2話編成になりそう。
追加とか、逆に削るとか、色々弄る可能性有り。
オリ設定!
オリ展開!
嫌いな人は読み飛ばし!
ーー兵藤一誠視点ーー
「コレはどういうことですか?!」
部長の怒声が通信機に向けて放たれる。
けど部長の気持ちはよくわかる。今回も
俺たちが気絶している間に事態は全部
終わってたんだ。
それなのに部長の評価が、異常な程高くなってる。
和平賛成派のヒトたちは
『テロ組織が計画してた策を読み、ソレを
利用して眷属をあえて餌にして敵をおびき
寄せて一網打尽にした天才!』
とか言ってるし、反対派だったヒトたちも
『旧魔王派のテロリストをアザゼルにぶつけ、
彼の左腕を奪う大戦果を成し遂げた!』
って言って部長を褒めちぎる。
そして一般的な報道としては
『リアス・グレモリー嬢は今回の策でテロリスト
と堕天使総督のアザゼルを戦わせ、双方に甚大な
被害を与えることに成功。
そして負傷したアザゼルは魔王陛下に対し
頭を垂れて和平を申し入れたが、陛下は
毅然とした態度でソレを拒否。
ただし現状の把握と情報収集及び旧魔王派との
折衝の兼ね合いを考えて、堕天使側からの様々な
技術の提供を条件とした一時的な休戦という形で
協定を結ぶこととなった。
これはまさしく歴史に残る外交的勝利である。
この結果を生み出すきっかけとなった、
リアス・グレモリー嬢の貢献は非常に大きい』
って感じで部長を褒めちぎる。
だけど部長にしてみれば、どれもこれも
自分は関係ないこと。
普通の悪魔とかならラッキーとか思って
貰った功績に胡座をかくんだろうけど、
誇り高い部長がこんな扱いをされて喜ぶ
はずがないんだ!
『リアス、今回の君の失態は君が思ってる
以上に重い。実際に罰を与えれば君個人の
処刑はもとより、グレモリー家が断絶しても
おかしくないほどの失態だ』
通信機の向こうのヒト。どうやら冥界の
上層部のヒトらしいけど、俺には誰だか
わからない。
部長も顔は知ってるみたいだし、部長の
ことを呼び捨てにするくらい近しい関係者
なんだろうけど・・・
いや、そうじゃない!いま何て言った?!
部長の処刑?!グレモリー家の断絶?!
「そ、それは・・・」
なんだかんだで家のことを誇りに思ってる
部長だ。
自分のこともそうだけど、実家の断絶とまで
言われて、さっきまでの勢いは完全に失速
してしまった。
「ぶ、部長が処刑ってどういうことですか!」
言葉を失った部長に代わり俺が声を荒げる!
「い、イッセー?!」
突然割り込んだ俺に驚く部長。だけど
とてもじゃないけど我慢できねぇ!
「だっておかしいじゃないですか!
なんで部長が処刑されなきゃならねーんです?!
悪いのはテロ組織でしょ?!」
通信機の向こうの相手にも伝わるように
部長に食ってかかる俺。
部長もなんて言って良いかわからないようで
オロオロしている。
・・・普段綺麗で凛とした部長なだけに
こういうギャップはスゴク良いです!
『リアス。眷属の教育はきちんとしろ。
まともに教育できないなら隔離しろ。
相手がいつまでもお前の不敬を許すと思うな』
本来の目的を忘れかけてた俺に、いや、
部長に通信機から冷たい声色の警告が発せられた。
って言うか俺は無視かよ!これだから悪魔の
お偉いさんはっ!
「も、申し訳ございません!ベルゼブブ様!」
そう言って通信機に向かって頭を下げる部長。
え?ナニ?いまベルゼブブ様って言いました?!
それって魔王様ですよね?!
やべぇ・・・そう思ってると通信機の向こうの
お偉いさん、ベルゼブブ様は俺を一瞥すること
もなく通信を切った。
コレは良いことなのか悪いことなのか。
気分的にはもちろん良くない。
だけど魔王様に対する無礼を見逃してもらった
と考えれば、かなりの温情と言えるだろう。
ん~む。
「イッセー!今回はお許し頂いたけど、
魔王さまとの通信に勝手に割り込まないで!
貴方が殺されるかと思ったじゃない!」
微妙な気持ちでいる俺に部長から声がかかる。
や、やっぱり相当やばかったんだな?!
そう思うと今更ながらに震えて来る。
「・・・けど気持ちは嬉しかったわ。ありがとうイッセー」
そう言って頭を撫でてくれる部長!
やっぱり部長は最高だぜ!
「それに今ので切り替えは出来たわ。本来なら
こんな扱いをされて黙ってる気は無かったけど、
家や周囲。さらには悪魔陣営そのものに迷惑を
かけたのは事実ですもの。
この評価を受け入れて、評価に恥ずかしくない
ような悪魔にならないとダメなのよね」
そう。ヒトによっては名誉だけど、部長に
とっては完全にお人形さん扱い。
それは部長が何よりも嫌う行為なんだ。
だけどソレを自分への罰と受け止めて、部長
は前へ進もうとしている。
「だけどね、急にこんな評価をもらったことで、
今まで以上に周囲に人が寄ってくることになる。
その中にはテロに味方する連中も居て、私たちの
命を狙ってくるかもしれないのよ」
そ、そうだよな。テロ組織にしてみれば
部長は仲間の仇ってことだし。
「そこでお兄様からは護衛が。実家からは仕事の
フォローをする人員が来ることになったの」
部長の護衛と仕事のフォローか。ん?
「護衛はともかくとしてフォロー・・・ですか?」
基本的に部長って実家の人の力を使うのを
嫌がってるよな?
それなのに受け入れを承諾したの?
不思議そうにしてる俺を見て苦笑いする部長。
「そうね。まずマスコミ対策。冥界の
メディアが騒いでるのはわかるでしょ?」
「まぁ・・・そうですね」
散々褒めちぎってたからなぁ。
ご本人様に聞きました!とかは有るのか?
けど実際のことを話すわけには行かないし
そこんところはどうするんだろ?
「今回の件に関するインタビューに関しては
『軍事機密です』って言って断れるけど、
ソレ以外に関してはね。どうしても表に出ないといけないわ」
あぁ、そっか。断れるものは断るけど
だからといって全部断ったら不自然だしなぁ。
「それにお兄様やグレイフィアから実家に
戻ってしっかり鍛え直すように言われてるの。
コレは私としても望むところよ!」
あぁ、なるほど。高過ぎる自分の評価に
追いつくためには鍛錬は必要だし、俺たち
も鍛えなきゃって思ってたもんなぁ。
「それに夏休み中に若手が集まる会合が
あるから、どうしても冥界には戻る必要
があったのよ。
だから夏休みは冥界に戻って徹底的に鍛えるわ!
それで、その間の駒王町の管理を実家から来た
ヒトに回すってことよ」
ほうほう。部長が参加する会合なら会長も当然
参加するだろうから、前の合宿の時みたいに
会長に頼むってわけにもいかないんだな。
そんでもって、留守にするからには代わりのヒト
に管理を任せないと、管理人不在になっちゃう
もんなぁ。
「そういえばオセさん?についてはどうなったんですか?」
なんかフォローを受けてたとか、前任者との
付き合いがどうこうって話でしたよね?
「それに関してはお兄様と実家でやるから、
私は彼と関わらないようにって言われたわね」
関わらないようにって・・・ま、まぁ戦争好きで
貴族主義?だから相性が悪いとかそう言うこと?
「基本的に彼は伯爵家の当主で、私は公爵家とは
言っても次期当主でしかないからね。格とかそう
言う関係があるのよ」
良くわからねぇけど、面倒な感じだ!
多分さっきのベルゼブブ様みたいな感じの
ヒトなんだろ?
だったら関わらない方が良いよな!
「今のところ、家同士の付き合いについては私は
ノータッチ。あったとしても、お父様と一緒に
アイサツに行く程度だから、そっちは気にしなく
て良いわよ。今の私たちがするべきは特訓よ!」
うん。部長は確かに前を向いて歩きだした!
それにギャスパーも自分の神器の制御に磨きが
かかってるし、ルー・ガルーさんや朱乃さん
だって遊んでるわけじゃない!
もちろん俺やアーシアだってな!
あの混乱を経験した眷属みんなが自分の力不足を
感じ、一丸となって前へ進もうとしてるんだ!
次こそは絶対に部長の為に働いてみせる!
そして、今は上の都合で作られた評価だけど、
その評価を超えるような成果を上げてやるぜ!
見よ!オカルト研究部はぁ紅くぅ燃えているうぅぅッ!!ってな!
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ーーアジュカ視点ーー
「・・・英雄か」
リアスとの通信を切って一息つくと、後ろで
新聞を読んでいたサーゼクスがポツリと呟いた。
つかお前新聞そんなに取ってたか?
・・・いやコレは違うな。
「サーゼクスには悪いけどさぁ。今回は
流石に何も無しで庇うのは無理だよ~」
サーゼクスを見ることなく、自分の作業に没頭
しながら謝罪するファルビウム。
いや、ファルビウムは過去の戦争で英雄に
されたサーゼクスが『英雄』と言う言葉を
いい意味で捉えていないと思って謝罪したんだろうが、アレだぞ?
コイツ新聞切り抜いて、リアスの写真と
評価のところをノートに貼ってニマニマ
してるからな?
普通に喜んでるし、メディアへの露出
についてグレイフィアにスケジュールを
調整するように命令してるからな。
まぁソレだって俺たちがサーゼクスに
頼んだことだから、積極的になってくれる
ならむしろ良いことなんだが。
今回の会談では同行した部下が全滅すると言う
結果になったし、その犠牲の重みをリアスに
背負わせることになるから、絶対に良い顔は
しないと思ったんだが・・・
どうやら今回リアスがやらかしすぎた事は
こいつもしっかり理解していて、これから
どうしようか?とか、どんな罰を与えれば
釣り合いがとれるのか?ってことを真剣に悩んで
いたみたいなんだよな。
そこに降って湧いた『英雄』のオファーだ。
罪人として裁かれるか英雄として祭り上げられる
かを選択しろと言われれば、そりゃ英雄を望むのが普通だが・・・
ここは一度しっかり罪を認識させてしっかり
裁いた方が後の為になると思うんだがなぁ。
だが今回のリアスの罪を裁くとなると、
先ほど本人に言ったように、お家の断絶も
ありえるから『後』なんか無くなる。
でもって、リアスを処刑しようとしたら絶対に
コイツが騒いで堕天使領とかに亡命させるよな?
ソレを考えれば今回の『英雄』扱いは間違いではない。
あとは眷属や本人の強化だが。それは夏休みを
利用して実家で鍛えるそうだし。
一ヶ月やそこらで強くなれるものかと思うが、
鍛錬をしないよりはマシだ。
更に母親が相当お冠らしいから、性根を鍛えて
くれることを祈ろう。
ついでに冥界にいる間は禍の団の連中からの
干渉もある程度コントロールできるしな。
でもってそのコントロールする予定の
ファルビウムなんだが・・・
「あ~ゼファーが使えるのは良いけど、
どうやって配置するか・・・」
真面目に仕事してるんだよなぁ。
珍しいことではあるが、あの会談の場で
呪詛を振りまいたのがオセの眷属であり、
さらにその子供を乗せて戦場を走り回って
いたのがゼファードルであると言う報告を
受けて、その後処理をしているのが現状だ。
なんといってもグラシャラボラス直系だ。
次期当主ではなくともその扱いは慎重に
なるし、実家は未だにゼファードルが
ここまでの強者になったことを知らない。
そうなると縁組をするにしても評判が
悪い彼は中々相手も見つからんだろうし、
実力を知ってるとはいえ魔王である我々が
一人の悪魔を推薦するというのも問題だ。
分家を起こさせるか、どこかに婿入りさせるか、
軍に所属させるか、特殊戦力として使うか・・・
基本的にはオセに鍛え続けて貰うのが一番だが
所属はキチンとしないとな。
そうしないと給料とか褒賞に響くんだよ。
幸いゼファードルも功績や評価に興味はなく、
むしろリアス一人のモノにしてくれと言って
来たから今回の対処は難しいモノではないが、
信賞必罰をはっきりしない組織は正常な組織
足りえないと言う持論を持つファルビウム
からすれば、ゼファードルの要望は痛し痒し
と言ったところだろう。
・・・実際今のアイツは若手を超えてるし
戦場での実績と功績を挙げているのだ。
扱いに困るのはわかる。
「けどまさか凶児って言われたゼファーちゃんがねぇ・・・」
セラフォルーがしみじみ呟くがコレは俺も同意見だ。
そもそも今回オセに依頼した内容は
『とにかく素早い全滅。結界の外にいる
連中は天使も悪魔も堕天使も全員殺すこと』
だった。
コレは悪魔・天使・堕天使の全てを被害者
とすることで特定の勢力による謀略である
という可能性を消すとともに、一切の情報を
遮断してカテレアの家臣たちは無駄死にだった
という悪評を流すことを目標としている。
それに反応してきたヤツらを狩るのが軍略家
としてファルビウムとオセが考えた策。
ついでとしてファルビウムは
『逃亡も許さず、その実行者も不明なら最高』
等といったふざけた依頼を追加した。
この実行者云々に関しては、展開してる
部隊だけじゃなくアザゼルやミカエル
にもバレなければ尚良しと来た。
流石にムチャが過ぎると思ったが、オセはそれも承諾。
だがオセは禍の団や他の神話勢力の連中の目が
自分に向かないようにするため、こちらに
『英雄』の準備を求めてきた。
『依頼は果たすが餌になる気はない』と言う警告だな。
まぁこの辺は軍略家同士のじゃれあいのような
モノらしいから、オセもファルビウムも互いを
敵視したりはしていない。
そんなこんなで依頼を発注したんだが、
どうやらファルビウム的にはカンザシ・オセ
による特殊な技術を用いた狙撃かナニカが
行われると思っていたらしい。
まぁ確かに長距離狙撃なら正体不明だし、
特殊な弾頭で周囲を滅ぼすことも出来た
だろう。
撃ち漏らしたのはシロネ・オセや他の眷属
が片付けるとでも思っていたんだな。
言われてみればソレを前提にした依頼だった
と言えるんだよ。
だがオセはYOSHITUGUことゼファードルと
我々も知らない眷属を出してきた。
カンザシを温存させたか?と思ったが何の
ことはない。ソレが一番早くて確実だと判断
しただけのことだった。
確かにゼファードルのことは他の陣営の連中は
誰も知らないし、透明になって姿を隠してる
から単純に考えればグラシャラボラスの関係者と
思うだろう。
アザゼルやミカエルはYOSHITUGUを疑った
かもしれんが、戦闘方法が違うし、何より
呪詛の元は少女の声だ。
我々が言ったリハビリ云々は信じてなくとも、
まさかYOSHITUGUことゼファードルが、
オセの眷属の少女を肩車して飛び回ってるなど
想像できまい。
と言うか俺も無理だった。事実を知った
ファルビウムも首を傾げていた。
凶児はどこに行ったんだよ?不良が親戚の
少女を肩車してる様子が頭に浮かんだが、
その現場が天使と悪魔と堕天使が入り乱れる
戦場と言うところが凶児か?
しかも彼らを殲滅したのが少女の方だと
言われても、リアクションの取りようがない。
誰も犯人を見てないし、死んだ連中も特殊な
呪詛によって死体すら残らなかったから証拠
も何も無い。
オセはまたもやこちらからの依頼をすべて
クリアしてみせたわけだ。
そこで問題になるのがゼファードルの扱いだ。
普通なら「子供を肩車して戦場を走れるかっ!」
と言って反発するだろう?
まさか凶児が素直に乗り物としての仕事に専念
するなんざ想像もできん。
しかも『ワンちゃん』呼ばわりも受け入れてる。
いや、人間の魔道書ではグラシャラボラスは
翼を持った犬と言う描写をされてるがなぁ。
まぁそれはそれとして、つまり今の彼は
強力な力を持ちながらも、驕らず粛々と
命令に従うことが出来る兵士なわけだ。
さらに姿を消せて正体もバレない。
どんな任務もこなせる彼は軍略家として
見れば、ある種の理想の兵士と言っても良い。
そりゃ使いどころも悩む。しかもこれから
想定されるのは旧魔王派との内乱。
相手は政治犯であり、当然大王派にも伝手
があるだろう。
と言うか連中に資金やら情報を援助してる
のは大王派だ。
誰が大王派で誰が旧魔王派かという明確な
線引きが出来ないし、主戦派だから殺すと
言えば流石にオセも黙ってはいないだろう。
だからこそオセと繋がりがあるゼファードルの
価値が爆上がりしてるわけだ。
それにこの辺の政治判断を大王派に頼ってきた
我々は、現状敵が動かない限りソイツを禍の団の
一員として裁くことが出来ない。
敵に先制させて、防御か逃走、もしくは反撃まで
できる実力をもつ彼は本当に重宝するだろう。
先制攻撃ができない現状に歯痒さがあるが
・・・今は連中が餌となったリアスに食いつく
のを待つしかない。
あとはアザゼルとミカエルとの口裏合わせ。
それぞれの陣営でそれぞれの大本営発表が
行われているが、共通するのはテロを仕掛けて
きた連中を撃退したのはリアス・グレモリー
であるという事だ。
これにはアザゼルもミカエルもリアスに
若干の同情があったらしい。
明らかに実力が伴ってないのに英雄扱い。
更にその実は餌だからな。
今回の失態を償う罰としては問題ないと
判断したのだろう。
思いもよらぬ方法で内部だけじゃなく外部
との折衝を終えたサーゼクスは終始ご機嫌。
部下が死んだが、あの時点では他にどうしよう
も無かったと言うのを理解してるし、部下が死ぬ
のは初めてと言うわけでもないしな。
いつまでも部下の死にウジウジしている余裕など無い。
また、リアスが餌になったことに関しても
「ソレが『英雄』としての宿命だ」とか言って納得してるし。
もっとも「急な注目を浴びたから危険だ」と
言う名目でリアス公認で自身の眷属を補佐兼
護衛として貼り付けることが出来たから、
ようやく安全の確保も出来たと言うところか?
反対にセラフォルーは、もしも立場が
少しでも違ってたらソーナが餌にされて
いたと戦々恐々してる。
オセのところでどれだけ鍛えられてる
かによって今後が変わるからなぁ。
直接の連絡は取れない以上は若手の会合が
行われる時に確認するしかないから、期待半分
不安半分と言ったところか?
あとはアザゼルだな。
部隊が全滅した後、少ししてから突如繭が崩壊し、
中から全身に傷を置い、失った左腕から血を
流して気絶しているアザゼルが出てきたと言う
報告を受けたときには戦争を覚悟したが・・・
どこからともなく(恐らくゼファードルだろう)
降ってきたフェニックスの涙のお陰で一命を
とりとめたんだよな。とりあえず今は絶対安静
として休息しているらしい。
繭の中でどんな戦闘が行われていたかは不明だし、
神野がどんな存在かも把握出来ていない俺達に
してみれば、出来るだけ早い復帰を望むのだが・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーアザゼル視点ーー
「あの術式はギリシャ神話のヘスティアの
『竈』を一部再現した感じらしい」
いまだにベッドの上から動けない俺が、あのとき
ヤツから聞いたヒントをシェムハザに伝えると、
シェムハザは指を顎に当てて、考え出した。
「・・・なるほど。敵を入れない、また敵を
逃がさないと言うことに関しては強固なモノ
になりそうです。ですが・・・」
俺と同じ結論を導きだしたシェムハザ。
だが、ソレはどんな結界でも当然有る効果だ。
わざわざヘスティアの名前を出してきたことが
わからない。
「ヤロウは『全部教えたら俺たちが創意工夫を
しなくなる』とか言って、ヒントしかよこさな
かった。だが、このヒントは無意味なモノじゃ
ねぇ。何せ俺たちが成果を出せずに諦めたら
ヤロウの渇望は満たされねぇからなっ!」
そう、この渇望がある限りヤツは俺達に希望の
糸を垂らし続ける。
わざと見えるように、わざと掴むことが出来るようにな。
いつまでもそうやって油断してろ!その隙に
こっちはヤロウの裏をかくっ!
「結界と魔法陣、更に詠唱の解析を続けつつ
俺は赤龍帝に接触する」
そう、あらゆるモノを倍加させる可能性が有る
アレならば、ヤロウが想定した以上の威力を
出すことが出来るかもしれねぇ。
さらに学園に入ることでシロネ・オセと接触
することも出来るようになるっ!
こう自然な形で情報交換が出来れば、ヤロウを警戒
させることも無いだろうしな。
ヤロウが言うように結局は自業自得なんだろう。
俺たちの管理不十分が原因で大量の悪意やら
何やらを産み出し、ヤツを現界させちまったんだろう。
だがそんなの関係ねぇんだよ!
どんな手を使ってでも、俺はヤロウを殺すっ!
それが今の俺にある唯一の渇望だッッ!
英雄様。とりあえず前を向こうとしたもよう。
尚、相変わらず足元は見ない。
魔王様。サーゼクスも普通に情愛()の家の
悪魔ですからねぇ。部下と妹なら妹を取るし、
いつまでも死んだヤツに本心から拘るような
未熟者でも有りません。
そしてファルビー悩む。ってお話。
頑張れアザゼル!負けるなアザゼルッ!