とある師弟のD×D   作:カツヲ武士

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原作二巻が終わると言ったな?

あれは嘘だ(知ってた)


オリ設定!
オリ展開!

嫌いな人は読み飛ばし!


14話

「さて、これは・・・卿らに『おめでとう』と

言って良いものなのかな?」

 

う~む。オセ殿の眷属が入手してきた情報を

考えれば、確かに『おめでとう』とは言えんよな。

 

だがこれで我々の行動も決まったと考えれば悪くはない。

 

しかし、やはりサーゼクスはライザーを認めることは

無かったか。

 

・・・まぁ良い。

 

いつまでもグダグダと寄生され、散々搾取

されてから切り捨てられるよりはマシだろうさ。

 

「魔王公認で無能と縁が切れるのですから、

フェニックス家としては目出度いことですよ」

 

醜聞と負債まみれの親族を抱え込むよりは

間違いなく良いことだ!

 

「そうか。確かに無能な味方ほど厄介な存在は

いないというのには同感だ。

それでは私はこれにて失礼しようと思うが、

レイヴェル嬢はどうする?」

 

ん?帰るのか?あぁいや、魔王が決めたこと

とは言え、強制的に三文芝居を見せられたら

オセ殿とて主催者たる我々に文句をつけねば

ならなくなるからな。

 

更に言えば魔王が【契約違反】を唆したと

なればソレに対しても反論することになる。

 

オセ殿の理念からすれば、そのような魔王は

魔王に非ず。

 

・・・もしかしたら式場で超越者同士が

命の奪い合いをすることになるやもしれん。

 

そうなったらサーゼクスとオセ殿以外は

全滅するよなぁ。

 

うむ。つまりコレはオセ殿の配慮なのだろう。

 

そしてレイヴェルか。結婚式に身内が参列

しないのは不自然だが・・・

 

「もしオセ殿に問題が無いなら、レイヴェルも

一緒に連れて帰ってやってくれませんか?」

 

今日をもってレイヴェルはフェニックス家の

令嬢ではなく、オセ家に仕える形となるのだ。

 

さらに、この結婚式がマトモなモノならば

参列させても良いが、ただの茶番だろう?

 

ならば優先すべきは主となるオセ殿だろうよ。

 

「卿がそう言うなら私に否は無い・・・あぁ。

今回の件に関してだが、正直な話、無能や

グレモリー家・魔王陛下に対しては文句も

あるが、卿らに含むところはない。

またライザー殿のゲームでの戦術は実に

素晴らしかった。まぁ最後の無能との会話は

頂けないが、教導と言う意味では間違いでは

ない。そこのところも伝えておいてほしい」

 

「えぇ。確かに伝えましょう」

 

やはりオセ殿はフェニックス家ではなく、

私やライザーと言った個人を評価して下さ

っているのだな。

 

自分個人を見ろなどと抜かしながら、ライザー

という漢を見ることをしなかった無能一族など

比べ物にならん。

 

此度の件、ライザーにとってはオセ殿のお言葉

が何よりの報酬ですよ。

 

・・・本来ならライザーにも直接お声を

かけてほしいところだが、今ライザーの

ところに行けば、隣に居る無能やサーゼクス

と顔を合わせることになる。

 

連中の契約違反に関しては、まだ実行された

わけでもないし我々も既に納得してることでは

あるが、それを知りながら無視する訳にも

いかないだろう。

 

これがオセ殿に出来る我々に対する精一杯の

激励なのだろうな。

 

「この度は御足労に加え御助力まで頂き、

誠にありがとうございました」

 

オセ殿にしてみたらまさしく御足労、つまり

無駄足だったよなぁ。

我々で何か補填出来る事が有れば良いのだが。

 

「なに、ルヴァル殿とライザー殿と言った

漢を見ることが出来たと思えば、この程度

何のことはない。では失礼する」

 

・・・あぁ。やはりこの方こそが貴族!

私も貴族を名乗るなら、この背中に追い

付かねばならんのだな!

 

「はっ!お疲れさまでした!」

 

立場など関係なく、オセ殿には礼を尽くすべきだ。

 

・・・この方を知りながら己を【貴族】だの

【魔王】だのと名乗る事が出来る連中とは

付き合いを改めるべきだろう。

 

さしあたってはサーゼクスとグレモリー!

 

コレ以上フェニックス家やライザーの顔に

泥を塗ることは許さんぞっ!

 

――――――――――――――

 

 

「えぇ?!オセちゃん帰っちゃったの?!」

 

くっ!遅かったかっ!

 

サーゼクスが交わした契約についての

詳細を確認したかったのにっ!

 

この結婚が成立して、ジオティクス殿が

家督の譲渡を宣言すれば我々はコイツらの

面倒を見なくて良いんだよな?

 

今日、リアスが家督を継ぐことになっても、

保護責任者としての契約は満了したと言う

ことになるんだよな?!

 

「ん~?礼儀作法に五月蝿い彼が、結婚式に

呼ばれたのに式の前に帰る?おかしくない?

最初から不参加にしとけば良い話だよね?」

 

あぁ。現実逃避出来る時間はもうおしまいか。

 

まぁいいや。ファルビウムの疑問ももっとも

ではあるし、この辺は微妙なところだからな。

 

「ファルビウム。彼はグレモリーと断交して

いるから、結婚式に出ないのはある意味

当然だろう。今回この場には、次期当主で

あるルヴァルの顔を立てて来場しただけ。

そして式の前に挨拶をして贈答品を贈れば、

無礼にはならないのではないか?」

 

私としても確証は無いが、出席を断るにしても

直接顔を出した方が相手に対しても謝罪になるだろうし、それほど的はずれな意見では無いと思う。

 

「ほぇ~まぁオセちゃんならそう言う判断を

するかもねぇ」

 

正直こう言う場合の正しい貴族の作法など

我々の中でも誰も知らんからな。

もっとも悪魔らしく、貴族らしいと言われる

彼がそうするなら、誰も文句は付けられん。

 

それにライザーに話しかければ、横に居る

リアスやサーゼクスと言ったグレモリー家も

相手にせねばならんからな。

 

断交していて許す気が無いなら無視する

ことになるだろうさ。

 

フェニックス家の当主に関してもそうだろう。

 

断交すると言っている家との婚姻を進めた

彼と顔を合わせれば、何も言わんと言うわけ

にもいかんだろう。

 

そこで婚姻を祝えばグレモリーとの仲を

認めることになるし、非難すれば悪者扱い

される。

 

だからこそ次期当主と個人的に話をして

帰ったのだろうさ。

 

「あ~なるほど。それに彼は戦争肯定派の

筆頭だし、下手に何かを言って言質を取られ

たく無いって言うのもあるのかなぁ?」

 

それも有るだろうな。アザゼルからも彼が

和平について何かを知っているようだと言う

報告も来てるし。

 

まぁ私達としても下手に会話をして言質を

取られたらヤバイから、今回はあくまで

友人の妹の結婚式に参加する、いわば私人と

して接触する予定だったのだが・・・

 

予定変更だな。

 

「そうだろうな。それに既に帰ったのを追う

わけにもいかんし、契約に関しては後で直接

確認するしかあるまい。あとはせめてこの式

が滞りなく終わることを祈ろう」

 

いやマジで。サーゼクスがアホなことして

無かったことにするとか絶対に止めろよ?

 

「ん~そうだね!だけどリアスちゃんは暗い顔してるね?やっぱり不満なのかな?」

 

それも有るだろうが、新婦がこれ見よがしに

不満そうな顔を見せてるってどうなんだ?

 

「……結婚したくないってゴネて、当主に

逆らった上に職務放棄して合宿を行い、さぁ

これからゲームをしよう!ってなったのに、

隙を突かれて潰されたからね~。不完全燃焼なんじゃないの?」

 

不完全燃焼って。自業自得じゃねぇか。

 

映像は見たが、あそこまで見事に隙を晒して

瞬殺されるのも珍しいよな?

 

「あ~あるかも。ライザーちゃんは指揮官として

正しい選択をすることで、自分が次期当主の

旦那になることに何の不足もないってことを

周囲に見せつけたけど、リアスちゃんがソレを

理解出来て無いなら・・・」

 

その辺は周りが理解させろよ。

 

大体、相手に赤龍帝が居る以上時間を掛ける

のは悪手。故に短期決戦をしかけるのは指揮官

として間違ってないだろ?

 

完璧な対処法だよ。

 

リアスが何故それを警戒してなかったのかが

不明だが・・・ライザーと赤龍帝を舐めてた

んだろうな。

 

「そ~だねぇ。リアス視点だと何がなんだか

わからない内に負けたって感じだろうね」

 

相手に選択肢を与えずに一方的に終わらせる

のが戦いの理想。ライザーはソレを行ったに

過ぎん。

 

「まず単体で動いてたリアスちゃんの眷属を

奇襲と数で潰して、兵士みんなを女王に

プロモーションでしょ?そうして上に注意を

引き付けておいて、全方位からの一斉射撃

だもんねぇ。そりゃワケわかんないよ」

 

それから簡単な解説を行った上での降伏勧告だ。

 

これだけでもライザーが

 

敵に甘さを見せない。

敵の情報を調べ上げる。

拘りを捨て必要な手段を採れる。

瀕死の相手にも油断慢心をしない。

 

といった指揮官や為政者としての能力が

あると言う事がわかる。

 

リアスは言い訳のしようもない完全敗北。

サーゼクスやグレイフィアあたりが解説を

すれば済む話だと思うが・・・ん?

 

「なぁセラフォルー、ファルビウム」

 

気のせいか?

 

「どうしたの?」

「ん?何かあったか?」

 

コイツらは疑問に思ってないと言うことは

俺の気のせいだな?どこかで見たんだよな?

 

だが、一応。一応確認しておこう。

 

「お前ら・・・グレイフィアを見たか?」

 

ちなみに俺は見てないぞ?

 

「「・・・アレ?」」

 

おいィ?!まさかサーゼクスの野郎っ!

 

 

―――――――――――――――――

 

 

まぁコイツの中に居たから言いたいことも

やりたいこともわかる。

別に不死鳥ごときがどうなろうと知った

ことでもないしな。だがコレは悪魔として

考えたらどうなんだ?

 

『なぁ小僧。お前はコレから自分が何を

しようとしてて、その結果どうなるかを

正しく理解しているか?』

 

「はぁ?ど、どういうことだよ?!」

 

・・・理解してないな。

 

『そもそも悪魔にとって契約は絶対だ。

契約を破る悪魔は信用されんし、場合に

よっては悪魔の面汚しとして処分される』

 

主にヤツらにな!

 

「しょ、処分?!」

 

冗談でも何でもないぞ?

 

『そうだ。ソレを踏まえた上で言えば、

今回お前らは不死鳥とゲームを行い、負け

たら結婚を認めると言う契約を交わしたな』

 

ソレが嫌だと言うなら戦い以外の選択肢を

探すべきだったろうに・・・

 

「いや、けどよ!やっぱりおかしいだろ!」

 

いやおかしいのはお前だ。

 

『お前が納得しようがすまいがソレが現実だ。

それでだ、契約通りに結婚しようとしている

式場に乱入して、サーゼクスからの何らか

の助力を受けて結婚式を台無しにしたとしよう』

 

助力の内容にもよるが、態々この小僧を

使うと言うことは、ドラゴンとしての力を

使わせるのだろう?

 

破壊しか産み出さんドラゴンの力を結婚式

会場で使うなら、結婚式は台無しになるよな。

 

「あ、あぁ!殴り込んで来いって言うのは

そう言うことだろ?

そうすれば部長を助けることが出来るんだっ!」

 

おいおい、自分がどれだけ無茶を言っているか

理解してるのか?

 

賭けに負けておきながら、レートがおかしい

ってイチャモンつけて騒いでるんだぞ。

 

そもそも貴族家の当主と、娘が対等な立場で

賭けが出来るはず無いだろうに。

 

見苦しいのは事実だが、とりあえず話を先に

進めるとしよう。

 

『で、結婚式を潰された不死鳥はどうなる?』

 

「はぁ?あんなヤツどうなったって構うもんかよ!」

 

なんと言うか・・・別に卑怯な手を使われた

わけでも無ければ、無理やり何かを押し付けられた

わけでもない。アレはアレなりにしっかり

小娘の立場にも配慮していただろうに。

 

それなのに単純な好き嫌いで動くか。まぁ

ドラゴンとしては間違っていない。だがソレは

力が有るヤツだけに許されたモノだぞ。

 

『お前の気分の問題ではない。不死鳥は

契約に則り結婚式を挙げる準備をしているの

だろう?親族や付き合いの有る貴族を呼んで

式場の支度をして、料理やら引き出物も用意

して、相手からも祝いの品やら何やらも貰って

いるだろうな』

 

「・・・」

 

『何せ貴族の婿入りだ。一般人が想像出来る

ようなチャチなもんじゃない。

当然金も掛かってるが、ソレ以上に面子が

掛かっている。それも不死鳥だけではなく、

グレモリー家の面子もな』

 

わかるか?わかれよ?

 

「そ、そうか。部長は嫌がってるけど、部長の

お父さんやお母さんはアノ鳥野郎の婿入りを

望んでるんだった・・・」

 

そうだ。そこを履き違えるな。

 

『何故かサーゼクスは結婚に反対しているよう

だが、アレは既にグレモリー家から出ている

ようだから、この不死鳥やグレモリー家の

面子の問題とは無関係だ』

 

会ったこともないヤツを信用して、後ろ楯に

なってくれるなどと考えるなよ?

 

「つまり、部長の結婚を邪魔するってことは

部長の家族の面子も潰してしまうんだな?」

 

ここまでは大丈夫か。不死鳥に一切気を

配らないのは歪だが・・・まぁ鳥なんざ

どーでも良い。

 

『そうなるな。だがそれだけではない』

 

「ま、まだ何か有るのかよ!」

 

いや、普通に考えればわかるだろう。

 

『それによりグレモリー家が無くすのは信用だ』

 

「し、信用って・・・悪魔だぞ?」

 

悪魔としてはどうかと思うかもしれんがな。

 

『信用を軽く考えるなよ?家同士で交わした

契約を守らず、個人で交わした契約も守らず、

相手の面子を力で踏みにじって己の我儘を

貫くようなヤツが隣に居たらどうする?』

 

まぁ基本的にドラゴンってのはそう言う

生き物なんだが・・・

 

「ま、周りがみんな敵になるのか?」

 

『そうだ。最初に言ったな?悪魔の面汚しと

して処分されるんだ。当然名誉など地に落ちる。

つまり、お前がコレからやろうとしているのは、

主の実家であるグレモリー家を滅ぼす可能性も

有る行為と言うことだ』

 

「そんな・・・」

 

『場合によってはグレモリー家の連中が小娘と

小僧を自家の面汚しとして、自ら処分に動くかもしれん』

 

むしろそうしないとヤツらに潰されるだろ?

なまじ人間よりも頑丈だからな。生きたまま

延々と地獄を見せられるぞ?

 

あの悪魔どもに容赦と言う言葉は無いんだ。

 

「か、家族なんだぞ?!そこまでするのかよ!」

 

むしろ家族だからだろう

 

『小娘一人の命と家族親族一族郎党の命。

選ぶならどっちだと思う?あぁ、勘違いを

しないように言って置くが、そもそも小娘が

我儘を言わなければ誰も死なないし、その

我儘だってゲームの勝敗で決めると言う形で

かなり譲歩して貰ってるんだぞ?』

 

どんだけ小娘に甘いんだ。

 

「じ、譲歩?アレがかよ!?」

 

時間も期間も与えている。十分だろうが。

 

『人間の小僧の価値観と悪魔の貴族の価値観

は違う。むしろアノ小娘が納得していない

と言うのが異常なことだ』

 

小僧の中から見てたがな、普段から貴族の権利

を使っておきながら、都合の良いときだけ個人

としての扱いを望むなど有り得んだろう。

 

どうしても嫌なら家出をしろよ。

 

というかヤツは駄目な気がする。他のは

良いが、ヤツと関わったら録なことにならん

と俺の勘が警告してくるんだよ!

 

だからヤツ以外にしとけ!あのアーシアって

娘で良いだろうが!

 

「・・・そうか、部長は納得していないんだな?」

 

あぁん?

 

「小難しいことはわからねぇ!だけど部長が

納得していないってんなら、俺がすることは

変わらねぇよ!」

 

いや、なんか難しいこと言ったか?結婚式を

潰したら皆に迷惑がかかって信用とか無くす

ぞって話だよな?

 

「負けたまんまじゃ駄目だってのはお前が

言ったんだろ?!

ドラゴンってヤツを見せつけろって言ったの

はお前だろ?!なら力を!あの鳥野郎に勝つ

ための力をくれっ!」

 

・・・なんと言うか。随分と都合の良い頭だな。

 

まぁいいや()

 

そもそもこの忠告も安直にサーゼクスの掌の上

で踊ることに対する警鐘だしな。

 

小僧が思考を操られて、俺の力を都合の良い

ように使われると言うなら反対もするが、

小僧が自分の意思で動くと言うなら反対する

理由もない。

 

それに「悪魔の面子など知ったことか!」と言う

姿勢は実にドラゴン的だ。嫌いじゃないぞ!

 

『・・・良かろう。力は貸してやる』

 

小僧は正真正銘の雑魚だが、俺の力があれば

不死鳥ごときには負けんだろうさ。

 

「ほ、本当か?!」

 

オレサマウソツカナイ

 

『あぁ。ただし、今の小僧じゃ力が足りん。

故に・・・・・・』

 

これくらいは覚悟出来てるのだろう?

 

「おう!そんなんであの鳥野郎に勝てるなら

いくらでもくれてやるっ!」

 

ふっ。迷うことなく即決したか。

 

『ならばくれてやろう!神も怖れたドラゴンの力をな!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もしもヤツが来たら・・・サーゼクスに唆されたと言えば何とかなるよな?嘘じゃないし。

 




嘘ではない。ちゃんと【かな?】って
つけてるし。東スポ東スポ。

いつもながら原作読んでも主人公の思考が
理解できんのですよっ!

一体何がどーなればそんな行動になるんだッ!

そして周囲は何故ソレを当たり前に受け止める?!


マダオ的には『まぁドラゴンだし?我儘を言って
ナンボだよね?だけど弱いくせに我儘言って
ると死ぬからな』って感じですかね。

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