とある師弟のD×D   作:カツヲ武士

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原作4巻は短いハズだったんだけどなぁ。

故にぶった切る!!

オリ設定!
オリ展開!

嫌いな人は読み飛ばし!


46話

ーーアジュカ視点ーー

 

 

まさか旧魔王派が反三大勢力に加担して

いるとは・・・普通に考えたら間違いなく

内部分裂するから、真っ先にその可能性を

除外していたが、旧魔王派以外の連中は、

種族の確執よりも我々への怨みや、オーフィス

と言う看板、それと旧魔王派が持つ組織運営の

ノウハウや資金・情報等を得ることを優先したといった感じだろうか?

 

『アジュカちゃん!ファルビー!どうしよう!

どうしたらいいの?!』

 

セラフォルーが焦るのもわかる。

 

カテレアが宣戦布告と先陣を担当して、

悪魔が和平会談をぶち壊すという連中の

策も半ば成功しているからな。

 

これからカテレアの家臣だけを狙って殺すなど

不可能だし、ミカエルやアザゼルが天使や

堕天使の動きを止めれば、悪魔によって

彼らの部下が討たれる。

 

当然それを認めるわけに行かないだろうから、

最悪でも専守防衛を指示するしかないが、

そもそも天使や堕天使は悪魔を憎んでるし、

お互いが仇敵だ。

 

流れ弾でも戦端を開くことになるし、堕天使

の影から天使を狙ったり、逆に天使の影から

堕天使を狙うだけで戦端は開かれる。

 

『ファルビーどうしよう!援軍とか呼んで

カテレアちゃんの家臣のヒトたちを止める

ことって出来る?!』

 

セラフォルー・・・そんな甘いことが言える

状況じゃないぞ。

 

「うーん。無理だねぇ。こっちが援軍を

送れば向こうも援軍を出してきて戦闘の

規模が大きくなるだけさ~。

それに今更カテレアの部下たちは止まらない

んじゃないかなぁ~?」

 

『そ、そんな!』

 

その通り。アイツ等は主君に殉じるために命を

懸けてる連中だ。

コチラの数が多かろうが少なかろうが全滅

覚悟で戦い続けるだろう。

被害が出れば出るほど和平は難しくなるし、

それこそが主君(カテレア)が命懸けで望んだことだからな

 

場合によっては連中の中にオーフィスの蛇を

持ってるヤツがいる可能性もある。

 

そうなれば一気に被害は拡大するし、下手な

援軍は天使や堕天使を刺激するだけで犠牲者

を増やすことにしかならん。

 

ソレを知っているから堕天使も天使も援軍を

送ってこないのだろう。

 

「だけどアレだねぇ?リアスの眷属を利用して

動きを止めて、そこをカテレアの部下が強襲

するって言ってもさぁ。

あまりにも行き当たりばったりな作戦だよねぇ?」

 

「ん?そうか?」

 

むしろ計算され尽くした一撃に見えるが・・・

 

「そりゃそうだよぉ。そもそも吸血鬼君

の神器を暴走させたって、所詮停止する

のは視界に映った連中だけだよぉ?

どうやってアレだけの数を止めたのさ?

上空に連れてって全方位を見せたの?

それならなんで部室に戻ったの?

そもそもその威力はどうやって試したの?

赤龍帝君や白龍皇が彼を解放するまで外の

軍勢が止まってたってことは、ずっと力を

出してたってことでしょ?それなのに

魔法使いが止まらなかった理由はナニ?」

 

ふむ・・・確かにそう考えれば、実験無しで

こんな真似は出来んよな?

もし他に同じ神器使いがいて実験出来たと

言うならリアスの眷属を使う必要もない。

 

そもそも中級悪魔程度の実力しか持たない

魔法使いが対処出来るような神器では無い。

 

失敗が許されない上、カテレアという存在が

命懸けの任務に当たるにしては不安要素が

多すぎる。

 

油断慢心なら最初から彼の神器など使わず、

カテレアが結界の外に出現して、会談中に

外で待機してる連中を皆殺しにすればソレ

だけで今回の会談は潰れる。

 

「つまり目的に対して手段がおかしいと?」

 

考えれば考えるほど違和感しか出てこない。

 

「だねぇ。部下の連中だってみんなバカって

ワケじゃないからさぁ。宣戦布告なら会場に

映像を送るだけでも良いわけじゃん?

わざわざサーゼクスやセラフォルーを刺激した

挙句、生身でミカエルやアザゼルに喧嘩を売る

必要性が全くないんだよねぇ」

 

そうだな。

 

カテレアと言う存在の価値を考えれば、使い捨て

にする理由もない。

 

コレはカテレアも乗せられたと考えるのが妥当か?

 

だとすれば誰に?決まってる、黒幕が現れたじゃないか。

 

「・・・神野明影が裏で動かしていたか?」

 

アレが他の神話勢力の一員という可能性も

有るが、直接関与したのは間違いなさそうだ。

 

「そう思うよ?ちなみにアレが作ったあの

黒い繭についてはどう?解析できた?」

 

ファルビウムが指し示すのは、神野明影が作った

と思われる黒い繭のような結界だ。

 

大きさ的には校庭の半分程度で中が全く見えない。

 

サーゼクスの消滅の魔力でも消せないらしい。

 

硬いわけでも脆いわけでもなく、そもそも実体がないとか。

 

つまりあの繭のようなモノは物質ではなく

空間に作用するナニカが生み出した境界のようなモノだ。

 

アレの解析など現場で現物を見ながらでも1年はかかる。

 

「さっぱりだな。恐らく中ではアザゼルが奴と

戦闘しているはずだが、その音や衝撃も無いし」

 

殺されてるなら繭を展開する理由が無いからな。

 

ヤツはサーゼクスに用はないと言ってアザゼルを

閉じ込めたが、おそらくコカビエルの件で彼を

嬲るつもりなのだろう。

 

更に、アザゼルが囚われたことにより堕天使は

恐慌をきたし判断力を失った。

 

一つの行動にも幾重の意味を持たせ、効果を

上げる様子はまさしく策士。

 

コカビエルがヤツに時間をやらん為に

速攻を仕掛けたのも当然だ。

 

『そんなことはいいから!早くこの状況を

なんとかしないと!和平が潰れちゃうよ!』

 

「「・・・」」

 

まぁその通りなんだが。ここで俺たちが

何をしたところで連中は止まらんだろ?

 

「そもそもファルビウム。この状況で和平を

結ぶ方法なんてあるのか?」

 

三大勢力のトップが会談してる場での戦闘行為だぞ?

 

サーゼクスが力づくでこの場を収めても遺恨は

残るし、これだと休戦すら難しいんじゃないか?

 

「あ~うん。あるにはあるんだけど・・・」

 

『え?有るの?!』

 

セラフォルー本人も半ば諦めてたのだろう。

ファルビウムの言葉に目を見開いて驚いている。

 

「完全に非常事態だからねぇ・・・それに

ミカエルやアザゼルの許可が必要だし、

可能かどうかは聞いてみないことには・・・」

 

ミカエルやアザゼルの許可?

それに可能かどうかの確認??

 

『ミカエルとガブリエルにはこっちで許可を

取れるけど、アザゼルについては・・・』

 

だよなぁ。

 

「シェムハザやバラキエルはこの会談を

見守ってる筈だからさぁ、状況は把握

してると思うんだ~」

 

アザゼルの意見が聞けないなら代理か。

 

まぁシェムハザは悪魔の奥方がいるし

バラキエルは娘があの場にいるからな。

 

こっちから連絡を取ればなんとかならん

こともないだろう。

 

「それで、可能かどうかの確認とは、誰に

何を確認する気だ?」

 

まぁ誰にと言うのはわかってるが・・・

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ーー奥様視点ーー

 

 

『いや、オセさんに文句を言うのは

筋違いだと分かってはいるんですよ?』

 

そう言いながら通信の先で蟀谷(コメカミ)に#を浮かべて

お酒を飲む鬼ぃさん。

 

まぁこの戦闘に関しては旦那様は全く

関係ないですしねぇ。

 

『むしろ神野サンがきちんとアザゼルに説教

してくれてますし、墜ちた連中が地上から

攻撃したりできないように処理もしてくれてます。

それに上空からの追撃によって町や住人に

被害が出ないよう、処理してくれてますしね』

 

そうなんですよねぇ。

 

神野が予想以上にしっかりと仕事してるんですよ。

 

自分が演出する舞台だから楽しそうに

ヤってるのが唯一の救いではありますが、

後で簪と一緒に地獄でリフレッシュさせて

やろうって思うくらいには頑張ってます。

 

『流れ弾までしっかり処理してるようだし、

目撃者などが出ないように全体に結界まで

張ってもらってます。これだけのことを

してもらってると考えれば、貴方に文句を

言うのは完全に筋違いだと言うのは

分かってるんですよ?』

 

そうなんですよねぇ。あの空間を異界化して

戦闘の余波で現世に霊的な歪を生まないよう

にしてるし、無関係な連中が巻き添えを

喰らわないように最大限の努力をしてますよ?

 

さらには隠蔽と証拠の隠滅までしてますからねぇ。

 

 

『ソレをわかった上でのお願いです。

アイツ等何とかしてください』

 

うん。そうなりますよね。

 

神野が仕事してるのはわかってるけど、

それはそれですよねぇ。

 

普通に誤魔化せる範囲を超えてるし、夜だから

ナニしても良いってわけじゃないですから。

 

「了解です。もう少しで魔王から連絡来る

と思うんで、来たら速攻で終わらせます。

その準備として、この二人を出したいんですが」

 

あぁ彼女を動かしますか。確かに彼女を

使えば向こうはすぐに収まりますよね。

 

ついでに乗り物。

 

簪は登場シーンがどうこう言ってましたが

今回はそういうのは無しですね。

 

『ん?あぁ、お二人ですか。了解しました。

一人は半分死んでますが・・・いますぐ

叩き起しましょう。そのまま送るので対処を

よろしくお願いします』

 

お願いしますと同時にしっかりやれと

言わんばかりの眼光ですねぇ。

 

まぁ旦那様との仲を考えればこういう目にもなりますか。

 

何せ完全に体育会系の先輩後輩ですし。

普段からお世話になってる上、今はお酒飲んでるから尚更怖いですよねぇ。

 

金髪螺旋鳥頭が居たら重圧で死んでますよ?

 

「了解です。悪魔がご迷惑をおかけして誠に

申し訳ございません」

 

本来なら旦那様が頭を下げる必要は無い

のですが・・・全くの無関係というわけ

でもありませんしねぇ。

 

更に連中の不敬は度を越えてますから、

そろそろコッチも我慢の限界でしたし。

 

介入できるならそれに越したことはありません。

 

神野もアザゼルの不敬にはしっかりと報復してますし。

 

残るは無能とその一味。とりあえず連中、及び

その関係者には痛い目を見てもらいましょうか。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ーーアジュカ視点ーー

 

 

 

「やぁ。状況はそっちでもわかってるよねぇ?」

 

通信がつながると同時に、挨拶もそこそこに

ファルビウムが確認を取る。

 

普通なら極秘の会談だから俺たち以外に

状況を知るモノなど居ないのだが・・・

 

『無論ですな。現地からの報告は逐一上がってきております』

 

だろうな。なんと言ってもオセの場合は現地に

カンザシ・オセやシロネ・オセがいる。

 

そして喧騒の外にいる分、セラフォルーたち

の主観混じりの情報しか持たない俺たちより

正確な情報を持っている可能性が高い。

 

『正直に言えば「今すぐあの戦闘に参加

して開戦の狼煙を上げたい」と言う積極的な

部下の声を抑えるのを面倒に思ってますよ』

 

意外・・・でもないか。オセは戦争推進派では

有るが敵対種族を根絶やしにする気はないのだ。

 

そもそもコレに乗じるつもりなら地上では

なく冥界の堕天使領に侵攻しているだろう。

 

さらに後方・・・つまりは我々が内乱中で

有れば悪魔と堕天使の戦争云々を言っている

場合ではない。

 

外に出るには、まずは内乱を終息させてから

というのは軍事の基本。

今は開戦の時期ではないということだろう。

 

「話が早くて助かるよぉ。それで可能かな?」

 

いや、主語がないとわからんだろ?

説明を受けるまで俺やセラフォルーも

どうやっても和平なんざ無理だと考えてたんだからな。

 

『許可が有れば可能です。和平か休戦協定

かは微妙でしょうが・・・よろしいので?』

 

わかるのかよ。この辺は軍略家としての

能力の高さなんだろうが・・・コイツって

何か出来ないこと有るのか?

 

「その辺の調整は僕たちの仕事だからねぇ。

現場での作業に関しては僕が悪魔側の全権を

任されたし、天使側はミカエルも認めたよぉ。

あとは堕天使だけど、否定はされないと思う」

 

サーゼクスは詳しい内容を聞かされて

ないが、とにかく和平が結べるなら!

って感じだったな。

 

ミカエルとセラフォルーはまさしく苦渋の

決断と言った感じで、堕天使は協議中。

 

とは言え「戦争して滅ぶよりはマシ」と

言った感じになるのは間違いないだろう。

 

そもそも今回の和平を強く望んだのは

堕天使陣営だ。

 

『では後は我々に保険が欲しい。『英雄』の用意はできますか?』

 

英雄?どういうことだ?

 

「あぁ、そっか。まぁ君の立場ならそうなるよねぇ」

 

ん?立場??

 

『そう言うことですね。私としては無能殿が

現地に居るのでちょうど良いと思ってます。

何せ今回のミスは酷すぎますからね。

この辺で他の勢力からの同情を誘うくらいの

何かを背負うべきではないでしょうか?』

 

ん?リアス?今更アレに何をさせると?

 

「確かにソレもあるねぇ。サーゼクス的にも

なんとかしたいところだろうし、表面上は

問題ない。それどころか他の勢力からも、

同情を集める形になるから悪いことでも無いね」

 

ミカエルには完全に失望されて、アザゼルから

は殺意すら向けられてるリアスが同情される?

 

いや、まぁ余りにも無責任な行動が目立つし

これまでのミスに対して何の罰も与えないのは

問題だから、周囲が納得するようなナニカが

有るならソレを課すべきだと言うのは賛成だ。

 

『では堕天使からの許可と簡単な筋書きが

できましたら連絡頂ければ、こちらも

動きましょう。こちらの準備は3分も有れば

出来ますのでお急ぎなら頑張ってください』

 

準備が早い・・・早すぎるようにも思えるが

向こうでも戦闘に参加しようとしている連中を

抑えてるんだもんな。

 

行けと言われれば何時でも行けると言う訳だ。

微調整にかかる時間が3分ということか?

 

それに「頑張ってください」か。完全に終息

までの流れを読み切ってると言うことだな。

 

「了解。こっちの準備が終わったら連絡するよ」

 

そう言って通信を切るとファルビウムが

溜息を吐きながら俺に愚痴をこぼす。

 

「相変わらず彼は準備が良すぎるのと、

話が早すぎて怖いねぇ。

まぁ彼が裏で操ってるとか、そう言う

ことは無いだろうから普通に任せても

大丈夫そうなのが救いだけどさぁ~」

 

あぁ、動いてるのは旧魔王派に他の神話勢力と

神野明影だと言うことはわかってるからな。

 

もしもオセが反三大勢力と協力関係に有るなら

この状況をなんとかしようとするファルビウム

に協力することはないだろう。

 

それにカテレアもオセとの接触は無いと

断言したし。奴らのプライドの高さを

考えれば無理はないだろうな。

 

この混沌とした状況を何とかできると

断言するのだ。動くのはシロネ・オセ

ではなくカンザシ・オセか?

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

ーーアザゼル視点ーー

 

 

 

『さぁて。ようやくアザゼル君が現状を理解

できたところでさっさと術式に対するヒントを

上げようじゃないか。僕の渇望(いのり)は君たちの

絶望に塗れた死。

ここで罪を自覚して諦めと共に潔く死なれても

つまらないし、何より他の連中にさっきと同じ

説明するのも間抜けだしねぇ』

 

さっきの話を聞けばわかる・・・コイツの言うことに嘘はねぇ。

 

その上で俺が潔く死を選んでも殺すことは

ねぇだろうし、もし自殺を選んだとしても

コイツは死なねぇ程度の回復をさせて、俺が

苦しんでる横で堕天使を生きながらに解体

するくらいのことはヤって来る!

 

ならば今は反省だの自虐はしねぇで

コイツから情報をもらい、コイツの想像を

超えたモノを作り出すことで事態の解決を

図るべきだろう。

 

と言うかそれしか手段がねぇ!

 

『あぁ、その自らの無力さに対する悔しさと

コカビィの仇に対して教えを乞う憐れさ。

イイねぇ。そういうのだよ!ソコに絶望と

恐怖を与えて、大事なモノを一つ一つ穢して

犯して、壊して、殺す!ソレこそが今の僕の存在理由(アイデンティティー)ッ!』

 

くそっ!それもこれも今まで俺たちが

ヤってきた事だと言われれば、批判も反論も出来ねぇっ!

 

『あぁ、そうそう。白トカゲ君なら安心したまえ』

 

「そ、そうだ!ヴァーリッ!」

 

さっきから声が聞こえなくなったが・・・

苦しめて殺すと言うならココで殺すような

真似はしねぇだろう。

 

それに安心だと?呪詛に耐え切れなくて

気絶したか?下手に耐えるよりはその方が

マシって感じだったが・・・

 

『迎えが来てたみたいだからねぇ。呪詛を

抜いて外に放り出したよぉ~。

でもって気絶してる白トカゲ君をそのまま

お猿さんが持って帰ったさぁ。

彼は仙術も嗜んでるようだから、呪詛が

抜けた状態のトカゲ君なら癒せるだろう』

 

お猿さんだぁ?仙術が使える猿となれば

ヤツだろうが・・・今はソッチじゃねぇ。

 

「なんだってそんなことを・・・」

 

なんでわざわざヴァーリから呪詛を抜いた?

 

普通なら殺すか、そのまま呪詛で苦しめ

ときゃ十分コイツの目的に叶うだろ?

 

『ん~?何故って?彼は君達幹部諸君にとって

息子のような存在だからねぇ。

ソレが自分たちと敵対する禍の団に所属して、

好き勝手してるとなればそれだけで討伐対象。

それだけでも君たちに苦悩を生むことになる

じゃないか?』

 

確かに説得も交渉も出来なかった。

 

このままじゃアイツはただのテロリスト扱い

されちまう・・・だがソレがなんの関係がある?

 

『ソコに僕の呪詛に苦しんでるとかなったら

裏切りに対して変な理由ができちゃうだろぉ?

「癒すために仕方なく向こうについた」とか。

けどねぇ、実際彼は彼の我侭で離反した。その

事実を美化されても困るんだよねぇ』

 

ちぃっ!逃げ道を完全に塞いだって事か。

それもこれも俺たち堕天使を苦しめるためだけにっ!

 

『アヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!その調子で

僕を憎むがいい!憎しみで僕を殺せるくらいに!

その目が、その感情が僕の渇望(いのり)なのだから!!』

 

くそっ!今は何をしてもダメだ!かと言って

諦めて頭を切り替えるなんて真似はコイツが

許さねぇ。

 

こうやって常に俺の感情を揺さぶって遊んでやがるっ!

 

『絶望・恐怖・呪いなど、それぞれの感情には

鮮度があるのさぁ!真の意味でのマイナスとは

静的な状態ではなく変化の動態。

希望の先にある絶望。やったか?の後の無傷。

許さねぇ!と叫んだ後の、実は自業自得でした

と言う事実の確認ッ!』

 

まさしく今の俺ってわけかよ・・・

 

『外の戦闘も激しさを増している!そのまま

憎めよ!互いを憎みながらも、手を組まねば

生きてはいられないと言う現実に挟まれて、

仲間の仇も討てないと葛藤しながら屍の

上で踊り続けろぉ!!』

 

クソっ!向こうは向こうでどうにも

ならねぇ!

 

サーゼクスやミカエル。それにシェムハザ

も、各勢力が援軍をよこさねぇところを

見れば、戦闘の拡大を抑えているのはわかる!

だがこのままじゃどうにもならねぇ!

 

そんな現実を理解して歯を食い縛る

俺の顔を見て、神野の顔が楽しそうに歪む。

 

そう、ソレが見たかった。何度も言われた

言葉が再度繰り返されようとした時。

 

『はぁ?』

 

今までの煽りや呪詛の声ではなく、完全に

予想外のことが起こったような、素っ頓狂な

声を上げて、奴は結界の外を呆然と見ていた。

 

何だ?何があった?

 

そう思って見てみれば、外での戦闘が終わっていた。

 

いや、終わっているというより、全員が動きを

止めて何かを警戒しているように見える。

 

神野と同じように外を凝視してると・・・

 

「「「グッ!!」」」

 

と、うめき声を上げて落ちていく悪魔や天使。

 

「「「ガッ!!!」」」

 

そう言って死んでいく堕天使や悪魔。

 

「「「なんだ?!何がァッ?!」」」

 

叫び声を上げて血を吐く天使と堕天使。

 

わけがわからねぇ。だがコレは明らかに

何者かによる攻撃。

 

そしてこの状況でこんなことをしでかす何者かの狙いは・・・そうかっ!

 

コレはサーゼクス、いやファルビウム?!

俺がその狙いに気付いたとき、周囲に声が鳴り響く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『アハハハハハもっと行くよぉ!さぁ走れワンちゃん!みんな『死んじゃえー』』

 

何もない空間に響く少女のような声。

そしてその声が響く都度死んでいく軍勢。

 

天使は地面に激突する前に光となり、

堕天使は羽だけを残して消え、

悪魔はその存在がなかったかのように塵と化す。

 

『アハ!死んじゃった~だけどまだまだたくさん居るよ!だから・・・『死んでくれる?』』

 

死ぬ、死ぬ、死ぬ。種族に関係なく、

その声に込められた呪詛によって死んでいく。

 

確かにこれなら和平は成る。最悪でも

休戦は出来るっ!あの状況ならコレが

一番だと言うのもわかる!

 

だが・・・だがっ・・・!!

 

『ほう、この事態にここまで完璧に対処して

くるとはねぇ。コレはファルビウム君かな?

う~ん。正直侮ってたねぇ』

 

結界の外を凝視し、冷静に状況を分析する神野。

 

そうだよなぁ。今の悪魔陣営のことを良く

知らなきゃ、コレは透明の能力を持つ

ファルビウムの親族の仕業にしか思えねぇだろうなぁ!

 

『あ~このままじゃあと1分も持たないねぇ。

さっさと君にヒントを上げて退散しようかな』

 

そう言って心底つまらなそうな顔をする神野。

 

そう、もう間もなく外の連中は全滅する。

 

ファルビウムが選び、オセが実行したであろう

作戦は簡単だ『死人に口無し』。あとは俺たちが

大本営発表で誤魔化せということだろう。

 

神野の本心からつまらなそうな顔を見れば、

ある意味で神野に一矢報いた形になると言う

のは理解できるが・・・嬉しさなんざ湧き上がるはずもねぇ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『アーハハハッ!たぁ~のしぃ~ぞぉ~!』

 

 

 

 

心底楽しそうに笑う少女の声を聞きながら、

目の前で次々と死んでいく同胞を見て

ミカエルやサーゼクスは何を思うのか。

 

俺は絶対に今日のことは忘れねぇ。

 

無念・後悔・憎悪・憤怒・呪詛。ありとあらゆる

感情を飲み込んで、俺は死んでいく同胞を見る。

 

 

それだけが今の俺に出来る唯一の行動だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

この日、三大勢力による正式な休戦協定は成った。

 

 

 

有史以来敵対していた三大勢力による休戦は

他の神話勢力に驚きを持って迎えられ、

歴史に残るこの会談は、会談が行われた場所の

名を取り『駒王会談』と呼ばれることになる。

 

 

 

なお、この会談に反対し、会談の成立を邪魔

しようとしてきた魔法使いや三大勢力内の

反和平派組織によるテロ行為が行われたが、

そのことを予め予見していた当地の管理者の

策により彼らは一掃されることとなった。

 

 

旧魔王派が精鋭を用意し、命懸けで行ってきた

テロ行為に対して神算鬼謀でもって迎え撃ち、

僅かな犠牲でその企みを潰した若き英雄。

 

それは二天龍と称された赤龍帝をも従える一人の女悪魔だった。

 

魔王サーゼクス・ルシファーの妹にして冥界の秘蔵っ子。

 

「紅髪の滅殺姫」リアス・グレモリー。

 

世界は彼女の名を知る事になる。

 

 

 




珍しく働く魔王さま。

だけどソレ以上に神野サンはスゴク・働いてたと言う裏話。

って言うか学園に張った結界の外に天使だの
悪魔だの堕天使の軍勢が大量に居たら
一般人に見られるよね?その辺どうなの?

物理的な障壁かナニカあったんですかねぇ?

大本営発表は次話!

展開予想は作者の心が死ぬから御法度だァ!

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