吹雪いてきたけど、イエイヌちゃnの鼻で目的地の旅館に到着、だけどフレンズちゃんはほとんどいなかった。
お風呂にいたカピバラさんからこの島に少し前までいたヒトの話を着て、浴衣イエイヌちゃんを満喫。
吹雪が晴れた後、カピバラさんの依頼で人探し、たどり着いた工場はなぜかボロボロ。
それはビーストのせい、襲われたけど、赤いラッキービースト、ラモリさんのおかげで助かった二人。
そしてカピバラさんからのご褒美、ヒトのいたころに詳しいフレンズ、守護けもさんがいるとか。
ラモリさんからバイクをもらって、ともえちゃん、イエイヌちゃん、ラモリさんの三人で出発、
バイクの練習もかねて走るともえとイエイヌ、ラモリ。
森の小道を進みながら、ともえは少しずつバイクに慣れていく。
ともえ「イエイヌちゃん、お尻は大丈夫?」
イエイヌ「ふかふかだから大丈夫ですよ」
ともえ「よかった、ラモリさん、次はどうすればいいですか?」
ラモリ「コノママミチナリニススメバモクテキチダヨ、デモヒガクレテキタカラ、キャンプヲオススメスルヨ」
イエイヌ「暗くなると危ないんですか?」
ラモリ「ヒトハクライトヨクミエナクナルシ、ヤコウセイノフレンズトブツカルトアブナインダヨ」
ともえ「あたしもフレンズちゃん達を傷つけるのは嫌です」
ラモリ「ナラ、ハヤクバショヲキメヨウ、コノサキニアルタイヒジョガオススメダヨ」
ともえ「ありがとう、ラモリさん」
ラモリのアドバイスに従い、ともえは少し先にあった道が膨らんでいるところでバイクを止めた。
バイクから降りて伸びをするともえとイエイヌ、その間にラモリはバイクに積んでいた棒を地面に刺していた。
ともえ「ラモリさん、それは」
イエイヌ「棒と布、ですよね?」
ラモリ「コレハテントダヨ、スコシテツダッテモラッテモ、イイカナ?」
ともえ「いいですよ」
イエイヌ「わかりました」
三人はラモリが組み立てた布が張られた部分を持ち上げると、先に刺してあった棒と繋げる。
出来上がったのはバイクが入る広さの布製の屋根、さらに四方の丸めた布を下ろすと布の家になった。
ともえ「これがテントなんですね、まるで小さなおうちみたい」
イエイヌ「これがバイクに積んであったんですか?」
ラモリ「テントハチイサクテモチハコベルイエダカラネ、コレデアメガフットモダイジョウブダヨ」
ともえ「ありがとうございます、ラモリさん」
イエイヌ「ともえさん、ご飯にしませんか? お宿でもらったお湯がありますから、紅茶も飲めますよ」
ともえ「ありがとうイエイヌちゃん、ラモリさんは」
ラモリ「ボクハタベモノヤノミモノハイラナイカラダナンダヨ」
ともえ「そうなの?」
イエイヌ「そう言えば、ボスがジャパリまんを食べてるのは、見たことないですね」
ともえ「なら、ごめんね、ラモリさん」
ラモリ「キニシナイデ、ソウジャナイトボクタチダケデジャパリまんヲタベツクシチャウカラ」
ジャパリまんを食べて、紅茶を飲んで、暫くしたら二人は夢の中。
ラモリ「オヤスミ、イイユメミテネ」
ラモリは二人にそっと毛布をかけて、自身も省電力モードにいこうした。
・
・・
・・・
ーーちゃん、ーーちゃん。
誰だろう?あたしを呼んでるのは。
しっかりしてください、いっちゃダメです!
駄目? 何処に?
もう少し、もう少しですから。
何が、もう少し?
約束したんです、だから
約束?
・・・
・・
・
ともえ「・・・あれ、ゆめ?」
目覚めたばかりのともえは目を擦りつつ横を見る。
イエイヌが毛布にくるまってすやすやと眠っていた。
ともえ「かわいい、めっちゃ絵になる」
ともえは静にイエイヌの寝顔をスケッチする。
描き終えると、目覚めときから被っている青い羽のついた帽子をかぶり、静にテントを出た。
ともえ「朝の森って、何かありそう」
朝もやが広がる森は神秘的で、ともえの好奇心を刺激する。
ともえ「フレンズさんは・・・皆、まだ眠ってるのかな?」
木の上に寝てる子が居ないか、草むらのなかで寝てる子が居ないか、あちこち覗きながら進んでいくともえ。
そうして進んでいくと、彼女は水辺に出た。
そこは川や池ではなく、沼であった。
その沼には、生き物の気配はあったが、フレンズの住んでいる様子はなかった。
ともえ「さすがに、戻った方がいいか・・・な・・・」
戻ろうとした時、ともえは沼の淵にたたず女性に気が付いた。
黒いコートを羽織り、黒い日傘を手にしている。
顔はよく見えないが、耳と、コートの下からわずかにしっぽが見えていた。
急ぎ図鑑をとりだし調べてみれば、その耳はアードウルフのそれによく似ていた。
沼のほとりで静かにたたずむ、違和感がある、それが目を引き付けて離さない美しさにもなっている。
ともえは、声をかけずにはいられなかった。
ともえ「あの、そこで何をしているのですか?」
黒アードウルフ「何かしていなければ、ダメなのかしら?」
ともえ「へ?」
質問に質問で返され、戸惑うともえ。
だが、ここで続けなければもう話せない、なぜかそう思い、言葉を紡ぐ。
ともえ「えっと、沼に落ちたら危ないのに、なんでそこにいるのかなって」
黒アードウルフ「そうね、危ないかもね、でも」
ともえ「でも?」
黒アードウルフ「沼の底に沈んだものは、長い時を経てもそのまま、保存されることもある」
ともえ「?」
黒アードウルフ「飲み込まれれば危ない、でも、それゆえに変わらずに残る」
ともえ「えっと」
イエイヌ「ともえさーん! どこですかー!」
何を言っているのか聞こうとしたところで、イエイヌが自分を探す声に気が付いてそちらを見るともえ。
再び視線をアードウルフに戻したとき、彼女はそこにはいなかった。
ともえ「あれ、どこに」
イエイヌ「ともえさん! ここにいたんですね!」
ともえ「イエイヌちゃん」
ともえを見つけたイエイヌの顔は、安堵と怒りが混じっていた。
イエイヌ「起きたらいなくなってるんですから、心配したんですよ!」
ともえ「ごめんね、でも好奇心は抑えられなくて」
イエイヌ「もぅ、次からは私も一緒ですよ」
ともえ「うん、そうするね」
イエイヌ「わかってもらえてよかったです、さ、バイクに戻りますよ、ボスが待ってます」
ともえ「うん」
イエイヌに手を引かれバイクへと戻るともえ、時折振り返るが、あの黒いアードウルフの姿はなかった。
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イエイヌとともにバイクまで戻ると、ラモリが出発準備を終えていた。
二人は朝食を済ませるとすぐにバイクに乗り込み、一路ハイウェイを目指した。
ともえ「ところでラモリさん、ハイウェイって、どんな場所なんですか?」
ラモリ「ソレハツイテカラノオタノシミダヨ」
ともえ「もう、そればっかり」
ともえはハイウェイのことが知りたいのだが、ラモリは教えてくれなかった。
イエイヌ「あの、ハイウェイなら、すこしだけ」
ともえ「イエイヌちゃん?」
意外な提案にともえは驚くが、イエイヌは話し始めた。
イエイヌ「たしか、フレンズが生まれる前にできたおっきな道、でも、パークにとってあまりよくないって、どこかで聞きました」
ともえ「そうなんだ、でも、いまはフレンズがいっぱいって」
ラモリ「イエイヌノセツメイモマチガッテナイヨ、ホラ、アレガハイウェイダヨ」
ともえ「あれ、ですか?」
ともえ達の目の前に現れたのは、無機質で灰色の、橋のようなものであった。
それが山の間にある、なんだかパークに似つかわしいものであった。
ともえ「これが、ハイウェイ?」
ラモリ「ソウダヨ、コノパークヲジュウダンスルジドウシャセンヨウドウロ、ジャパリハイウェイ計画デツクラレタドウロノイチブダヨ」
ともえ「こんなのがパーク中に?」
イエイヌ「なんだか、いやですね」
ラモリ「アンシンシテ、キョウシュウエリアダトココニシカナイヨ、トモエ、ヨコノミチヲススンデ」
ともえ「わかりました」
ともえはラモリの案内でハイウェイよこの道へと入っていく。
その道はハイウェイより高い場所にあるらしく、ハイウェイの全貌がよく見た。
ともえ「山を割ってる」
ラモリ「掘割ダネ、ハイウェイノチジョウブブンハパークノチケイヲオオキクカエテシマウンダ」
イエイヌ「それだと、フレンズさんたちに」
ラモリ「ソウダネ、ダカラ計画ハナクナッテ、ハイウェイハゆきやまチホートしんりんチホーヲみずべチホーヲトオラズニヌケルミチデシカナカッタンダヨ」
ハイウェイは道が四つあるが、そこは何とも寂しげであった。
使う人がいない道、パークにとっての負の遺産、だが、ラモリは言葉を続ける。
ラモリ「デモ、イマハチガウヨ」
ともえ「違う?」
イエイヌ「あ、誰か来ますよ」
ともえ「どこどこ!?」
イエイヌ「まえから、右の道」
ともえが目を凝らすと、ハイウェイ右側を疾走するフレンズの姿が。
全体的に白と黒の縞々、図鑑を広げて調べれば、それはシマウマであった。
装甲してる間にシマウマのフレンズは二人の横を走り去っていった。
ともえ「は、早かったね」
イエイヌ「はい」
ラモリ「イマハアアシテ、カケッコズキナフレンズガアツマルコースニナッテルンダ」
ともえ「い、痛くないんですか?」
ラモリ「フレンズダカラネ、ハイウェイノロメンハヘイタンデ、コースモキフクガオサエテアルカラ、ニンキナンダヨ」
イエイヌ「すごいです、そんなことまで知ってるなんて」
ラモリ「トクベツダカラネ、ジャア、ハイウェイノイリグチニムカオウカ」
ともえ「わかりました、案内、お願いします」
ラモリ「マカセテ」
シマウマを追うようにハイウェイ横の道を進んでいくと、大きな建物が見えてくる。
そこには広場があって、ラモリの指示でそこにバイクを止めると、二人は建物横の簡素なゲートをくぐる。
そこはさっきまでよりも広く、たくさんのフレンズが集まっていた。
ともえ「すごい! すごいよイエイヌちゃん! 絵になる子がいっぱい!」
イエイヌ「ほんとです、こんなにフレンズが集まってるなんて」
広場に居るのはゆきやまちほーのフレンズばかりでなく、先ほど見かけたシマウマのようなサバンナのフレンズに鳥のフレンズ、海のフレンズもいる。
目を輝かせるイエイヌ、それ以上に目を輝かせスケッチするともえ。
そのうちフレンズの中から、ともえ達に気が付き、近寄って来る者がいた。
そのフレンズはすらりとした体で、長い髪をポニーテールでまとめている、足元には左耳に布を巻いたラッキービーストを数体連れていた。
???「お、見ない顔だね、ここは初めてかな?」
ともえ「たぶん、あなたは?」
あおかげ「私はあおかげ、サラブレッドだ」
イエイヌ「さらぶれっど?」
ともえ「えっと、ほら、この子だよ」
ともえは図鑑をめくり、サラブレッドのページをイエイヌに見せた。
イエイヌ「足が速くて、きょうそうば?」
ともえ「かけっこが特異な子だよ」
あおかげ「その通りだよ、本当は芝生の上がいいんだけど、パークにはここみたいな走りやすくて観客のいる場所は少ないから」
イエイヌ「ボス、そうなんですか・・・って、ボスは?」
ともえ「あ、ラモリさんは、バイクの充電と、じょうほうしゅとく?で離れるって」
イエイヌ「私に一言言ってくれてもいいのに」
あおかげ「ちょっとまて、ともえ、といったか? 君はラッキービーストと話せるのか?」
ともえ「はい、それが?」
あおかげは、ともえに抱きつき頬擦りし始める。
突然のことでともえもイエイヌも反応できなかった。
あおかげ「この感覚、この匂い、やっぱりヒトだ!」
ともえ「えっ、えっ?」
あおかげ「フレンズかな?違うのかな?調べたいから私と」
イエイヌ「ともえさん!」
あおかげ「あ、ちょっと!」
イエイヌはあおかげとともえを強引に引き離すと、ともえの腕をつかんで連れて行ってしまった。
あおかげ「行っちゃった、あの子がフレンズだといいんだけど」
だから、あおかげがもしら言葉を聞くこともなかった。
一方のイエイヌはともえをつれて広場にある大きな建物の前にいた。
ここにもたくさんのフレンズが集まっていたが、広場ほどでもなかった。
ともえ「イエイヌちゃん、ごめんね」
イエイヌ「まったく、あおかげさんも悪気はないと思いますけど、気を付けてくださいよ」
怒られつつもほほえましい話をしていると、またもともえの好奇心が動き始める。
ともえ「あ、あそこにいる子、めっちゃ絵になりそう!」
イエイヌ「あ、行ってるそばから」
ともえはスケッチブック片手に当たらく見つけた子に接近する。
頭に立派な角をもち、オレンジのジャージを羽織り、健康的な脚部をもつ彼女は、堂々としていた。
???「おや、私に興味があるのか?」
ともえ「はい! スケッチさせてください!」
???「・・・え?」
ともえ「いいですよね!」
???「いや、顔が近いぞ、少し離れろ」
顔を近づけ、鼻息荒く頼み込むともえ、さすがの相手も引いていた。
そんな時であった。青色で変な文字の書いてるTシャツに短パンの少女が怒鳴りながらやってきたのは。
???2「てめぇ、プロングホーン様に何してやがる!」
ともえ「うわぁ」
プロングホーン「ロードランナー、助かった」
ロードランナー「いえ、プロングホーン様のためなら」
イエイヌ「すいません、ともえちゃんが迷惑をかけて!」
追いついたイエイヌが二人に頭を下げる、冷静になったともえも頭を下げる。
ロードランナー「この」
プロングホーン「私は気にしていない、見とれて暴走してしまったんだ、よくあることだ」
ロードランナー「プロングホーン様が言うなら」
ともえ「本当にすいません、改めまして、あたしはともえ」
イエイヌ「私はイエイヌです」
プロングホーン「私は」
ロードランナー「こちらのお方はプロングホーン様、このロードランナー様のお師匠様だ」
プロングホーン「・・・ゴマ、挨拶は一人でもできるぞ」
ロードランナー「ご、ごめんなさい、後そのあだ名は」
ともえ「ゴマ?」
プロングホーン「頭の斑点がゴマに見えたからな」
イエイヌ「言われてみれば」
プロングホーンに言われまじまじとロードランナーの斑点を見つめる二人、ともえはさりげなくスケッチもしている。
ロードランナー「ちょ、そんな近くで見るな、後離れろ、これからプロングホーン様の為の準備が」
プロングホーン「そう言えば二人とも見ないか顔、ここは初めてか?」
ともえ「たぶん」
イエイヌ「私も」
プロングホーン「そうか、ゴマ、二人に個々を案内してやってくれないか?」
ロードランナー「プロングホーン様!?」
プロングホーン「準備は一人でもできる、しっかり案内してやってくれ」
ロードランナー「プロングホーン様の頼みとあらばぜひ」
ともえ「ありがとうございます、ロードランナーちゃん、よろしくお願いします」
ロードランナー「プロングホーン様の頼みだからな」
ロードランナーに連れられ、二人はこの施設を見て回ることになった。
ともえ「ここは、元々はなんだったんですか?」
ロードランナー「さーびすえりあって言ってたそうだぜ、今はレースの運営本部だけどな」
イエイヌ「運営?」
ロードランナー「かばんってのが提案したんだって、プロングホーン様が教えてくれたんだ」
イエイヌ「かばんさんが?」
ロードランナー「好きなだけかけっこができる場所、それでここを見つけて、いろいろルールを決めたんだって」
ともえ「かばんさんは、優しい人だったんですね」
ロードランナー「まぁ、俺はあったことないけどな」
運営本部には外ほどではないが、いろいろなフレンズ、そしてラッキービーストがいた。
みな腕には布を巻いて、スタッフであることをアピールしていた。
ともえ「いつもこんなににぎわってるんですか?」
ロードランナー「かけっこにばすてき競争、いろんな勝負があるからいつも誰かいるぜ」
イエイヌ「いつも、それはすごいです」
ロードランナー「まっ、今回ほどじゃないけどな」
ともえ「今回?」
ロードランナー「おぅ、なんたって、今回は商品があるからな、ほら、あれだ」
ロードランナーの指さす先、一段高くなったそこには、深紅の色を持つ、美しい羽根が透明な箱の中に入っていた。
二人は、その美しさに目を奪われていた。
イエイヌ「きれい・・・ゴマさん!あれはなんですか!」
ロードランナー「ゴマじゃねぇ!・・・あれは、その」
ともえ「ねぇ、あれ近くでスケッチしていい!?」
ロードランナー「いいわけないだろ!」
興奮気味の二人に押されるロードランナー。
あれは何か書いていいか、そうやって騒いでいると、別のフレンズが近づいてきたのにロードランナーが気が付いた。
そのフレンズは、ワイシャツとミニスカート、なにより腰には細長いものを下げていた。
ロードランナー「いいところにきたじゃねぇか、サーベルタイガー、助けてくれ!」
サーベルタイガー「おや、ゴマちゃん、珍しいね、プホンと一緒じゃないなんて」
ロードランナー「この二人の案内をプロングホーン様に頼まれたんだよ」
サーベルタイガー「なるほど、そこの二人、少しいいかな?」
声を掛けられ、サーベルタイガーの存在にようやく二人は気が付いた。
だが、ともえは彼女を見て震えていた、サーベルタイガーもその理由に気が付いた。
サーベルタイガー「・・・あぁ、はじめまして、そんなに怖がらないで、このサーベルはあくまで身を、大切なものを守るためのものだから」
ともえ「へ、あ、は、はじめまして、ともえです」
イエイヌ「イエイヌです、あなたは?」
サーベルタイガー「サーベルタイガーよ、普段は流れのハンターだけど、今はレースと浄炎の羽根を警備してるの」
ともえ「浄炎の羽根、それがあのきれいな羽根の名前ですか?」
イエイヌ「不思議な名前ですけど、なんだかしっくり来てますね」
サーベルタイガー「そうね、でも、その由来も不思議なのよ」
サーベルタイガーは、浄炎の羽根について説明を始めた。
サーベルタイガー「あの羽根は砂漠のさらに先で見つかったの、そこは火山がたくさんあって、フレンズもいない場所」
ともえ「フレンズがいない場所、そんな場所があるんですか?」
イエイヌ「ともえさん、いくらパークでもそういう場所はありますよ」
ロードランナー「長から入るなって言われてる場所もあるしな」
サーベルタイガー「そうね、でもそこは昔、特別なフレンズの縄張りだったとか、それに見つかった場所も併せて、あの羽根は悪いものと、火から持ち主を守ってくれるって言われてるの、あれそのものが、火の化身だからって」
ともえ「火の化身、あ、だから浄炎の羽根、悪いものからも火からも守るから」
サーベルタイガー「その通りよ」
イエイヌ「火は怖いですもんね」
ロードランナー「まっ、その羽根はもうすぐプロングホーン様のものになるけどな」
サーベルタイガー「そうなるといいわね」
話を聞いて、もう一度羽根を見ると、確かに神々しさがあるきがしてきた。
そこでふと、ともえは思い出した。
ともえ「あ、サーベルちゃんは、流れのハンター、でしたよね?」
サーベルタイガー「そうだったけど、それがどうしたの?」
ともえ「えっと、守護けもさんって、どこにいるのかとか、知りませんか?」
イエイヌ「そうでした、ともえさんと私は、それが知りたくてここに来たんでした」
ロードランナー「かけっこやプロングホーン様がみたくてきたんじゃねぇのかよ」
サーベルタイガー「そうね・・・ごめんなさい、知らないわ、でも私から聞いておくわ」
ともえ「いいんですか?」
サーベルタイガー「誰かを探すというのは、大変なことだもの、協力するわ」
ともえ「ありがとうございます」
イエイヌ「あとで聞きに来ますからね」
サーベルタイガーに何度も頭を下げて放れるともえとイエイヌ。
ある程度離れたところで、ともえはこっそりとイエイヌに質問する。
ともえ「ねぇイエイヌちゃん、ハンターって?」
イエイヌ「知らなかったんですか? ハンターはセルリアンを退治してるフレンズで、本当は数人でチームを作ってるんですよ」
ともえ「そうなんだ、サーベルちゃんも、チームがいるのかな?」
イエイヌ「どうなんでしょう、私もよく知らないんで」
ロードランナー「二人とも、何の話をしてるんだ?」
ともえ&イエイヌ「いえ、何も」
誤魔化しつつ、ともえは話題を変える。
ともえ「そうだゴマちゃん、プロングホーンさんって、かけっこが凄いの?」
ロードランナー「あったり前だろ、なんせプロングホーン様と張り合えるやつを探す方が難しいんだぜ」
イエイヌ「そんなにですか?」
ロードランナー「信じてないな? よーし、特別にこのロードランナー様がプロングホーン様の凄さをお前達に教えてやる」
ともえ「お願いします」
イエイヌ「ありがとうございます」
ロードランナー「まず、その走りが最高なんだ、足だけじゃなくて全身を使って走るんだ、それがとっても美しくてな」
イエイヌ「えっと」
ともえ「へぇ、それで」
・・・
ロードランナー「それでな、そのときなびく髪の毛がだな」
ともえ「絵になる、絶対絵になる!」
イエイヌ「あの」
・・・
ロードランナー「で、細かな変化にも気づくロードランナー様はそれは素晴らしくて・・・って、もうすぐレースが始まる時間だ、いそがねぇと!」
ともえ「そうだったんですか、いそうごう、イエイヌちゃん!」
イエイヌ「は、はい・・・(やっと終わった)」
ロードランナーによるプロングホーンの自慢は長々つづき、ともえちゃんは満足そうだがイエイヌは疲れていた。
広場に戻ると、そこには木でできた階段のようなものが出現していた。
ともえ「これは?」
イエイヌ「おっきいですね」
ロードランナー「湖畔のビーバーとプレーリーが作った観客席だってよ」
ともえ「大丈夫なの?」
ロードランナー「あんいん橋を造ったコンビだぜ、大丈夫に決まってるだろ」
イエイヌ「あ、あそこにボスが」
ともえ「あ、ラモリさんが」
ロードランナー「なんだ? あの赤いボスはお前らの知り合いか?」
ともえ「はい、一緒に旅を」
ともえ達はラモリのもとへ向かう、観客の一人としてみているようであった。
ともえ「ラモリさん、バイクはもういいんですか?」
ラモリ「仲間ニマカセタカラナ、今ハココデフレンズノ今ヲ記録シテイルンダ」
ともえ「そうですか、あれ? ラモリさん、しゃべり方変わってません?」
イエイヌ「なんだか、聞き取りやすくなった気がします」
ラモリ「データノ整理、バージョンアップ、エラーノ改善ヲシテキタカラ、前ヨリモ自然ニ会話ガ出来ルンダ」
ともえ「よくわかんないけど、凄い!」
ロードランナー「おい、このボスしゃべってるぞ」
イエイヌ「ともえさんが居るとおしゃべりできるみたいで」
ロードランナー「そういえば、ヒトとは喋れるって、プロングホーン様が言ってた」
そんなことを話していると、周囲に耳障りな音が一瞬響き、ついではつらつとした声が響く。
???『あー、テステス、おっし、良好やな、只今より、ハイウェイレースを始めるで、司会は美人お姉さんヒョウと」
黒ヒョウ『解説のクロヒョウやで、よろしゅうなー』
ヒョウ『今日はみずべちほーを超えて、しんりんちほーまで走るロングラン、出場選手の入場や』
クロヒョウ『カルガモのお姉ちゃん、頼むでー』
クロヒョウの合図で、黄色い旗を持つカルガモを先頭に、選手たちが一列に並んで入場してくる。
同時に観客席から黄色い声が上がる、当然、ともえちゃんとイエイヌの隣でも。
ロードランナー「プロングホーン様! ぶっちぎってください!」
イエイヌ「ゴマさん、少し声を抑えて」
ともえ「あおかげちゃんに、プロングホーンさん、それに見たことない子も、めっちゃ絵になる―!」
イエイヌ「ともえさんはいつも通りですね」
二人より少し冷静なつもりのイエイヌだが、レースに対するわくわくがどんどん大きくなっていた。
ヒョウ『ここで選手の紹介や、先頭はシマウマ、サバンナから出張やな」
クロヒョウ『人気もなかなかやけど、新人やから未知数やで』
シマウマ「がんばるですぅ」
ヒョウ『続いてはサラブレットのあおかげ、長距離に現れたニューウェーブ、一番人気や』
クロヒョウ『でもまだ試合数が少ないから、区間部門の王者は狙えへんで』
あおかげ「すぐにそのタイトルは私のものになるよ」
ヒョウ『3人目、短距離の王者、チーターや・・・って、大丈夫かいな?』
クロヒョウ『持久力も大切な長距離のロングランは不利なんやけど、なんで出てるんやろ?』
チーター「聞こえてるわよ、そんなの、走りたいからに決まってるじゃない」
ヒョウ&クロヒョウ『・・・』
ヒョウ『き、気を取り直して4人目いくで、長距離の現在王者、プロングホーンや』
クロヒョウ『あおかげに地位を狙われてるけど、試合数の関係でまだまだ安全やね』
プロングホーン「王者とかには興味はない、走るのが好きだから走ってる、それだけだ」
ヒョウ『さぁ最後行くで、飛び入り参加のイタリアオオカミや』
クロヒョウ『露骨な賞品狙いやな、てか、手に入れてどうするん?』
イタリアオオカミ「それはもちろん、タイリクお姉さまにプレゼントするにきまってます!」
ヒョウ『あー、ほな、頑張りや』
クロヒョウ『賞品の話が出たさかい、ここで今回の賞品について説明するでー』
その言葉とともに、観客席からよく見える場所に、サーベルタイガーが浄炎の羽根が入ったケースを押してきた。
ヒョウ『今回の賞品はこれ、浄炎の羽根、こんなきれいな赤い羽根、見たこと無いで!』
クロヒョウ『これは山火事や炎から守ってくれるっていう噂もある、とってもありがたい羽根なんやで』
ヒョウ『砂漠の向こうの火山地帯でも燃えずに残ってたからな、ほんとにありがたい羽根やったりして』
クロヒョウ『そういうわけやから、皆さん頑張りやー』
賞品の登場で選手のテンションも上がっている・・・と思いきや、上がっているのはイタリアオオカミだけやった。
ともえ「皆さん、賞品よりも走ることが好きなんですね」
イエイヌ「本当です、イタリアオオカミさん以外は、体をほぐしたりしてます」
ロードランナー「当たり前だろ、走るのが好きじゃないやつが、参加しても長続きしないっての」
そんな話をするうちに、レース開始の時間になった。
いつの間にか選手達の左斜め前に、謎の木箱が置かれていた。
ヒョウ『そんじゃ、カウント始めるで、ゴー』
黒ヒョウ『よん』
カウントと共にラッキービーストが木箱の裏から飛び出る。
ヒョウ『さん』
黒ヒョウ『にー』
ヒョウ『いち』
ヒョウ&黒ヒョウ『『スタート!』』
ヒョウ姉妹、そして五体のラッキービーストが一斉に尻尾を振る。
待ってましたとばかりに、選手達が勢い良く駆け出していく。
ともえ「うわっ、皆速い!」
イエイヌ「スタートから飛ばしてますね・・・あれ?」
ともえ「あ、ゴマちゃんは?」
二人がロードランナーを探すと、彼女は空中にいた。
ともえ「ゴマちゃん、どこいくの?」
ロードランナー「どこって、ゴールに決まってるだろ」
イエイヌ「今からですか?」
ロードランナー「今からじゃないと間に合わないんだよ、それじゃ」
それだけ言うとロードランナーはゴールに先回りするため飛んでいく。
見れば他にも鳥のフレンズが仲のいい子を抱えたりしながら飛んでいた。
ともえ「どうしよう、でもレースの様子や解説も聞きたいし」
イエイヌ「その前に、追い付けますか?」
ラモリ「安心シロ、解説ハラッキービーストノ通信機能ヲ利用シテイル、バイクノラジオカラナガス」
ともえ「ありがとうラモリさん、そうと決まれば行くよ、イエイヌちゃん!」
イエイヌ「ともえさん、待ってくださーい!」
ラモリを脇に抱えて走り出すともえ、それを追いかけるイエイヌ。
バイクに飛び乗ると、ゴールを目指し走り出す。
ともえ「ラモリさん、ルートは?」
ラモリ「バイクナラ先回リデキルルート、山越ルートダナ」
イエイヌ「大丈夫ですよね?」
ラモリ「二車線道路ダカラ、今ノトモエデモ安心ダ」
イエイヌ「それなら」
二人のバイクが山越の道に入る頃、ロードランナーはゴールを目指し飛んでいた。
ロードランナー「レースはあおかげが先頭、プロングホーン様が二番手、シマウマがぴったりついてチーター、イタリアオオカミ、プロングホーン様、ぶっちぎってください!」
聞こえてなくとも声援を送るロードランナー。
右手の山との距離を見たとき、見たくないものが視界に入った。
ロードランナー「あれは・・・大変だ!」
ロードランナーは急いで見たくないものへと向かう。
同じ頃、ともえ達にも良くない知らせがきていた。
ラモリ「警告、サンドスターローノ濃度ガ上昇、付近ニセルリアガイル恐レアリ」
イエイヌ「セルリアン!? 何処に!」
ラモリ「濃度上昇率カラ、コノ山ヲ越エタ先ト推測」
ともえ「近くにフレンズちゃんは?」
ラモリ「不明ダガ、ココデヤリ過ゴスベキダヨ」
ともえ「どうして」
ラモリ「トモエハヒトダカラネ、フレンズノ生命ヨリ優先サレルンダ」
ともえ「でも」
イエイヌ「ともえさん、自分の身は自分で守るのがパークの当たり前なんです、やり過ごすのも悪くはないんです」
ともえ「イエイヌちゃん・・・」
確かに、イエイヌの言う通りかもしれない。
だが、ともえはそれで納得できるほど大人じゃなかった。
ともえ「なら、フレンズちゃんがいないか、見てからでも」
イエイヌ「ともえさん?」
ラモリ「推奨デキナイ」
ともえ「いなかったら、隠れるから」
イエイヌ「・・・わかりました、見るだけですよ」
ともえ「うん、約束、バイクを出すよ」
ラモリ「推奨ハシナイ、ガ、トモエガソウシタイナラ」
バイクを走らせ、山を越えると道は下り坂に。
そのまま降りていくと、突如土煙が轟音と共に巻き上がった。
その土煙の中にいたのは、セルリアンだった。
ともえ「今のは!」
イエイヌ「間違いない、セルリアンです!」
ラモリ「データ検索、大型ガブノミセルリアンニ酷似」
ともえ「ガブノミ?」
ラモリ「昔さばくちほーデ確認サレタ、危険ナセルリアンダヨ」
イエイヌ「誰かが対峙してます、あれは」
ともえ「あれ、ゴマちゃん!」
トリケラテプスの様な外観を持つセルリアンの周りを飛んでいるのは、先ほど別れたロードランナーだった。
ともえ「どうして・・・まさか!」
イエイヌ「ともえさん、どうしました?」
ともえ「ラモリさん、ガブノミセルリアンが進む方向に、何がありますか?」
ラモリ「ガブノミセルリアンノ進路予測、ハイウェイガアルヨ」
イエイヌ「ハイウェイって、今レースの最中ですよ!」
あの大きなガブノミセルリアンをロードランナー一人でどうにかするには限界がある。
それにレース中のハイウェイにガブノミセルリアンが突っ込んだら、そうでなくてもハイウェイが壊されたら。
そう思うと、ともえはじっとしていられなかった。
ともえ「助けに行かなきゃ!」
イエイヌ「だめですよ!」
ラモリ「アノ大型セルリアンヲ倒セル確率ハ低イ、今ハトモエノ生命ヲ優先スル」
ともえ「でも!」
ともえもわかっている、二人は自分を思って止めていることを。
でも、ともえにも貫きたい思いがあった。
ともえ「ゴマちゃんがあそこにいるのに、何もしてあげれないなんて、見捨てるなんてしたくない!」
イエイヌ「ともえさん、でも」
ともえ「イエイヌちゃんも、ゴマちゃんが心配じゃないの!?」
イエイヌ「・・・助けに行きたいです、でも、それでともえさんがけがをしたら意味がないんです、自分の身は自分で、助けるのも、残酷でも、それがパークで生きるということなんです」
ともえ「イエイヌちゃん・・・あたしは大丈夫だから」
イエイヌ「でも、でも」
イエイヌは、ともえが傷つくのを見たくない、悔しいが、あのセルリアンに自分では勝てない。
勝てない相手に挑まない、それも身を護るすべだ、でも。
短い間でも一緒に過ごしたロードランナーを見捨てたくなかった。
ラモリ「トモエ、チョットイイカナ?」
ともえ「ラモリさん?」
ラモリ「今ロードランナーヲ助ケタイ、ソレナラ聞カナイトイケナイ事ガアル」
ともえ「いけないこと?」
ラモリ「今後モ、タトエトモエト仲良クナイフレンズデモ、トモエハ助ケラレル?」
ともえ「・・・」
一時の感情で無謀な助けに行きたいのか、それとも知り合いだから助けに行きたいのか。
理由付けをして助ける、助けないを決めるのか、ラモリからの重い質問。
それを即決でこたえられるほど、ともえは大人ではなかった。
ともえ「助け、たい、助けてあげたい」
ラモリ「・・・ワカッタヨ、本当ノ答エハコレカラノ行動シダイダネ、ヤサシクハデキナイヨ」
ともえ「ラモリさん、イエイヌちゃん、あたしの後ろに」
イエイヌ「わかりました!」
イエイヌはともえの後ろに移動して側車を開け、ラモリが補助しながら飛び出さないぎりぎりの速度で山道を下っていく。
その間にもセルリアンは前進し、ロードランナーが進路を変えようと奮闘する。
ロードランナー「てめぇ、ロードランナー様を、無視すんじゃねぇ!」
セルリアンの周りを走りつつ、時折飛び上がっては蹴りを入れ注意を引こうとするがうまくいかない。
セルリアンはロードランナーを意に介さずハイウェイを目指していた。
ロードランナー「この、レースの邪魔はさせねぇ!」
何度も攻撃するが、セルリアンはびくともしない。
それでも攻撃してくるロードランナーが鬱陶しくなったのか、その歩みを止めた。
ロードランナー「やった、諦めたのか?」
安堵するロードランナー、だが、セルリアンは上半身を振り上げると、勢いをつけ地面を叩きつける。
その衝撃は凄まじく、ロードランナーは宙をまった。
ロードランナー「しまっ」
飛べるが上手くない彼女は、体制を変えられず、そのまま地面に叩きつけられた。
ロードランナー「がっ・・・ちく、しょう・・・」
全身を痛みが覆い、満足に動けない。
そんな彼女を食べるつもりか、セルリアンが顔を近づける。
ロードランナー「ぷろんぐ、ほーん、さま、ごめん、なさ、い」
助かることをあきらめようとした、その時であった、あたりにけたたましい音が響いたのは。
そして聞きなれない音が聞こえてくる、それは徐々に大きくなっていく。
ともえ「ゴマちゃん!」
ロードランナー「とも・・・え?」
イエイヌ「ラモリさん!」
ラモリ「マカセロ、トモエ、ソクドヲイジシテ」
ともえ「うん!」
側車にいるラモリがアームを伸ばし、地面に横たわるロードランナーを拾い上げる。
ともえはバイクを操りこけそうになりながらもセルリアンの後ろへと抜ける。
ともえ「ゴマちゃん、しっかりして!」
ロードランナー「そんなに、叫ぶなよ、もっと痛くなる」
イエイヌ「寝たら噛み付きますから」
ラモリ「スグニ手当ヲスルヨ、デモ、イソイデセルリアンモ対処シナイト」
ラジオから、レースの様子が伝わってくる、ラモリの頭の中にある地図とリンクしているなら、まずい状況だった。
ヒョウ『レース前半、皆体力温存で、もうすぐ半分やな』
黒ヒョウ『まぁ、山の曲道の先は走りやすくなるしなー』
ともえ「山の先って、ラモリさん、今セルリアンが進んでる先って」
ラモリ「チョウドソコサ、通信モウマクイカナイ」
イエイヌ「なんとか、皆に知らせないと」
ロードランナー「レースを、止めるのか?」
ともえ「セルリアンがこの一体だけって、あたしは思えないの」
ロードランナー「・・・わかった、で、目の前のはどうするんだ」
目の前のセルリアンはハイウェイ目指して進んでいる、ともえ達では止めれそうになかった。
何かないか、今の持ち物を思い出すが、使えそうなものがない。
ともえ「せめて、視界を遮れたら」
イエイヌ「視界・・・さえぎる・・・知らせる・・・」
ともえ「イエイヌちゃん?」
イエイヌ「!、ゴマさん、足元に筒がありませんか?」
ロードランナー「筒?ちょっと待て・・・これか?」
ロードランナーが足元から見つけたのは、赤い筒だった。
それ奪い取ると、イエイヌはキャップを外した。
イエイヌ「ともえさん、もう一度セルリアンの前に出れますか?」
ともえ「わかった、ところでそれは?」
イエイヌ「時間がないんです、ゴマさん、ラモリさん、ありったけ足元から出してください」
ロードランナー「わかった」
ラモリ「・・・ソウイウコトカ」
ともえはバイクを操り再びセルリアンの前へと出る。
セルリアンは気にも留めていない、今も前進している。
それを確認したイエイヌは外したキャップをひっくり返し、筒の先端にこすりつける。
するとそれは赤い煙を吐き出し始める、イエイヌはそれを横切ってる間は掲げ続け、赤い煙の壁が出来上がる。
セルリアンは、歩みを止めた、それを見たイエイヌは煙を出す筒を風上目掛け投げた。
ともえ「イエイヌちゃん、今の何!?」
イエイヌ「教わったんです、パークの乗り物には助けを呼ぶための煙を作る道具があるって、どうやって使うかって」
ラモリ「発煙筒ダナ、パークノ保安車両ニハ複数積ンデアル、セルリアントノ遭遇時ハコレヲ使ウ決マリダッタ、タダ、僕ジャツカエナイカラネ」
そういってる間にも、イエイヌは次の発煙筒に着火する、ともえもセルリアンの前を通り支援する。
そうしてるうちにセルリアンは赤い煙に囲まれる。
ヒョウ『なんや、あの赤い煙は』
黒ヒョウ『火事? ってボスたちの様子がおかしいで?』
ラッキービースト『緊急事態発生、緊急事態発生』
ともえ「皆も気が付いたみたい、そろそろ逃げるよ」
イエイヌ「はい!」
ロードランナー「あいつ、完全に立ち往生してるぜ」
セルリアンの存在が伝わったのを確認しともえは来た道を戻り、山の中へ消える。
逃げている間、頭上を誰かが通過したが、それを確認する余裕はなかった。
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あの後、レースは大型セルリアンの出現により中止され、セルリアンはハンターにより退治された。
ロードランナーはラモリの治療のおかげでレースの運営本部につくころには元気になっていた。
プロングホーン「ともえ、イエイヌ、ロードランナーを助けてくれて、本当にありがとう!」
ともえ「頭を上げてください!」
イエイヌ「そうですよ、私は一度見捨てようとしたんですし」
プロングホーン「それでも助けてくれた、二人はロードランナーの恩人だ」
ともえとイエイヌはプロングホーンからずっと感謝の言葉、そして頭を下げられていた。
ロードランナーも頭を下げているが、無言だった。
ともえ「あたしは、助けたくて助けたの、ただ、その理由がわからないから」
プロングホーン「なに、それだけで十分だ、助けてもらったのは事実だ」
ともえ「それに、セルリアンを止めたのはイエイヌちゃんだし、そういえばあれって、誰に教わったの?」
イエイヌ「・・・わかりません、ただ、大切なヒトのためだったとは、思います」
ともえ「イエイヌちゃん、ありがとう、思い出してくれて」
ともえはゆっくりとイエイヌを抱きしめて、その頭をやさしくなでる。
イエイヌも少し不安な顔から、穏やかな顔になる。
プロングホーン「それでなんだが、ともえ、君に受け取ってもらいたいものがあるんだ」
ともえ「いえ、お礼なんて」
プロングホーン「なに、これは私からだけじゃないからな」
そういってプロングホーンはともえの首にわっかを通す、そのわっかについていたのは、浄炎の羽根だった。
ともえ「これって、レースの」
プロングホーン「ハイウェイを守ってくれたお礼で、皆で決めたんだ、しかし、コースに立ち入る小さめのセルリアンはいたが、あんな大きいのは初めてだ」
イエイヌ「ともえさん、ここで受け取らないと、皆さんに失礼ですよ」
ともえ「いいのかな?」
プロングホーン「これからも旅をするなら、持っていたほうがいい、それと・・・ほら、自分で言うんだろ」
プロングホーンが背中をたたいて、ロードランナーを前に出す。
どこか目線を外しつつも、口を開いた。
ロードランナー「その、なんだ、二人には助けてもらったし」
ともえ「ゴマちゃん?」
ロードランナー「パークのおきては自分の身は自分で守るで、助けてもらったからには・・・」
イエイヌ「?」
ロードランナー「その、なんだ、恩返しってやつか、ともえ、お前のたびについて行くって、ことで、いいか?」
ともえ「いいの?」
イエイヌ「プロングホーン様とも、離れ離れになりますよ?」
ロードランナー「そりゃ、そうだけどさ、二人はプロングホーン様の恩人でもあるし、それに」
プロングホーン「ここらで旅に出るのもいいだろう、すまないが、君たちのたびに同行させてやってくれ」
ともえ「かまいません、あたしは大歓迎です!」
イエイヌ「私もです!」
ロードランナー「そ、そうか、よし、改めてよろしくな、ともえ、イエイヌ!」
ともえ「こちらこそ、あらためてよろしくね、ゴマちゃん」
イエイヌ「これからは、仲間ですね」
笑顔で差し出された手に、笑顔で手を差し出して、握手をする。
こうしてともえ達のたびに、新しい仲間が加わった。
そして・・・。
プロングホーン「そうだ、フレンズの集まる場所を探してるそうだが」
ともえ「そうだった、どこか知りませんか?」
プロングホーン「たしか、しんりんちほーで大きなライブ?があるらしい」
イエイヌ「ライブ・・・それなら、フレンズがいっぱい来ますね!」
ロードランナー「さっすがプロングホーン様、頼りになります!」
ともえ「ありがとうございます、なら、次はそこへ」
イエイヌ「はい!」
ロードランナー「おう!」
次の目的地も決まり、にぎやかな旅は続く。
・
・・
・・・
しろげ「ここは、裏資料の通り、シェルターみたいですね」
くりげ「にしては、きれいだけど、足跡があるよ」
しろげ「出て行った足跡はあるけど、入ってきた足跡はない」
くりげ「もしかして、お化け?」
しろげ「そんなわけないでしょ、奥に行けばわかるかも」
しろげ「これって、これって、あれよね!?」
くりげ「誰かが使ったんだ、そうだよ!」
しろげ「動かしたのは、おそらく・・・」
くりげ「それしかないよ、だってこれに入るってことは、誰かが入れたってことだもん!」
しろげ「急いであおかげさんに報告です」
・・
・・・
・・
あおかげ「わかった、こっちも報告したいことがある、みずべのインターで落ち合おう」
あおかげ「これは、ますますまずいことになったわね」
あおかげ「はやくともえを見つけないと」
あおかげ「もし何かあれば、パークの危機よ、ラッキービースト、もう少し付き合ってちょうだい」
ラッキービースト「ワカッタヨ、任務期間延長、引キ続キ君タチノ指示ニ従ウヨ」
・・・
・・
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