とある師弟のD×D   作:カツヲ武士

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カ、カテレアちゃーん!

オリ設定!
オリ展開!

嫌いな人は読み飛ばし!


43話

 

ーーアザゼル視点ーー

 

「はぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

ふむ。流石は水と氷の魔法特性を持つ

レヴィアタンの直系。

ソレを操る技術は中々のモンだ。

 

ついでにオーフィスの【蛇】によって

強化されたことで出力も上がっている。

 

「アハハハ!どうしましたアザゼル?!

アレだけ偉そうな口を叩いておきながら

防戦一方ではありませんか!」

 

感情は躁状態。コレは急に得た力に溺れてるのか?

 

それにしては力を制御出来てるように見えるんだが・・・

 

【蛇】を飲み込んだのは初めてじゃないが、

かといって頻繁に訓練出来るほどの回数

じゃねぇってところか?

 

そもそもコイツ等は訓練するってタイプ

の性格じゃねぇだろうけどよ。

 

「ほらほらほらほらぁ!」

 

周囲に生み出したのは大量の水と氷。

だが問題はコレじゃねぇな。

 

「破ッ!」

 

気合と共に光の槍を展開し、ソレを放出せずに

ぶつけ合わせる事で衝撃波を生み出す。

 

その衝撃波に押され、俺の周囲に広がって

いた霧状にまで薄まっていた水滴や水蒸気が

霧散していった。

 

「これ見よがしに自分の周りに水や氷を

展開しておいて相手の注意を自分に向け、

実際狙ったのは細かい水滴や何やらを利用

した水蒸気爆発・・・だろ?」

 

そんな手に引っかかるかよ。

 

「ほう。流石は堕天使総督。この程度の

小細工では倒せませんか・・・」

 

コッチはそもそもコイツがこんな小細工を

使えることに驚きだ。

 

さっきまでの躁状態も半分は俺の油断を

誘う為の演技か。

 

「セラフォルーに敗れたお前が、何で俺達

全員の居る会場に単身で乗り込んで来た

のか疑問ではあったが、コレならまぁわかる」

 

今のコイツはかつての魔王と同格だ。

 

実際に戦えば経験の差から先代の方が上

だろうが、力だけなら上回るだろう。

 

ソレだけの力が有ればセラフォルーにも

勝てると判断したのかも知れねぇな。

 

「こちらは完全に予想外ですよ。先代と

戦い生き残ったアナタが弱いなどとは

思ってませんでしたが、所詮は技術者で

ありオセの眷属如きに怯える臆病者。

この力が有れば瞬殺出来ると思ってましたからね」

 

アホか。シロネ・オセやカンザシ・オセの

恐ろしさは直接の戦闘能力じゃねぇ。

 

無論ソレも怖いが、厄介なのは技術力や

徹底的に鍛えこまれた技。そしてソレを

万全に使いこなす思考。

 

更にアレだけの実力がありながらオセの

為に命を惜しまねぇ精神性だ。

 

「少なくともレヴィアタンに成れなかった

腹いせに、新世界を構築しようとする小娘

よりは向こうの方がよっぽど怖えぇよ」

 

なんたってオセの為なら全てを滅ぼせる

連中だからな!

 

「世迷い事を。まぁ良いでしょう。私が

こうして貴方と戦うことが出来る。

この事実が有れば禍の団に所属しよう

とする勢力も増えるでしょうね」

 

ちっ。ソレはそうだ。

 

俺が向こうの力を観察しているとはいえ、

少なくとも今のコイツは俺が瞬殺できる

ような雑魚では無くなった。

 

逃げに専念されれば逃がす可能性すら有る。

 

・・・

 

ん?逃がす?待て待て待て。そもそも

コイツはどうやって会議室に転移してきた?

 

転移陣を敷くための準備は何時行った?

 

結界は破られてねぇよな。

間違いなく内側にコイツ等と連絡を

取ってるヤツがいるってことだ。

 

ソレは誰だ?まず悪魔はねぇ。

 

サーゼクスもセラフォルーも和平を望んで

るし、カテレアの存在は知らなかった。

無能の眷属にはそんな頭がねぇ。

 

天使もねぇ。ミカエルは堕天使も悪魔も

信じてねぇが、今の天使に戦争をする

だけの余裕は無ぇ。

 

そうなると・・・堕天使。いや。

 

「ヴァーリ。お前が裏切ったか」

 

呟いた俺の視線の先には、禁手化した

ヴァーリの姿が有る。

 

「あぁ、気付かれたか。本来ならカテレア

との戦いの隙を突いて奇襲する予定だった

んだが・・・コカビエルの時のことが頭に

浮かんできてね。

下手な奇襲よりも俺の存在を知ったときに

生じる隙をカテレアに突いてもらおうと

してたんだ」

 

なるほどな。流石に完璧な奇襲を回避

された挙句、YOSHITUGUに殴られ

説教されたのは相当応えたようだな。

 

「もともとは和平が決まった瞬間にハーフ

吸血鬼を拉致、それから魔法使いによる

特攻を仕掛け、頃合いを見て私と白龍皇が

暴れる予定でした。

アナタ方の誰かを1人を殺せれば最高。

無理でも会談を壊せればソレで良かったのですよ」

 

ヴァーリが参戦し勝ちを確信したのか、

カテレアはペラペラと情報を明かして来る。

 

「・・・確かに俺たちの面子を潰すことは

出来るだろう。

和平が締結した後で種族的には悪魔である

お前が暴れれば、サーゼクス達の立場も

無いし悪魔勢力は信用を失い、和平も

立ち消えることになるだろうさ」

 

俺がソレを認めると、ヤツは満足げに頷いた。

 

「そうですね。それこそが狙いです。

そして今ココで、一人で飛び出して来た

貴方を仕留めれば完璧と言えるでしょう」

 

コイツ等の頭ん中じゃそうなんだろうがよ。

 

「だがあの場ではまだ和平は成立して

無かったぞ?むしろ悪魔陣営を糾弾

していた。それなのに何故出てきた?」

 

タイミングがおかしいだろ?

 

先ほどの満足げな表情から一転、忌々しげ

に俺を見据えるカテレア。

 

・・・表情に出過ぎだ。まぁ普段から我慢

なんかしてねぇだろうから、こういうのは

しょうがねぇんだけどよ。

 

「私としても誤算でしたよ。まさか会談の場で

ハーフ吸血鬼の事に言及されてしまうとは。

無能があのまま赤龍帝を置いて会議室から

立ち去っていたら、無能ごとハーフ吸血鬼を

拉致して行動に及べたのです」

 

・・・そうなればサーゼクスは怒り狂うが

動きを停めることになってただろうな。

 

まさか無能が魔王に口答えしたことで

コイツ等の計画が狂うとは思わなかった。

 

なんつーか、コッチだけじゃなく敵にも

被害を出す無能ってすげーな。

 

「あそこでサーゼクスの命令をうけた

グレイフィア等が動けば作戦が根底から

覆ります。故に動いたのですよ。

白龍皇が赤龍帝と一緒に動いたのは

意外ではありましたが、単独行動できる

切っ掛けとしては悪くありませんでした」

 

そう言うとカテレアは再度魔力を集め始めた。

おしゃべりの時間はお終いってか?

 

だが俺にはまだ確認しなきゃならねぇ事が有る。

 

「ヴァーリ。何時からだ?」

 

そう、コイツがいつから禍の団と接触

してたかだ。

 

「オファーは元々あったんだがね。決定的に

なったのはコカビエルを連れ戻す為に待機

してた時さ」

 

あぁん?なんでそんな微妙な・・・いや

連中にしてみれば、コカビエルは禍の団を

支援してるハーデスの協力者か。

 

ならばヴァーリにあの場でコカビエルを

奇襲で倒させて、その後はケルベロスやら

何やらの管理不足を理由にハーデスが

預かると言った形にしようとしてたんだな。

 

そうすれば俺に怪しまれることなく堕天使

陣営の幹部を回収できるし、コカビエルが

纏めてた主戦派の確保が出来たって訳か。

 

ヴァーリはヴァーリで強者との戦いを

望んでたからな。

 

「そもそもの誘い文句はアースガルズと

戦ってみないか?と言うモノでね。

戦争を望んで無いアザゼルには悪いと

思ったが、そそられたのは事実だ」

 

まぁ、コイツにしてみたらそうかも

知れんが・・・

 

「アザゼルには感謝している。ソレは

嘘じゃない。だが、俺はコレ以上ぬるま湯

の中に居ることに耐えられないんだ!」

 

「ぬるま湯・・・そうか。やはり決め手は

YOSHITUGUか?」

 

完膚なきまでに自信を砕かれたからな。

 

「そうだ!俺はもう一度ヤツと戦い、

そして打倒する!

俺はアイツを倒さないと一歩も先に

進むことは出来なくなったんだ!

その為には悪魔陣営と手を結ぶことを

認めるわけには行かないんだよ!」

 

ちっ。最強と言う曖昧な目標ではなく、

実像としての敵を見つけて、それ以外が

見えなくなったってのかよ!

 

「・・・YOSHITUGUより俺達の方が

強いのは知ってるな?」

 

アレが強いのは確かだが、ソレでも

俺やサーゼクスには劣るんだぞ?

 

「無論知っている!つまりYOSHITUGUを打倒

した後にも俺が目指す敵が居るということだ!

最高じゃないか!」

 

あ~そういう事か。段階を踏んで自分の

成長を実感するって感じか。

 

溜ってた鬱屈が最悪な方向に爆発しちまったな。

 

そう思ってヴァーリを見てみれば狂相と

言っても良い笑みを浮かべていた。

 

うん。こりゃ駄目だ。言葉で何とか

なるような状態じゃないし、かといって力づく

で何とかしてもYOSHITUGUと戦わない限りは

元には戻らんだろう。

 

『俺としてもあそこまでコケにされて

黙っているわけにもいかんッ!』

 

アルビオンもか・・・

 

無能の眷属のガキに宿り半ば諦めが

入ってるドライグと違い、ヴァーリは

今までで一番優秀な白龍皇だもんな。

 

最強を目指すコイツなら、いずれは

奥方やオセに挑むことも出来ると思ってたのだろう。

 

「奴は半減の力を姑息な力と断じた!

だが俺の考えは違う!

持っている能力を使いこなして何が悪い!

サーゼクスの消滅は卑怯な力か?

レヴィアタンの水と氷は姑息か?

ヤツが使った透明になる技はどうだ?!」

 

・・・論点がずれてるぞ。

 

最強なら相手を弱体化させるのはおかしいって話だろ?

 

いや、能力込みで最強って言うならソレは

ソレで良いんだが、コイツの思い描く最強は

どんな手を使ってでも最後に立ってる奴が

最強だ!って感じじゃねーよな?

 

そもそもYOSHITUGUは最強目指してるなんて一言も言ってねぇし。

 

しかし、余裕を無くし手段を選ばなくなったヴァーリか。

 

戦士としては間違いなく一皮剥けたな。

 

神器の力は魂に左右されると考えれば

今のヴァーリは完全に白龍皇と同調

してやがる分、かなり厄介な存在だ。

 

そもそもカテレアが俺と戦えるレベル

だってことを考えれば、一度でも半減を

喰らえばアウト。

 

・・・仕方ねぇ。使うか。

 

「今のお前ら相手じゃ俺も切り札を切る

しかねぇ。済まねぇがさっさと終わらせて

貰うぞっ!」

 

そう言って懐から切り札を取り出すと、

カテレアとヴァーリは俺から距離を取った。

 

見慣れない武器を警戒して距離を取るのは

間違っちゃいない。だが今回は悪手だったな!

 

本来はデミウルゴス対策に用意したモンで

ココで使う予定は無かったが・・・

 

「・・・白龍皇あの短剣は?」

 

「知らん。まさしくアザゼルの奥の手だろう。

潰すにしても下手に近寄ってカウンター系の

技ならアウト・・・さて、どうする?」

 

ハッもう遅せぇよ!

 

「禁手化ッ・・・!」

 

言葉と共に俺が造った人工神器に力を注ぐと

短剣が光を放ちながらその姿を変えていく!

 

「・・・ドラゴンだと?!」

 

驚くヴァーリ。流石にわかるか?

 

「まさか人工的な神器まで造っていたとは。

ソコまでの情報は有りませんでした・・・」

 

そりゃそうだ!誰が内通してたか知らねぇが

コレを知ってるのは俺とシェムハザだけだ!

 

「白い龍と他のドラゴン系神器を研究して

創り出した俺の傑作人工神器!

『堕天龍の閃光槍』それの疑似的な禁手状態

『堕天龍の鎧』だ!」

 

俺の放つ堕天使としての力と鎧から生じる

ドラゴンの力。

この二つが相殺することなく共存する形に

出来たのはまさしく奇跡だったぜ!

 

「疑似的な禁手だと・・・」

 

ヴァーリは明らかに衝撃を受けている。

そりゃそうだ。ドラゴン系の禁手の怖さは

コイツが一番良く知ってるからな。

 

『神器を暴走状態にして強制的な覚醒を

促している。一種の暴走だな。

傑作の人工神器とやらを使い潰す気か?』

 

流石は神器となったアルビオン。その

程度はわかるか。

 

「・・・力を持つ龍を核にしましたね?」

 

そんなの見りゃわかるだろう?

 

「あぁちょっくら『黄金龍君』ファーブニルと

契約を交わしてな。二天龍の禁手を模したのさ。

今のところ実験は成功ってところか」

 

対価の支払いが面倒ではあるが、ソレを

上回るだけの価値はある!

 

「ははは!やっぱりアザゼルは凄いな!」

 

今頃気付いたか?

 

「まぁお前の相手は後だ。まずはカテレア。

貴様を殺さねぇとなぁ。お前だって

オーフィスの力でドーピングしたんだ。

俺が開発した技術を自分で使うことを卑怯とは言うまいな?」

 

そもそも戦いに卑怯もへったくれもねぇけどよっ!

 

「くっアザゼル!貴方はソレだけの力を持ちながらっ!」

 

これだけの力しか持ってねぇんだよ!

この程度ではカンザシ・オセの神器に

到底届かねぇんだ!

 

「そもそもココを何処だと思ってやがる!

ココでの長時間の戦闘なんざ自殺行為

以外の何物でもねぇ!アイツらの怖さも

知らねぇ小娘が!さっさとくたばれや!」

 

さっきまで俺も忘れてたが、正直

やべぇんだよ!

俺も何度かオセを呼び捨てにしてるしよぉ!

 

『・・・ヴァーリ。今は避難するぞ。確かに

このままではYOSHITUGUと戦う前に殺される』

 

「・・・そうか。ソレは嫌だな」

 

白龍皇とヴァーリは引くか。まぁソッチは

追わねぇよ!

 

「アザゼルっ!貴方も目の前の私ではなく

別のモノを見ますか!その無礼、命を持って

償いなさいッ!」

 

やかましい!

 

正面から突っ込んでくるカテレアに対し槍を向ける。

 

「射殺せ!神殺鎗ッ!」

 

ノーモーションかつ神速で伸びる、堕天使が

使う光の槍の基本にして奥義!

 

驚愕の表情を浮かべるカテレア。

 

当然と言えば当然だ。人工神器とは言え物理的に

存在する槍が伸びるなんざ想定外だろうよ!

 

そしてコイツに回避できるだけの技量はねぇ!

 

「ぐっ!」

 

・・・確かな手ごたえを感じたが殺せてねぇ。

 

コレはカテレアの耐久云々じゃねぇな。

ちっ!胴体部分を貫通したが、貫通力が

高すぎたかっ!コレは改良案件だ。

 

槍の一撃を受けて倒れこむカテレアを

尻目にそう思ったのが油断だったのだろう。

 

「流石ッ!ですがタダでは死にませんッ!」

 

そう言ってカテレアが自らの腕を触手化

し、俺に巻き付けてきた。

 

でもって体に浮かぶ自爆術式。

 

おいおい、旧魔王派の夢見る小娘だと

思ってたらソコまで覚悟を決めてやがったか。

 

触手を断ち切ろうにも一向に俺の

左腕から剥がれる気配がねぇ。

 

ならカテレアに止めをと思い槍を向けるが・・・

 

「アザゼル!この状態になった私を

殺しても無駄です!私と繋がっている

以上、私を殺せば貴方も死ぬような

呪術も発動しています!」

 

ちっ!自分の命と引き換えに相手を殺す術式だぁ?

 

殺された場合に掛かる呪いか。でもって

自爆の場合は呪いは発動しねぇが普通に

大ダメージってか?

単純だが単純だからこそ効果が高い!

 

「ギャスパー!イッセー!朱乃!ココを

離れるわよ!巻き込まれたら死ぬわ!」

 

あぁん?いつの間に無能がこんなところ

に来てたんだ?

 

「で、でもアザゼルは?!」

 

赤龍帝・・・小僧に心配されるほど

落ちぶれたつもりはねぇぞ?

 

「アレでも堕天使の総督よ!自分で

なんとかするわ!それより早く離れて!」

 

アレって。まぁそうなんだが・・・

 

「アレが噂のサーゼクスの妹、無能姫ですか。

今更多少の距離を取ってどうにかなると考える

のはまさしく無能ですね」

 

全く以てその通りだな。

 

「ソレでもアレはサーゼクスの最愛の妹!

更に貴方と相打ちなら十分な戦果です!」

 

まぁ標的としちゃ間違ってねぇよ。

 

「ま、死ぬなら一人で死んでくれや」

 

覚悟を決めたカテレアを尻目に

そう言って左腕を切り離す。

 

「なっ?!自分の腕を?!」

 

いや、普通こうするだろ?

 

「お前さんみてぇな覚悟を決めた女は

正直嫌いじゃねぇが、だからって一緒に

死ぬ気はねぇよ。

そもそもこちとら自爆覚悟の特攻なんざ

見飽きてるんだ。片腕くらいくれてやる。

冥土の土産に持って行け」

 

コイツにやるにゃちと高い土産だがな。

 

そう思いながら槍でカテレアを貫く。

 

自爆寸前で身動きも取れないところに

俺の全力の一撃を喰らい、カテレアは

シュワッと音を立てて消滅した。

 

そしてカテレアの消滅を確認すると

共に鎧から光が溢れ、禁手化が自動で

解除された。

 

「ちっ人工神器の限界か。

まぁいいや(本家)。

改良の余地は多分にあるし、宝玉さえ無事なら

また造り直せる。

暫くは実験に付き合ってもらうぞ黄金龍君」

 

そう言いながら宝玉に目を向けると、

コイツは『宝物を忘れるな』と言わん

ばかりに淡い光を放った。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

ーー兵藤一誠視点ーー

 

 

す、すげぇ。何が何だかわからねぇけど、

アザゼルがドラゴンの鎧を纏ったと

思ったら色っぽい姉ちゃんを倒してた!

 

アレだろ?アザゼルと戦ってたってことは

あの姉ちゃんが部長が言ってた敵の首謀者

なんだろ?

 

それに自爆とかなんとか言ってたけど左腕

を犠牲にしてあっさり光の槍で貫いて消滅

させたし!

 

でもって鎧を解除して、手に持った丸い球

みたいなのに話しかけてる?

 

良く分かんねぇけど、アレがアザゼルの

神器か何かなのか?

 

「流石はアザゼル。あの状態のカテレア

すら一蹴したか」

 

突然頭上から聞こえた声に、驚いて上を

見たら、そこには白い鎧を身に纏った

白龍皇が腕を組んで浮かびながら、鋭い

目つきでアザゼルを見つめていた。

 

て言うか、なんでコイツがアザゼルを

こんな目で見てるんだ?

同じ堕天使勢力なんだよな?

 

不思議に思ってる俺を無視して、白龍皇は

その構えを崩そうとはしない。

 

「で、ヴァーリ?お前はどうする?

鎧も左手も無くなったがお前の相手

くらいなら余裕だぞ?」

 

そう言って残った右手で槍を構え。

ヴァーリに声を掛けるアザゼル。

 

だからどういう状況だ?!

 

なんでアザゼルがヴァーリに槍を向けてるんだよっ!

 

部長や朱乃さんの方を見ても事情が

はっきりしてないようで、明らかに

狼狽してるのが分かる。

 

とりあえず首謀者は死んだんだろ?

会談はどうなるんだ?コレから再開するのか?

 

アレだけいた魔法使いたちもいつの間にか姿を消してるし・・・

 

「部長、コレからどうしましょうか?」

 

上に居るヴァーリやアザゼルのことは

気になるけど、まずは部長の指示を仰ごうと

声を掛けたときだった。

 

 

 

 

 

 

 

『いやはや片手が無いのに元気だねぇアザゼルくぅん?』

 

 

 

 

 

 

・・・聞くだけで相手をイラつかせる

ような、相手をわざと煽るような口調で

突如としてソイツはこの場に現れたんだ。

 

見た目は黒。そうとしか思えない出で立ち。

身長は2メートルくらい?髪は逆立っていて、

身に纏うオーラはさっきまでのアザゼルを

上回る禍々しさを帯びている。

 

誰だ?そう思っても声が出ない。

 

なんで?いや、俺はコレを知っている。

殺気だ。コカビエルがヨシツグに向けてたモノ。

 

会議室でアザゼルが部長や俺達に向けてた

ソレが、この場を蹂躙しているんだ!

 

だけどコレはコイツの殺気じゃない。

この場の全てを覆うような殺気の主は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「その声・・・貴様が神野明影かァッッ!!!」

 

 

 

・・・そのアザゼルの叫び声を最後に、俺は意識を失った。




ケツ龍皇さんはねぇ・・・育ての親から
厨二を引き継いじゃったんだよねぇ。

原作通りにカテレアちゃん退場。
無能サン。明らかに解説か、にぎやかしであるってお話。

ケツ龍皇と乳龍帝の因縁の戦いが・・・起こらないっ!

神野サンがエントリーだッ!

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