパータイプのポケモンでもある。俺に念で伝えてくれたのさ」
そう、砂に気付いたコクヤはボールの中から俺に念を送りそのことを伝えてくれた。まあけっこう高度な技術なんだが、今はそんなことはおいとこう
「そのバンギラスの特性はすなおこし、林の中にそいつを出したまま逃げ込んだのが間違いだったな」
「くっ…………!」
「あんた……………メガリングを盗んで何をするつもりだ」
男が手に持っているのはメガリング、見た感じうちの生徒じゃないし、この騒動があったんだ。盗んだとしか思えない
「俺は…………俺は、これで見返してやるんだ!」
「見返す?誰を」
「俺のことを馬鹿にする奴らをさ!あいつらは俺がただバトルが弱いからって見下してきやがる!!そんなあいつらにこれを使って勝って、俺もあいつらを見下してやるんだ!あいつらが俺にやったように!!」
男は憎しみを籠めた顔で俺に言い放った
………………はぁ
「くだらねぇ」
「くだらないだと!?お前に何がわかるんだ!」
んなこと知るかよ
「くだらねぇもんはくだらねぇんだよ。てめぇがそいつらと同じことするためにポケモンを戦わせんのか」
「そうだ!……………ちょうどいい、お前を実験台にしてやる。俺は調べたんだ、メガリングとメガストーンがあれば俺のバンギラスを次の次元へと進化させることができるって!!」
男はポケットから石を取り出す
……………!?メガストーン!なんであいつが持ってんだ!!
「なんでてめぇがそんなもん持ってやがる!!」
「高値で買ったんだよ、持ち主からなぁ!メガ進化させるためには片方だけじゃ駄目だもんなぁ?」
男は不敵な笑いを浮かべてメガストーンをバンギラスに持たせた
「光栄に思えよ、俺の実験台第一号になれたんだ。………………バンギラスゥゥ!!メガ進化だぁぁぁぁ!!」
メガリングを装着し腕を掲げて叫ぶ男、するとバンギラスの体が光につつ……………………まれなかった
……………………はい?
『ピカ?』
『クルー、クルー?』
『バン?』
「な、なんでだ!?なんで反応しないんだよ!!答えろ、そこのお前ぇぇ!!」
「し、知るかぁぁぁぁ!!俺に聞くんじゃねえ!」
いや、でもなんでだ!?バンギラスは確かにメガ進化が確認されてるはずだ
メガリングとバンギラスナイトさえあれば……………ん?まさか
「お、おいお前。ちょっとメガストーン見してみ」
まさか、まさかとは思うが…………
「な、なんだ。わかるのか?盗るなよ、絶対盗るなよ?」
お前じゃねえんだから盗らねえよ
そして俺はメガストーンを受け取る
「これ……………違うよ。バンギラスナイトじゃない」
これ、ハッサムナイトじゃん…………
いや、確かにバンギラスナイトとよく似てるって教科書には書いてたけどさ
「……………………なにぃぃぃぃぃぃ!?」
………………なんか、ドンマイ
「じゃ、じゃあ俺がこれまでしてきたことは…………」
無駄な努力だったね
「……………………くそぉぉ!!お前!俺とバトルしやがれ!!勝って帰って気持ち良く眠ってこの事は忘れてやるぅぅ!!」
逆ギレ!?理不尽すぎるわ!
「俺は理科系の男の酒井 和樹《さかい かずき》!!今からお前を倒す男の名だ、しっかり覚えとけコンチクキショー!!」
泣きながら言われても………………はぁ
……………ここなら誰も見てないし、久しぶりにいいかな
「わかった、俺は天野 葉月ってんだ。バトルしようぜ、酒井さん」
そう言いながら俺はポケットからある球を取り出す
…………これは《でんきだま》、俺の手のひら半分くらいの大きさの球なんだが。これをピカチュウに持たせるとパワーが底上げされる道具らしい。なんで持ってるかは、また今度な
「……………ライデン、久しぶりに本気で行くぜ」
『………………ピィカ?』
なんだ、心配してくれてんのか?…………大丈夫だ
「一瞬で終わらせろ、ライデン」
『ピッカァ!!』
俺はライデンにでんきだまを放り、ライデンはそれを受け取る
するとライデンの体から電撃が迸った
……………こいつ、久しぶりの本気だから楽しいんだな
「いつでもいいぜ。来いよ」
「行くぞ…………。バンギラス、"ストーンエッ「メキッ」…………なっ!?」
酒井さんがバンギラスに命令を出すと同時にバンギラスの体にライデンがもうスピードで近づき、攻撃を放った
「……………………"かわらわり"」
『ピィ………カァッ!!』
そしてライデンは尻尾をバンギラスの頭へと振り下ろした
『バァ………………ン(ドサッ』
バンギラスは戦闘不能になり、倒れる
「そ、そんな…………」
酒井さんは膝から崩れ落ちた
俺は酒井さんに歩み寄り、肩に手を置いて言う
「…………あんたさ、さっき自分はバトルが弱いって言ってたけど、少なくともそのバンギラスは弱くねえぜ。よく育てられてる。足りないのはあんたの力量だよ、もっと勉強してやり直してみるこったな……………そのバンギラスと一緒にな」
「…………………」
酒井さんは俯いたまま何も言わなかった
……これはそっとしといた方がいいな。後で自分で自首するだろうし、俺は学校に戻ろうかね
「…………はぁ、バトルしちまったなぁ……」
俺は学校に戻る道中に呟いた
『ピィカ…………』
ライデンは俺を心配そうに見ている
「…………………見ろよライデン。まだ少し震えてら」
バトルしようとすると何時もこうなんだよな…………。昔はこんなんじゃなかったってのに、やっぱ思い出しちまう
「はぁ………………「溜息なんて吐いてどうした?葉月」…………サトシか、ずっと見てただろお前」
木の上からサトシが現れる。こいつ…………バトルの時から居たくせに白々しい
「俺だけじゃねえぜ。ハッチーとナナもだ」
サトシがそう言うとハッチーとナナも姿を現した
はぁ……………やっぱりか
「しっかし、もったいねえなぁ…………。あんだけの実力がありゃ1位も楽勝なんじゃね?」
「阿呆言え馬鹿ハッチー、んなことできたら80位なんかやってねえし、1位には流石に敵わねえよ…………今の俺じゃな」
俺がそう言うと三人はやれやれ、と言った風に肩を竦める
うぜぇ…………
「てかなんで二人を連れて来たんだサトシ。できればバレたくなかったんだが」
「こいつらは既に知ってるぜ?俺が話したから」
ちっ……………こいつ勝手に。まあいいや、疲れたから怒る気しねぇ
「サトシィ〜、俺を教室までおぶってくれ」
「やだよ」
なん…………だと?俺は功労者だぞ、一応
「じゃあナナ〜」
「やだね」
てめえもかよ!なんだこいつら!?
「じゃあハッチー……………はいいや」
「なんで!?そこは俺にも来るパターンでしょうよ!!」
いや…………だって
「ロリコンがうつる」
「ロリコンの何が悪いってんだよぉぉぉぉぉ!!」
うるせぇ〜、黙ってくんねえかな
「さて、教室に帰るか。明日は一日中寝てるしかねえなこりゃ、授業中」
ポケモンと俺達はトラブルを解決した
「いや、明日から俺達は宿泊研修だぞ」
「マジで!?」
感想待ってます!