前半アザゼル視点
後半久しぶり登場会長メガネ視点
オリ設定!
オリ展開!
嫌いな人は読み飛ばし!
49話
ーーアザゼル視点ーー
「ど、どうでしょうか」
そう言って、不安を隠そうともしないで
俺が見てるものと同じ資料を片手に、
俺に意見を求めてくる無能。
いや、まったくもって何を考えてるのか
さっぱりわからねぇよ。
コレが死を覚悟したコカビエルですら関わる
ことを躊躇した無能か。
訓練云々の前に今までの駒王町の管理方法や
その記録、自分や眷属の訓練内容を確認する
ことにしたんだが丸っきり遊びじゃねぇか。
「どうもこうも・・・ツッコミどころしかねぇな」
今までツッコミを入れる奴が居なかった
ってのもあるんだろうが、それだって
コイツが実家からの補佐役の派遣を拒否して
たんだから、コレはまるっきり自業自得。
実家の連中が不安だからって理由で前任者の
オセにフォローを依頼するのも当然だ。
まぁそれ以前に、そんな要望を飲むコイツの
両親の頭の中も問題だがな。
「そうですか・・・」
そう言って落ち込むリアス・グレモリー。
態々姫島朱乃や赤龍帝を連れずに一人で
来たのはダメ出しされてるところを眷属に
見せたくないからか?
「だらしなさを隠すのは100年早えぇ」と
言いたいところだが、まずは一歩一歩だ。
「まず真っ先に是正すべきは女王、姫島朱乃の手抜きだ」
「そ、それはっ!」
何か驚いてるが、コレはツッコまないと
ダメだろう。
「当然バラキエルのことを踏まえた上で
言ってる。過去の事情もあるが、だからと
言って戦場でこんなことをしてたら、本人
だけじゃなく主や仲間も殺すことになるぞ」
そりゃサーゼクスもどさくさに紛れて
殺そうとするさ。
「仲間・・・」
そう言われて考えこむが、どうせコイツの
頭の中には赤龍帝しかいねぇんだろう。
完全に色狂いの思考だよ。
「前回の魔法使いに関しては連中が対策
(神野の蟲)してきたのを見てたからと
言う言い訳も効くがよ。コカビエルの時の
ケルベロスのときは間違いなく命が掛かった
場面だ。
それなのに個人の感情で手を抜いて、雷光
じゃなく雷しか使わないなんてのは、自殺
行為を越えて裏切り行為だぞ?」
甘やかしてんじゃねぇ。
「た、確かにそうですけど・・・」
自信がねぇって?
まぁ今まで望むものは全部手に入って、苦労
と言う苦労を経験してねぇコイツじゃあな。
コイツの言葉は軽すぎるんだよ。
そんなんじゃ、その顔と体で男を魅了
したり、金と権力を使った仲良しこよし
の友情ごっこは出来ても、戦場で背中を
預けることが出来る戦友は絶対にできねぇよ。
「部下の悩みを解決すんのも主君の務めだ。
ソレを放棄しておきながら女王だの王だの
ほざくんじゃねぇよ。しっかり話し合え。
その上で説得出来ねぇなら眷属を辞めさせろ」
「・・・」
俺の言葉に対し、無能は俯いて肯定も否定もしない。
「いいか?権利ってのは義務の後に来るんだ。
お前さんの女王と言う立場で得られる権利を
姫島朱乃は享受しているんだ。
ならばアイツにはお前さんの為に全力を出す
義務がある。今後絶対に命懸けの戦場で手抜き
なんかさせんな。
それに話もしねぇで尻込みしてんじゃねぇよ」
「・・・」
無能は無言のままだ。言ってることは
分かってるがやりたくないってとこか?
まぁコイツがどうしようと、俺には関係ねぇ。
鍛えろって頼まれたから第1段階として
現状を指摘してるだけだしよ。
それにコイツみてぇに、甘やかされて育って
きたガキにはあえて強い口調でハッキリ物事
を言わねぇと、自分に都合の言いように解釈
してしまうからな。
解釈の余地が無いようにしっかりと
現実を見せる必要がある。
「でもって吸血鬼。コレはまぁ今までが
アレだったが、今はしっかり血を飲んでるし
制御も上手く行ってる。コレはこのまま
でもいずれは禁手に至るだろうよ」
そもそもの素養が良いからな。
「普通に正面から戦闘仕掛けて、相手の動きを
止めるもよし。物陰に隠れても良し。
性格を考えれば正面切っての戦闘には向かねぇ
だろうが、元々いくらでも応用が利く神器だ。
うまく使って見せろ」
つまりコイツを活かすも殺すも指揮官次第。
まぁ・・・今はまだそれほど使えねぇがな。
「・・・分かりました」
姫島の話が流れたから安心したのか、今度は
きちんと返事を返す無能。
「もう一人の僧侶アーシア・アルジェント。
コイツに関しては回復役としては文句がねぇ」
例の馬鹿だな。聖女狙いの悪魔ってのが
どうなったかは知らんが、それは俺には
無関係だから、はっきり言ってどうでもいい。
コイツ個人としては完全な指示待ち人間では
あるが、指揮官として見ればこれほど使い
やすい駒もないだろう。
「回復役としては、と言いますが・・・
他に何か問題があるんですか?」
不機嫌そうになった?あぁ、元聖女も
コイツのお気に入りだもんな。
そんなの知ったことか。
「自衛手段がねぇ。現状常に誰かを貼り
付けることになるが、どう考えても人員が
足りねぇからな。
新しい眷属かコイツ用の使い魔でも
見つけてきたらどうだ?」
騎士と戦車の駒が余ってるんだろ?
そう指摘するとますます不機嫌そうな
顔になった。
鍛錬以外のことに口を出すなってか?
ハイハイ好きにしてくれよ。
「人狼に関しては特に言うことはねぇ。
魔力もあるし、今まで通り鍛えれば
お前さんの眷属としては十分以上の存在だ」
種族の特性と戦車の駒による強化のおかげか
既に中級の上くらいの実力はあるしな。
何より常識がある。コイツこそ大事にすべき眷属だ。
「そうですか、では次ですね」
おいおい、何か突っ込んできたらコイツの
価値を説明してやろうと思ったら俺の含み
をあっさり流しやがった。
コイツに関しては特に思い入れもないから
さっさと本命に行けって?わかりやすい小娘だ。
「赤龍帝に関してはリングを使った
擬似的な禁手の稼働時間の延長や、禁手
状態に慣れることから始める必要がある」
元が雑魚だから鍛えるってのはわからん
でもないが、そもそも悪魔が鍛えるべきは
肉体じゃなく魂だ。
ソレを理解してねぇから中途半端な
鍛錬になるんだよ。
「禁手に慣れる・・・ですか」
無能はそう言って今までとは格別の真剣さを見せる。
まぁ分不相応な神滅具だから真剣になる
のは良いんだけどよ。
結局は色ボケだってのがなぁ。
・・・・・・
それから各自の簡単な鍛錬メニューを渡すと
ともに、冥界行きの準備を急ぐように言って
無能を下がらせた俺は、シトリー家の連中から
受け取った駒王町の現状に関する資料を見る。
その内容は無能が用意した資料とは内容や
纏め方まで全然違う。正しく雲泥の差だ。
つーか、シトリー家の用意した最上級悪魔
を管理してるのはシロネ・オセかよ。
どーりで日中の警戒網に隙も無駄もねぇし、
人員に油断とか弛緩した空気がねぇわけだ。
そんなん有ったら殺されるもんな。
そりゃ三下が日中に隠れて悪さ出来る隙なんかねぇよ。
会談の時は担当として無能が入ったから
手を引いたんだろうが、ソレが無ければ
あんなことは起きなかっただろうに。
・・・やり切れなさが俺の胸をよぎるが、
過去のことは過去のこと割り切らないと
駄目だと自分を叱咤して、資料に書かれた
事実に対する意図を読む。
まぁ普通に考えれば、今まで関わって
来なかったシトリー家の連中よりも
前任者だったヤツらの方が町には詳しいし、実力差もある。
オセ家はオセ家でシロネ・オセの指揮官
としての訓練って意味もあるんだろうな。
学園にいるのも、本人じゃなく身代わりで、
本人はおそらく拠点で鍛錬しつつ仕事を
こなしてるんだろう。
その身代わりからは「勢力として休戦は
しても馴れ合うつもりはない」としっかり
釘を刺されてる。
まぁ勢力として完全に一丸になったわけ
じゃねぇし、無条件に俺たちを信頼せず
警戒するのは当然だ。
とは言えここまで接点が無いのはなぁ。
でもってセラフォルーの妹だ。これも
身代わりを登校させて、自分たちは冥界に
避難してるって話だったが、無能も眷属
連中も何も知らなかったんだよなぁ。
ま、情報の漏洩を嫌ったんだろうさ。
セラフォルーの許可もあるみたいだし、
実家としても危険なところに次期当主が
いるのは困るだろう。
だけどよぉ・・・同級生が身代わりかどうか
にすら気付かねぇってどうなんだよ?
まぁ身代わり連中も最上級悪魔だし、今の
アイツ等じゃ気付けねぇのもしょうがねぇ
かもしれねぇが・・・いくらなんでもなぁ。
はぁ。情報を知れば知るほど
リアス・グレモリーの評価が落ちる。
ただの貴族のお嬢さんならそれでも良い。
いや、当主の決めた結婚に反対して、ゲームで
負けたら結婚するって契約を交わしておいて
堂々とソレを破棄した挙句、式に参列した
貴族たちにも何もせず、謝罪やらなにやらを
全部実家に押し付けて自分は地上でお気に入り
の眷属と一緒に管理者ごっこしてる時点で、
貴族云々以前にコレはもう外に出しちゃダメだろ。
裸の王様どころの話じゃねぇよ。
「はぁ」
・・・溜め息が止まらない。
胃痛はともかく頭痛までしてきそうだぜ。
コレは近いうちにオセ家が作ってると
言う薬を買う必要があるか?
胃は強制的に治るらしいが、頭痛は
どうなんだろうなぁ~。
ってか俺に売ってくれるかなぁ。
それともセラフォルーの妹が学園に来る
ようになれば少しは楽になるのだろうか。
現実逃避気味に外を見る。
そこには眷属とじゃれ合いながら下校する
無能の姿があった。
ーーーーーーーーーーーーーーー
ーーソーナ視点ーー
ここは日本地獄。本来なら日本で死んだ死者
が、お迎え課の方々に連れてこられて初めて
来ることになるはずの場所。
・・・そのはずなんだけど、なぜか私たちは
生きたままで来訪し、ここ一ヶ月お世話になってる場所でもある。
そう、シロネ様に連れられココに来て、
修行と言う名の虐待を受け続けて早一ヶ月が経とうとしていた。
いえ、実際一ヶ月かどうか知らないけど・・・
寝る前に書いてた正の字もいつの間にか更新
出来なくなるくらいに殺られて、気がついたら
たたき起こされて鍛錬を積まされる日々。
いえ、こういう言い方はシツレイよね。
向こうの方々だって暇じゃないのにこうして
私たちを鍛えてくれたし、実際に私たちは
学校に通ってる時に比べて比較にならない
くらいに強くなったわ。
でもそれと同時に色んなものを亡くした
のは事実よね・・・尊厳とか。
それはそうと、元々上級悪魔で指揮官の私や
神器を持つ椿姫。それに匙は特別扱いを
されて個別に鍛えてもらってたから、今まで
お互いがどんなトレーニングをしてたかって
言うのは知らないのよね。
それで今日。ようやく皆も基礎訓練を卒業し、
眷属全員で纏まって訓練するってことになり、
他の眷属の子と合流できるって話だったから
彼女らが訓練を受けてたところに来たんだけど・・・
そこには強面の犬、いや、夜叉一さんと
彼を目の前にして厳しい顔をしたまま
直立不動の体勢を取る私の眷属が居た。
久しぶりに見る皆を見て、無事だったのね!
とか、大丈夫だった?とか酷いことは・・・
当然されたわよね?って言ったりしようと
したんだけど、どうもそんな雰囲気ではない。
これからナニカするのだろうか?と困惑
して見守っていたら、今まで目を閉じでいた
夜叉一さんが「オベリスクの巨神兵!!」
と言わんばかりの大声を上げた。
ーー
『本日をもって貴様らはウジ虫を卒業する!』
う、ウジ虫って。
「「「「サー!イエッサー!」」」」
だ、誰も否定しないのね。
『本日から貴様らは眷属悪魔である!
兄弟の絆に結ばれる。貴様らのくたばるその日まで。
どこにいようと眷属悪魔は貴様らの兄弟だ!』
いや、まぁ、そう・・・なのかな?
「「「「サー!イエッサーッ!!」」」」
返事はソレで決まりなの?
『多くは冥界へ向かう。ある者は二度と戻らない』
まぁ、学校卒業したら冥界が主な職場だしね。
「「「「・・・」」」」
あ、ここは返事しないんだ?
『だが肝に銘じておけ。
眷属悪魔は死ぬ。死ぬために存在する!』
いや、どんなだけブラックなの?!
「「「「サー!イエッサー!!」」」」
否定してよ!
『だが眷属悪魔は永遠である。
つまり―――貴様らも永遠である!』
なんか良いこと言ってるけど、私が殺すこと
前提よね?ブラック前提よね?!
「「「「サー!イエッサー!!」」」」
ーー
一連の流れが終わり、スゴク・イイ顔してる
夜叉一さんやみんなに突っ込み入れるのは
どうかと思うけど、流石にひどくない?!
「ソーナ、諦めましょう」
そう言って私の肩に手を置いてくる椿姫。
久しぶりにあう彼女は明らかに疲れきってるけど目は死んでない。
むしろギラついていると言っても良いわね。
「ですね。戦いは数です。そしてより効率的に
戦うために必要なのは勝手気ままに動く
ウジムシではなく、訓練された兵士です」
匙・・・貴方まで精悍な顔つきになって。
コレが教育。コレが訓練。
【レーティングゲームの学校を作るということは、ソレに参加する兵士を作るということだ】
という現実を嫌というほど見せ付けられる。
『おう。来たか嬢ちゃん』
内心凹んでる私を見つけ声をかけてくる
夜叉一さん。
ココのヒトたちは私のことを名前ではなく
嬢ちゃんと呼び続ける。
正直最初は面白くはなかったけど、今じゃ
納得してるわ。
最近自覚したばかりだけど、彼らから
見ても私はただの大貴族の我侭お嬢さんにすぎないもの。
個人で何を成した訳でもなければ、ソレだけの知恵も力もない。
そりゃ嬢ちゃんよね。
だからこそこうして遠慮も情けも
容赦もなく鍛えてくれるんだろうけど・・・
『とりあえず基礎の基礎は終わった。
あとはこれから一ヶ月嬢ちゃん達を
加えた連携訓練をして基礎は終了だな』
え?アレ??自虐してて私の耳がおかしくなったかしら?
「あの、夜叉一さん?もう一ヶ月って聞こえたんですけど?」
もともと一ヶ月の訓練ですよね?!
そう思って確認するも、現実はやはり無常である。
『あぁ、もともと新入り教育用の8週間
カリキュラムだからな。
本来ならもっとじっくりしっかり鍛える
のが普通なんだが、なんかお前らも事情が
あるんだろ?』
事情っていうか学業と言いますか、シロネ様
からは趣味の学校より鍛えるのを優先しろって言われたし
私もその通りではあると思うんですけど、
やっぱり気になると言いますか何と言うか。
それに向こうがどうなったか知りたいのも
あるし、匙とかも家族の面倒は家のヒトたち
にさせてるけどやっぱり気にはなるだろうし。
夏休み中に若手の会合があるからソレに
参加しなきゃいけないのは確かでもあります。
『お前らみたいなのをこんな短時間で
一人前にしてくれとはな。まったく、シロネも無茶言いやがるぜ』
ヘヘッって言いながら言ってますけど
まんざらでも無さそうですよね?!
それに別にこんな短期間でいろんな意味で
地獄を見せなくても良いから、じっくり
鍛えるコースをお願いしたいですっ!
まぁそんなこと言ったらシロネ様に「甘えるな」
とか言われて、またココに叩き込まれるだろう
から言いませんけど!
「で、でも、そもそも訓練は一ヶ月って言われたんですけど?」
だからと言って無抵抗はありえないわ!
楽をしたいんじゃないの!これ以上
無闇矢鱈と死にたくないの!
必死にそう言い募る私を見て「何言ってんだコイツ?」みたいな顔をする夜叉一さん。
『そりゃ元々シロネが言ってた準一等、つまり
お前らで言う上級悪魔くらいなら今で十分だ。
だけど向こうの奥さんからは一等の最上級悪魔
くらいの力を身に付けさせるように言われて、
料金もしっかり貰っちまってるからなぁ』
いやぁカミさんや子供も大喜びだったぜ
とか言って笑ってるけど・・・そうですか
代金は支払い済みですか。
って言うかコッチは笑えないですよ!
って言うか最上級悪魔?!私たちそんなの目指してたんですか?!
『魔力だけならもうその段階だが、ソレ
を扱う技術が伴ってねぇからな。
今のお前らは、はっきり言って雑魚だ』
雑魚・・・で、でも私だけじゃなく、皆も
魔力だけとはいえ最上級悪魔に匹敵する
ところまで来てたの?!
『そもそもお前らの同期の自称弟子だって
3等の初級魔王講座を受けて鍛錬してんだぞ?』
自称弟子・・・あぁゼファードルね。
ファルビウム様の実家と言うことで少しは
情報もあったけど、凶児とまで言われてた
問題児の噂が最近めっきり聞かなくなった
と思ったら、オセ様の下で修行してたなんてね。
そりゃ問題なんか起こせないわよ。
『まぁなんだかんだでアイツは5年くらい
訓練してっからアレだけどよ、嬢ちゃんは
アイツと比べられるんだろ?』
「・・・そうですね」
彼はグラシャラボラス家の次期当主では無い
けど、同世代の若手として会合に参加するはず。
そうなれば私たちは同期として彼と比べ
られることになるわよね。
『ソレを考えたら現時点で最低限1等
くらいは無いと色々まずいんじゃねぇか?
って向こうは考えたんだと思うぞ?』
そう言われてしまえば、その通りとしか
言えないわよね。
個の力より指揮官としての力が重要!とか
嘯いても、それは両立出来ないモノじゃない。
個の力が無い指揮官なんか何の役にも
立たないのが現実よ。
『元々嬢ちゃん達より早く来てて、日々
基礎鍛錬を行ってる焼き鳥の嬢ちゃんなら
まだしも、基礎の基礎すら出来てねぇ雑魚
を一人前にするんだぞ?
そりゃいくら俺だって8週間かかるってもんだ』
焼き鳥の嬢ちゃん・・・あぁフェニックス家
のレイヴェル・フェニックスさん。
この前偶然芥子サンのところで会ったけど、
彼女も随分鍛えられてたわよね。
オセ様の奥様の付き人みたいだけど、最低限の
力が無いと自衛も出来ないし、何かあった際
余波で死ぬからって理由で鍛えられてるとか?
完全に同世代のゼファードルや、少しだけ
年下だけど、世代的には同世代と言っても良い
レイヴェルさんの実力を考えれば、確かに
上級じゃ足りないのはわかる。
更に若手最強と言われるサイラオーグも居る。
それなら私たちがココで泣き事を言うわけには
行かないわよね!
『お、ようやく自分に折り合いつけたみてぇだな』
顔を上げた私を見て、楽しそうに笑う夜叉一さん。
なんだかんだでちゃんと待ってくれるあたり
面倒見の良いヒトなのよね。
「えぇ覚悟も決めました。まずはその一等。
最上級悪魔にふさわしい実力を身に付けます!」
ゼファードルの3等には及ばないけど、
千里の道も一歩から!階段だって一段ずつ
登ってれば、いずれは次の階に到達出来るわ!
『その意気だ!行くぞお前らァ!』
覚悟を決めた私を見て満足気に頷いてから、
夜叉一さんは私の後ろに声をかける。
・・・後ろ?お前ら?
「「「「「サー・イエッサー!!」」」」」
椿姫・・・匙。アナタ方も教育済みだったのね
『嬢ちゃんは指揮官だから今までは完全に
別だったが、これからは一緒に訓練する。
部下の限界点を理解してねぇ指揮官はダメ
だし、部下と連携出来ねぇ指揮官はもっとダメだ』
直立不動の眷属を当然のように放置して
私に今後の方針を教えてくれるけど・・・
何ていうか、皆の目力が凄い!
コレは「休め」とか言えってこと?
でも今は説明を受けてる最中だし。
「そ、その通りですね!」
そもそも正論過ぎてそれしか言えないわ!
私はね、直立不動でこっちを見る皆より、
目の前の夜叉一さんの方が怖いのよ!
『現状はギリギリ1等ってとこだからな。
これから基礎を鍛えて全員1等の真ん中
ぐらいに上げて、連携次第で2等や3等
と戦える程度までは鍛えてやるから安心しなぁ!』
気合の入った夜叉一さんと、彼を見て、
微塵も体勢を変えないままに目から
光だけを消して絶望を私に伝える皆。
・・・みんな器用ねぇ。
いや、現実逃避して感心してる場合じゃない。
私を含めて、皆はこれから絶対にこれまで
以上の地獄を見るんだろうけど、コレを
避けてしまえば私たちに今後はないのよ!
「ハイッ!よろしくお願いします!」
正直今のゼファードルがどれだけ強いのか
は知らないけど、この訓練を終えれば
まったく戦えないなんて事はないってことよね!
私としては、今更レーティングゲームだの
その学校だのに固執して、ゲームの運営として色々
しながらゲームに夢を見る悪魔の出世の機会を
好きなように操り、政治の実権を握った気に
なってる老害共を喜ばせる気はないけどね。
もし「ゲームにまったく参加しない」なんて
言えば、自分達の手を離れようとする私に
対して老害どもがどう動くかわからないから、
付き合い程度にはゲームをしないといけないわ。
だけど、付き合いだからって無様に
負けて良いってわけじゃない。
私はシトリー家の次期当主として、恥をかくわけにはいかないの。
もう私個人の問題じゃ済まないんだから。
だからこそ私は強くなる!
シトリー家次期当主として領民全部を抱えるわ!
シトリー家は私の家!シトリー領に生きる者はみな、我が親我が子我が兄弟!私は皆を背負って冥界に向き合うのよ!
現実を知って茫然自失する堕天使総督。
趣味に走る時間なんか無いぞ?
とりあえず現実をしっかり突きつけるもよう
眼鏡会長。眷属共々訓練中。ってお話
夏休みも継続して鍛えてもらえるよ!やったね☆
くそ、ウン・エイ=サンが怖くてあんまり書けねぇ!