とある師弟のD×D   作:カツヲ武士

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原作主人公サイド。

無事魔法使いの魔の手からギャスパーを
助けた俺と白龍皇!

神器の暴走も収まって、コレから
どうしようかと考えていた時のことだった。

オリ設定!
オリ展開!

嫌いな人は読み飛ばし!


42話

 

ーー兵藤一誠視点ーー

 

俺に縋り付いて泣き叫んでるギャスパーを

あやしていると、部屋の隅から紅い光が

漏れ出して来た。

 

アレは部長の私物が置いてある場所だよな?

 

不思議に思っていたら、部屋の奥から

 

「イッセー!ギャスパー!無事?!」

 

こ、この声は部長?!

 

「落ち着いて下さいリアス。敵が

残っていたら攻撃を受けますわよ?」

 

朱乃さんもだ!

 

会議室で動きを止められていた、二人

の声が部室の中に響く。

 

「キャスリングか・・・悪魔の駒の機能

なのだろうが、使い手がアレではな。

人質を取られたらどうする気だったのやら」

 

白龍皇がそう呟く。

 

そ、それはそうだ。俺達を大事に思ってる

って言うのは嬉しいけど、犯罪者にして

見れば人質としての価値が有るってことに

なるんだもんな。

 

さらに敵が居た場合は、自分の位置を相手に

教えることになるし、相手に準備されちまう。

 

白龍皇は確かにやりすぎかも知れないけど、

その結果最短でギャスパーを助けることが

出来たし、俺達も無傷だ。

 

ソレを考えれば、やっぱりコイツは間違って

無いってことになる。

いや、だからって眷属を大事にする部長が

間違ってるって訳じゃないけどな!

 

「な!何よこの血と肉片?!私の部室で

一体何が有ったの?!」

 

うん。転移してきていきなりソレ見たら

ビックリしますよね。

 

「さて、君の仲間は助けて神器の暴走も

収まった。さらに主が来たのならコレ

以上の護衛は要らないだろう?

俺はこの辺で失礼させてもらうよ」

 

あ、そうだな。そもそもコイツはその為に

一緒に来てくれたんだもんな!

 

「あぁ、おかげで助かった!感謝するぜ!」

 

宿命のライバルとか過去の赤龍帝の所持者

云々は知らねぇけど、とりあえず俺はコイツ

に何も悪い事されてねぇしな。

 

むしろ助けられたんだから感謝しねぇと。

 

そう思って頭を下げるが、向こうからは

何のリアクションも無い。

どうしたんだ?と思って顔を上げて

みれば、そこには苦虫を嚙み潰したような

顔・・・とは少し違うな。

 

普通にリアクションに困ってるような顔を

した白龍皇が居た。

 

「俺の中のアルビオンも絶句してるが

まぁ良い。感謝は受け取ろう」

 

ん?やっぱり赤龍帝がコイツに感謝する

のはそんなに珍しい事なのか?

 

「では失礼する。・・・まだ敵は居るんだ。

油断して魔法使い如きに足元を掬われない

ようにするんだな」

 

憎まれ口なのか本心からの注意なのかは

わからないが、そう言って白龍皇は部室

から出て行った。

 

「イッセー!」

 

ソレを見送ってたら、部長が俺を見つけ

声を掛けてきた。

 

多分今まで奥から部室の中を伺って

たんだろう。その上で戦闘が終わって

ると判断して出て来たってとこかな?

 

「部長!ご心配をおかけしました!」

 

だけど今はそういう考察はどうでも良い!

神器で止まってた部長達に副作用とかも

なく、こうして無事に動けるようになったんだからな!

 

そう思って振り返ると、そこには満面の

笑みを浮かべた部長が・・・

 

アレ?なんか怒ってない??

 

「えぇ、お兄様から事情を聞いてとても

心配したし。ギャスパーも敵にどんな目に

遭わされたのか、想像するだけで怒りが

込み上げてくるわっ!」

 

ぶ、部長から紅いオーラが・・・

 

「まさか私の眷属をテロの道具として利用

するなんてね・・・私の顔に泥を塗るだけ

じゃなくお兄様の立場を悪化させ、悪魔の

立場を悪化させ、貴方やギャスパーを危険

な目に巻き込んだ連中が憎くてたまらない!」

 

そ、そうだよな。今回の件で部長はアザゼル

だけじゃなくミカエル様にまで失望されてた

みたいだし、せめてルー・ガルーさんの言う

ことを聞いていたらギャスパーが利用される

なんてことは無かったんだ。

 

ソレに対しての後悔もあるんだろう。

 

油断してたのは事実かも知れないけど、

コッチが油断してたからって向こうが

何をしても良いってわけじゃねーんだ。

 

眷属を大事にする部長が怒るのも無理はない。

 

「そしてこの部屋よ!何がどうなれば

こんなに肉片や血塗れになるのかしら?!

コレなんて、念入りに壁にこすりつけて

るわよね?!」

 

やっぱり怒った!ま、まぁそうだよな!

自分の拠点にこんなグロい塗装されたら

怒るよな!

壁紙変えるとかそう言う次元じゃねーし!

 

「あ、いや、ソレは白龍皇が思いっきり

殴った結果、壁と一体化したヤツです!」

 

つかアイツ、部長に絡まれるのが嫌で

さっさと出て行ったんじゃねーだろうな?!

 

「白龍皇・・・話は聞いていたけど本当に

イッセーに協力してくれたのね?」

 

部長も訝しげにしているけど、やっぱり

白龍皇が赤龍帝に協力するって言うのは

相当珍しい事みたいだな。

 

「えぇ、この魔法使いたちも、ギャスパー

を人質に取られないようにって言って

アイツが速攻で潰したんです」

 

だから悪いのは全部アイツです!

 

「そう・・・それなら白龍皇に文句を

言うのは筋違いね。

そもそも私の油断が原因なんだし・・・」

 

今回に限れば白龍皇は眷属の命の恩人。

 

眷属か部室かを考えれば当然眷属を

優先するだろうし、そもそもが自分の

尻拭いだと思えば白龍皇に文句なんか

言えるはずがない。

 

つまり・・・俺もセーフですね!

 

・・・・・・

 

「はぁ。もういいわ。とりあえずイッセー。

私たちの動きが停まってたときに一体何が

有ったか教えてくれるかしら?」

 

部室の内装について気持ちの折り合いを

付けたのか、頭を押さえて何かを考えてた

部長が溜息を吐いて俺に説明を求めてくる。

 

けど状況説明ならサーゼクス様が向こう

に居るんだから、説明受けて来たんじゃないの?

 

疑問が顔に出てたんだろう。ギャスパーに

異常が無いかどうか調べていた朱乃さんが

ギャスパーと一緒にコッチに来て、笑いを

堪えながら補足してくれた。

 

この様子だとギャスパーに異常は無かった

みたいだな。

俺にはそう言うのが分かんないから、正直

助かったぜ!

 

「リアスったら気付いたらイッセー君が

居なくなったものだから、もう凄く錯乱

しちゃってね?

白龍皇と一緒にギャスパー君を助けに

行ったって聞かされて、更に混乱したの」

 

あぁ、なるほど。俺もいきなり部長が

消えてたら焦るよなぁ。

 

「朱乃!」

 

怒ってるようだけど、コレは俺にもわかる

恥ずかしいのを誤魔化してるんだ。

 

そんなお顔も可愛くて最高です!

 

「ソレで、戦車の駒を部室に置いてある事を

思い出して一人でここにキャスリングで転移

しようとしてね?

グレイフィア様に「落ち着け」って叱られて

私と一緒に送ってもらうまで、ずっとこんな

感じでソワソワしてたの」

 

あぁ、なるほど。向こうでは説明を聞いてる

余裕が無かったんですね。

 

部長は真っ赤な顔してソッポを向いている。

 

ココまで大事にされてるってのは眷属冥利

に尽きるよな!部長の眷属で良かった!

 

「そんなわけで私たちは細かい事情

とかを知らないんです。

キャスリングもリアスと一緒に来れるのは

一人だけってことでしたので、私が同行し、

ルー・ガルーさんはアーシアちゃんの護衛

ということで向こうに残って貰ってます」

 

なるほど。アーシアが居ないのはそう言う

事だったのか。

まぁルー・ガルーさんが護衛と言っても

向こうには魔王様方が居るから襲撃を

受けるなんてことは無いだろうけど・・・

 

「向こうは今回のテロの首謀者が現れて

アザゼルと戦闘をしてるわ。

お兄様たちはその余波に巻き込まれて校舎

が破壊されたりしないように結界を張って

て動けない状況だし、何かお手伝いをする

にも事情が分からないと何も出来ないわ」

 

む、向こうに首謀者が?!それにアザゼル

と戦闘?!ま、まぁサーゼクス様が結界を

張ってるならアーシアは無事だろうけど、

相当ヤバイヤツってことか?!

 

ソレにさっきから部長がサーゼクス様を

お兄様って呼んでるのはそれだけ動揺

してるってことだよな。

 

停まる前の状況を考えれば、コレ以上

サーゼクス様の足を引っ張れないって感じか。

 

「だから教えて頂戴。一体何が有ったの?

どういう状況で、どんな考察、どんな会話が

有ったのかを。勿論覚えてる限りで良いから」

 

そう言って部長は真剣な表情で俺の目を見る。

 

当然俺に否は無い。ただ、下手に俺の考え

とかを言うと混乱するだろうから、会議室

でのアザゼルやサーゼクス様の会話は聞いた

ことをそのまま伝えた方が良いよな?

 

俺がそう言うと部長は「ソレでお願い」と

言って頷いてくれた。

 

よし!上手く説明できるかは分からねぇけど、覚えてる限りの事は伝えよう!

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

カクカクシカジカムートンイトウザ・ワールドソシテトキハウゴキダス!!

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「なるほど・・・事情はわかったわ。説明ありがとうイッセー」

 

とりあえず部長が動きを止められてから

今までの流れをざっと説明したら、感謝

の言葉を貰えたぜ!

 

「ぼ、僕が好き嫌いなんかしたから・・・」

 

そう言って凹むギャスパー。

 

ソレは確かに原因の一つだけどそもそも

こんなのは想定外だろ?

 

「ギャスパー。今はそう言って自虐してる

場合じゃないの、イッセーの血を飲んで

さらにそのリングで神器を制御出来てるなら

その力を活かす方法を考えましょう」

 

・・・厳しいけど事実だ。下手な慰めなんか

出来る状況じゃ無いし、何よりこのままじゃ

部長の立場が悪くなる一方だしな!

 

「けど魔法使いがミカエル様やアザゼルの

力を無効化ですか・・・いえ、正確には

無効化では無いのでしょうけど、かなりの

力を減退出来るとなると・・・」

 

朱乃さんは真剣な顔で考え込んでいる。

 

「そうね。そしてお兄様やアザゼルが

口にしたオセに関しての疑問・・・彼が

全くの無関係とは思えないわ」

 

そうそうオセだよ。

 

「部長、そもそもそのオセって言うのは何者

なんです?いや、72の悪魔の1人なのは

合宿の時に教えて貰いましたけど・・・」

 

ライザーとか会長と同じ純血悪魔なんだよな?

 

「彼については正直よくわかって無いのよ。

駒王町の管理者としての前任者で、私の

婚約者候補だったんだけどね?」

 

「こ、婚約者候補ぉぉ?!」

 

何だと?!ライザー以外にもそんな奴が居たのかよ!

 

「もう。そんなに驚かなくても大丈夫よ。

昔の話だし、所詮は【候補】だったから」

 

しょうがない子ねと言って部長が頭を

撫でてくれるが、何て言うかこの衝撃は

簡単に消せそうにないぞ!

 

「そもそもオセ様は伯爵家当主ですから

グレモリー家の次期当主であるリアスとの

婚姻は難しかったんです。

もし結婚する場合はリアスが次期当主を

降りて向こうに嫁ぐ形になってましたわ」

 

な、なるほど。公爵家の次期当主としては

有り得ない相手だったのか。

 

「更に彼は戦争推進派で、穏健派である

今の魔王様方とは距離を置いてるの。

まぁソレを取り込む為の政略結婚と言う

話でもあったんでしょうね」

 

あぁなるほど。確かにオセのことを知ってる

ヒトは口をそろえて戦争推進派って言うよな。

 

ソレを味方にする為の結婚か・・・

ライザーの時よりタチが悪いじゃないか!

 

「さらに彼の所領は堕天使領と隣接した

冥界でも指折りの危険地帯。

彼が堕天使に味方したり、逆に勝手に

戦争を仕掛けることが無いようにする

楔の役割もありますわね」

 

楔って・・・完全に部長を個人として

見てねぇじゃねーか!

 

「つまり彼と私の婚姻に関して政治的な

意味を考えれば、侯爵家の三男でしかない

ライザーと比べても比較にならないほど

大きいのよ」

 

政治的な意味って・・・

 

「その為この婚姻はリアスのご両親や魔王様

だけじゃなく、魔王様に賛同する穏健派の

貴族の方々にも是非にと望まれたモノでした」

 

魔王様だけじゃ無く他の貴族まで・・・

 

「コチラから向こうに付けた条件は私を

正妻として迎えることだったわ」

 

正妻って。そりゃそうだよな。公爵家の

次期当主を降りてまで向こうの家に

お嫁さんに行くんだ。

 

ライザーのところみたいに、何人も居る

女性の一人って訳には行かないだろ!

 

「ソレに対してオセ様は「自分の正妻を

お前らが勝手に決めるな」と言って婚姻を

拒否したのです」

 

「はぁ?!」

 

次期当主を降りてまでお嫁さんに行くって

言う部長を、正妻にするのを拒否しただって?

 

何様だ!?いや、そこで結婚されてたら

俺が部長と会うことはなかったんだけど!

 

「そもそもオセには奥さんが居たのよ。

転生悪魔だけど、仲の良い夫婦らしくてね。

側室の第2夫人も居てその人との仲も良好。

そんなところにいきなり正妻として私を

送り込まれても迷惑だってことらしいわ」

 

お、奥さんが居たのか。ソレなら、まぁ

しょうがないのか?

 

「ソレに話を聞く限りだと私とは価値観が

まるで違うから、どうしても幸せな家庭は

築けなかったでしょうね」

 

価値観?まぁ戦争推進派だもんなぁ。

 

「彼はレーティングゲーム否定派でも

あるのです。その為一度もゲームに参加

したことが無いのですよ」

 

そりゃ部長とは合わないよなぁ。

 

「だけど、戦争が好きなのにレーティング

ゲームも否定してるんですか?」

 

戦争が好きなら予行練習みたいな感じで

参加してると思ったんだけど・・・

 

「その辺は良く分かって無いけど、そもそも

彼は【貴族は貴族らしく在るべき】って言う

主張をしててね?

転生悪魔や下級悪魔がレーティングゲームで

成り上がるのを嫌ってるんじゃないかしら?」

 

な、なんてヤツだ!自分が貴族だからって

他の悪魔が成り上がるのを嫌ってるって

言うのかよ!それに貴族らしくってことは

やっぱりライザーみたいな高慢ちきなヤツってことだろ?!

 

「そう、選民意識も強そうでしょう?眷族に

情愛を注ぐリアスだと、どうしても反発

しちゃうだろうし、元からいた側室との間

にも軋轢が生まれます・・・。

つまりオセ様は魔王様やグレモリー家との

繋がりを得ると言うプラスよりも、リアスが

嫁ぐことで発生するであろう家中の混乱等の

マイナスの方が大きいと判断したのでしょうね」

 

「ぶ、部長をマイナス扱いって!」

 

ソレが政略結婚だって言われたらそう

なのかも知れねぇけど!

 

確かに元々奥さんが居るところに部長が

奥さんとして嫁いだら問題はあるだろうし、

貴族として考えればそう言う考えになるの

かも知れねぇけどッ!

 

それじゃ誰も部長個人を見てねぇだろ?!

 

「まぁ結果として政略結婚しなくて済んだし、

家の事は当然としても、貴族なのに奥さんを

大事にするヒトだってことだから私としては

悪い印象は無いのよ?

戦争推進派と言っても国境沿いなら沢山

問題は有るだろうし、安全なところで

戦争だ平和だと無責任に言ってるヒト達より

はずっとマシだと思ってるわ」

 

い、言われてみれば確かにそうかも・・・

 

奥さんを大事にしてるって言うなら、

部長個人を見るってのは浮気みてぇな

モンだし?そんな真似はしねぇよなぁ。

 

側室ってのがアレだけどライザーとかを

見れば、貴族の当主は沢山奥さんが居る

のが当たり前みたいだし。

 

後は序列?の問題だったのか?

 

「ただ私たちがフォローを受けていた

と言うのがわかりませんわね。

着任の際もご挨拶は特にしなくて良いと

グレイフィア様から言われてましたし」

 

とりあえず婚約者関係の話題は一段落

したとみて良いんだろう。

 

次の話題として朱乃さんが不思議そうに

呟いたのは駒王町の管理のことだ。

 

アザゼルやらサーゼクス様の様子を

見れば嘘じゃなさそうなんだよなぁ。

 

「私が彼と連絡を取っていないと言う事を

アザゼルやミカエル様は有り得ないことの

ように言ってたし、お兄様もそのことを

否定はしなかった・・・

つまり知らないうちに何かしらのフォローを

受けて居たと言うことなんでしょうね」

 

部長も不思議そうな顔をしてる。

本当に心当たりがないみたいだ。

 

そもそも普通に考えて、結婚を断った

相手のフォローなんてするか?

 

それとも結婚を断ったことに対する

罪滅ぼしみたいな感じなのか?

 

「あ、それと確かミカエル様はオセが

魔王様方を処刑するとかって言って

ましたけど、そんなこと出来るんですか?」

 

白龍皇やドライグが言ってた魔王様より強い

悪魔ってのがオセのことなんだろうけど、

いくら何でもそんなこと出来るのか?

 

「・・・そうね。レヴィアタン様も

穏健派が全滅するって言ってたわね」

 

レヴィアタン様?!今、レヴィアタン様って

言いましたよね?まさかサーゼクス様の隣に

居た女の子ってレヴィアタン様だったの?!

 

「ミカエル様もアザゼルもソレについて

懸念してましたわね。

今の魔王様方を殺したら悪魔を率いた

オセ様との戦争だと・・・」

 

俺が衝撃の事実に驚いている間にも

部長と朱乃さんは考察を続けていた。

 

そうだ。サーゼクス様を始めとした魔王様

の力を知ってるはずのミカエル様も、そう

言ってアザゼルを止めてたな。

 

「・・・つまり魔王様が勝てると

思ってないってことですか?

ミカエル様もアザゼルも。魔王様方御本人も?」

 

更に相打ちとかじゃ無く、絶対にオセが

生き残るって判断したってのか?

 

「・・・そうなるわね」

 

悔しそうなお顔の部長。なんだかんだ

言ってサーゼクス様の力を一番理解して

信じてるのはこの人だもんな。

 

そりゃ認めたくないさ。

 

「おそらくソーナ会長の情報源はオセ様

でしょう。ソレを考えれば、今のところ

オセ様が敵対していると言うことは

無いのではありませんか?」

 

そう言って沈みかけた場の空気を明るく

しようとしてくれる朱乃さん。

 

こういう気遣いが出来るからこの人は

部長の女王なんだろう。

 

「ソーナか。確かに何かしらの繋がりは

ありそうね」

 

後で確認することが増えたわねと言って

右手で頭を押さえ目を瞑る部長。

 

今まで得た情報を纏めて、コレから

どうするかを考えてるんだろう。

 

部長の邪魔をしないように俺と朱乃さん

は黙って部長の判断を待つ。

 

そう言えばギャスパーは・・・

ふと思いだし、ギャスパーを見てみると

そこでは自分でボールを飛ばして、ソレを

停める訓練をしているギャスパーの姿が。

 

そうか、コイツもコイツなりに出来る

事をしようとしてるんだな。

 

そう思うと胸が熱くなってくるのを感じる!

 

どれくらい経っただろう。部長が目を開け

強い意志を宿した視線で俺達を見る!

 

「まずは魔法使いを片付けましょう。

グレイフィアが一人で頑張ってるみたい

だけど、打ち漏らしは絶対に出るし

天使や堕天使の力が通じないならソッチ

を狙えば援護になるわ」

 

なるほど。まずは数が多いけど悪魔の

力に対抗出来てない魔法使いを潰す

のか!

 

「そうなるとアーシアちゃんは

向こうに置いてきて正解でしたわね」

 

朱乃さんがそう言うが、ほんとに

そうだよな。

相手は数が多いし、自衛の力を持たない

アーシアが狙われる可能性が高いんだ。

 

ギャスパーについては・・・

 

「ぼ、僕も戦います!イッセー先輩の

血とこのリングのおかげで神器も

制御出来てるみたいだし!」

 

ボールを手に持ちながら、覚悟を

決めた目で俺達を見据えるギャスパー!

 

こいつも男だな!

 

「そう、なら貴方も着いてきなさい!

皆、行くわよっ!」

 

「「「はいっ!」」」

 

部長の力強い言葉に俺たちの返事が続く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

駒王学園オカルト研究部の出陣だ!

 

 




茶番回であるっ!

オセ君に関しての知識が少ない?
まぁゲーム脳ですし、婚約を断られた
相手の事をわざわざ細かく教えたりは
しないよねってお話。


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